お〜い、いさわし〜。早く一緒に歌っておくれよお。
てなわけで、6作目です。今回は、お聴きの通り、風組と歌組のカップリング。歌組はこのアルバム制作途中に突発的に誕生したチームです。
(実は、レアなテイクだけを集めた裏組というものもございます)
全17曲。いつもより短めだけど、いつも以上に楽しんでいただけることと思います。
●勝手に曲を使わせていただきました。作者の皆さんに感謝。
●一部ノイズが入っています。普通に聴くぶんには問題ないですが、音量を上げるときこえちゃいます。原因不明。ごめんなさい。
制作日記 するどい批評
1 魔法のチョークII
作詞・作曲/斉藤一妻(ぺんぺん草1982)
十数人のドラマーたちによる、クレイジー・ドラムです。
ブラジルのバイーヤというところにオロドゥンというドラムバンドがありまして、数十人のドラマーたちがクレイジーな太鼓を叩きまくっています。彼らはポール・サイモンのバックもつとめたのですが、そのステージをビデオで見た丹後はあまりの迫力にぶっ飛んでしまいました。いつかそれを使ったアレンジをしてみたいとずっと思ってたものです。16分音符の連打が印象的なスネアは数人が叩いていますが、聴き分けられないぐらい微妙にタイミングをずらしたりしています。
曲は、80年代童研を代表する名曲の一つ。丹後が卒業後の作品ですが、幅広い年代の人に愛されているようで、えりずーテープで存在を知った岐部さんからリクエストをいただきました。詞もメロディーも、きちんとまとまった仕上がりになっている作品だと思います。ドバシくんによれば、この作品は一時埋もれていて、まったく演奏されなかったそうです。それをドバシくんのバンドが発掘。以来、定番となったとのことです。これだけの名曲が埋もれていたなんて、ちょっと信じられないですね。
そのような名曲を、こーんなアレンジにしてしまいました。デモを聴いた伊達君も「これは賛否両論ですね」と言ったけど、激怒される人も多いことでありましょう。くわもくんは「なんてわがままなアレンジなんだ」と叫んでいました。元気が出るのを通り越して、やかましい曲になっちゃいました。ふふ。でも本人はけっこう気に入ってるのでした。そして、くわもくん、事務所から帰る頃には自分の歌を入れたCDを手ににこにこしていたのでした。
ちなみに「II」(セカンド)とあるのは、その前に田原祐子さんが「魔法のチョーク」という詞を発表していたためではないかと想像していますが、どうなのでしょう。祐子さん本人にたずねてみたら「魔法のチョーク」はすっかりお忘れでしたが。
(1999.7.3〜7.18)
2 ぶきっちょさんの魔法使い
作詞/竹内比美子 作曲/佐藤純子(ぺんぺん草1993.11)
岐部さんよりリクエストをいただきました。1993テープの冒頭を飾る曲でした。
詞と曲のバランスがとってもいい、かわいらしい歌です。ぶきっちょな魔法使いという設定がうまくて、ひみこさんの歌詞がすごくすてきです。当時の創作童謡集などを見ると、ひみこさん、「これでもか」とばかりに怒濤のように作品を発表されていて、その活動力には驚かされます。しかもどれもクオリティが高く、脱帽。この作品はその中でも代表的なものでしょう。一方の曲は、まず転調が見事。シンプルなメロディーなのに、とても完成度の高いものになっていると思います。キーボード弾きならではのメロディーラインだなあと感心しました。
アレンジは、テンポをかなり落としています。コードも一部変えてみました。かわいいアレンジに仕上げたつもりですが、夏合宿で岐部さんに聴いてもらったら「かわいくねえ」と言われてがっくり。そこで「んなろー」と思い、さや子さんにボーカルを依頼しました。歌組発足は、実は岐部さんのこの一言が一番のきっかけなのでした。
ひみこさんではなく、さや子さんにお願いしたのは、作者以外に歌ってもらうことを基本方針にしているため。もちろんこの歌の世界はまさに彼女のイメージにぴったりだったことが一番の理由です。
さや子さん、こういう歌を歌わせるといい味だしますねえ。児童館での活動を思い出してしまいます。これ、このままドラマやアニメの主題歌にぴったりはまると思いません?
(1999.7.4〜9.10)
3 雨の日のパッチワーク
作詞/千葉紀子 作曲/宮原邦夫(ぺんぺん草1980.6)
このアルバムで最も初期に制作した一曲です。まだ梅雨入り前でした。気持ち的にはちょうどこの歌の雰囲気だったのですが、結局リリースは秋になってしまいました。
千葉ちゃんの作品は案外少ないのですが、これはその貴重な一つ。とても可愛らしい内容の詞です。メロディーは宮原君。彼の書いた曲は独特の色合いを持っていて、つぼにはまるとすごく気持ちよかったりします。
アレンジでは、流れるギターで雨の感じを出してみました。前半は不安定な音の使い方をしてみましたが、雨の日の色合いを出してみたいと思ったのでした。
(1999.6.13〜6.24)
4 ねずみの結婚
作詞・作曲/丹後雅彦(ぺんぺん草1978)
「ケロケロ」です「ケロケロ」。史上最強、世界一のケロケロです。
カラオケをつくって、ひみこさんとえりずーさんに送る際「ボーカルアレンジは一切お任せ」とだけお願いしました。それがあなた、このボーカルです。レコーディングの時「ケロケロ」の部分を聴いた丹後プロデューサーはイスから飛び上がるほど驚きましたね。いやあ、文句なし。最高のボーカルアレンジです。
このお二人、ハモりも抜群ですが、ユニゾンがこれまた完ぺき。サイモン&ガーファンクル(古いけど丹後にとっては最高の例え)に肩を並べるコンビです。こういうボーカルを聴くと、もっと歌え歌えと言いたくなります。長く気にかかっていた歌で、いつかよみがえらせたいと思っていたので、今回こういう形でのボーカルが加えられて最高です。
ちなみに「ケロケロ」はえりずーさんのアイデアで、二人でカラオケボックスで合わせたら、あまりにはまるので大笑いしたそうです。
この曲、丹後の童謡路線の中では一番だと自分では思っていました。つくったのは、大学二年の時の元旦。大晦日を過ぎて迎えた新年の夜、実家の部屋でギターを抱えてぼそぼそとつくりました。ぺんぺん草に発表時は「灰色ねずみってなんだかヘン」と言われたりしましたが。あと物議をかもしたのが「父さんネズミが見つけた花嫁」の一節。当然予想していた反応でありましたが、わざと使ってみました。「いいじゃん、しょせんネズミなんだから、そんなに本気になんなくても」って思っていましたね。
アレンジではコードをところどころ変えています。ボーカルを加えるアレンジは、いかにボーカルを活かすかが勝負。あまり小技を使って主張するのはやめています。エンディングは、ずーーーっと長い間、絶対にこれをやりたいと思い続けてきたのでした。
(1999.6.13〜9.14)

「ケロケロ」は、当日の朝まで続けられたカラオケボックスの特訓から生まれたのだった。
5 きつつきさん
作詞・作曲/斎藤優香(ぺんぺん草1994)
部室からがめてきた94年の創作童謡に載っていた曲です。こういう曲、好きなんですわ。絶対ほかにないし。このCDで一番最後にアレンジした曲です。何を入れようかなあと思ってページをぱらぱら見ていて「ああ、これがあったっけ」と思い出し、速攻アレンジでした。
この創作童謡の最後のページに「兵庫県南部地震の被害者の方のご冥福を」というような一文があります。本当にごく最近につくられた曲なんだなあと驚くとともに、あの時はまだ童研はあったんだと改めて感じたものでした。
(1999.9.6〜9.9)
6 空を歩いてく
作詞・作曲/岐部友信(初出 不明)
このアルバムで二番目にアレンジした曲でありつつ、一番最後に歌を入れた曲です。
作者は岐部さん。「初出は覚えていない」とのことでしたが、当時、下駄を履いて銭湯に行く途中、月を見ながらつくった曲だそうです。九州からやってきた長髪の岐部青年、どんな思いで夜空を見上げて歩いていたのでしょう。シンプルなスリーコードの、ほのぼのフォーク路線の佳作です。
で、簡単なようで、実はこれ、すごく難しい歌なのです。音程がとりにくくて。曲のイメージからも、これは伊達君にお願いするしかないなと思いつつ、事情があって残していたのですが、幸い伊達君が快諾してくれて歌を吹き込むことができました。
だてポン、いい声してる。音程もきっちりとってくれたし。どんなふうに歌おうか、いろいろ悩んで、さまざまな歌い方のバリエーションを披露してくれましたが、一番素直な歌い方のがいいということで一同納得。シンプルでストレートなボーカルバージョンを残しました。
エンディング、ちょっとくどくてすいません。延々とギターソロをやってみたかったので。
(1999.6.27〜9.15)

「風呂上がりみたい」と作者に評されたボーカリスト。「温泉より気持ちよかった」とは本人の弁。スタジオ名はこの一言で決定した。
7 紙飛行機おろうよ
作詞/酒井通江 作曲/菅ケ谷まゆみ(ぺんぺん草1985)
いさわしよりリクエストをいただきました。うーん、いさわしにぜひ歌ってもらいたい。
このアレンジは悩みましたね。創作童謡全集。に収録されているのですが、そのえりずーアレンジが完ぺきで。なるべくいろんなアレンジで曲に取り組むことを基本方針としているのですが、このえりずーアレンジはどうやっても超えられない。他の人が歌っているのを聴いても、イントロはこのメロディーじゃないとだめだし。そんな思いがあって、結局オーソドックスなアレンジにしました。
ピアノは、レット・イット・ビーです。夏合宿での伊豆原のギャグからいただきました。ビートルズのバラードにしようと思ったのですが、出来上がったのはチューリップのコピーバンドでした。ギターは相変わらず下手ですねえ。このあたり、まだまだ課題です。
(1999.8.22〜9.6)
8 ねぼすけケン坊
作詞・作曲/宮内秀之(ぺんぺん草1976)
ねぼすけケン坊、略してねぼケン(今考えた)。丹後が1年の時の4年生、宮内さんの作品です。宮内さんはカントリー大好きの方で、これもシンプルなカントリーのイメージでした。今回のアレンジは、だいぶイメージが違うと思います。怒られたらあやまっちゃおうっと。実は風組2のあたりから何度かトライしていた曲だったのですが、あまりうまくできなくて、今まで寝かせていました。今回のアレンジを思いついて、ここに収録できました。ポイントはベースです、一応。
この手の歌は、やっぱり中山さんが一番。いい味出してくれました。お願いしたら一発で快く引き受けてくれ、しかも毎朝出勤時にウォークマンで聴きながら練習してくれたそうです。感謝。中山さん、いい声してますねえ。歌のお兄さん、健在です。ライブのボーカリストもお願いしたいなあ。デビューしませんか?
コーラスは、えりずー。録音の際に突然お願いしました。さりげないけど、「メエメエ」がいい感じなんですわ。
実は、岐部さんもかすかにコーラスやってます。でも、ご本人の「歌手扱いはやだなあ」とのご希望でクレジットには掲載しませんでした。
(1999.7.7〜8.30)

絶好調の親分。熱唱の秘密は、手にしたカップにあった。「人が歌っている間、黙っているのがすげえつらかった」と後でぽつり。
9 赤い馬
作詞/樺沢弘美 作曲/土橋一夫(ぺんぺん草1988.7)
いさわしよりリクエストいただきました。中山さんに歌ってもらおうかと悩みましたが、たぶんいさわし、カラオケとして歌いたいのではと推測し、ボーカルなしにしました。余計な配慮だったらごめんなさい。
なんの記念日なのか、なぜ馬が赤いのか、まったくわかりませんが、わくわくどきどきがうまく表現された詞です。これに、まさにドバシ節という土橋君のメロディーがついています。だてポンご指摘のように、土橋君のメロディーは音域が狭い中でうまくつくられています。これはとっても難しいことなので、見習いたいです。ちなみに土橋テープにある土橋君のボーカルバージョン、すごくいいですよ。
アレンジは、その土橋バージョン、創作童謡全集バージョンとはかなり変えています。記念日に間に合わせなくちゃとあせる気持ちを表現したかったもので。実は、大滝詠一ふうのサウンドを狙ったのでしたが、うーむ、これは今の丹後には難しかったみたいでした。
(1999.7.14〜7.18)
10 すみれ
作詞/井田綾子 作曲/向笠則子(ぺんぺん草1982.9)
だてポンが送ってくれた、埋もれた名曲集の中にあった曲です。本当に名曲です。
「姉のくせを真似してみたい」なんてフレーズ、絶対書けません。童研史上、屈指のフレーズでしょう。もっとも童謡らしくないと言えばまさにそれまでで、創作童謡の選にもれたのも、そのあたりが理由だったのでしょうね。
当初はインストゥルメンタル作品で完成させました。チェロをきかせて、仕上げました。しかしやっぱりどうしても女の子のボーカルが欲しくなって。「これはどうしてもひみこさんに歌ってもらわねば」という思いが日毎に強くなり、思い切ってお願いしてみたところ、快く引き受けてくれました。ありがとう。お願いして本当によかったです。
なにしろこの歌、本当に難しい。アレンジで四度の和音を多用しているので音程をとるだけでも相当の技術が必要なんです(ちなみの出だしの和音はド・レ・ソ・ラ・シで、メロディーはミ)。それを難なくこなしつつ、しかも、この詞の世界を実にうまく表現して歌ってくれました。詞に引っ張られて過剰に情感を入れると聴きづらくなってしまうものなのですが、そのあたりもさすがの歌唱力。さりげなさの中に深い思い入れを込めてくれています。
アルファ波、出しまくって聴いてください。いい夢が見られるはずです。
(1999.7.18〜9.15)
11 滝のうた
作詞・作曲/西田美穂(ぺんぺん草1991.8)
岐部さんよりリクエストいただきました。創作童謡全集IIIに入っている曲の中で岐部さんはことのほかこれがお気に入り。それを、すいません、こんなアレンジにしちゃいました。
いんちきレゲエです。くわもに「こんなアレンジを考えているんだけど」と話したら、「うーん、岐部さんはそういうつもりでリクエストしたんじゃないと思いますよ思いますよ。泣くと思いますよ思いますよ」と返事。やっぱりそうか、と思案しつつのわがまま暴挙です。岐部さん、作者の西田さん(お会いしたことないけど)、許してください。
ちなみに、この歌には、ブンノくんの幻のバージョンがあります。一度だけ聴きましたが、あまりのアレンジとパフォーマンスに驚愕しました。えりずーが激怒したというこのアレンジは門外不出の発行禁止バージョン。これに比べたら、レゲエなんて、かわいいものでありましょう。
(1999.8.20〜8.22)
12 チュッチュゴン
作詞・作曲/樋口 孝(ぺんぺん草1983)
聴け、このハイトーンなビブラートボーカル。これぞ、新潟から上京したての木訥な青年(俺だけど)を感動させ、童研への参加を決定づけたアイドル歌唱だっ。
リクエストはくわもくんです。8月に事務所にアポなしで来やがった、くわもくん。ちょうどその時丹後は「タイムダンス」のデモボーカルを録音して遊んでいたのでした。げえ、間の悪いところを見られちゃったと思った丹後は、くわもに「何かリクエストしろよな、おめえ」と恫喝。くわもくん、すかさずこれをリクエストしてくれました。どういう歌だと問うと、くわもくん、一生懸命歌ってくれました。ははーん、くわもの野郎、これをカラオケにして自己陶酔しようって魂胆だな。そう見破ったわたくしは、これは絶対ポンちゃんにアグネス・チャンをやってもらおうと決心したのでした。
アレンジ完成後、ポンちゃんに電話してお願いしたら「あら、だめよ、若い子にやってもらいなさい」とのつれない返事。ねばるも、快諾いただけない。「じゃあ、デモを送るから、それ聴いてください。それでもダメというなら、もうあきらめますから」と電話を切ったのでした。
その後、丹後は事務所でデモづくり。音域は広いし、けっこう難しい歌なんです。歌っていると、ワープロを打つ事務所娘の背中がぷるぷるとふるえだす。うーむ、そりゃあ俺の「ちゅっちゅっちゅう〜」だもんなあ。深く同情したのでした。
で、デモテープを聴いたポンちゃん。中山さんのプッシュもあり、さすがに丹後よりはうまく歌えると思ったようで、ボーカルを了解してくださいました。ふふ、デモ制作の目論見通りでした。
しかし困ったことにポンちゃんてば、リリース目前になって「お願いだからカットして。削除して。入れないで」と懇願の電話。刷り込み効果により、つい了解しそうになりましたが、いやいや、こればっかりは譲れない。後で殴られようとどつかれようと絶交されようとわら人形打たれようとお礼参りされようと、これは収録するっ。果たしてリリース後のポンちゃんの反応は。ああ、今から恐ろしいです。
アレンジは、極力シンプルに。こういう歌、大好きなんです。よくぞ歌いこなしてくれました、ポンちゃん。短期間でしっかり練習してくださったようで感謝です。次回もぜひぜひ歌ってもらいたいと、18歳の青年に戻った丹後は、児童館で拍手する気分で大喜びでありました。
(1999.8.18〜8.30)

「歌うのは好きだけど、CD化は絶対ヤダ」と最後まで言い張った歌のお姉さん。すんません、歌どころか写真まで公開しちゃいました。
13 ふたつめのこもりうた
作詞/桑原正光 作曲/向笠則子(ぺんぺん草1983.1)
「すみれ」と同曲です。一緒に入れるのもあざといかなあと思ったけれど、残しました。
「すみれ」創作童謡の選にもれてしまったのですが、その素晴らしいメロディーを惜しんだくわもくんが、あらためてこの詞を乗せて、復活させたそうです。くわもならではの、力わざ。あ、これ、ほめてるんだからね。くわもは「(「すみれ」作詞者の)井田さんにしてみれば、あんまり気持ちのいい話ではないでしょう」と言ってましたが、そのような心情を思っても、やっぱりここに残したかったです。ご了解を。
当初はカラオケバージョンの予定でしたが、9月12日にだてポンが「空を歩いてく」を録音した際、ひょんなことからひみこさんとデュエットすることに。これがけっこういい感じでしたので、よし、入れちゃおうと即座に決定となりました。だてポンとひみこさんのユニゾンが実現するなんて、まったくなんと素晴らしいことでしょう。「お父さんとお母さんが歌ってるということで」とは、だてポンのコメント。この二人が両親なら、子どもはきっとすごく歌が上手なんだろうなあ。気持ちよく聴いていただけると思います。
詞が実に素晴らしくて、さすがくわも先生。酔っぱらって聴いたら、不覚にも涙がこぼれてしまいました。
(1999.7.25〜9.16)
14 ママへのお話
セリフ/鈴木洋子 作詞・作曲/中山陽司(ぺんぺん草1977)
春に昼部会をやった際、高橋君に「い〜つまでも〜って歌、好きなんですよ。風組に入れてください」と頼まれました。その時は「うーん、セリフが命だからなあ、今は無理だなあ」とあやまっておきました。今回、歌姫たちのおかげで、やっとそのご期待に応えることができました。
MCはひみこさん。ボーカルは、ポンちゃんとえりずーさんです。実は事前にはお願いしていなくて、録音の当日に急きょ歌ってくれるよう依頼しました。ポンちゃん、ケーキを食べながら「あら、あたしなんかダメよ、若い子にやってもらいなさいよ」と渋っていましたが、なんとか説得。サビだけなら、ということで歌ってくれました。ありがとうございました。ひみこMC、とってもいいです。まさにこういう感じです。
しかし、この3人が一緒に歌ってくれる時代が来るとはねえ。インターネットとは、改めてすごいものだなあと感心しました。
録音の時、20年ぶりに自作の歌がよみがえるのを聴いた中山さん、感慨深げでした。
(1999.8.22〜8.30)

メロディーラインのチェック。しかしこの二人のボーカリストのツーショットが実現するとはねえ。

なんとも豪華なトリオ。一曲だけとは、ああ、もったいない。
15 こんにちは おはようさん
作詞/長嶋良治 作曲/関川恵理子(ぺんぺん草1991.10)
この歌、好きなんだよなあ。創作童謡全集では何度も聴いてます。だって、ありそうでない歌だものね。まさに「歌」って感じです。
で、これはアレンジをまるっきり変えてしまいました。オリジナルアレンジはとても印象深いイントロなんですが、なんとか別アレンジに挑戦したいとずっと考えていたのです。で、たどりついたのが、これ。自分ではけっこう気に入っていますが、どうでしょう。
一応、ステファン・グラッペリをイメージしたバイオリンですが、すべったグラッペリって感じの仕上がり。ところどころわざとタイミングをずらしたりしています。ギターは、こんな感じの音色かな。
短くてあっという間に過ぎてしまう演奏ですが、けっこう気持ちいいです。このすべったグラッペリ・バンドの4人組で他の曲もいろいろやってみたくなっちゃいました。
(1999.9.4)
16 妖精たちのタイムダンス
作詞/武田嘉代子 作曲/丹後雅彦(ぺんぺん草1980)
自作曲の中でも気に入っているメロディーの歌です。けど、音域は広いし、微妙な飛び方をするし、すげえ難しい歌。加えて四度音程中心の和音でアレンジしているものだから、音がむっちゃとりづらい。デモで自分で歌ったら、腰砕けになるような仕上がりでした。とほほ。このテイクは封印。所有している方は、門外不出扱いでお願いね。
そんな難しい歌を、えりずーさんがきっちりと歌い上げてくれました。リバーブの似合う声というものがあるとしたら、まさに彼女の声ですね。とてもきれいな声だと思います。ぜひおやすみ前に繰り返しお聴きください。アルファ波に包まれてぐっすりと眠ることができるでしょう。
歌詞はメルヘンの武田さんの、いかにも彼女らしいもの。それに丹後がさらさらっとメロディーをつけたのでした。発表したのは5年の時だったっけ。その年の童研セカンドアルバムに伊達君のアレンジ、真理ちゃんのボーカルで収録してもらいました。伊達君のアレンジは素晴らしいできで、イントロ、間奏は特に非常にきれいな仕上がりでした。
今回のアレンジに際しては、その伊達アレンジとの違いをどうするかがテーマでした。シンセサイザーバージョンもつくったのですが、どうにも気持ち悪い。そこで、このようなオーケストラバージョンにしてみました。こういうストリングスが使えるのは、DTM音源ならではです。一カ所、伊達アレンジのフレーズを流用しているところがありますが、これはだてポンには事後承諾なのでした。
などということはどうでもよく、とにかくこれはボーカルに尽きます。えりずーに、大感謝。素晴らしいボーカルです。
(1999.8.10〜8.31)
17 輪になって
作詞・作曲/田村雅久(初出不明)
今年の冬、浜松で岐部さん、加藤君と飲んだとき、この歌の話になり、「名曲中の名曲だから、ぜひリメイクして世に出せないものか」ということで盛り上がりました。その会話以来、なんとか別のアレンジができないかとずっと思い続けてきました。
そこで今回は、えいやっとばかりに思い切って挑戦。この偉大な歌を入れることにしました。
さまざまな楽器でにぎやかに仕上げています。エンディングはストリングスとブラスという二つの上モノを、同じような上昇・下降メロディーで流していくという反則ぎみのことをしています。いいのかなあ、と思いつつのアレンジでした。しかしこれだけ楽器が多いと、バランスが難しい。エンジニア丹後は、まだまだ未熟者であります。
歌は、説明不要の名曲。童研のメンバーなら、世代を超えて誰でもすぐさま一緒に歌える曲です。まさにこの歌で輪になってしまえる名曲です。
そのような名曲になぜボーカルを入れなかったか。言うまでもなく、できるだけ多くのボーカリストに参加して歌ってもらうべき歌であり、そこには絶対にいさわしは欠かせないからであります。
(1999.7.26〜8.10)
***********************************
イラストについて。
ジャケットのイラストは、今回はさや子さんにお願いしました。「タッチはメルヘンで。表が土星、裏が地球(理由はもちろんわかりますよね)」とだけお願いし、つくってもらいました。超多忙の中、さくさくっと仕上げてくれましたが、ご覧の通りの見事な作品。傑作となりました。
このイラストを、仕事仲間であるカメラマンのボロボおじさんに、ギャラはトンカツ定食と話をつけて撮影してもらい、やはり仕事仲間のぺいちゃんにデザインしてもらいました。環境が違うと発色が違ってくるというので、前作から印刷もぺいちゃんです。使えるコネは何でも使うのが風組です。
カードのイラストはいつも通りえーじ画伯。無理な注文に応え、描いてくれました。夜空がとってもきれい。深みがあり、すごく美しいイラストです。画伯の中では一二を争う作品でしょう。カードだけに使って申し訳ない。皆さん、絶対に捨てないで取っておいてくださいね。
CD-Rの手描きイラストは、発送作業ボランティア隊の面々によるもの。今まではえーじ画伯にすべてお願いしていましたが、さすがに毎回では申し訳ない。今回はみんながそれぞれ好きな絵を描くことにしました。
と、予定稿(笑)を書いておいたら、実際はボランティア当日にくわもが大量のスタンプコレクションを、それこそカバンにいっぱいに詰めて持ち込んでくれたので、全員でそのスタンプを押しながらわたくしがサイン。画伯不在の穴を、くわもくんの見事な機転でしのぐことができたのでした。ありがとう、くわもくん。今日の殊勲賞は君だ。
(なのに「くわも80」と間違えちゃってごめんなさい。正しくは「くわも81」でした)
このCDのデザイン処理は、いつも課題であって、専用のプリンターもあるにはあるけと30万近くもします。とても買えない。ラベルを貼るセットもあるにはあるが、これは耐性が大幅に劣化するので、使えない。ということで毎回手描きなのですが、これはこれで楽しいものだと思っています。「ぺんぺん草」の雰囲気で、気に入っています。
**
風組も6作目で歌組が加わるという、大きな転換期を迎えました。今までいろんな方から(童研関係者以外も含め)「歌があるともっといいのに(アレンジの粗が隠れるし)」と言われ続けてきましたが、これでなんとかボーカル入りアルバムをつくることができました。とりあえず、ほっ。
前回も書いたように、えりずーテープにはじまる一連の音源を聴いて以来、ボーカルがずっと気になっていました。ボーカルと言えば、我々の世代は井澤君なのですが、彼の帰国を待つかどうかとの思いもあったけれど、幸いにして新しく知り合った若手ボーカリストたちが協力してくれることにもなったので、思い切ってボーカル、入れました。いさわし、待ってるからね。
ボーカルを入れるとなると、今までとは違ったポイントもいつくか出てきました。アレンジ面では、主役はあくまでボーカル。あまり主張せず、さりとていい緊張関係を保てるようにと意識しました。少々の齟齬はボーカルがカバーしてくれるので、ある意味、気楽ではありましたが。
一方で難しかったのは、録音です。DTM音源とともにマイク入力するための機材を購入したのですが、これがウィンドウズ用でしかも使い方がさっぱり不明。マックのボディにノミで穴を開けて強引に接続するという裏技でセットし、あとは例によって師匠の協力でなんとか使えるところまできました。それでもまだまだ不十分。エンジニア関係の知識も不可欠ということで、勉強しなければならないことがまだたくさんあります。
にしても、びっくりしたのはお金。マイクのえらく高いのには驚きました。一番安いのを買いましたが、それでも3万近く。ひょえー。まったくこの世界は恐ろしいです。道楽もここまでくると、身の破滅ですね。
**
さて、風組史上初めて次回作を具体的に予告します。次回は企画ものとしてクリスマスアルバムをつくります。童研のクリスマスソングばかり集めてみます。クリスマスアルバムということは当然クリスマスまでにリリースしなければなりません。果たしてそんな芸当が可能なのでしょうか。丹後君にもわかりましぇーん。もし間に合わなかったら、この部分削除しちゃって「何の話?」ととぼけるつもりでありますが。
**
著作権とかうるさいことを言うつもりはまったくないのですが、人様の作品を断りもなく勝手に使っていますので、商業的なご利用の時は事前にご連絡くださいませ。そうでなければ、どんどん再配布しちゃってください。あの人にも送ってというリクエストも、どんどんお願いします。喜んでお送りします。
それから、歌組でボーカルしたいという人、募集中です。「この曲は俺が歌うっ」「あれはあの人に歌ってもらいたい」「丹後にだけは歌わせるな」というリクエスト、うれしいです。もちろん今まで取り上げた曲でも、アリですよん。
しかし、まだまだやっていない曲がたくさんあります。さすがに丹後が現役時代の曲は少なくなりましたが、卒業後の作品は山ほど残っているようです。
**
ボーカリストの皆さん、ボランティア隊の皆さん、そしてCDを受け取ってくれた皆さん、どうもありがとうございました。1999.09.26

歌姫とのツーショットににやけまくって間抜けづらをさらしているタコプロデューサー。