オルケスタ・デ・ラ・タンゴ

<風組>
vol.01

ライナーノート


オルケスタ・デ・ラ・タンゴ事務所がまとめたライナーノートです。本当はCDに添付しようかと思いましたが、なんだか言い訳じみているのでやめました。WEBを見てくれて、読みたい方にだけ言い訳しちゃいます。できれば、CDを先に聴いて、それから読んでいただけるとうれしいです。


1.たんごちゃん登場(オープニングテーマ)
作曲/丹後雅彦

前回CDで送ったもの(β盤)より短くしています。曲自体にはなんの意味もメッセージも思想もありません。実はこの曲に盛大な拍手をエフェクトし、さながらコンサートの始まりのようにしようとも思いました。当然、最後の「歌って笑ってたんごちゃん」も拍手で締めくくり、その後、アンコールでもう一曲(代表どどんぱを想定)という構成です。ちょうどビートルズの「サージャント・ペパー」みたいな感じですね。だけどまあ、それもやり過ぎだろうと思い、やめました。トライアルで、ちょっとつくってみようかとも思ってますけど。


2.雄大のゆめ
作詞・作曲/丹後雅彦(初出 ぺんぺん草 1980.6)

童研セカンドアルバムで華々しくエンディングを飾ったつもりでありましたが、どうにも納得がいかなくて。丹後のボーカルも当然ですが、アレンジ的にも後でいろいろと後悔することが出てきたので、本当はこうしたかったんだという思いでアレンジしなおしました。なんというか、派手で自意識過剰なつくりになっていますけど、ご容赦を。自分としては、かなり上位にくる好きな曲なのです。アレンジそのものはβ盤と変わっていません。いさわしにメールで指摘されましたが、やはりギターはDTMでは無理があります。プロでもギターだけはオーバーダビングしてるそうなので、素人DTMではしょうがないですね。DTMを始めてから極めて初期の段階につくったものなので、音の重なりなど、うまくでていないところがありますが、見逃してください。このエンディングのメロディーは、自分でも大好きです。井沢くん、今度ボーカル入れてね。


3.秋のりす
作詞/宮中雲子 作曲/伊達重明(初出 ぺんぺん草 1979.1)

*初回プレス分で、作詞者の名前を思いきり間違えてました。大変失礼しました。
なぜかは知らないけれど、不器用な手つきでギターを抱えてこの曲を歌っていた伊達くんの姿が印象に残っています。譜面を見つけた時、その姿がありありとよみがえってきました。コード進行は典型的なラグタイム。そこでディキシー(もどき)に仕上げてみましたが、どうでしょう。それなりに楽しい感じにできたは思っています。こういうホンキートンクピアノは、個人的には大好きであります。


4.去りゆく人へ
作詞/矢野安子 作曲/宮原邦夫(初出 ぺんぺん草 1980.6)

改めてこの曲を聞き直して、とんでもなくきれいなメロディーであることにびっくり。まさに埋もれていた名曲という感じです。パンダよりこっちの方が、宮原くんの代表作じゃないかな。アレンジは、シンプルにしてみました。してみましたはいいんだけど、不思議なことに、どうやってもこれ以上、手を入れづらいんですね。きっとメロディー自体に魅力があるから、余計な装飾は不要ということなのでしょう。でも、このテンポ、なかなかいいと思いません? 矢野ちゃんの歌詞、ちょっと不思議な世界をつくりだしています。


5.ソーダ水
作詞/武田嘉代子 作曲/井沢正(初出 ぺんぺん草 1981.6)

この曲、丹後の卒業後のものだったので、まったく知りませんでした。ホームページでいさわしよりリクエストあったため、だてぽんに譜面を手配してもらい、原曲を一度も耳にしないまま、アレンジしてみました。だからこういうイメージでいいのか、ちょっと不安。どうでしょう。嘉代ちゃんの歌詞を読んで、夏の午後の喫茶店の、気だるい感じを出してみました。メロディーのシンセサイザーは、氷の感じの音色にしています。なんとなく昼寝したい気分になってもらえたら、成功。オリジナルを尊重しながら、間奏ではけっこうひんぱんに転調しています。これも夢うつつ気分を出すためです。


6.風花の咲く日に
作詞/田原祐子 作曲/大美賀盛二(初出 ぺんぺん草1980.4)

この曲もきれいなメロディーです。なんとなく覚えていて、ぺんぺん草をひっくり返して、見つけました。これもまた、メロディーを尊重したシンプルなアレンジにしています。イメージはポール・サイモンの「水曜の朝、午前3時」という曲。メロディーがちょっと似ているもので。譜面に一部不正確な部分があったので、勝手に解釈したところがあります。祐子の詞、きれいで、せつないですね。子供たちのはしゃぐ声を聞きながら逃げていく思い出たちを追いかける、胸のせつなさが表れています。この詞とメロディーが、実にうまくマッチしていると思います。


7.ELDORADO
作詞/田原祐子 作曲/井沢正(初出 ぺんぺん草 1980.6)

「エルドラド」は、井沢くんと伊達くんと高橋くんの競作となりました。このうち、井沢くんと伊達くんの作品をアレンジしてみました。特に井沢くんの作品は、ホームページで伊達くんからリクエストのあったものです。伊達くんは、フォルクローレで、という要望でしたが、DTMでは生楽器を活かしたアレンジというのは、どうしようもなく苦しいので、お応えできず、こんなふうにしてみました。リズムは、ソフトなレゲエです。これに特徴的なメロディーを乗せるため、音色を工夫してみました。アンデスのケーナのように聴こえるかもしれませんが、シンセサイザーやオカリナ、アコーディオンなどを重ねたものです。ベースのリズムとの整合性がちょっとうまくできていないかもしれないけれど、全体的な雰囲気は出せたかなと思っています。


8.サンバ24〜あこがれのエルドラド
作曲/伊達重明、丹後雅彦
作詞/田原祐子 作曲/伊達重明(初出 ぺんぺん草 1980.6)

サンバ24はβ盤からの流用。DTMの極めて初期のもので、アレンジはいんちきサンバです。それに伊達バージョンのエルドラドをメドレーにしてみました。エルドラドの方は、なるべくシンプルにしています。ドラムも加えてみました。丹後の安い音源では、パーカッションチームがどうしてもパワー不足。まったくこの道は、誘惑が多くて困ります。伊達くんのメロディーは、おしゃれですね。当時童研ではやっていた高中メロディーのエッセンスをうまく活かしていると思います。あの頃はこういう曲をギター一本で発表していたものでした。


9.おやすみなさいぼうや
作詞/藤本理恵 作曲/伊達重明(初出 ぺんぺん草 1978.7)

確か伊達くんのデビュー曲だったのでは。初めて聴いた時、それまでの童研になかった曲調だと驚いた記憶があります。シンプルだけど、きれいなメロディー。詞の感じがうまく活かされています。アレンジは、実はけっこう苦労しました。当初は、ピアノとサックスをフューチャーした典型的なブルースにするつもりだったのです。しかし、DTMではやっぱり非常に無理があって。それでシンセサイザーと生楽器の混合チームにしてみました。例えば二番のメロディーはハーモニカなのですが、生のハーモニカなら、もっとブルースできるはずなのに、オルケスタ・デ・ラ・タンゴの今の実力はこれが精いっぱいです。それでも全体として感じは出せたかなと思いますが。自分ではけっこう気に入っているアレンジです。ベース、もっとシンコペーションさせようかと思いましたが、やりすぎてもと、これにとどめました。


10.私のお花畑
作詞/佐々木典子 作曲/井沢正(初出 ぺんぺん草 1980.6)

これは原曲とは、もしかしたらだいぶイメージが変わったかもしれません。花が咲き乱れるにぎやかな感じにしました。いさわし、気に入ってくれるかな。実は3番の「スイートピーにチューリップ」という部分をすっかり忘れていて、CDにする直前にあわててアレンジを追加したのでした。なんて余計なことを書くと、そういうふうに聴かれてしまうから、やめた方がいいのかな。のんちゃんの詞、童研っぽくてかわいらしいですね。


11.走れ! ぼくらの路面電車
作詞/田原祐子 作曲/井沢正(初出 ぺんぺん草 1980.4)

この曲も丹後の中では「もう一度聴いてみたい曲ランキング」の上位にありました。それでぺんぺん草ひっくり返して、見つけたわけです。一番と二番は、小技をきかせつつ、シンプルに仕上げました。そのうえで三番は曲調を変え、思い入れを込めています。自分ではかなり気に入っていますが、どうでしょうか。エンディングは口笛のつもりです。音色がなかったので、ピッコロにしていますが、聴く時は口笛をイメージしてもらうとうれしいな。この歌、曲ももちろんだけど、歌詞がすごくいいことに気づいて、改めてびっくり。いつまでも走れ、どこまでも走れっていうフレーズが、なんとなく童研メンバーへの応援メッセージのように聞こえてくるのです。祐子っていい詞を書いてたんですねえ。


12.時計台のうた
作詞/丹後雅彦 作曲/伊達重明(初出 ぺんぺん草 1979.1)

ピアノ譜面が苦手な丹後としては、最初、シンセバージョンで逃げようかと思いました。それでも四苦八苦しながら、ピアノに挑戦し、こんなふうに仕上げてみましたが、どうでしょう。メロディー自体がとてもきれいなのにも助けられて、自分でもかなり納得のできになっていると思うけど、だてぽん、どうかな。あまり過剰な思い入れアレンジにするとかえっていやらしくなるので、間奏やエンディングはあえてシンプルにしています。その上で、メロディーを活かすようなアレンジを心がけました。聴いてて気持ちよくなれるとは思うけれど。こういうアレンジの場合、あとでいくらでも手を入れることができて、際限がなくなってしまうもの。だからどこで止めるかという判断が、意外に難しいのです。


13.僕の海
作詞/荻山園子 作曲/鎌田慶昭(初出 ぺんぺん草 1978.9)

今回の隠れた名曲発掘活動は、この歌がきっかけでした。本当に名曲です、これは。園ちゃんの詞も、鎌田くんのメロディーも、素晴らしい。だからアレンジしていて楽しかったですよ。メロディーはだてぽんから「キャンディーズのように」というリクエストがあったので、きっちりハモらせています。アレンジは風を感じるようにしたつもりです。「もっと速くこごよう」のところのストリングスの駆け上がりと下降は、自転車で坂道を下りながらカーブを曲がった感じを出しています。間奏のブラスとストリングスのかけあいは、前の男の子と後ろに座った女の子の会話です。そして、エンディングにちらっと出てくるストリングスは、二人の眼に海が見えてきたことを表現したつもりです。そんなこんなで、いろいろと工夫し、楽しんでみました。だから当初は効果音で波の音も入れていたのですが、結局やめました。そんな効果音がなくても、イメージは表現できたと思っているからであります。イントロのフレーズはちょっと自信がありまして、女の子と海を見に行こうというどきどきした感じを出しました。これはエンディングでも使っていますが、転調で気分を高めています。などと、くどくど書くのはやめて、純粋に聴いて感じてもらうのが一番でしょう。自信作です。


14.忘れかけた子守唄
作詞・作曲/丹後雅彦(初出 ぺんぺん草 1978.7)

DTMで一番最初に手がけたのがこの曲。その後、全面的にやり直しました。β番で送ったのと同じものです。シンセサイザーを全面的にフューチャーし、ストリングス、ブラスをからませてみました。自分で言うのもなんだけど、きれいなメロディーをちゃんと活かすことができたと思います。だてぽんが思いきりほめてくれたのが、とってもうれしい。もしこれにドラムをからませるとしたら、だてぽんなら、どうする?


15.タメドレ〜丹後メロディー中心の童研メドレー

こういう遊びができるのが、DTMの一番の魅力でしょうね。ふと思い立って始めたらどんどん深みにはまってしまいました。これも、後でいくらでも手を入れることができるので、どんどんふくらませられるのです。でもキリがないので、ほどほどでやめておきました。でもβ番とはちょっとだけ変えてあるけど。これだけ長いと、つくる方も大変だったけど、聴く方もそれなりに覚悟がいりますね。本人でさえ、うんざりすることがあるのだから。

  僕たちの出発(たびだち)(作詞/藤田利典・作曲/宮内秀之)
  メルヘン・メルヘン(作詞/武田嘉代子・作曲/丹後雅彦)
  メリーゴーランド(作詞/中山順子・作曲/丹後雅彦)

このメドレーはこういうノリでいきますよ、覚悟してね、という指針表明のパートです。「出発」から「メルヘン」へのつなぎは、だまされた人が多いのでは。

  ふぁんたじあ(作詞/若尾さや子・作曲/伊達重明)
  妖精たちのタイムダンス(作詞/武田 嘉代子・作曲/丹後)

メドレーによくあるバトル(かけあい)をやってみました。メロディーよりも、伴奏の方がバトルになっています。「ふぁんたじあ」がきちんと全部入らなかったので、伊達くんには申し訳なかった。

  お星さまたべたいなら(作詞/若尾さや子・作曲/井沢正)
  いちご姫(作詞/若尾さや子・作曲/伊豆原哲彦)
  もぐらの電車(作詞/関谷麻里・作曲/中山陽司)
  輪になって(作詞・作曲/田村雅久)
  おほしさま(作詞/塩井恵子・作曲/田上正典)
  わたしの神様(作詞・作曲/丹後雅彦)

ここは、童研バンドふうのアレンジにしています。だから比較的シンプル。「星たべ」は強引に四拍子にしちゃったけどね。基本的にこのメドレーではアルバムになった曲から選ぶことにしていましたが、「神様」だけは例外。気分でやってたら、自然と入ってしまいました。たぶん歌詞で「おほしさま」からの連想につながったのでしょう。

  かぞえうた(作詞/高橋誠子・作曲/伊豆原哲彦)
  あじさい(作詞/鈴木洋子・作曲/伊達重明)
  あかねぐも(作詞・作曲/井沢正)
  かざぐるま(作詞・作曲/丹後雅彦)
  雪うさぎ(作詞/田原明子・作曲/伊達重明)

ここは一番のお遊びパート。フォークソング系統のメロディーばかりつなげています。うまくつながるものだなあと自分でも感心。特に「雪うさぎ」がしっかり締めてくれました。

  タイムマシーンにのって(作詞/岐部友信・作曲/中山陽司)
  地下鉄のいちばん前にのると(作詞・作曲/井沢正)
  ぼくのお・か・あ・さ・ん(作詞/田中智子・作曲/伊達重明)
  春の色(作詞/岐部友信、中山陽司、加藤光久、丹後雅彦、山口晋・作曲/丹後雅彦)

童研・元気な歌特集。本人としては、「地下鉄」の入りのシンバルが実は気に入ってます。「おかあさん」をベースにしたのは、言うまでもなく、えーじくんが歌っているからなのです。

  パパの子守唄(作詞・作曲/丹後雅彦)
  おふろあがりの表参道(作詞・作曲/井沢正)
  夢のつづき(作詞・作曲/豊田英里子)
  秋の気配(作詞/若尾さや子・作曲/伊豆原哲彦)

間奏をはさんで、ここはガラッと変えて、メロディーのきれいな曲ばかり集めました。じっくり聴かせたいと思ったパートです。「表参道」きれいな曲ですね。

  メリークリスマス(作詞/田原 明子・作曲/丹後雅彦)
  海の色がかわるとき(作詞/加藤綾・作曲/山口晋)
  むかしむかしのそのむかし(作詞/田中智子・作曲/鎌田慶昭)
  お城の町の靴屋さん(作詞/若尾さや子・作曲/伊達重明)
  ねずみの結婚(作詞・作曲/丹後雅彦)

ここからは一気に最後までなだれこみます。にぎやかで楽しい感じにしました。それで最後は「出発」で締めているわけですが、これは当初からのアイデアです。この「出発」のアレンジは、けっこう気に入ってますけど。エンディングのフレーズは、童研人ならもうこれしかないというものであります。
なるべく多くの曲をメドレーにしたかったのですが、アレンジの都合上、省いたものもあります。中には二時間かけてアレンジしたのに、結局カットしてしまった曲も、実はあるのです。そんなわけで、あの曲はどうした、と思う方もいらっしゃるでしょうが、ご容赦を。


16.歌って笑ってたんごちゃん(エンディングテーマ)
作曲/丹後雅彦

三十分でちょちょいと作った曲です。知り合いのカメラマンに「君のテーマソングとしてプレゼントしよう」と言ったら「いらんわい」と怒られてしまったいわくがあります。ならばということで、オルケスタ・デ・ラ・タンゴのエンディングテーマにしちゃいました。実はこの曲にはちゃんと歌詞があるのです。「歌って笑ってたんごちゃん、歌って笑ってたんごちゃん、歌って笑ってたんごちゃん、歌って笑ってたんごちゃん」と繰り返すだけですけどね。


そんなわけで、ファーストアルバム、お楽しみいただけましたでしょうか。「もっとつくれ」「やめろ」「つくるのは勝手だが送り付けるな」「酒おごれ」などなど、メールでもいただければ幸いです。

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