ライナーノート
皆さんからいただいたリクエストを中心に制作したセカンドアルバム。懐かしい曲も入っています。感想などメールいただけると、すごくうれしいです。引き続き、リクエストもいただければ幸いです。
すんません。つかみですから。すんません。
創作童謡にあと一票で入るとなった時、藤田が「何考えてんだ」と本気で怒ったのを覚えています。まったく何考えてたんでしょうね。
「はえとり紙にかかったはえ」は、筒井康隆の小説の中にあったフレーズです。読んで大笑いしたので、それをもとに書きました。二番三番は付け足しです。曲は、できるだけ変なものにしようと思ったのです。なのにこんな曲に四票も入るとは、童研おそるべし。
アレンジは、何も考えていません。こんな曲、一番だけで十分なのであります。
伊達君、井沢君、丹後の競作となりました。聴き比べると、同じ歌詞なのにコンポーザーによってそれぞれ解釈が違い、まったく違う曲になっているのが、とても興味深い。
最初は伊達君の作品です。伊達君の場合、改めて思うけど、スローテンポのメロディーのきれいな曲が多いですね。これもその一つ。サビのあたりは、伊達君らしいメロディー展開です。競作三曲を聴くとわかるけど、伊達君が理詰めで作曲の理論派、井沢君が本能で作曲の天才肌、丹後が気分で作曲の適当君だということが見えてきます。それにしても伊達君、キーがCの曲が多かったのは、ギターで発表するためだったのかしら。
バスドラムをフィーチャーし、落ち着いた味わいを出してみました。このアルバムで最初に仕上げた作品です。
同年の創作童謡、第一位の曲でした。人気が高く、児童館でもよく演奏していたと記憶しています。作詞の方は直接存じ上げません。作曲の岐部さんは、丹後入学当時に五年生だった、英文科の大先輩。バンジョー弾きでブルーグラスを教えていただきました。
ホームページ上でどなたかがリクエストしてくれたのですが、今でも人気の高い、想い出深い曲ですね。歌いやすく、構成もしっかりしたメロディーもさることながら、詞がとてもよくできています。歌っていると、にこにこしながら自転車でやってくる郵便屋さんの情景が浮かぶもの。郵政省のキャンペーンソングにしてもいいくらいと思います。
アレンジでは、イントロを昔の童研バンドでやってたのを思い出してつくりました。佐野さんがリードギターを弾いていたものです。そんな光景を思いだして聴いてもらえれば幸いです。アクセントとして、シンセタムをちらっと入れています。
井沢君、伊達君、昆野君の競作となりました。このアルバムでは井沢君の作品だけ紹介しています。他の二作もやってみたのですが、すごく難しくて。こちらは今後に回させてください。
これはかすかに記憶に残っていた曲ですが、よくぞこんなに難しい曲を発表したものだ、という感じ。きっと本人以外歌えなかっただろうなあ。転調がすっきりしていて、このあたりはうまいとうならされます。
こちらは完全シンセサイザーバージョンとしました。夢の中のような感じが出ていればいいのだけれど。できれば、これにアコースティックギターの細かいアルペジオをからませればいいのだけれど、ギターはやっぱりDTMの現状では難しいですね。
童研メンバーの誰もが懐かしく思いだす歌です。いさわしがバーチャル部室で「サビのところが歌っててとっても気持ちいい」と書いてたので思いだし、アレンジしました。「黒んぼ」などという言葉は、今ではもう使えないですね。だけどよく詩を読むとわかる通り、曲とのバランスを考えて、じっくり作られた歌だと思います。うまい歌だと思いました。
そうした特徴を活かすため、アレンジは割とシンプルに、原曲のイメージを大切にしています。例によって原曲通りのキーですので、ぜひ夜中に小声でもいいから、歌ってみてください。サビのところ、本当に気持ちいいんだから。
「ピカデリー・イン・ザ・ドリーム」も三者による競作でした。最初は高橋君。この曲はあまり記憶にないけど、ギターを持って高い声を搾り出すように歌っていた高橋君の姿はよく覚えています。
クールファイブというか、ムード歌謡曲にしちゃったけど、いいのかなあこれでと不安に思っていたら、だてぽんが「これでいいんです」と力強く断言してくれたので一安心。ついでに「ニニ・ロッソ」と鋭い指摘をしてくれました。本人が聴いたらどんな感想を言うんだろう。メロディーは、いかにも高橋君らしいですね。
かなり古い創作童謡です。岐部さんご本人を知ってる人も少数でしょうね。ご存じの通り、かけあいで歌う曲です。ギター一台で全員でシングアウトすると気持良かったなあ。メロディーがなんとなく吉田拓郎っぽいですが、いかにも70年代という雰囲気です。
実はこのアルバムで一番最後に仕上げた作品で、けっこう悩みました。最終的にはドラムのリズムとベースでにぎやかに歌わせてみましたが、さて、どうでしょう。みんなで大きな声で歌っている感じが出せたかな。
ここから前半の山場であるスキッピイ三部作です。まあ、組曲スキッピイといったところでしょうか。最初のこの曲は、スキッピイ誕生編。晴美の詞が、とてもきれいで、情景とともに僕とスキッピイの思いといったものがとてもよく描かれています。伊達君のメロディーもきちんとそれに応え、思いきり高らかに謳い上げています。かなり力を入れて作曲されたのではないでしょうか。転調のところなど、さすがといった感じです。
そうした高らかさを出すため、パイプオルガンやチューブラーベルなどを使ってみました。本当はもっと大げさにしたかったぐらいですが。ご想像通り編曲にはかなり時間をかけました。特に悩んだのが間奏で、最終的にこのアイデアを思いついた時は、とてもうれしかったものでした。
スキッピイ第二部は、丹後の作曲。当時はまっていたボサノバにしてみました。けっこうな転調をしていますが、それなりにうまくまわってるのでは。本人としては割と好きな歌です。
イントロの雰囲気は我ながらよく書けたと自負。二番のエレピのメロディーは少しいじってありますが、自分のメロディーだからいじれたのであって、人様の作品だとこういうことはやはり遠慮してしまいます。DTMの弱点はギターですが、これぐらいちょこっと入れる分には違和感ないですね。これは発見でした。
スキッピイが生まれ、2では僕との交流が描かれ、最後のこの歌では、スキッピイはお母さんになったようです。でも、深読みすると、この曲はスキッピイの最後を歌ったものなのかな。一度晴美に確かめてみなければ。
この歌、当初は伊達君本人も忘れていたようでした。アレンジは1の雰囲気を継承しています。だからエンディングもこうなるわけです。
それにしてもこの三曲、なかなかの名作ですね。特に晴美はいい作品を残してくれました。不思議なのは、伊達君ときちんと相談して作曲を手分けしたのかどうなのか、まったく覚えていないこと。事前に打ち合わせでもしたのかなあ。
おねむのワンワン
作詞・作曲/本郷昌恵(初出 不明)
懐かしい曲でしょう。特にこのイントロ、懐かしいですね。みんなで大声でパララララ〜と歌ったものでした。新入生が入って初めの頃の部会では必ず歌われたものでした。作詞作曲の本郷さんは、ポンちゃんと呼ばれていた先輩で、とても歌の上手な方でした。でもこの曲を聴くと、実はソングライターとしてもかなりの実力を持っていたことがわかります。リンゴンリンゴンなんてフレーズ、なかなか書けるものじゃないですよ。
ぽっけ
作詞/高土裕二 作曲/宮内秀之(初出 不明)
丹後が入学当時に副会長だった高土さんの唯一の作品。あっという間に終わってしまう短い曲でした。だから、歌う時は必ず
ねこのこ こねこ
作詞/大内由紀 作曲/宮内秀之(初出 不明)
とセットでした。これを続けて歌うと、新入部員から笑いが起きたものでした(これも四月の部会の定番曲だった)。この歌は詞がとてもよくできています。ネコの子って本当のネコじゃなくて、子供のことなんですね。
三曲を通じてアレンジはかなりシンプルで、かわいらしくしています。いい感じが出せたかなと思ってますが、どうでしょう。このままお母さんといっしょあたりで流れても、ちっとも不自然じゃない気がします。
競作の二番目は、伊達君です。実はこの曲、発表してなかったそうです。確かに記憶にまったくない曲でしたが、あらためて聴くととってもいい曲で、なぜこんな名曲を発表しなかったんでしょうね。やっぱり少々地味だったからかな。
曲のイメージから、エルトン・ジョンまたはカーペンターズ風に仕上げてみました。相変わらず丹後はピアノ譜が苦手です。伊達君が書けば、この何倍もいい譜面ができると思います。ごめんなさい。
でも本当にいい曲。しみじみ歌うと、感動しますよ。ぜひ口ずさんでみてください。
こちらも競作の二番目。井沢君のハンプティダンプティです。
実はあまり記憶にない曲だったので、譜面を見ながら、たぶんこんな感じで、と一昔前のアイドル歌謡に仕上げてみました。本当に井沢君らしいメロディーです。けっこう気に入ってるアレンジで、楽しく仕上がりました。なんだか、振り付け付けて、誰かに歌わせたいね。
譜面で、一部に「てきとー」とか書いてあったのには苦笑しました。井沢君のことだから、たぶん口の伴奏で間奏を入れてたんだろうなあ。
丹後が入部したての頃に発表された曲だったと記憶しています。小品ながらとってもいいムードのさわやかな曲で、印象に残っていました。アレンジもその雰囲気を大切にし、さわやか系で仕上げました。ビブラホンがいい味出してるでしょう。
宮内さんはジョン・デンバーが好きでしたが、確かにジョン・デンバーの香りのする歌です。こういう小さな名曲が、まだまだ多数埋もれています。それが童研の実力だったりするわけです。
メドレーです。
おやすみなさい
作詞・作曲/伊豆原哲彦(初出 ぺんぺん草1978.5)
伊豆原君の作品は、思いのほか少なかったんですね。しかもけっこうレコードになってるし。これは隠れていた小品。数十秒の短い曲です。曲のイメージから、オルゴール仕立てにしてみました。
さみしがりやへの贈り物
作詞/佐々木典子 作曲/井沢正(初出 ぺんぺん草1980.6)
続いてのこの曲は、複数の方からリクエストをいただきました。小品ながら、好きな方が多かったんですね。童研ホームページにはりつけてあるのは、容量を軽くするためにシンプルにしていますが、こちらはちょっと凝っています。とてもきれいなメロディーだと思います。スタンダードと呼んでもいいくらいの。
アレンジではちょっと仕掛けをしまして、最後にあの曲をちらっと流してみました。のんちゃんの詞は、風花に手を伸ばして想い出を追いかけている子に贈りたいとイメージしたからです。
好きな曲でした。祐子も気に入ってるらしくて、リクエストいただきました。
この詞を読むと、丹後の大好きな街である尾道の風景を思いだします。
アレンジはけっこう難しかった。こういう曲ほど、料理するのは難しいのです。最後に関してですが、迫る夕やみでふと立ち止まった子供が、それっと家へ駆け出していく姿をイメージしました。その感じ、出てるかな。
競作シリーズの三作目は丹後の作品です。実はつくった時「こりゃあ、グレンミラーの茶色の小瓶だなあ」と自分でも思ったのですが、発表した時には伊達君にしっかり指摘されてしまいました。
今回のアレンジに際しては、そんなわけでしっかりと遊んでみました。どうせやるならここまでやっちゃえとばかりに、こんな間奏にしています。だから皆さんが人に聴かせて「そっくりじゃん」と指摘されたら、確信犯だよ、と答えておいてください。ブラスの音やドラムの音、いい雰囲気だと思いません?
丹後が一年の時のミュージカルの作品。プリンとはヒロインのお姫さまで、そのテーマ曲です。この歌を聴いても、ポンちゃんのソングライターとしての卓越ぶりがわかりますね。
実はこの曲、丹後が生まれて二番目にアレンジした作品で、今回はそれにほぼ忠実にやってみました。当時、レコーディングではフルートは加藤君で、ベースが安藤君、歌はポンちゃん本人でした。
今回、メロディーはダルシマーを使っています。けっこうきれいな音色が出るもので、ちょっとびっくり。なお、関係ないけど、このミュージカルで丹後はゾウの後ろ足と町人B、前足と町人Aは山口君でした。
山口君の代表作です。レコード製作時にはこの曲が候補だったのですが、山口君本人の要望で「海の色が変わるとき」になったのでした。
シンプルな曲です。加藤君の詞のイメージに合わせ、竹とんぼが舞い上がる感じを出してみました。どんな感じになるかなと、やる前は自信がなかったけれど、できあがってみたら予想以上にいい感じでした。ぜひ山口君に歌ってもらいたいものです。夏に上京したときに聴かせたかったけれど、間に合わなかったのが、ちょっと残念。
珍しく弥生ちゃんとのコンビの作品です。本人はこのメロディーはけっこう気に入ってるのでした。ポール・サイモンの「パンキーのジレンマ」という曲に触発されてつくったものです。
アレンジは前半は懲りまくって後半はシンプルにしました。ポイントは言うまでもなくウッドベース。自分では自信あるつもりだけど、さて、どんなふうに聴いていただけたでしょう。
不思議な気がするけど、祐子の詞に曲をつけたのは、唯一これだけ。なぜ一曲だけだったのか、理由はよくわかりません。
原曲は一分にも満たない短い曲です。それをシンセサイザーチームを駆使して、こんな感じに仕上げてみました。ヒーリングミュージックを目指してはいたんだけれど、そこまでいったかどうか。聴いてて水に流されるような、あるいは眠い感じがしたら、成功です。かすかに聴こえる音などに、けっこうちょっとした仕掛けがしてあったりします。
アルバムの最後は、ずうずうしくも競作シリーズの丹後の作品で締めさせてもらいました。でも曲を聴けば、そうしたかった気持ちもわかってもらえると思います。
イントロはショー・マスト・ゴー・オン。スリードッグナイトです。これは、部会での発表の時からやってみたかったイントロです。矢野ちゃんは「自分の曲にイントロがついたのは初めて」と当時言ってましたが、実はさらに別のイントロがあったというわけです。
祐子が「手回しオルガンのようなにぎやかさで」とリクエストしてくれたこともあって、思いきりにぎやかに仕上げました。楽器もてんこ盛りで、かなりわがままな使い方をしています(なにしろメロディーを取ってるのはなんとバグパイプだったりする)。現実では無理なアレンジも、DTMならなんでもありなのです。もっとも、にぎやかさとうるささは紙一重。ささ舟で感じた眠気も、この曲で吹っ飛ぶはずです。けっこう大好きなアレンジです。