「親も同然、子も同然」
オルケスタ・デ・ラ・タンゴ風組 リターンズ




学生時代に所属していた童謡研究会(現在は廃部)で発表された星の数ほどの創作童謡の中から、いくつかをピックアップしてアレンジし、収録しました。
お聴きくださる方には、CDをお送りいたします。
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もちろん、送料含め一切無料です。
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「だてポンのライナーノート」
トラック11で素晴らしいボーカルを披露してくれているだてポンが、ていねいなライナーノートをつくってくれました。


1.ピエロのルポポ
作詞:割田尊子 作曲:奥田善雄(1982年)

新しいCDをつくるなら、1曲目は絶対これにしたいとずっと考えていました。しかも、中山さん(飯野さん)のボーカルで、出だしに「すーっ」というブレスを入れるというイメージもかなりクリアにありました。
最初にアレンジしたのは2002年頃。その時はアレンジだけで終わってボーカルは収録できず、今回、改めてアレンジしなおして入れました。
いかにも80年代な、ニューミュージックな歌だと思います。
中山さんは、この収録に際して「いったいこれは誰の視点で歌われるんだろう」とずっと悩んだそうです。結果、見つけた答えが「同じサーカスの中の仲間が歌っている」というもの。なるほど、解釈はいろいろなのだと思います。
中山さんの柔らかい声が、この歌の世界にぴったりです。ちなみに「すーっ」ですが、capsuleというユニットの「スーパースクーター」というすごく格好いい歌の「すーっ」を真似してみました。
エンディングのおまけは、ラジオでサーカスの宣伝が流れているというイメージです。



2.メルヘン・メルヘン
作詞:武田嘉代子 作曲:丹後雅彦(1979年)

大学4年の時に作曲した歌です。武田さんの詞を、勝手にかなり大幅にアレンジして手を入れ、曲をつけました。
あの頃、毎晩のように祐天寺の下宿(四畳半一間だった)の近くの居酒屋に足を運んでいました。我々が「おばちゃんち」と呼んでいた店です。
今でもはっきりと覚えているのですが、ある秋の夜、「おばちゃんち」に向かうために静かな住宅街を一人で歩いていると、突然頭の中で「メルヘン、メルヘン、メールヘン、ウーウー」というサビのフレーズが鳴ったのでした。まさに空から降ってくるという感覚で、こういうこともあるのだなあと感心した覚えがあります。
このアレンジは、長いこと頭の中にアイデアがありました。そのアイデアの通りに表現できたかというと、そんなことはまったくなくて、未熟ぶりが露わなのですが、雰囲気、ニュアンスは出せたかなと思います。
当初は井澤くん一人で歌ってもらう予定でした。収録の途中、ゴージャス感が欲しくて、妻のユニゾンボーカルとコーラスを入れることにしました。
録音後はトラックダウンでのバランスに苦慮。何度も何度もトラックダウンしなおしましたが、とても難しかった。
この歌はありがたいことにけっこう人気があったようで、ずいぶん長い間歌い継がれたようです。歌いやすいメロディーと、サビの部分がけっこう気持ちよくてカタルシスなのがよかったのでしょう。



3.クイズクイズ

2006年の9月のある夜、丹後は5歳の息子を連れて行きつけの居酒屋へ行き、お酒を飲んでいい気持ちで帰ってきました。息子は大好きなカニが食べられたので、上機嫌でした。
そのまま丹後はICレコーダーのスイッチをオン。仕事部屋で二人でクイズを出して遊んだのでした。
もちろんシナリオも打ち合わせも指導もまったくなしの、素のままの普段の会話です。
こんなふうに息子は、親がボケれば突っ込むような人間に育ってくれました。



4.ながれぼし
作詞・作曲:丹後雅彦(1977年)

大学2年のときに作った歌です。
講義で知った八木重吉という詩人の「紙風船」という詩に触発され、タイトルがなければ何の歌かわからない歌を作ろうと思ったのがきっかけでした。そこで「ながれぼし=秋の夜空の涙つぶ」と決め、その他のフレーズを書き上げました。
実家の母がわざわざ手紙でほめてくれたことを、今もとてもよく覚えています。その意味では、かなり思い入れの強い歌です。
メロディーは、珍しいことに臨時記号が何もなく、素直な仕上がりになっています。
アレンジは、かなり気取ってみました。きちんと音楽を学んでいないため、和声法的に正しいのかどうなのか、いつも試行錯誤で恥ずかしい思いをしています。今回はどうだろう。
歌をお願いした親分、「難しい、難しい」と連発。あげくに後になって「やっぱりあれは使わないで」と言ってきたのでした。でもこうして使ってしまったので、とほほ、怒られちゃうのでしょうか。



5.にちようび
作詞・作曲:関川恵理子(1992年)

えりずーこと関川恵理子さんの作品です
童謡研究会も80年代後半から90年代になると音楽的にかなりのレベルに達していて、作品の質はぐんと上がっています。この曲もその一つで、これだけのしゃれた曲がさらりと発表されているところに感心します。
原曲のアレンジは、カントリー風。それを軽いジャズにしました。この手のアレンジはとても楽しいものです。
間奏のメロディーはポール・サイモン「59番街橋の歌」の引用。これは徹夜で遊んで朝方に帰るという不健康な歌なのですが、気持ちがいいので使ってみました。フルートとフィドルって案外合うんだなあ。
エンディングの効果音は、散歩から帰ってきてトーストを焼いて目玉焼きを焼いていたら、ドアチャイムが鳴って恋人が尋ねてきた、という日曜のすてきな朝を表現しています。が、あまりに回りくどくて、ちょっとわかんないですよねー。
ボーカルは、いさわし。最初からいさわしの歌が頭にありました。
まさに望んだとおりの弾むような軽やかさで、本当にさわやかな仕上がりになりました。絶品のボーカルです。



6.七夕
作詞:井福有希 作曲:竹腰めぐみ(1994年)

えりずーさんに「チミも何か好きな歌を一曲歌いなさい」とお願いしたところ、選んでくれたのがこの曲でした。このCDの中では一番若い歌ですね。
地味でしっとりした曲ですが、なかなかていねいに作ってあります。むやみに音域を広げずにまとめていくのは本当に難しい作業なのに、それをさらりとやっているあたり、なかなかの力量でしょう。
アレンジもそれに応えて落ち着いたものにしました。
えりずーさんのボーカル、以前に比べてずいぶんと声の輪郭が強くなってきたようです。バンド活動で鍛えられたのでしょう。
一度録ったテイクが本人の気に入らず、えりずーさんの希望によって収録し直したところ、ばっちりでした。実は最初の収録では、歌う前にちょっとビールを飲んでいたのです。
井澤くんによれば、ボーカリストにとって歌の前のアルコールは大敵らしい。素面で歌い直していただきました。



7.ぼくたちの地球
作詞:桑原正光 作曲:笹川玲子(1981年)

だいぶ以前、作者のくわもくんからこの曲のリクエストをいただきました。いつかは約束を守らなきゃとずっと心に残っていて、それを果たしたいというのも、このCDづくりのきっかけの一つでした。
今は現役の作詞家として活躍中のくわもくん、この作品を「青臭い」と照れていますが、なんのなんの、くわもくんらしいストレートでぐいぐい押す仕上がり。ちなみに二番の「カイサイ」は「快哉」とのことです。
一方の曲は、りょうちゃんこと笹川さんの作品。キーボーディストらしいメロディーです。特徴は、息継ぎがまったくできない流れるようなライン。「ふられ気分でロックンロール」か(古すぎっ)。
このボーカルをかっとばしてくれたのが、いさわしです。
録音ではなんとテイク19まで録り、そのうちのテイク16を使っています。ゴダイゴふうやジャニーズふうと、いろいろと歌い方を変え、最終的に「これは戦隊ものシリーズのエンディングソングなのだ」という解釈で意見が一致。こういう歌い方になったのでした。
以前、CDを量産していたときは、歌って欲しくてもかなわなかったいさわし。欧州から帰ってきて、ようやくその思いがかないました。いさわしに存分に歌って欲しい(存分に聴きたい)という思いがあったのも、このCDの動機になっています。
アレンジは、TOKIOとかいうグループの「AMBITIOUS JAPAN」という歌にインスパイアされています。これがとんでもないアレンジで、初めて聴いたときはぶったまげました。編曲は船山基紀。さすが大人の、立派な職人仕事。その足元にも及ばないアレンジですが、思いはそこにあるということで。



8.雨あがり
作詞:金子晴美 作曲:関川恵理子(1991年)

これは妻(丹後比美子)のリクエストによるものです。えりずとほぼ同期の妻は、えりず作品の中でもこれが好きということでした。作詞は、やはり同期の晴美さん。とても可愛らしい世界観の詞で、それにふさわしいメロディーラインがついています。
このアレンジは、案外あっさりとできました。素直に、自然にアレンジしようと心がけて、すらっと仕上がった記憶があります。
三拍目ごとのピアノの和音は、雨だれのイメージです。自分でもけっこう好きなアレンジとなりました。
雨あがりの庭が目に浮かぶ、とてもすてきな歌です。



9.秋風とすすき
作詞:塩井恵子 作曲:山口和彦(1972年)

古い、実に古い歌。1972年だから、丹後はまだ中学生でやっとギターを弾き始めた頃。なんと妻はこの年に生まれています。
こんな古い歌をリクエストしてくれたのは、親分。出だしのメロディーを口ずさんでもらって、丹後の頭にかすかーに記憶が戻ってきて、黄色く変色した資料の山(創作童謡集「ぺんぺん草」)をひっくり返したら、ようやく見つかったのでした。
メロディーに一部不確かなところ、というか明らかに間違っているところがあったのて訂正しています。
それにしても当時はこんなに短い曲でよかったんでしょうね。これがAメロで次にBメロが来て、そしてサビに入って一番が終わりというのがパターンなのに、これだけで成立しているのが面白く感じます。
もっとも詞のほうはこの短さがいいのでしょう、美しい描写で秋が来たというだけで終わっているところが、なんとも日本的で端正です。
これもあっさりしたアレンジにしてみました。親分はこういう歌を歌わせると、うまいなあ。弾き語りを聴いてみたいです。



10.風がはこぶだろう
作詞・作曲:竹内比美子(1992年)

妻は学生時代、怒濤の勢いで歌を作り続けました。絶対音感を持っているため(本人は否定していますが)、作曲の際は頭に浮かんだメロディーを五線譜にさらさらと書いていくスタイルです。
そんなふうにしてつくりあげた歌の中で、旦那である僕が二番目に好きなのがこの歌です。このナチュラルなメロディーラインは、なかなか書けるものではないと思うのでした。
さて、このテイクは実は唯一2003年に録られたもの。当時使っていたマッキントッシュのシステムと音源で制作したものに、予行練習なしでいきなり歌ってもらったテイクを入れたのでした。
だから他の楽曲と微妙に音のキャラクターが違っています。
今回、ボーカルだけ改めてとりなおしたのですが、やっぱり最初のものが一番いいということで、結局一ヵ所だけコーラスをかぶせるにとどめて、古いものを使いました。
この高音の伸びは、何度聴いても気持ちのよいものです。



11.時計台のうた
作詞:丹後雅彦 作曲:伊達重明(1978年)

作詞と作曲を同時にするのがお約束だった丹後ですが、これは珍しく、詞だけ発表した作品でした。詞は書いたけれど、曲がつけられず、誰かつけてくれと思ったのでした。これに応じたのが、伊達君だったというわけです。
ちなみに同じく詞だけ書いて誰か曲をつけてくれと思ったのに、誰もつけてくれなかったので結局自分で曲もつけてしまったのが「雄大の夢」でしたが。
詞の内容は、大学生にしてはずいぶん達観したような内容で、今さらながらあきれてしまいます。
驚いたのは曲です。改めて、こんなにも端正なメロディーラインの曲だったんだと、伊達君の力量にびっくりしました。きれいな曲だなあ。
ボーカルは、その伊達君本人。実は当初は親分が歌うことになっていたのですが、急遽伊達君にお願いしたのです。
伊達君はビリーバンバンをイメージしていたようですが、丹後のリクエストは、肩の力を抜いた井上陽水ふうに、というもの。
伊達君、期待以上のと言ったら失礼だけど、メロディー同様に端正なボーカルを聴かせてくれました。これには、当初歌う予定だった親分も「最高!」と感心していました。
アレンジは、実は当初はまったく違うものでした。六文銭という昔のフォークグループをイメージしたアレンジだったのです。
でも、なんとなくしっくりこなくて、まったくガラッと変えたアレンジをしてみました。あえて言うなら、ガロ風かな。ちょっと冒険だったけど、こっちのアレンジで正解でした。


12.クイズクイズ



13.春の色
作詞:岐部友信、加藤光久、山口晋、井澤來南、井澤海、 丹後雅彦 作曲:丹後雅彦(1977年、2006年)

大学2年の時につくった歌です。当時住んでいた祐天寺の四畳半の下宿は、半ばたまり場と化していて、よく野郎どもが遊びに来ては酒を飲んだり泊まったりしていました。
そこで来た野郎どもが惚けた頭でわいわいと言い合いながら、出来上がったばかりのメロディーに歌詞をせていったわけです。だから作詞者がやたらと多くなってしまいました。
これをブルーグラスにアレンジして、誰に歌ってもらおうかなあと思っていたところ、車に乗り合わせた井澤家の娘たちがすぐに覚えて、替え歌で歌ってくれました。それを聞いて、タンゴは即座にこの二人に歌ってもらおうと決心したのでありました。
収録は二度のテイクで終了。歌手・いさわしは、ここでは立派なステージパパです。
これはマスタリングの作業をしながら、じんわりと涙が出てきたなあ。子供の歌声は、やっぱり誰にもかないません。今も聴くたびに顔がほころんでしまいます。



14.アルプスの小羊さん
作詞:藤本理恵 作曲:伊達重明(1979年)

伊達君の作品です。丹後が大学卒業時、伊達君のアレンジによって録音し、記録に残したことがあります。
このCDでは、過去に取り上げたことのある作品でもすべてまったく新しいアレンジをし直しています。しかし、この「小羊さん」だけは伊達君のアレンジを完全に下敷きにして、おそらく本人はこうしたかったんだろうという味付けをしてあります。
さらりと聞き流せる、可愛らしい小品だと思います。
歌は、けろけろず。比美子がメインでえりずーがコーラス。それだけお願いしてあとは自由にやってもらいました。
後ろのパーカッション関係がしゃりしゃりしていたり、ストリングスが大きすぎたり、ギターが耳に痛かったりと、トラックダウンは案外難しかった。勉強することはまだまだ山のようにあります。




15.メリーゴーランド
作詞:中山順子 作曲:丹後雅彦(1977年)

大学2年生の時の作品。最初に歌詞が発表され(「まわれまわれ」という題でした)、それを見ながら誰もいない放課後の部室でギターを抱えながら5分ほどでメロディーを作りました。
自分なりに割と一般ウケする歌かと思って、当時のNHK「あなたのメロディー」に応募。ラッキーなことにオンエアされることになり、歌はハイファイセットに決まりました。成人の日のオンエアーで、新成人特集という企画だったこともラッキーでした。
その後、するすると勝ち抜いて、とうとう年間グランプリの大会でNHKホールに立ち、準グランプリとしてトロフィーを受け取るところまでいったものでした。
最初、歌詞はかなり短かったのですが、年間グランプリ大会を前にNHKから「歌詞を長くして欲しい」という依頼があり、当時、ちょっとした病気で入院していた虎ノ門病院の梶が谷の病室で、辞書を引きながら新しい歌詞を付け加えた思い出があります。
グランプリ大会では、あの「与作」に続いて二位でありました。リハーサルで他のエントリー曲を聴いて、こりゃとてもかなわないと思ったので、二位は望外の喜びでした。なんにせよハイファイセットという当代一流のグループに歌ってもらったのがよかった。
その時のグランプリ大会のアレンジを、後半で再現しました。オリジナルアレンジは、東海林修さんによるものでした。
前半は、作曲したときに頭にあったイメージを再現したもの。こういうフォーク調の静かな曲想だったのですが、テレビではジャズワルツに編曲され、プロっていうのはすごいものだなあと、当時心から感心したものでした。
今回歌っていただいたのは、親分。「本当に難しい」といいながら、こんなに素晴らしいボーカルを披露してくれました。聴けば聴くほど素晴らしい、絶品です。
このボーカルはハイファイセットを超えていると、いや、ほんと、そう思います。
ストリングスとホーンのぶつかり合いが難しくて、あまり上手なアレンジにはなりませんでしたが、親分のボーカルがすべてということで。



16.あかねぐも
作詞・作曲 井澤正(1978年)

焼鳥屋でビールを飲みながら井澤くんに「何が歌いたい?」とたずねたらあげきてこたのが、この曲でした。
学生時代、授業中に窓の外を見ながらつくった作品だそうです。井澤くんの作品には珍しく、メロディーがあまり飛ばない感じです。
詞の世界が素晴らしく、秋の美しい情景が浮かんできます。隣のネコに声をかけて駆け込んだというところが、けっこう好き。
実はアレンジではかなり苦労しました。最初はボサノバのアレンジだったりするのです。(幻のアレンジ、残っています)
その後、何度か井澤くんとやりとりして、修正を加え、最終的にこういう感じになりました。途中の間奏は、夕暮れの中、物の怪どもが列を組んで現れたところを表現しています。ここだけは譲れないと、ずいぶん強硬に井澤くんに主張したものでした。
ストリングスを全面に出す曲は、トラックダウンが難しい。バランスは果たしてどうなんでしょうか。
もちろんボーカルは言うことナシ。落ち着いた、大人の味わいです。



17.モグラの電車
作詞:関谷麻里 作曲:中山陽司(1977年)

親分は言います。「俺たちの頃の歌って、タヌキが喧嘩したとか、モグラがぶつかったとか、ほんっっとーに、どうでもいいような歌ばっかりだよな」。
その歌がこれです。
学生時代にマンドリンを弾いてブルーグラスをやっていた親分の、典型的なブルーグラス進行、メロディーの歌です。なかなかに可愛らしい。
これを学生時代、ブルーグラス気分で録音したことがありました。けれどやはり技量の問題で、ブルーグラスとは似ても似つかぬものになってしまい、中途半端なままに埋もれていたのでした。
それを今回、ディキシーランドジャズ風のアレンジで演奏し直してみました。ボーカルは作曲者本人。
とても楽しくて軽快な仕上がりです。間奏のアナウンスは「何か芸を」というリクエストに応えた親分のアドリブです。
こういう歌はやっぱり子供は大好きなようで、我が家の子供たちはすぐに覚えて、遊びながら口ずさんでいました。



18.僕の海
作詞:荻山園子 作曲:鎌田慶昭(1978年)
とてもさわやかな歌です。大好きな一曲。
鎌田君が作曲でした。メロディーラインはシンプルだけど、ものすごく力があるというか、心に響く曲です。とにかく「自転車で」の繰り返しが最高です。
伊達君は、以前からその部分をキャンディーズのように、と主張していました。今回は、けろけろずの二人でそれを再現してみました。 二人が二回歌った別々のテイクを重ねて、ボーカルの広がりを出しています。
アレンジは、けっこう悩みまして、最終的にギター主体のスピード感ある仕上がりに。
その後のトラックダウンもまた袋小路で、当初はギター4台でアレンジしたものを、どうにもモタモタした音が嫌で、結局3台に減らし、また、それぞれのギターの低音部をかなり大胆にカットしました
。 最後、全体にコンプをかけてマキシマイズしたものの、そのプロセスがあまり上手にできなかったかもしれません。音の世界は難しいです。
結局このCDで一番最後までいじっていたのは、この曲でした。



19.にんじん畑のDanceParty
作詞:山田浩子 作曲:山下珠美(1985年)

原曲は、とっても可愛らしくて、すてきな歌なんです。それがこんなふうになってしまい、作者が聴いたら絶対に怒るでしょう。うーむ。
そもそもはキベさんにこの曲のリクエストをいただいたのですが、天の邪鬼の丹後は、まともにアレンジなんかするかいとばかりに、「宴会で外人が芸者をあげてお座敷小唄を唄ってる」というふうに企んだのでした。
それでこんなアホなアレンジとなったのでした。
歌の後ろで騒いでいるウサギは、キベさんと加藤君と丹後。10月頃、浜松の居酒屋で3人で飲んだ際に隠し録りしたものです。まったく酔っぱらいっていうのは、しょうもないですな。
ボーカルは、吉江君。無理にお願いして歌っていただきました。
所ジョージふうに歌ってと注文つけたところ、お見事な仕上がり。伊達君いわく「このボーカルは最終兵器」とのことでした。


20.雨のドライブ 作詞:土橋一夫 作曲:村田直子(1987年)

いやあ、名曲です、これは。サザンあたりの曲なんかより全然いいと、本気でそう思ってます。
地味な曲なんだけれど、聴いているうちにだんだんとすごさがわかってくる。親分はデモを聴いてわざわざ「これはすごい曲」とメールしてきたし、伊達君は録音を聴いていて「いい曲だなあ」と感じ入っていました。
アレンジは、あえて暗い感じで。冬の雨の憂鬱さを表現してみました。自分でもけっこう気に入っているアレンジです。音の作り方が未熟ではあるけれど。
ボーカルは、けろけろずです。サビ部分は微妙に入れ替わったり、コーラスもセルフでハモったりと、いろいろ工夫してみました。ハモれと言われてすぐにハモれるのが、この二人の強いところです。



21.雄大の夢
作詞・作曲:丹後雅彦(1979年)

中山さんに子供が生まれたと聞いて、銭湯につかりながら考えた曲でした。詞だけ発表して誰か曲をつけてくれるかなと思ったけれどスルーされたので、自分で曲をつけました。
けっこう思い入れのある歌です。
ここで歌われている雄大も、既に20代後半。先日お会いしてこの歌のことを話したら「そんなかゆい歌を」と苦笑されてしまいました。
学生時代にレコーディングした時は、鎌田君のギターがど迫力でした。今回はあっさりと仕上げました。たぶん、思い入れたっぷりに盛り上げるようなアレンジは、もう過ぎたのかな、という気がしたのです。
リズムを作って、ベースを作って、割と機械的な打ち込み風にしています。ギターらしくきこえるのは、ギターにシンセサイザーをかぶせたものです。こっちも割とメカニカルにしたかった。
ボーカルは、さすがの井澤くん。あっさりと、それでいて絶叫せずに力強く歌ってくれました。このCDでの彼のベストテイクでは?
ちなみに5歳の息子はこの歌を聴いて「地球はもう回ってるよ」と言ってます。



22.タヌキの親分
作詞・作曲:中山陽司(1976年)

ラジオドラマにしようと思いついたのです。
それで芸達者の二人にシナリオをわたし、それぞれ別の日に録音してミックスしました。CDのタイトルは、この中のセリフからとっています。
途中までのデモを聴いた井澤くんが、子供の声を入れて賑やかにしてはどうか、というビッグアイデアをくれました。それである日、幼稚園の友達が遊びに来たときにマイクを仕込んでしばらく隠し撮り。おいしい部分をミックスしました。いやあ、面白い出来になりました。
ちなみに子分のジャズふうのアレンジ、けっこう高度なコードワーク(笑)をつかっています。テンションばりばりで、ちょっと自慢。
それにしても、井澤くんの脱力ボーカルが最高!
面白かったね。



23.クイズクイズ


24.パパの子守唄
作詞・作曲:丹後雅彦(1979年)

学生時代のタンゴはいったい何を思ってこんな歌を作ったのか。今ではさっぱり思い返せません。
実は2000年頃、一度アレンジしたことがありました。それはかなりドラマチックに盛り上げた曲調でした。でも、そういうのって、自意識過剰にしかきこえない。今回はあっさりとアレンジしました。 そのあたりをわかってくれた中山さん、思い入れは極力入れないであっさりと歌ってくれました。さすがです。
アレンジの世界では、単にコードだけを鳴らしているアレンジは「白玉」と言って軽蔑されます。
ところがDTMをやると、どんな難しいフレーズでも演奏できてしまうものだから、「白玉」の反対に細かな音符がこれでもかと連続しがちになります。これはこれで「アリの行列」と呼ばれて敬遠されます。
このあたりが難しい。
音楽は引き算であるということを、この曲のアレンジでちょっと学んだような気がしました。


「風が運ぶだろう」のみ2002年にアレンジ、収録し、その他の曲は2006年5月から2007年1月にかけて、作業しました。新しい機材を導入し、慣れない中、試行錯誤の連続でした。
誰に教わることもせず、マニュアルや雑誌だけを頼りにし、どうしてもわからないことはメーカーにメールで問い合わせ、ネットでヒントを探し、トライアルしてはやり直すという繰り返しでした。
なぜそのような面倒なことをしたのかというと、やっぱりそれが面白かったからです。そんなCDを作ってどうするんだとよく問われるけれど、手段のためには結果は問わないのだと、本気でそう思っているのでした。趣味とは、そういうものかと。

ジャケットは、井澤くんの力作です。
写真は丹後が妻のカメラで撮りました。二階の自室から練馬の畑を背に、タヌキが歌っています。ディスクの写真は、同じ場所で練馬の夕空を見上げて「夕焼けの色の違いを〜」と歌っているところです。
この写真素材を渡してお願いしたところ、こんなにすてきなジャケットを仕上げてくれました。感謝です。
ちなみにこのタヌキは、本当にこういうものが売ってあったのです。そこにお願いして名前を入れてもらいました。名入れサービス付きで4千円。高いといえば高いし、安いといえば十分安い。
これからは、スタジオの名前は「ねりま丹後湯」に統一であります。



オルケスタ・デ・ラ・タンゴ風組リターンズ

スコアメーカー5.0(河合楽器製作所)/Cubase SL 3(Steinberg)/Sound Engine ver2.945(Cycle of 5th)/Killer Noise(Cycle of 5th)/ROXYO EASY MEDIACREATOR(SonicSolutions)/MW10(YAMAHA)/ MOTIF-RACK ES (YAMAHA)/MU-1000(YAMAHA)/ Cardinal(Electro Voice)/UA-24(Roland)/ RH-A30(ROLAND)/ MDR- CD900ST(SONY)/MiniAMP AMP800(BEHRINGER)/DIMENSION9150(DELL)/ip7500 (Canon)/CD-RW(BUFFALO)

Recorded at
ねりま丹後湯

Manufactured by
一枚一枚まごころ込めた手焼きがモットーの 練馬せんべいレコード社

With a help from my friend
いさわ・ただし
(cover design)

all songs arranged & produced by
丹後雅彦

2003年5月6日〜2006年1月21日

本CDの選曲、編曲、歌唱、意匠、配布のすべてについての責任は丹後雅彦が個人的に負うものです。