あきもせず、こりもせず、しょうこりもなく、風組です。いやあ、今回は時間がかかったなあ。疲れた疲れた。全部で61分23秒。童研の世界に、どっぷりと浸れます。
制作日記 するどい批評
1 おかしな村
作詞・作曲/田村雅久
断言しちゃうけど、この歌、知ってる人は極めて少ないでしょうね。名曲「輪になって」をつくった田村さんが、丹後が1年の時に発表した歌です。当時まだ童研に溶け込めずにおろおろしていた丹後に、田村さんはそれとなく気を使い、声をかけてくれたものです。そのころ発表された歌でした。実は丹後もすっかり忘れていたけれど、「ぺんぺん草」をひっくり返して発見。ああ、あったあった、と懐かしく思い出しました。今聴くと、なんとも言えずかわいらしい、素敵な色の作品だということがよくわかります。
発掘したのが風組4をつくっていた時だったので、そっちに入れようと思ったけれど、一番の頭には絶対に猫の鳴き声が必要だと判断。その時はどうすればいいかわからなかったので、結局後積みにしました。風組4完成後、再びチャレンジ。基本的なアレンジが完成したところで、SoundEdit16のマニュアルをひっくり返し、課題だったミキシングの方法をやっと発見しました。すぐさま喜び勇んでレコード屋に向かい、効果音のコーナーでいろいろとサンプリングの音を買い集めてきたのです。
仕上がりはお聴きの通り。猫や牛ばかりでなく、犬は吠えるわ、赤ん坊は泣き叫ぶわ、自転車は走り抜けるわ、おじさんおばさんが笑い転げるわ、思いっきりおかしな村にしてみました。また、「花のワルツ」も入れたし、鐘の音は小学校のチャイムのメロディーをなぞっています。アルバムの一曲目は、もうこれしかないって感じです。
1999.02.08〜03.30
2 ロックン・ロール・バピプペポ
作詞/桑原正光 作曲/伊達重明
卒業後の作品。伊達君編集の「創作童謡全集」を見て、気になっていた曲でした。「越後路」コンビの作品です。くわもくん、さすがの作詞です。
ロック系のアレンジは意外と難しいのですが、これはけっこうノリがよくできたと思います。ブラスをやんちゃに遊ばせたり、バリトンサックスをベースにかぶせたりと、こちょこちょ工夫してみました。自分でも聴いていてとても楽しい曲に仕上がりました。
で、昼部会で聴かせたところ、だてぽん、くわもくんの作者コンビから「もっとテンポ速く」「もっとやんちゃに」という厳しい注文。んなろ〜と思ったバンドマスターは、言われるままに訂正するのが嫌だという性分もあって、ならばどうだと後半のアレンジもやっちゃって、二つを一つにしたのでした。こちらは、ディープパープルです。ハードロックです。ギターの扱いがまだうまくないけどね。
ともかくこれでもかとやんちゃにしてみました。ブラスは無茶苦茶にはしゃぎまわってるし、最後は「そりゃあねえだろ」という転調までやっちゃってるし。なるべくでっかい音で聴いていただきたいものです。
1999.03.06〜04.02
3 荷馬車にゆられて
作詞・作曲/北川晃
くわもくんが大のお気に入りの曲。北川君の歌って、地味だけど歌詞が素晴らしいものが多い。この歌も、余計な言葉は何もないのに、なんとも言えないほのぼのとした情感が伝わってきます。北川、恐るべし。
アレンジは、曲調を活かしてのどかな感じにしました。さらりと、のんびりと、ふんわり聞き流していただければと思います。
1999.03.16〜03.22
4 はだしで野道を歩いたら
作詞・作曲/島野正美
島野さんとは面識ありません。丹後が入部したときには、すでに定番となっていた歌でした。ミディアムテンポの2ビートで歌ったものです。こういう大きな声の出せる曲は気持ちがよくて、人気がありました。
この曲あたりから、サウンドに気を配るようになりました。アレンジは、松田聖子の「PRESENT」。印象的なギターは、ギターとシンセサイザーのユニゾンによって作り出したものです。このふんわりとした音は、自分でも気に入ってるんですけど。ベースは固めでドコドン響くようにしています。ピアノのフレーズ、くずしかたが、ちょいおしゃれかな。
コード進行にもいろいろ仕掛けています。原曲通りなのは一番だけ。二番はまったく違うコード進行にしています。二番の出だしは、ちょい不思議な、夕方のものがなしさが出たと思ってますけど。
1999.03.18〜04.02
5 わたぼうけ
作詞/井上洋子 作曲/早瀬俊之
丹後が1年の時の春に発表された曲。作者はどちらも先輩です。作曲者のところにジュリーとクレジットがあり、改めて早瀬さんがジュリーと自らを称していたことを思い出しました。
原曲は、もっとゆっくりな、シクラメンのかほり的雰囲気。それを思い切って、70年代フォークにしてみました。吉田拓郎「夏休み」ですね。で、聴いてみてびっくり。これがとんでもない名曲だったのですね。いやあ、いい歌だ。リコーダーの音は、他の楽器とユニゾンさせてつくっています。ギターは、12弦も入った二台編成。全体にシンプルな構成ですが、原曲のよさには改めて感心しました。早瀬さん、才能あったじゃん。
1999.05.08〜05.11
6 見えないつばさ
作詞・作曲/土橋一夫
風組5では、幅広い年代の曲を入れてみました。それも童研のホームページで、80年代、90年代のメンバーがたくさん参加してくれ、卒業後の名曲を多数知ったためです。これもその一つ。現在音楽ライターとして活躍中の土橋君は、いろいろとテープを残してくれましたが、それを聴いたくわもくんが「ぜひに」とリクエストしてくれました。
この詞、すごいよね。「天使なんていないよ」というフレーズは絶品。くわもも絶賛していました。後半の詞は、なんだかとっても切ないものです。また、メロディーもその詞を浮かび上がらせる、シンプルにしてきれいなラインとなっています。
アレンジでは、分数コードを多用しています。分数コードは、このアルバムから使い始めました。エレピ、ギター、ストリングスが、分数コードの仕事をしています。全体としてフュージョンぽく仕上がったのは、そのためです。
エレピ、シンセ、ベースはそれぞれ2台を重ねています。特にベースは曲を大きく印象づけるので音にこだわらなければならない、と私の師匠に教わり、実行に移したのです。ちょっとブラスがうるさいかなあ。これ、左右に音程を振り分けようとしたのに、なぜかうまくいかなかったのです。丹後のDTMでは、まだこの「なぜかうまくいかない」ということが多いんですわ。
ちなみにこの曲、リメイクされて「WindySpringfield」というインディーズバンドのデビューアルバムに「WindyWing」というタイトルで収録されています。そちらもぜひに。
1999.05.09〜05.11
7 かくれんぼ
作詞・作曲/村田直子
くわもくんリクエスト。「かぞえうた」路線のかわいらしい曲です。こういうのって、素朴でいいですねえ。
アレンジは短時間でさくさくっと仕上げました。リコーダーは音を重ねています。ギターは、ハーモニクスが想像以上に効果的。はじいて弾くハーモニクスではなく、叩いて出す音です。
1999.05.10〜05.11
8 八千代台の春
作詞/桑原正光 作曲/藤嶽暢成
童研の隠れた名曲をよみがえらせようというのが、風組スタートの目的でした。まさにそれにふさわしい名曲が、これです。童謡らしくないということでしょうか、創作童謡には残らなかった様子。しかし前述の土橋テープにしっかり残っていて、それを耳にした作詞者のくわも先生が大感激。ぜひにとリクエストしてくれました。美しい叙情詩にシンプルで整然としたメロディー。なんだかここで描かれている風景は、とっても好きです。「ベビーカーにおどけてみせたり」っていうフレーズ、いいなあ。
3月に高橋君の勤務する幕張の高校を借りて昼部会をやりましたが、その際丹後はわがままを言って40分かけて学校まで歩いていきました。その時に歩いた国道沿いの、春の千葉の空気、土ぼこりを思い出しながらアレンジしました。
ガロの「美しすぎて」をイメージしたイントロから始まり、めいっぱい力を入れたつもり。アコースティックギターはノーマルと12弦の2台。エレピは音色の異なる2台を重ねています。また、ベースも音色の異なる2台を重ねています。音のバランスには苦労したけど、まだ不満はあるなあ。きりがないので、このくらいで手放しましたが。
それにしてもいい歌だ「光も風も人も〜」って、気がつくとくちずさんでいました。これ、ぜひ歌を入れてシングルカットしたいと、風組バンドマスターはたくらんでいたりします。
ちなみに、この歌詞、あえて多く改行してありますが、これは作者の桑原君の仕掛け。各行の末尾の文字を読んでいただくと…という、無駄なというか、あきれたというか、腰砕け的な小細工なのでありました。
ちなみに、言うまでもなくこれは絶対に8曲目でなければいけないのです。
と、ここまで書いて、以下はアップ後の付け足しです。
この詞をぼんやりながめていてはっと気づいたこと。「光も風も人もあたたかいよ」の「よ」はいったい何だろうということです。この「よ」は誰かに語りかけている「よ」なのだろうか。きっと詞を読む人、歌を聴く人への語りかけの「よ」なんでしょう。この「よ」で、歌を聴いた人は作者の隣に立って一緒に八千代台にいる気分になってしまうんです。この歌のあたたかさの秘密は、この「よ」にあったのではないでしょうか。大きな発見をした気分です。
1999.04.01〜05.17
9 どうぶつ村は大さわぎ
作詞/樋口孝 作曲/高橋孝夫
高橋君がお宝テープを送ってくれて、この曲を知りました。「わにさんどーもアリゲータ」。大爆笑。こういう一発ギャグの曲は大好きですね。傑作。
アレンジは、原曲に負けないよう、無茶をやろうとしました。ええ、そりゃもう無茶やってますって。なにしろ風組史上初のボーカルまで入れちゃって。はい、歌ってるのは丹後であります。無茶というより無謀ですな。テンポも原曲よりかなりアップになっているはずです。「八千代台」の余韻を吹っ飛ばしてやろうと思い、ここに持ってきました。あきれてください。
1999.04.10〜05.16
10 子犬のジイプ
作詞/佐々木典子 作曲/大美賀盛二
風組5で最初にとりかかったのが、この曲でした。ポール・サイモン「僕のコダクローム」を目論んでのことでした。しかし、すぐに行き詰まり。そのままほったらかしにしておきました。ところが制作中のデモを聴いたくわもから「おーみかさんの曲が入ってないではないか」との指摘。しまった、ばれたか、とほほ、と反省し、今回の最後のアレンジとして入れました。
大美賀君らしいメロディーです。のんちゃんの詞も、童研っぽいものに仕上がっています。ギターをかきならしながらこの曲を歌っている大美賀君の姿が、今もなぜかはっきり浮かびます。
アレンジしているとどうも楽器を多く使いたくなってしまう癖があって、よくないなあと反省。そんな思いに基づいて、これはできるだけ楽器を少なくしようとしてみました。それでもついついストリングスを入れてしまうのでありました。
1999.02.04〜05.15
11 目を閉じて
作詞/田原祐子 作曲/高橋孝夫
丹後が卒業後の作品。この詞には、高橋君のほか、伊達君、宮原君、一妻君が曲を付けています。大変な競合だったんだなあ。作者の祐子さんからは高橋君と一妻君のリクエストをいただきましたが、一妻君の譜面が見つからなかったので、高橋君の作品を入れさせていただきました。
分数コードを使って、思いきりジャジーにしてみました。はて、どうでしょう。音の響きそのものは、まあ、なんとかいけるかなと思ってますが。しかし、ハーモニカ(ブルースハープ)は難しい。どうもしっくりきません。むちゃくちゃ下手くそです。人に聴かせるのも恥ずかしいけど、今はこれが限界。とりあえず許してね。
1999.04.12〜05.07
12 紙風船
作詞・作曲/岐部友信
童研アルバムその1に、やはり岐部さんの「紙風船」が入っています。ワルツのやつです。これはそれとは違う「紙風船」。ぺんぺん草の同じ号にこの二曲が同時に発表され、ワルツのほうが残り、こちらは忘れ去られたのでした。しかし作者の岐部さんは、こちらのほうがお気に入りの様子です。確かに詞はこちらのほうが完成度が高いかもしれない。
岐部さんの作品は、基本的にカントリーのアレンジにしたいといつも思っています。これもそう。チェット・アトキンスがバンドを従えてギターを弾いている感じにアレンジしました。割と気に入ってるアレンジです。間奏は、紙風船が飛んだり落ちたりしてくる様子を表現してみました。
3月に岐部さんが上京されたので、それに間に合わせようとアレンジしたのですが、結局間に合わなかった。このCDでようやっと岐部さんに聴いてもらえます。
1999.03.14〜03.18
13 トマトちゃん
作詞/伊藤ひろみ 作曲/岡田茂雄
昨年、だてポンが譜面を送ってくれました。その後、高橋君が送ってくれたお宝テープでも聴きました。この曲、知らなかったけど、ずいぶん人気だったみたい。なにしろ90年代の部員たちがつくった、いわゆる「えりずーテープ」の中にも入ってたし。童研の歌は、どれもスタンダードなのです。テープを聴くと、メロディーの譜割りがオリジナルと若干変わっています。今までの風組の方針により、原曲重視ということでオリジナルの譜割に忠実にしています。
高橋テープとえりずーテープでは、基本的なアレンジは同じです。今回はそれにまったくとらわれずに丹後独自の解釈でアレンジしてみました。ミュートギター、気に入ってます。それよりなにより苦労したのがベース。シンセサイザーとユニゾンさせ、ようやく思ったようなねばりっけのある音をつくることができました。このベースの音は、とっても気に入ってます。
途中の仕掛けは、ちょいと遊んでみました。ドアのバタンの音、最初は歌詞の通りカーテンをひく音にしたのですが、どうもそれらしく聞こえない。そこでドアの音にしました。もっとも本当は「机の引き出しをしめる音」を使ってるんだけどね。聴いていて、どきっと驚いてくれたら大成功。
1999.03.16〜04.02
14 月夜のカーニバル
作詞・作曲/佐藤有紀
風組5を制作中、届いたのが「えりずーテープ」。いや、あれはショックだった。打ち込みのすばらしさもさることながら、なんといってもボーカル。どんなに頑張っても、歌の力にはかなわないと思いしらされたのでした。おかげで一週間ほど、風組をお休みしちゃったぐらいですわ。
せっかくだからこのテープから何かいただいちゃおうと思って選んだのがこの曲。91年の曲だもの、すごいことです。ついこないだです。こういう曲調は大好きで、アイドルの歌うファミリーソングみたい。
ベースはシンセサイザーと重ねて、びよ〜んとさせています。メロディーをとってるのは、ガムラン。裏で細かくアルペジオを刻んでいるのは、カリンバ。かすかにガットギターもコードをじゃかじゃか奏でています。エンディングはフルートとスチールドラム。あとで追加してかぶせたものです。ブラスは四声。一応左右に振り分けてみたけど、このあたりの扱いがまだ不十分だなあと反省しているのでした。
1999.04.03〜05.07
15 たんぽぽ
作詞/桑原正光 作曲/樺沢弘美
童研の掲示板で「たんぽぽという歌がTBSラジオで流れたことがある」と知り、入れることに決定。ラジオの件は、作者の桑原君も知らないことでした。
この曲は、テープも参考にしないで譜面だけでアレンジ。ギターを何台か使い、ボーカルはピッコロと二台のシンセを重ねています。独特の表情を持った仕上がりになりましたが、けっこう気持ちいいと思います。たんぽぽのふわふわ感が感じられたら、うれしいなあ。
この歌、一緒に歌うととても気持ちいいです。「いしがきの、まんなかへん〜」。とっても気分がいい。
1999.05.12〜05.12
16 メルヘン・メルヘン
作詞/武田嘉代子 作曲/井澤正
おなじみ「メルヘン・メルヘン」は、伊達君、井澤君、丹後の競作となりました。結局丹後のが残ったわけですが、他の二人の作品も見事なものでした。今回はいさわしよりリクエストをいただき、井澤バージョンを入れてみました。
この歌詞、題名通りとってもメルヘンチック。きっと他の人はいかにもメルヘンでくるに違いないと考え、丹後はあえてポップな感じにしたのでした。ああ、姑息なコンポーザーよ。よって、井澤君のこの作品が詞の世界を最もよく表現しているでしょう。メロディー、なぜか伊達君の匂いがするんだけど、面白いね。サビのところ、大好きです。某ピアニストの「季節のない森」という名曲と似たような雰囲気で。しかも、発表は井澤君のほうが早いんだから、たいしたものです。
エフェクトを多用し、包み込まれるような感じを出してみました。しかしこういう曲って、ボーカルの楽器がとても難しい。いつも悩むところです。ああ、いさわしに歌ってもらいたい。
1999.04.11〜05.08
17 知らない街
作詞/浜野麻衣子 作曲/佐藤純子
なんと93年の作品。この中で一番新しい曲です。4月に新旧の童研メンバーが集まった時、若手衆が中心になって部室に忍び込み、残っていたテープやらビデオやらをごっそりがめてきてくれました。丹後がそれをよっこらせと持ち帰ったのですが、その中にあった93年の創作童謡テープのレベルがとてつもなく高いっ。丹後はまたまた衝撃を受けてしまったのでした。その中に入ってた曲で一番気に入ったのがこの歌でした。
えーと、アレンジはけっこう苦労しました。ギターは三台、ボーカルはオルガン+シンセ+ブラス。ベースも二台使っています。これだけ楽器を使うと、全体のバランスにはとっても苦労する。何度も録音をしなおしました。それでもまだまだ不十分ですが。
この年の「創作童謡」に「最近の傾向として、創作童謡らしくない曲が多い」との会長の苦言(?)らしきものが載ってて、ちょっと興味深かった。確かにこれが童謡かと言われると、世間的には疑問でしょうね。でも、いい歌はいい。サビのメロディー、歌ってて本当に気持ちいいです。
1999.05.13〜05.20
18 汽車に乗って
作詞/P.じゅんこ(早稲田) 作曲/山口和彦
丹後が三年の時に古い創作童謡の掘り起こしをしたことがあります。これはその時に見つけた一曲。作詞者の本名も正体も不明です。早稲田の人らしいですが。そのあたりの経緯を岐部さんに聞いたら、こんなメールをいただきました。無断で勝手に転載です。
「わしが2年だか3年のころ早稲田大学の童謡研究会と交流がありました。当時、童謡研究会があったのは、青学と早稲田となんだか福祉大の3大学だったと思います.。そんなことで多少交流があったのですが、早稲田は男ばっかりで、青学の女の子目当てみたいな感じがして、しばらくして交流がなくなったような記憶があります」。
とすると、73年か74年の曲ですね。73年だとすると、「知らない街」とはちょうど20年、ということになります。ふう。
これはいさわしよりリクエストいただきました。いただいたはよかったけど、いやあ、難しい曲調でまいったまいった。そこで思い切って徹底的なブルーグラスにしちゃいました。ブルーグラスの名曲に「オレンジ・ブロッサム・スペシャル」というのがあって、それを使っています。バンジョーはベラ・フラッグ、フィドルはマーク・オコーナー、マンドリンはサム・ブッシュというトニー・ライス・オール・スターズのつもり。もっとも、つもりだけでレベルはまるで違うけどね。
このアレンジ、原作者が聴いたら激怒するかなあ。するだろうなあ。リクエストしたいさわしは、どう思われるでしょう。
1999.03.22〜03.28
19 海に想えば
作詞/高橋誠子 作曲/丹後雅彦
当時、登竜門として最大だったヤマハのポプコンに応募した曲。誠子さんに作詞してもらい、彼女本人の歌で、「時計台の歌」(風組1収録とは別の曲)とともに、弾き語りのテープを応募しました。結果はあえなく敗退。調べてみたら、第14回のグランプリがツイストの「あんたのバラード」で、第16回が円広志の「夢想花」。で、第15回が「10月の汐吹は寒かった」っていう聴いたこともない歌だったから、狙い目の穴場的な回だったのにね。んーむ、残念。
楽譜のメモを見たら「二つの曲を一つにした」とあるから、きっと前半とサビを別の曲としてつくってあって、ポプコン用に一つにドッキングさせたのでしょうね。前半のスケールでどんどん降りていくメロディー進行は当時気に入っていて、いろんな曲に使っていました。
昨年、いわゆる「たんごテープ」がいさわしの手によってCDとなってよみがえり、それを聴いただてポンが「この曲はリメイクの価値がある」とホームページに書いてくれたことから、いつかやっておこうと思っていました。「ぺんぺん草」以外の自分の曲を風組に入れるのは気恥ずかしかったけれど。
アレンジは、お聴きの通り。この手の曲の定番アレンジです。が、これしかないというアレンジでもあります。これにのせて、ぜひ誠子さんの熱唱を聴きたいものです。
1999.03.07〜03.25
20 ゆりかご ゆれて
作詞・作曲/割田尊子
アレンジした当初から、この曲を最後にしようと決めていました。優しげなメロディーと歌詞の、まさに子守歌らしい子守歌。丹後が卒業後の作品です。伊達君編集の「創作童謡全集」で知りました。これもTBSラジオで流れたらしいです。
ギターソロとストリングスというシンプルなアレンジにしています。風組4のすぐあとにアレンジしたので、ストリングスには4の時の匂いが残っています。ギターには、遊びでフレットノイズを入れてみました。どうかなと思ったけれど、こうすると予想以上に本物っぽくなることを発見。サウンド的には、かなりシンプルに仕上げました。さらりと聞き流していただければ、と思います。
1999.02.22〜05.08
*****************************************************
風組4までで手持ちの曲をずいぶん使い果たしてしまい、ひょっとしたら5で解散かなあ、と思っていました。そんなところにタイミングよく童研ホームページでの新しいメンバーとの出会い。なんと90年代の方までいらっしゃいます。秘蔵テープや譜面やら、ごっそりと手に入れることができました。そんなわけで、今回のCDにはずいぶんと新しい曲が入っています。年代的には20年間にわたっています。また、そのおかげで、古い曲もあとあとにとっておくことができました。あの曲、この曲、ひそかに次回で取り上げたいともくろんでおります。
どうしても自分の世代を中心に考えてしまうのだけれど、丹後たち以前の曲には子どもの目線を大切にした歌が多数あります。一方、80年代以降になるとジャンルにこだわらない、幅広い曲想の歌が増えているように思います。言うまでもなく、これは是非の問題ではありません。私見ですが、なんでもアリが童研なのだから、曲想にとらわれず、いい歌はいい歌として大切にしたいと思います。また、その曲は童研に所属していたすべての人にとっては大きな宝物だと思うのです。(付け加えますが、なんでもアリが童研であるとともに、「なんでこの人が童研に?」というのも、童研なのです)
今回のCDづくりを通して気づいたこと。一つが、くわもこと桑原君の足跡の大きさです。彼の書いた詞の数々はどれも素晴らしいもので、若い世代に聴くといろんな曲が愛着をもって受け継がれてきたことがわかります。リアルタイムで一緒に活動できなかったのが、とても残念です。
もう一つが、土橋君の影響力です。彼は童研の名曲の数々を独自にレコーディングして、残してくれました。いわゆる土橋テープです。これが実にクオリティの高いものでして、聴いてびっくり。そして、後々の世代にとってはこのテープが一つの水準(土橋スタンダードbyくわも)となったようで、土橋君に負けじと後輩たちが音楽活動に力を入れたようです。
現在、桑原君は作詞家。土橋君は音楽ライター。大きな足跡を残したこの二人が音楽関係のプロとして仕事をしているのも、納得できることです。
土橋スタンダードを引き継ぐのが「えりずーテープ」です。これを聴いた時は、いやあ、衝撃でした。失礼ながら、まさかここまでの出来とは。ともかくボーカルの力に圧倒されました。風組とはいったい何なのか。あたしゃアイデンティティ(笑)を喪失しましたね。この先、風組はどうすりゃいいのだ、どこへ行けばいいのだ。一時は本気で解散しようかと思ったくらいでしたよ。
一週間ほど考え込んで結局たどりついたのが、二つの道。ボーカリストを加えて歌入りのアルバムをつくるか、イージーリスニング路線をひた走るかです。ボーカルは今後の課題にしていずれボーカリストをゲスト参加させたいと思っています。特に「八千代台の春」はぜひ歌入りで聴きたい。現在、それにふさわしいボーカリストを確保したので、いずれ挑戦です。で、結局、イージーリスニング路線をいっちまえとなりました。今回、サウンド的に以前より広がりが出ていると思いますが、それはこうした思いがあったためです。
サウンドづくりでは、丹後のDTM師匠(いさわしに紹介してもらった)の厳しいアドバイスが大きく影響しています。特に、ベースの音づくりは大きな変化です。以前は特定の音だけでころがしていましたが、今回は二種類の音を重ねたりしています。ボーカルも同様で、二種類、三種類の音を重ねています。もちろんまだまだ未熟ですが。
素人仕事ゆえ、一度完成したつもりでも翌日には気に入らないところがあって、やり直し。やり直したら、まだよくなくて、さらにやり直し。結局一番最初のテイクがよさそうに思えてやり直し。なんてことを繰り返しています。これじゃいつまでたっても終わらないし、どこかで踏み切らないと手放せません。なのにCD-Rに焼いて大量生産する段階になっても、ああすればよかった、こうすればよかった、ここはどうしても気になる、ってところだらけ。ほんと、未熟者ですわ。
関係ないけど、つくりながらふと思ったのが、どうして「僕」の曲が多いのだろうということでした。童研の曲は、「私」ではなくなぜか「僕」がほとんど。「あたしのぶ〜ぶ」が異彩を放っているほどです。「僕」じゃない場合は情景詞がほとんどです。
男の子のほうがピュアな童謡世界を描くのにしっくりくるのかな。「私」だとなんとなくこまっしゃくれた感じがするし。これ、なんだか興味深いと思いません?
以前に比べ、制作にはとんでもなく時間がかかるようになりました。なわけで、次回作はどうなるやら。それまで、皆さんには聴くというより一緒に歌っていただきたいと思います。童研、いい歌ばっかりなんだから。
毎回のことですが、リクエストがあったら、ぜひお寄せください。また、できるだけ多くの童研関係者に聴いて欲しいと思っているので「あの人に送って」あるいは「知りあいに上げるからもう一枚ちょうだい」といったご要望は遠慮なくどうぞ。喜んで送らせていただきまます。
なお、基本的に再利用はどんどんしていただいて、童研の世界をいろんな人に知っていただきたいと思っていますが、権利関係への環境が厳しい昨今ですので、商業的な利用の際は、各曲の作者または丹後まで事前にご連絡いただきたいと思います。あ、いや、別に金寄こせとか、うるさいことを言うつもりではありません。基本的に版権はすべて作者に帰属するってことなものですから。
メールはこちらまで