2023
2023.12.31

よいお年をお迎えください


というわけで、皆さん、今年も大変お世話になりました。
今年の日記の総文字数は47万1千字。相変わらず中身のない話をぐだぐだと。
書く方も書く方だが、読む方もあわわわわ。ともかくお読みくださりありがとうございました。
今年はとにかくアルビレックス新潟がJ1で戦ったことに尽きました。それも自分たちのスタイルを変えず、真正面からぶつかって貫きました。
その姿に感動すら覚え、サポーターとしてこんなに幸せな1年もなかったと思いました。
来年もアルビレックス新潟の躍進を。そして、ともかく健康を。家族の平穏を。安定した収入を。そして誤字脱字のない日記を。
2023年の日記はこれでおしまい。来年の日記は別のURLです。ここに直接ブックマークしている方は、2024年版にマークしなおしてくださいませ。
妄言多謝。
皆さん、良いお年を。


2023.12.30

モンゴリアンチョップ


さあ、今日は地元パパの忘年会だ、今年の飲み納めだ、楽しみだなあ、出かけるぞと思ったら飛び込んできたのがキラー・カーンの訃報。しまった、いつでもいけると思ってとうとう店には行かなかった。時既にお寿司。
キラー・カーンは長州力が大嫌いだった。長州の名前を出しただけで、相手のことをぶっ飛ばしそうになるぐらい、嫌いだった。理由は長州がカネに汚いからだった。
キラー・カーンは新潟生まれである。母親は3人の子どもを、女手1人で育て上げた。昼は運送屋をして、夜は必死に勉強して取った薬剤師の資格を活かして薬局で働いた。1日3時間しか寝ないで、そうやって3人の子度を育て上げた。
そんな環境で育ったからキラー・カーンは、カネに汚い人間が許せなかった。だから日本を捨ててアメリカでメインイベンターとなった。
ジャパンプロレスへの移籍金としてキラー・カーンには2000万円(実際には1000万円)が支払われたが、手渡されたのは300万円だった。残りの1700万円(実際は700万円)をピンハネしたのは長州力だった。
実際にピンハネしたのは永源遙だったらしいが、こうした腐った世界に嫌気が差して、キラー・カーンはプロレスを廃業。新宿(中井)で居酒屋を開いて、大将に収まったのである。
巨体を活かし、ヒールを演じて、エンタメとしてのプロレスに徹した。超一流のプロであったことは間違いない。最高で一晩のギャラが300万円。
もっと適当にこなしていれば莫大な資産家になれただろうに、潔癖すぎたというか、純粋すぎたのだろう。生粋の生真面目人間だったのだ。
今年はプロレスラーの訃報が多かった。最後にキラー・カーンだったか。さらば、アルバトロス。

「医者という病」和田秀樹・扶桑社新書。
和田秀樹がいろんなところで繰り返して言っていることをまとめたような本。従って、まった言ってるよという内容になっている。とはいえ、主張は極めて正しく、耳を傾けるに値する。
財政破綻した夕張市では市民病院が廃止になった。おかげで市民は健康診断を受けられなくなってしまった。やばい、死者が急増するぞと懸念されたところ、なんと、がん、心臓病、脳卒中すてべの死者が減り、老衰で亡くなる人が増えたという。
そもそも欧米では集団検診に意味はないということでとっくに廃止されている。
コロナ禍の時も、検診を受ける人が減ったおかげで、死者の総数は大きく減った。
集団検診は無意味であるという、こうした主張はオレも正しいと思う。医者に行かなければ寿命は1年ぐらい延びるんだというのは、本当にそうなんだろうなあ。

途中で放り投げた「なれのはて」加藤シゲアキ・講談社。
なんで買ってしまったのか。間違えて買ってしまったんだよ。別の本のつもりでレジに並んで、カネを払った後に間違って買ったと気づいてしまったわけだ。今さら買い換えるのもと思ったので、我慢して読み始めたわけだが、くっそ高いハードカバーなのにくっそつまらなかった。
登場人物ばかりがやたらと多くて、その書き分けが十分にできていないから読み手は混乱するし、話は遅々として進まないし、ところどころに「そんなわけねえだろ」という不思議ちゃんシーンが登場し、唇噛みしめて必死に半分まで読み進めたが、ついにオレの半日を返せと叫んで放り投げてしまった。ブックオフでも欲しくない一冊。


2023.12.29

仕事納め


今日でオレは仕事納めである。
原稿を2本書いてメールして、請求書を1通メールして終わりだ。まずは今年も平穏に1年を終えられてよかった。倒産もせず、借金もせず、大きなトラブルに巻き込まれもせず、まずまずである。
平穏こそ一番。
売上は例によってここ数年とまったく同じ水準。いったいこれはどういうことなのだと、いつも思う。伸びもせず、減りもせず。もちろんオレとしては毎年過去最高記録の限界突破売上を狙っているのだが、まったくそんなことにはならず、かといってだだ減りもしないという。
まあ、平穏こそ最高ということで、よしとしよう。
家庭を振り返って恒例・我が家の十大ニュースを制定としようと思ったところ、今年に限っては特に思いつかない。受験もなければ大きな病気もなく、山も谷もなかったということか、これまた平穏の一文字だ。
あえて一番大きなニュースとするなら、やはりアルビレックス新潟のJ1快進撃ということになる。
アルビレックス新潟が快調だと我が家も平和だから、これは大きなニュースだ。今年一番のニュースということにしよう。
来年も頼むぜ。

「あしたの名医」藤ノ木優・新潮文庫。
伊豆半島にある周産期センター、要するに産婦人科で若い医師が奮闘する小説。「本の雑誌」の「文庫王国」で絶賛されていたので手に取ってみた。一読、想像以上に面白かった。
キャラ造形や話の展開などがちょっと安っぽいのが気になったが、とにかく手術などの場面のリアリティに圧倒される。それもそのはず、現役の医師だから当然なのだが。最後の物語など、不覚にも涙がこぼれそうになってしまったよ。
もっとも「文庫王国」でも嘆いていたように、カバーデザインがとにかく酷い。書評を目にしていなかったら、絶対に手に取ることはなかったと思われるカバーだ。売る気があるのか、新潮社は。


2023.12.28

赤羽で忘年会


今年のアルビレックス新潟で、オレにとって最高のシーンは4月15日の福岡戦の例の場面である。
1-2でロスタイムに突入し、伊藤涼太郎が同点ゴールを決める。93分だ。誰もが負け試合を引き分けに持ち込めたことに安堵し、大喝采だ。
ところがピッチを見れば選手は誰もわかっていない。ベンチの監督もむっつりと腕組みしたままである。同点に追いついたというのに、どういうことだ。
ゴールを決めた伊藤涼太郎もまったく表情を変えず、その後ろでセンターサークルに急ぐ藤原奏哉も同様に厳しい顔だ。この2人のシビアな顔が並んだ瞬間が、オレの2023年ベストシーン。
その後、なんと95分にまたまた伊藤涼太郎がゴールを決め、なんとロスタイムに2点の離れ業での勝利となる。その瞬間、伊藤涼太郎は表情を崩して吠えた。そして藤原奏哉は、終了のピッチと同時に伊藤涼太郎に満面の笑顔で抱きついたのである。
藤原奏哉は神だ。
アルビレックス新潟の神なのだ。
その藤原が、今日、来季もプレーすると契約更新してくれた。
例のマリノスはじめ、様々なチームが移籍先として噂に上ったが、神はアルビレックス新潟を選んでくれたのだ。これが奇跡でなくて何であろう。
オレは嬉しくて嬉しくて、スキップしながら、赤羽に向かったのであった。

なぜ赤羽に向かったかというと、火事を鎮火させるためである。違う。火災の跡地を再開発するためである。もっと違う。忘年会のためだ。
別に赤羽でなくてもいいのだが、大宮の親分とオレの中間点となると、このあたりというだけの話である。遠いので三鷹にしろうという声もあるのだが、誰が三鷹なんていう辺境で酒を飲むというのだ。却下である。よって今年も忘年会は赤羽。
といいつつ、赤羽も飽きたな。来年は場所を変えるか。
今年も学生時代の仲間がこうして集まって酒を飲んで、まずはよかった。
みんな、来年も健康で過ごそうな。
よいお年を。

「コロナと潜水服」奥田英明・光文社文庫。
奥田英明には珍しい、超常現象を素材にした短編集である。実にうまく書けている。 特に古いフィアットパンダを買ったら、前の持ち主の霊に連れられて、生前のゆかりの地を訪ねることになってしまった「パンダに乗って」は絶品。デビューした頃から知っている作家だけど、ずいぶん上手くなったものだと感心する。


2023.12.27

大ブーイングだ


アルビレックス新潟の渡辺泰基が横浜マリノスに移籍した。オレの推し選手だ。
がっかりである。
高卒で入団して6年。そのうちの5年半はまったく芽が出ず、今年ダメならクビというところまで追い込まれていきなり開花。監督の魔改造の成果である。
5年半ただ飯食らって、やっと半年間まともに働いたと思ったら、首都圏の金持ちクラブに移籍だ。恩を仇で返すとはこのことだろう。ポテンシャルは高いのだからいつか芽が出ると信じて応援してきたサポーターが、やっと芽が出たと喜んだところで、あっさり移籍かよ。
がっかりである。
24歳という年齢を考えれば売り時なのはわかる。都会のチームで、しかも年収が倍になるのだ。移籍しないわけがないのも、わかる。
だが、がっかりである。
行くなら海外へ行けってんだ。同じカテゴリーに行くんじゃないよ、ばかたれ。
これも蛙化現象なのか? よくわからんが、がっかりである。

「沢田研二」中川右介・朝日新書。
500ページという、並の新書版の2倍の厚さの新書であるが、あっという間に読み終えた。とにかく面白い。すべてのページが面白い。
タイトル通り、沢田研二について書かれた本である。沢田研二では今年出た「ジュリーがいた」があるが、個人的にはあれを遙かにしのぐ面白さだった。
関西で人気が出て、東京の芸能プロダクションにスカウトされ、芸能界の渦に飲み込まれていくところや、昭和の歌謡界の人間絵図などが興味深い。例えば天地真理の転落ぶりの描写などは実にシビアである。
もちろん中心にいるのは沢田研二。タイガース時代に給料はいくらだったとか、そんな話まで書いてある。昭和歌謡が好きな人には、ぜひお勧めだ。

「可燃物」米澤穂信・文藝春秋。
このミス、週刊文春、ミステリが読みたいの3つの賞で1位を取ったという、いわば今年を代表するミステリーだ。実はこの作家は、あんまり好きではない。純粋に好みの問題だ。
それでも三冠となれば気になるので、ハードカバーに大枚を払ったわけだ。一読、それほどのものかあというのが率直な感想。県警を舞台にした刑事物で、横山秀夫路線だ。明らかに横山秀夫のほうが面白い。文庫になるのを待てばよかった。


2023.12.26

寝正月


ダイハツだ、ワーゲンだと人様のことを笑っていたら、オレの乗っているトヨタもリコールじゃん。走っている途中に火でも噴いたらたまらんから、とっとと修理してくる。
しかし例年のことながら、クリスマスを過ぎるとオレは実質的に冬休みだ。そりゃそうだ。企業の皆さまの年末年始は忙しく、オレのような末端の物書き業者など知ったことではない。
従ってオレがフリーになった35年前から、年末年始は大変ヒマである。
ヒマだからといって遊びに行くほどのカネはないし、そもそも誰も遊んでくれないから、仕方なく家で本を読みながらボケッとしている。
まあ、穏やかなものだ。
年末年始も特に予定はない。息子は卒論の締め切りが間近に迫っていて正月どころではないし、娘も元日以外はバイトだし。
お笑い番組と元日の代表戦を見る以外は何も予定がないのだった。

こんなにヒマなら、もう20年以上も経験していない実家の正月の空気を吸いに行ってもいいかと思うが、邪魔して迷惑になるのも何だからと思いとどまる。
日経新聞のコラム「春秋」によれば、在日だった伊集院静は地元の人々から疎まれていた故郷のことを憎んで、ほとんど帰郷しなかったそうだ。だが父が故郷のことを「やさしい土地、やさしい人たちだった」と話すのを聞いて、仰天したらしい。
いろいろなカタチの故郷があるものだなあと思う。


2023.12.25

火を噴くフォルクスワーゲン


ダイハツ工業がやらかしたと思ったら、今度はフォルクスワーゲンだ。
ポチンコ屋、ちがう、パチンコ屋に停めてあった150台ぐらいの車が燃えちゃった事故の原因が、フォルクスワーゲンのゴルフだったらしい。火を噴くフォルクスワーゲン。
パチンコ屋が燃えたら大フィーバーでいいじゃんと思ったが、そういうわけにもいかないようだ。
ゴルフって、オレが昔乗ってたのもゴルフじゃん。いい車だよ。でも、車検がとにかく高い。最初の車検の見積が26万円と聞いたときには、飛び上がったわ。

ゴルフからの失火の理由が、部品の不具合だったというわけで、警察はよく突き止めたなあと感心する。フォルクスワーゲンジャパンも「可能性を否定できない」と認めちゃってるし、決定的な証拠を突きつけられたのだろう。
昔のフォルクスワーゲンはどうだったか知らないが、最近の同社は日本人のことを小馬鹿にしているらしい。「ジャップの猿の車が燃えたって知ったこっちゃない」という態度だったのだろう。そんなドイツ野郎に証拠を突きつけてぎゃふんと言わせたのなら、気分がよいではないか。
いや、だが待て。
フォルクスワーゲンジャパンではこの不具合を認め、数日前にリコールのお知らせをしていたという。
ということは、徹底的に隠蔽しようとしていたダイハツとはまったく逆で、こりゃあ、リコールに応じて修理をしていなかったオーナーの責任ということになるのか。
いやいや、リコールの発表があったのは、事故のわずか数日前だったらしく、ならば修理は現実的ではないということになる。こりゃあ責任の所在については、けっこう面倒くさいことになるな。

そもそも設計製造を担当したドイツが悪いのか、リコールをとっととやらなかったジャパンが悪いのか。このあたりの責任の押しつけもありそうだ。
パチンコ屋の駐車場ということで、客も面倒くさいのが多そうだし、うんざりするような騒ぎだ。


2023.12.24

オレはヤーレンズ推し


「このミス」(このミステリーがすごい)のロングインタビューで、京極夏彦が「子どもの頃からランキングNG」と答えている。「数値化できないものに順位を付ける意味がわからない」と。
オレも激しく同意だ。
特にアートやカルチャーといった分野でのランキングは、売上枚数や発行部数を競う以外、順位付けは無意味と思う。だから「プレバト」のような番組は大嫌い。まったく関心がない。というか、浜田某の「結果発表」という声が大嫌いで虫唾が走るのだけれども。
だから日本中が大騒ぎしているM1も、まったく関心がない。
そもそも笑いのツボなんて極めて個人的なことで、どの芸人が一番なんて決められないのに。観客の投票で決める敗者復活戦も、その投票の基準自体が個人の笑いのツボなのだから、あんまり意味はない。
なお、京極夏彦のインタビューだが、インタビュアーに「でも京極さんは直木賞の選考委員じゃないですか」と突っ込まれて「賞の選考は人気投票じゃなくて議論して決めるものじゃないから」とごまかしている。
文学賞だって一番売れた本が一等賞ということにすればすっきりするのに。

などとぶつぶつ言いながらも、娘につられて一緒にM1を見た。
京極夏彦ファンの娘は、お笑い芸人が大好きで、毎年M1には全力で取り組んでいる。どう取り組んでいるかというと、評論家さながらに極めて具体的な論点を挙げて各芸人の芸を批評し、全体の流れを読みながら、推しコンビを応援するのである。
今年の娘の推しだったなんとかというコンビは敗者復活戦で敗退し、もう一つのなんとかというコンビは決勝で敗退した。
一緒になってみていればM1も面白く、楽しめる。だが、審査員のコメントとか評とか、まったくいらんだろう。芸だけ見せてくれればいいのだ。あ、それじゃ正月のお笑い番組と変わらないか。

オレのM1の一位は、敗者復活戦のMCを務めた西野七瀬である。
最初、誰だ、この無茶苦茶へたくそな局アナは、と思った。アドリブがまったくきかなそうな頭の悪さがにじみ出ていて、この局アナ、使えねえと思った。
そしてしばし、ハッとする。
もしやこれは西野七瀬では。
正解だった。西野七瀬だった。
驚いたオレは、年賀状作りの追い込みに必死のヨメを呼びつけ、ちょっとこれを見てみろと西野七瀬を示す。
ヨメは怪訝な顔をして「誰?」と立ち止まる。西野七瀬のようだとオレが教えると「うそだあ」と鼻で笑った後、ヨメは凝固し「あれえ、もしかして」とつぶやいた。
そうである。西野七瀬、ますます太って、顔がまったく変わってしまったのである。幸せ太りと巷間言われているが、いやいや、それにしても程度というものがあるだろう。
使えない局アナじゃないかと疑って悪かった、局アナの皆さん。太った西野七瀬だった。
いったい何キロ太ったのか。その数字を示して採点すれば、数値化された公平な採点ができるのではないか。いったいオレは何を言っているのだ。


2023.12.23

メリークリスマス、ダイハツ工業


クリスマスイブの前日だというのに、街にはまったくそんな雰囲気がない。天候のせいもあるのだろうが。
そんなことを言ったら息子が「それはそっちの世代の感覚だろう。こっちにしてみれば、クリスマスなんてこんなもん、という感じ」と返してきた。
なるほど。確かにオレたちはバブルを知っているから、あの騒ぎがクリスマスだと思い込んでいるだけなのかもしれない。
今では電飾も少なければ、クリスマスソングも申し訳程度に流れるだけだ。
もともとクリスマスなんて今のようなおとなしいものでちょうどいいのだろう。30数年前がおかしかっただけだ。

それにしてもダイハツの騒ぎには仰天した。
ビッグモーターどころではないではないか。ジャニーズや日大もかわいく見えてくる。
何しろ30年間も不正を隠してきたのだ。現場で不正に関わっていた新人が今では偉くなっているわけだから、知らなかったでは通らない。会社ぐるみなのは間違いない。
トヨタの資本が入って、トヨタの天下りが社長になったから発覚したという話だから、そうでなければまだずっと隠蔽は続いていったのだろう。
イサワ君が「どこの会社でもやっている」と言った。一番の問題はここにある。
世界中が「どうせ日本の会社はみんなやっている」と思ってしまった、そこが一番の問題なのだ。
日本のものづくりは世界に誇るべき存在だったのに、その信頼が「どうせ」と、根底から崩れてしまったわけだ。まったく、なにしてくれとんねん。

家電がダメになって、飛行機も自前で作れなくて、半導体も周回遅れで、自動車がものづくりの最後の砦だったのに、それが揺らいでしまった。大事件だと思う。
隠蔽期間が30年。
まんま、失われた30年にかぶるではないか。
日本の没落の象徴だ。
そりゃあクリスマスに浮かれる気分にはならないわ。
ダメダメ日本、ここに極まれり。
その、文字通りのダメ押しとなるのが、大阪万博なんだろう。
こっちも大阪か。


2023.12.22

有楽町で逢いましょう


ここは有楽町。クリスマス前の週末とあって街は激混みである。
なんちゃって昭和;レトロの薄っぺらい内装が売り物らしい、客からいかにカネを絞りするかだけしか考えていないような店で飲んでいた我々の前に突如現れたのは、世にも珍しいサクランボ柄(!)のギターを抱えた美女であった。
我々とはイイムラくんにオザキである。今夜は仲良しおじさんたちの忘年会なのだ。本来ならここにコマちゃんも参加予定だったのだが、突如のキャンセルで、我々3人は「だいたいそんな予感がしたんですよ」「そういうヤツなんですよ」「もうほっときましょうよ」と言いながらうっすいサワーやハイボールなんかをあおっていたのである。

オレだって忙しかったのだ。
今日は朝3時に起きて車を飛ばし、アンドー君を拾って環八を南下。イサワ君を拾って東名を激走。小田急のド田舎の名もなきしょぼい駅で合流したダテ君を拾い、いろいろ拾いながらデニーズで朝飯食った後に、某保育園でたんさいぼうのライブを行ったのである。朝っぱらからヘロヘロであった。
終了後、昼飯も食わずに保育園を出て別のド田舎駅でダテ君を捨てて東名を激走。
東名の工事で川崎インターが激混み。年末の金曜の午後ということで環八が激混み。オレは迷うことなく圏央道経由で練馬インターをめざすことにしたのだが、あっさり迷って高速のジャンクションを間違える始末。それでも事なきを得て何とか予定より1時間遅れで帰り着き、イサワ君を捨て、アンドー君を捨て、いろいろ捨てながら家にたどり着いて、リモートインタビューなのだった。さらにヘロヘロである。

金融関係のインタビューは難しい。だが、気のいい歌のお兄さんのオレは、こんな難しいインタビューもあっさりこなしてみせる。さすがである。
そしてヘロヘロの体にむち打ちながら向かったのが有楽町の忘年会というわけだ。オレはドタキャンなんかしない。「そうですよねー」「誰もドタキャンなんて」「だいたいそんな気が」と盛り上がっていたところに、サクランボギターのお姉さんが登場したのであった。

お姉さんは我々に向かって「流し、いかがですか」と言う。な、流しかよ。いまどき。
いくらだと聞くと、「お気持ち次第でいくらでも」とお姉さんは笑い、そして歌える曲のメニューをみせてくれた。す、少なっ。10曲しかないじゃないか。よくこれで流しでございますと言えたものだ。
でもまあ、せっかくだら、歌ってもらおうか。
というわけでメニューの最初にあった「赤いスイートピー」をリクエストする。そしてずっこける。
チューニングがめちゃくちゃなのは、よくないが、よいとして、オレは「赤いスイートピー」をアルペジオでもなく、オブリガードを加えるでもなく、ただコードをジャカジャカ弾きおろしながら歌うのを初めて聴いた。
な、なんだ、こりゃ。まあ、よい。所詮酒場の余興。ここは有楽町ガード下。
一番しか歌わなくて「おしまいでえーす」と笑ったのにはずっこけて、終始ずっこけさせられたわけだが、まあ、よい。余興だと思って500円払ってやろうと500円硬貨を出したら、何とイームラ君とオザキは1000円ずつ出しているではないか。バカか。気は確かか。こんな歌、50円でも十分だろう。
だが若手2人が1000円出しているのにオレが500円というわけにもいかず、仕方なくオレは500円硬貨を引き上げて1000円札を出したのであった。

それを見てお姉さんの喜んだこと喜んだこと。そりゃそうだ、薄っぺらい内装よりもさらに薄っぺらい「赤いスイートピー」の一番だけを歌ったら3000円ももらったのだから。
気をよくしたお姉さんは、「きゃー、マンモスうれぴー。よしっ、特別大サービスしちゃうよー、みんな。もう一曲、歌っちゃいまあす」と言うのであった。こら、歌うな、歌わなくてよいからあっちへ行け、よその席へ行け。
ところがとことん善人で他人の悪意というものを知らないイイムラくんが、鼻の下を伸ばして「えーと、じゃあ、お、お姉さんの一番とくいなのを」と言うのであった。そして気をよくしたお姉さんが歌い出したのは「マリーコールド」。きっと「マリーゴールド」とか歌うんだろうなあ、この姉ちゃん、だって顔がマリーゴールドみたいだからと思ったら、案の定、「マリーゴールド」を歌い始めたのである。
もちろんギターは何の工夫もなく、でたらめなチューニングでただコードを弾きおろしているだけである。
しょうがねえなあ。
あまりにしょうがないので、オレはサビのところで自作の替え歌「藤原の ソーヤの裏を取られて 小島が焦る マイケルもつれて転んで 千葉ちゃんは鈍足だあ」というアルビレックス大ピンチの歌を歌ってやったのだが、誰にも気づいてもらえなかった。
この薄っぺらい昭和レトロの店を始め、ガード下に並ぶ何軒かは同じ経営の店だ。学生やフリーターらしきアルバイトがたくさん働いている。
そのバイトの中から順番で、流しの担当が決まって、シフトを回しているのだろう。そうでもなけりゃ、こんな流し、ありえねえ。

まったく年の瀬にとんだフェイクをみせられちまったぜ。1000円返せ。
オレたち3人は引き続き他人の面白おかしい噂話や会社のアホトップのネタなどで盛り上がり、そして来年のご健勝とご活躍をお祈りしたのであった。


2023.12.21

あけおめ


さて、25日までに年賀状を出さないと元日に配達されないという。
毎年のことながら、年賀状というのはやっかいだ。もらうのは嬉しいが出すのは面倒。去年も一昨年も、10年前も30年前も同じことを言いながら、面倒だ面倒だと用意している。
人間は学習しない動物であることを自省させるために神によって与えられた試練が、年賀状なのではないか。なんだかポール・サイモンが歌にしそうだ。
25日ということは月曜日だから、大方の人が土日にまとめてやっつけてしまおうと思っているに違いない。オレもそうだ。
だが、貴重な週末を迎えたら、貴重な週末を年賀状などに費やしてたまるかという思いが勝って、きっと買い置きの年賀状を見て見ぬふりするに違いない。
まったく年賀状というのは神が与えた以下略。

かつて仕事で一緒だった仲間がリタイヤし、年賀状だけのやりとりになってしまった。
お互い、明日はどうなるか、という年齢だ。
わざわざ連絡を取ってどこかで一杯傾けるほどの仲ではないし、かといって他に安否確認のしようもない。
そういう関係だからこそ年賀状が活きてくる。
それなのに「今年で年賀状じまいです」なんて文面が正月に届いていたのを思い出すと、こちらから送るのも何となく憚られ、まあいいかと、リストから外してしまう。結果、音信不通。お互いに安否確認もできない。あとはある日突然、喪中ハガキが送られてくるわけだ。
こういうのは寂しいから、やはり年賀状はあってもいいんじゃないかなと思う。
むしろいらないのは会社関係だ。名刺ですら不要になりつつあるご時世だ。会社関係の真に儀礼的な年賀状はまったくSDGs的ではないので廃止してよいだろう。

裏面はもう印刷した。あとは宛名を書くだけだ。
飲みながらテレビを見て、そしてぼちぼちと書き進めればいい。
そう目論んで食卓の片隅に置いてあるのだが、案の定、飲んでしまうと、まあ明日でいいやとなってしまう。
まったく年賀状というのは神が。


2023.12.20

泌尿器科こそ王道


仕事で初対面の女性(50代)と話していたらコロナの話題になり、「私もかかったんですよ」と彼女。
一晩ひどい熱が出て、あとはとにかく喉の痛みがきつかったとのこと。後遺症としては味覚の違和感だそうだ。
「こういう話をすると、実は私もという人が多くて、けっこうな数の人がコロナにかかったみたいですね」とのことだった。
やっぱりもう普通の風邪として一般化したんだろうなあ。
かからないにこしたことはないが。

「名探偵外来」似鳥鶏・光文社。
珍しく単行本で読んだ。なんとまあ、泌尿器科の医者が主人公のミステリーである。
相変わらずキャラクターの造形が絶品。むちゃくちゃ面白い。
どうしてこの作家がそんなに話題にならないのだろうなあ。不思議だ。
泌尿器科を舞台にした連作ミステリー。抱腹絶倒。泌尿器科というのは微妙な立ち位置の診療科で、「医者です」と言うと驚かれ、「泌尿器科です」と続けるとずっこけられる、そんな分野だ。
けれど内科と外科の両方の施術をやる唯一の科で、だからこそ医療の本質的なことがよく見えるらしい。そのあたりのことが絶妙に反映された上での抱腹絶倒である。
専門的な内容もうまく解きほぐされ、相当に勉強したのだろうと思ったら、後書きに「取材量が半端なかった」とあった。さもありなん。


2023.12.19

みんな雪が悪いのだ


Jリーグの秋春制への移行が決まった。
8月の頭に始まって、5月に終わるスケジュールだ。暑さ対策というのが表向きの理由だが、8月は暑さのピークだし、開幕を前にしたキャンプは7月にやることになるから、まったく暑さ対策にはなっていない。
欧州とカレンダーを合わせるというのも理由だ。そうすれば選手を高く売れるので、儲かるという仕組みらしい。それは分からないでもないが、誰もが欧州へ行きたいわけでもないし、日本には4月始まりの年度という習慣があって、それとのズレが気になる。
表向きではない理由としては、サッカー界の幹部連中が欧州に対していい顔がしたいということと、ビッグクラブをつくって金儲けしたいということだ。いずれ都市の金持ち10チーム程度のプレミアリーグをつくろうと目論んでいると見られる。プロ野球化だ。地方の貧乏クラブは見捨てられて、地域リーグのチームと化す。
とほほほ。

もちろんアルビレックスは大反対だった。雪国クラブだから当然だ。
ピッチの雪かきをすればいいってものではない。客席に落雪しないようスタジアムの屋根周りの除雪が必要だし、電車は止まるし、車は大渋滞だし、サッカーどころではない。
だが多勢に無勢。多数決で秋春制への移行が決まってしまった。一貫して反対を主張していたのはアルビレックスだけである。
よってサッカー界の空気は「新潟、うぜえ」「新潟、黙れ」「新潟、いらねえ」だ。「日本海に沈んでしまえ」という太平洋側チームのサポーターの罵声さえある。
まったくJリーグ創設時の崇高な「百年構想」はどこへ行ってしまったんだろうんあ、おい。

だが、秋春制は決まってしまったのだ。現実的な対応を考えなければならない。
冬期はアウエーの連戦で、秋と春にホームゲームを集中開催するとか。冬期は関東のスタジアムを準ホームとするとか。これは行きやすくなるからちょっと嬉しい。
アルビレックスの社長の中野は、酔っ払って乗ったタクシーでお姉ちゃんのお尻を触ってクビになったこともある緩いおじいちゃんだ。アウエーのゲームにも毎回同行する。
味の素スタジアムで観戦していたらピッチに中野が現れたので手を振ったら、オレに向かって「ユニフォームはどうした」と手振りで聞いてきた。当時はコロナでいろいろ制限があって、限られたエリア外ではユニの着用が認められていなかった。
オレはシャツの下に隠してユニを着ていたので、そのことを手振りで伝えたら、中野は嬉しそうに自分もシャツを握りしめて「そうかそうか」という顔をした。
そんな気のいい近所のおじいちゃんなのだが、この件に関しては頑固一徹、賛成派の理事連中を相手に孤立無援で秋冬制移行反対の立場を貫いた。
呑気なおじいちゃんの姿しか知らなかったオレたちサポーターは、「中野のキャラじゃねえな」と言いながら、その背中にコールを送った。

その中野が声明を発表した。
「どのようなシーズンの日程になっても、我々は新潟でタイトルを取り、ACLに出るという体制をつくって、サポーターの皆さんと一緒に歴史を積み重ねていく」
実に堂々とした、背筋の伸びた立派な声明ではないか。
オレたちはそんなおじいちゃんとともに新しい一歩を踏み出すのだ。


2023.12.18

ねえねえ、聞いた?


ももクロ高城れにのスピード離婚にはびっくりだなあ。ちなみに「れに」という名前は、生まれた日が雨だった=Rainyということで、ヤンキー両親が一生懸命考えて付けた名前です(本当)。
高城れにの相手はプロ野球の選手らしい。いや、らしいってプロ野球選手なのだが。
その選手が日ハムから中日にトレードされてしまったところ、中日の監督が「芸能人なんかと結婚するようなチャラチャラしたヤツは使わん」と激怒して干されてしまった。そんなアホなことが原因で離婚したというネットの噂である。
誰だ、中日の監督は。立浪か。よく知らん。
おかげでももクロは、ももいろクローバーxとネットで呼ばれている。うまいこと言うもんだ。

有村架純とキンプリ高橋海人くんの結婚にもびっくりしたなあ。いや、まだ結婚していないが。
有村架純は、あんな顔してもう30歳である。もう30歳ということでは、吉岡里帆も30歳である。どん兵衛食べたい。
対して高橋海人くんは、まだ24歳である。なんと年の差6歳の姉さん女房。いや、だからまだ結婚したんじゃないって。
これはどう考えてもアラサー女が、若いイケメンをがっつり捕まえちゃったという構図だろう。世間はそう見る。少なくともオレはそうだ。
なぜ高橋海人くんに「くん」を付けているかというと、オレは高橋海人くんのファンだからである。あの「ブラック校則」の演技が大変に素晴らしく、それ以来のファンである。
もっとも高橋海人くんはKing & Princeのメンバーだから、ちょっと前だったらジャニーズが鉄壁のブロックをして絶対にこんなネタが外に漏れることはなかったし、そもそもアラサー女の接近なんて絶対に排除したし、事務所同士の話し合いに持ち込んで潰していたに決まっている。
それがこうしてあっさりネットに流れてくるあたり、もはやジャニーズの威光は完全に過去のものになったことの証明だ。いや、というよりジャニーズはもうないんだってば、おじいちゃん。
しかもKing & Princeは二つに割れちゃって、今やどっちがキングでどっちがプリンスなんだという2人組状態。漫才でもやればいいのに。
この先、架純ちゃんは「絶対に逃がすもんか」と高橋海人くんをロックオンだろう。展開が見物である。

あんな顔して30歳という流れで言えば、西野七瀬もあんな顔して29歳である。昔はえらく可愛かったのだが。「宇宙の仕事」は最高だった。
その西野七瀬は山田裕貴と同棲して早2年。しくらなんでも結婚だろう。いや、別に結婚してもらってもいいのだが。
山田裕貴はというと、検索したら32歳。じゃあちょうどいいじゃん。年頃の美男美女の結婚か。つまらんな。
やっぱりここは高城れにの今後が見物だ。と無理にまとめる。


2023.12.17

笹塚異聞


日曜日なのにオレは仕事である。フリーだから当然だ。
むしろ日曜なのに仕事のあることを喜んでいるわけである。
向かったのは調布。京王線の駅だ。
確か昔、藤田くん一家が調布に暮らしていて、そのアパートに遊びに行った記憶がある。 あのときは一泊して、翌日は府中競馬へ連れていってもらった。
なんで泊まりに行くことになったのだろう。たぶん遊びに来いといわれて、ほいほい出かけていったのだと思う。
当時はサラリーマンだったから、日曜日は暇だったのだ。
そんなことを思い出しながら、激変してしまった調布駅前で昼ご飯にカレーを食べる。C&Cだ。
食券を買ったら、何か操作を間違えちゃったようで、カレーを2皿ということになってしまい、受け取ったおばちゃんに「間違ってますよねー」と言われて、返金してもらった。調布のおばちゃんはやさしいのである。

京王線沿線には、つつじヶ丘に2年。笹塚に10年と、けっこう長い間、暮らした。
地味だけど落ち着いて、穏やかな沿線だったなあ。
と思ったら最近はどういうわけか、笹塚の治安がえらく悪化したらしく、外国人向けガイドブックには「夜間は1人で歩くな」「バッグは道路側に持つな」「できれば行くな」といった注意が書かれているらしい。
なんであんなところの治安に問題が起きているんだろう。ちょっと不思議である。


2023.12.16

浦和とつく駅は8つもある。おかしいではないか


この日記も文字が多すぎるのか、途中で読み込めなくなってエラーになっちゃう。オレだけの現象なのか? 誰でもそうなのか?
だとすると、えらく使いづらいではないか。問題だ。
でももうすぐ今年も終わりだし、まあいいか、ほっとこう。
などということを考えながら、安藤君と朝飯を食う。東浦和のジョナサンだ。
なんでこんな辺境の地で安藤君と夜明けのコーヒーなのかというと、今日はオレの遊び歌バンドたんさいぼうのライブがあるからである。
安藤君とは学生時代からの付き合いだが、まさかお互い65を過ぎて一緒に朝飯を食うことになろうとは、45年前には想像もしなかったよ。びっくりだ。
しかも昼飯までも一緒に食べてしまった。
ますますびっくりである。


2023.12.15

スタバは高いから嫌いだ


コロナ禍が過ぎたとは言え、それなりにテレワークが定着したのだろう、満員電車というものを見かけなくなった。
もちろんそれなりに混んではいるのだが、かつてのような殺人的な混雑は、電車が遅延したとかでもない限り、とんとお目にかからなくなった。よいことである。
とにかく電車は疲れる。満員電車はなおのことだ。
地方から東京に転勤してきた人は、まず間違いなく満員電車に仰天して疲弊するし、東京に長年住んでいても疲弊する。
もっとも乗客が減ることは鉄道会社にとっては由々しき事態で、長期的にはサービスの低下につながるから、乗客も単純に喜んでもいられないのである。
やはりここはダイナミックプライシングでも導入せねば。
とは言うものの運賃を変えるには国の承認が必要というのが法律だから、ことはそう単純ではない。難しいところだ。
などということを考えながら、今日も朝から新宿に向かい、そして新宿御苑前のベローチェでコーヒーを飲む。ベローチェは安くていいのだが、接客レベルにばらつきがあって気になる。
でもまあ、この手軽さは得難いよなあ。


2023.12.14

決め技はキドクラッチに脇固め


プロレスラーの木戸修が亡くなった。
背は高くなく、ずんぐりした体型。足は短い。髪型は七三分けで、タイツは黒。関節技、寝技中心のスタイルで、跳んだり跳ねたりはしない。
ロックアップして組んだ相手が面白がって七三の頭に手を伸ばすと、心底嫌そうにはねのける、そんなプロレスラーだ。
とことん地味で、まったく花がなかった。
本人も仕事と割り切っていたようで、むしろ前座で楽に稼げることを喜び、早くから蓄財に励んでいた。確か、アパートを購入して家賃で暮らせるぐらいにはなっていたと思う。まるでサラリーマンなどと揶揄されてもいた。

ただし実力は折り紙付き。あのカール・ゴッチが「私の息子」と呼ぶほどだった。
その実力の真価をオレたちが知ることになったのは第二次UWFで行われた総当たりのトーナメン戦である。ここで木戸修は、前田日明や藤原喜明を押さえて優勝してしまったのである。
UWFもプロレスだったからこの優勝もあらかじめ決められていたものとは思うが、しかしUWFのリングで繰り広げられた闘いは、木戸修が真の実力者であることを示していた。
オレも、新日本のプロレスラーをいいようにあしらい、ふと気づけばクロックヘッドシザースを決めていたのを見て、たまげた記憶がある。い、いつの間に、こんな関節技を。

そんな地味な木戸修も、なぜだか札幌では大人気で、年に1、2回の興業では彼も大ハッスルしていた。地味で、誠実で、自分の役割をきちんとこなす。そんな人柄が愛されたのだろう。
堅実な生き方をしていたから、晩年も穏やかだったろう。娘はプロゴルファーになっており、一緒に嬉しそうに写真に収まっている。
いぶし銀の名レスラーがまた一人、旅だった。ご冥福を。

木戸修は、ガンで闘病しいていたらしい。
聞いたところでは、85歳以上で亡くなった人のほとんど遺体からは、ガンが見つかるそうだ。発症しても、していなくても、老いれば誰の体にもガンができるというわけだ。
ならばそのガンといかにうまく付き合っていくか、おとなしく抑えていくか、という話になる。やっぱり免疫力を高める生き方が肝要ということだ。


2023.12.13

頭が寒いがハゲではない


12月だというのに最高気温が15度と谷尻萌が朝一番のニュースでお台場から伝えてくれたものだから、はて、今日はどんな服装をすべきなのだろうと考えこむ。ブルゾンでいいのか、それともフルサイズのコートにすべきか、いや、朝晩の移動を考えればいっそダウンもありではないかと、5分も逡巡してしまう。
谷尻萌は週末だけでは満足できなくなって、どうやら平日のお天気キャスターの座も強奪したようだ。さすが京都人である。などと考えこんでいる間に結局、風を防ぐ強いブルゾンで出かけることにした。
しくじったのは帽子を忘れたことだ。頭が寒い。
オレの頭髪は0.5ミリと短く刈り込んであり、この季節にはこの頭にバリカンを当てた張本人の床屋に、寒そうだねえと同情される。案じられたとおり、帽子なしではしっかりと寒い。

新宿三丁目近くの交差点では、ワイシャツ一枚で信号待ちするデブがいれば、隣にはしっかりとダウンコートを着込んだハゲがいたりする。誰もが今日の服装に悩みながら家を出てきたのだろう。
昔はこんな12月を暖冬異変と呼んだが、今や死語。異常気象という言葉さえも、異常が常態化しつつある状況では違和感があるほどだ。
まったく地球はどうなってしまったのだ、オレの大好きな秋を返せと新宿の青空を見上げ、そして今日の現場へと足を向ける。


2023.12.12

青春の丹後企画事務所


30歳でフリーランスになって、最初に事務所を置いたのが曙橋であった。ここには7年いた。 次に事務所を置いたのが新宿御苑で、ここには5年いた。
両者は徒歩で10分くらいしか離れていない。だいたいの中間地点にあるのが富久町で、大きく丸めて言えばオレは富久町周辺で13年間仕事をしていたことになる。
もっとさかのぼれば新宿5丁目に7年いた。新宿5丁目も富久町から5分くらいの距離だ。だからここも入れれば20年以上、富久町周辺にいたことになる。
今日は仕事で、その富久町に行った。
かつての庭みたいな場所だし、しょっちゅううろうろしていたから、目をつぶったって歩ける。そう思ったのだが、怒涛の再開発のおかげで街の様相は一変し、オレは方向感覚すら失っておろおろするばかりだった。
オレの庭だぜとなめてかかって渋谷で迷子になったようなものだ。情けない限りである。
気を取り直して、新宿御苑の街並みを歩く。住所こそ新宿ではあるが、このあたりはとても穏やかで、のんびりした空気が流れている。
昔よく行ったラーメン屋がまだあり、晩ご飯をよく食べたとんかつ屋もあった。
隣のビルにあった小さい書店はとっくになくなり、仕事終わりによく通った居酒屋もなくなっていた。コーヒーを飲みに行ったドトールもなくなっている。
そんな具合に店の入れ替わりはあるが、街全体の佇まいはびっくりするほど変わっていなくて、改めてここはいい街だなあと思った。
もちろんオレが5年間にわたって事務所を置いていた雑居ビルも健在である。当時からおんぼろぶりはあまり変わっていない。いい事務所だった。
近所にはカメラマンのボロボおじさんの事務所があるはずで、ちょっと立ち寄ってみようかと思ったのだけれど、まあ、仕事の途中だしと思い直して取りやめる。仕事の途中でもなければ、もはやこの近辺に来ることはないのだが。

「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光・新潮文庫。
娘が「これ面白いよ」と渡してくれた文庫本。先日はオレが娘に似鳥鶏の「レジまでの推理」を渡してやった。数日後に娘はカバンからそれを取り出して「読んでる。面白い」とオレに言った。こんな具合に娘と本を貸し借りできるのは、けっこう幸せなことなんだなと思う。
先日はオレが持っている伊予原新の文庫本を娘も買ってきて、親子で同じ本を持つことになってしまい、親子だから嗜好も似ているのかもと妙に納得。
さて、娘から手渡されたこの一冊は、まったく知らない作家の本だ。カバーには「予測不能の結末が待つ、衝撃の物語」とある。そして一読、仰天した。ウソだろと驚き、何度もページをめくり返して、そういうことだったのかと衝撃を受けた。
娘よ、すげえ本だな、これは!
途中何度かぎくしゃくした文章だなと感じるところがあったが、その違和感の正体がこれだったとは。「京極夏彦が出てくる」と娘がぼそっと添えた意味もよくわかった。
これは完全にやられたわ。
早速娘に報告しなければ。きっと、してやったりという表情をするのだろう。


2023.12.11

多部未華子と重岡大毅のドラマも面白かった


今日は久しぶりにオレのバンド、たんさいぼうのライブである。
それなのになぜかステージ衣装が見あたらない。あれえ、いつものところにしまったはずなのになあ。っかしいなあ。
前回のライブっていつだったっけ。場所はどこだったっけ。
さっぱり思い出せない。
そこでメンバーの安藤君に聞いてみる。ライブの日は、オレが安藤君を家までクルマで迎えに行くのだ。
安藤君に、前回のライブっていつだったっけと聞いたら、安藤君も「えーと、いつだったっけ」とまったく思い出せない。
まんま、老人の会話じゃないか、オレたち。
ライブするんじゃなくて、慰問される側じゃないか、オレたちは。そろそろ。
結局ステージ衣装は見つからず、オレは普段のままの服装でライブに臨んだのだった。
もともとオレは人と合わせるのがイヤで、バンドのユニフォームもあるにはあるのだが絶対に着ない。リーダーが一番協調性がないのだ。

「これは経費で落ちません(11)」青木祐子・集英社オレンジ文庫。
そろそろ出るかなあと思っていたら、出た。その日に駅前の書店に駆け込んで手に入れる。いやあ、面白いなあ。
巻を重ねて11巻。最初の頃はまさかここまで続くとは思わなかった。途中から作者がぐんぐん上手くなっていくのがわかって、物語もずんずん進む。最初は気楽なOLお仕事小説だったのが、シリアスなビジネス小説に変わり、そして今回は恋愛小説だ。
主人公の経理のお姉さんとその恋人の営業マンが前巻の終わりで結婚を約束し、今回は結婚に向けていろいろ面倒なことに立ち向かっていく。例えば指輪を買うとか、実家に挨拶するとか、友達に紹介するとか、上司に報告するとか。同じ会社で内緒にして付き合ってきたので、いろいろと面倒なのだ。上司に報告する順番とか。ここはやっぱり経理部長と営業部長を同席させて報告しなきゃいけないよなあ、とか。
主人公の経理のお姉さんは、まったく感情移入できない女である。こんなのが身近にいたら、絶対に仲よくなれないし、避けて通る。ましてや結婚なんてとんでもない。そんな女なのである。
誰もがそんなふうに思う女を主人公に据えるあたり、一癖も二癖もある。もちろんそんな女だからこそ、たまにいいことを言ったりすると、反動ですごく共感できたりするわけだ。うまいよなあ。
シリーズが始まった頃はKindleで読んでいたのだが、9巻のあたりで全巻を紙の書籍で買いそろえてしまった。ブックオフ一気買い。そして最初からすべて読み返した。11巻を読み終えて、また最初から読み返したくなった。
こんな気持ちになるのはこの「経費」シリーズと、似鳥鶏の市立高校シリーズぐらいだなあ。


2023.12.10

シャッターだらけ


閉店ラッシュである。
駅前の西友に続いて人気の高かった地元スーパーの閉店が決まった。
商店街の散髪屋の閉店も決まった。パン屋も、バラエティショップも閉店が決まった。
これら以外にも既に閉店した店も多い。
駅前再開発に伴い閉店もあるのだが、シンプルに売上げ不振の閉店もある。
とにかく閉店ラッシュなのだ。
街が寂しくなり、不便になるのは間違いない。
これは地元だけなのだろうか。それとも日本全体のことなのだろうか。
日本人の購買力が落ちているのは確かだから、そしてeコマースが圧倒的に便利なのにみんな気づいたからだから、店はどんどん閉店していくのだろう。
困ったものだ。


2023.12.09

泣くな錆夫


先日インタビューした若き金融マンは、バスケが大好きだった。彼は「サッカーはどうもね、ふっ」と笑った。
嫌いなのかと問うと彼は「点の入らない競技はどうもね、ふっ」と答える。
確かにサッカーは22人+αの選手が90分間も走り回って結局は1-0で終わったりする。ウノゼロこそサッカーの一番の醍醐味という声はよく聞くし、オレもそう思うが、バスケファンからすると限りなくアホらしいようだ。
「点がいっぱい入って、しかも最後の一秒まではらはらしますから、バスケは」と彼は自慢げだ。うぬぬぬ、と心の中でオレは歯がみする。
確かにそれはサッカーの構造的で致命的な欠点だ。欠陥スポーツと呼ばれるゆえんである。
でも、バスケはあんなせせこましいところで大の大人がわちゃわちゃとボールの奪い合いをして見苦しいったらありゃしないとオレが言い返そうとしたところに、なんと野球ファンが乱入してきた。
「WBCに始まってタイガースで終わって今年は野球の一年でしたねえ」と、彼は自慢げだ。
「最後の一秒まではらはらするのは野球も同じ。何よりもホームランは野球の花。たった一振りでゲームがひっくり返るのだから」と、一点ずつしか入らないサッカーを小馬鹿にする。
ぬぬぬ、確かにサッカーは一点ずつしか入らないし、一発逆転が起こりえない。これも構造的な問題だ。致命的すぎる。

こうしてボールスポーツの中でも小馬鹿にされるのがサッカー。言われることはいちいちもっともだ。
今日の天皇杯、川崎対柏がバスケや野球に見つかったら、一体何を言われるのだろう。
戦々恐々である。
なにしろ90分走り回っても点が入らずに0対0。30分間延長してもスコアレス。
欠陥スポーツの欠陥スポーツたるゆえんのようなPK戦もなかなか決まらず、最後は10人目にキーパーが蹴って、それをキーパーが止めるというグダグダ展開というか、なんでキーパーのシュートで勝敗が決するんだというこれぞ理不尽の極地のような展開で、オレもあまりのわけわからなさに頭を抱えてしまった。
120分走り回って、それを6万人以上が声をからして応援して、結局最後は運で勝敗が決まるのか。
確かにこりゃ欠陥スポーツだ。

だが人生だって欠陥だらけで、理不尽に満ちている。サッカーを愛する誰もが、そのデタラメさに人生を重ねて見ている。
いや、選手はまだよかろう。審判なんて、どんな判定を下しても必ず双方から罵られ、叩かれる。これほど理不尽で割の合わない商売もなかろう。人生そのものだ。

PK戦の10本目、柏の松本が蹴ったボールを川崎のチョン・ソンリョンが止めて、激闘が終わる。
その瞬間、柏のマテウス・サビオが号泣。今日の獅子奮迅の献身ぶりを見たら、勝たせてやりたかった。
優勝チームは川崎。ちょっと待て、この川崎にリーグ戦で2勝したのは我らがアルビレックスだ。こりゃあ、アルビレックスの優勝でいいんじゃないか。


2023.12.08

聞け、彼女の叫びを


「職場の高齢化がひどいんです!」
これは今日インタビューした女性の悲痛な叫びである。
彼女は20代後半だ。
「結婚相手を見つけなきゃいけないのに、こんなんじゃ…」
笑い事ではない。本人にとっては実に深刻な問題なのだ。
職場の高齢化については、オレも労働力の減少とか生産性の低下とか、そんな切り口でしか考えていなかった。浅はかだった。
そんなことより、というか、それも大事だが、彼女を取り巻く状況の厳しさをもっと考えておくべきだった。
今や多くの会社の平均年齢が40歳を超える。確かその割合は3割を超えていたと記憶する。 彼女の場合も「私の上の先輩が10歳年上」ということだそうだ。
当たり前のことだが少子高齢化のしわ寄せは若い世代に行くわけで、結婚相手に出会えないというのはその最も身近で深刻な問題の一つだろう。

職場の高齢化のもう一つの問題は、「働かないおじさん」問題だ。
「働かないおじさんって本当にいるんですよ、ふう」というのは、別の会社で取材した際に30代女性から聞いた溜息だ。
そんなマンガのようなことが本当にあるのかとたずねたら「本当にいるんです」と彼女は肩をすくめる。
「働かないおじさん」は、本当に働かない。歯医者へ行くのに直帰したりする。新聞を読んで、誰かに電話して長話することが仕事だったりする。
仕事がちっとも進まないのに苛立った若手がおじさんの仕事を奪って勝手に進めると、手柄はおじさんのものになったりする。
心中、お察しいたします。

そんな具合に、今さらではあるのだが、職場の高齢化は大問題だ。
何とかしなければと思ってもそもそも若者が少なくて奪い合いだし、高齢化の進んだ職場は敬遠されるからますます高齢化するという悪循環。打つ手はまったくなくて、お手上げだ。
もはやそういう会社は、会社ごと退場していただき、若年の社員だけ他の若い会社に移籍すればいい。
こういうのも別の意味でのゾンビ企業なのだろう。


2023.12.07

Z世代対老害


アメリカではZ世代が「イスラエルへの支援を止めないなら選挙で落としてやるぞ」とバイデンに迫っているらしい。ガザに急襲されたイスラエルに高齢者が同情的なのに対して、若者の多くは市民を無差別に攻撃するイスラエルに激おこプンプンだ。
Z世代は、人権や差別といった問題に対して特に敏感なのだ。
日本でもZ世代は怒っている。
例えば日大だ。日大事件の本質は「大人たちは何をやってたのだ」ということだと思う。学生たちは、無策無能な大人たちの犠牲者だ。
間抜けな高齢者、つまりは老害から一番被害を受けているのがZ世代なのである。
大阪万博も同様だ。老害たちが中抜きしようと躍起になった結果の今のありさまに対して、Z世代たちは「えー加減にせーよ」と怒っている。あんな遺物の借金を背負わせられる身にもなってみろってんだ、というわけだ。
オレ自身はどちらかというと老害の世代に入る方だから、実に申し訳ないと思っている。
今の日本を駄目にした老害たちが、これから日本を立て直そうとしている君たちの邪魔をしているのだ。まったく許しがたいことだと思う。
日大も万博も、いったい何をやっているのだ。

などと憤りながら今日は終日机に向かって原稿仕事だ。約9000字。
いや、大変なのは文字量よりも中身だ。結構歯ごたえのある原稿を書かなくてはならないのである。
いや、そうではない。正しくはオレが力不足だから、この程度の原稿でもひーひー言ってしまうのである。困ったものだ。
困ったついでに夜、新しいスマホをポチッとしてしまった。Google Pixel8である。
そろそろスマホを交換しようかと思っていたのだ。理由の一つが突然死である。
今オレはXiaomi、つまり中華スマホを使っている。軽くて、薄くて、そこそこよくできたスマホだ。独自採用のOSが中華臭いこと、時々挙動不審になってこれはきっとオレのデータを吸い上げてどこかに送っているんだなと思わせることなどをのぞけば、特に不満はなかった。秋葉原で買ってきた中古スマホである。

ところが最近になってこのXiaomiの同型のスマホが突然死するという報告が相次いでいると知った。
バージョンアップしたとか、異常な動きをしたとかの前ぶれは一切なく、文字通り、ある日突然画面が真っ黒になってうんともすんとも言わなくなるのだという。そのさまはまさに突然死と表現する以外のナニモノでもないらしい。
これは実に恐ろしいことである。今のオレのスマホが突然死したら、オレは詰む。
キャッシュレス決済はもちろんのこと、通信、調べ物、移動とあらゆる場面でスマホを使っているから、急に動かなくなったらオレは何もできなくなる。終わる。
だからそんな恐ろしい事態になる前にXiaomiスマホから買い替えなければと思っていた。
そして先日、移動途中で立ち寄った秋葉原で、メイドに声をかけられながら中古スマホをリサーチしてみた。その結果、Google Pixelの7が良かろうという結論に達したのである。 ただその時は取材先へ紙袋をぶら下げていくわけにはいかないとのことで、何も買わずに玉伝手立ち去った。

そして昨日、ふと思いついてドコモのオンラインショップをのぞき、Google Pixelの8を見つけたのであった。
いや、見つけたこと自体は珍しくもなんともない。目を引いたのは、月々1000円ぐらいの支払いで、25ヵ月目に本体を返却すればいいという、車の残価設定プランとそっくりのプランで買えるということだった。
なるほど。
秋葉原で見つけたGoogle Pixel7は5万円。しかしドコモショップなら最新のGoogle Pixel8が、月々1000円ちょっとで手に入る。これは実においしい話ではないか。
そういや以前ドコモからそんな内容のダイレクトメールが来ていたような気がする。いまどき神のダイレクトメールかよと呆れてそのままごみ箱に捨てたのだが、いま考えてみれば、対象者の年齢、つまりオレの年齢に合わせて紙を送ってきたのかもしれない。ご親切なことで。
そのダイレクトメールの記憶が頭の片隅に残っていたからオレは、ふと思いついてドコモショップを調べてみたわけだ。

これの流れは、実はネット時代のマーケティング戦略の本質的なナニモノかを表しているのかもしれない。
人々の購買行動にネットが大きな影響を与えるようになった現代、買いたいものがあるときはまずネットで製品の詳細を調べ、他と比べ、ある程度の購入意思を固めた後に初めて店舗や営業マンと接するようになった。店員が熱心に自分の商品を勧めたところで、実はその時点で既に客は何を買うのかを決めているのである。営業マンも同様だ。
だから最近では多くの不動産会社が、物件のチラシを配るのをやめている。いまどきチラシなんかを見て物件探しをする人間はいないので、チラシは無駄。非効率ということだ。
確かに最近の新聞には、不動産の折込広告がかなり減っていると感じる。
オレの場合も、ネットでGoogle Pixelの購入意思を固めようなところがある。とはいえ、ダイレクトメールが潜在的に働きかけたことも否定できないので、なかなかきれいにはまとめられないのだが。

話を戻す。
月々1000円ちょっとでGoogle Pixelが手に入るなんて、そんなうまい話がネットに転がっているわけはなく、いや、ごろごろ転がっているからネットは怪しいわけで、きっとこのプランにもドコモの仕掛けた落とし穴があると思った。
そう思っていろいろと穴を探してみたのであったが、最終的に穴は見つからず、そんなオレの様子に呆れた息子の「いくら何でもドコモがそんな姑息なことはしないだろう」との助言に従い、買うことに決めたのであった。
購買の意志決定に最も重要な影響を与えるのはネットでもチラシでもなく、息子のひと言なのだった。
もっともその一方で、Xiaomiの突然死はあくまでアンラッキーな出来事であって、オレの端末もそうなるとは限らない、案外平気じゃね? という正常性バイアスが働いたのも事実である。
オレの心は買う・買わないの谷間で翻弄され、結局ジンをたらふく飲んですっかり酔っ払った勢いで、えいっという掛け声とともにドコモオンラインショップをポチっとしてしまった次第である。

ポチっととは言え、高い買い物である。酔っ払ったオレは、酔っ払ったなりに動揺し、ああああ、とうとう買ってしまったあと叫び、そして息子に「早く寝ろ」と怒られたのであった。
Z世代の息子に怒られる老害のオレ。困ったものだ。


2023.12.06

大陸メシ


冬になったので、スーツを着ることが増えた。もちろんネクタイも締める。
クールビズじゃないからというのが大きな理由ではあるが、加えてスーツのほうが暖かい、冬のビジネスカジュアルは案外面倒、いっそスーツの方が何かと無難ということもある。
それにオレはけっこうスーツが似合うのだ。しかもなぜだかスーツを着るといかつく見えるようで、初対面でも押しが利く。初めての会社でトイレを探してうろうろしていると、どこかの偉い人がやって来たかと思われて挨拶されたりする。
一番おかしかったのは数年前、某代理店の若手とある企業を訪れたときのことだ。
奥から出てきた担当者は、オレの姿を見て一瞬ギョッとし、若手を引っ張って「部長を連れてくるなら前もって言えよ」とささやいたのである。
いやいやいや。私はほれ、いわゆる外注の下請けです、そんなに恐縮しなくても。
とにかくスーツを着ると、どこの場に行ってもオレが一番偉そうに見えるのが笑える。実は一番下流の下請けライターなのだが。

それはともかくスーツを着ると疲れる。とにかく疲れる。
昨日は、さっきまで国会にオブザーバーで出席してテレビに映っていたというような人のインタビューだったのでそれなりに緊張したのだが、ともかく必要以上に疲れてぐったりしてしまった。
今日は若手のお兄ちゃん1人にインタビューしただけだというのに、これまたぐったり疲れてしまった。
要するにスーツを着て移動すること自体が大きな負荷になっているのである。
なんでだろうなあ。
そう思ってネットを調べれば、体型に合わない安いスーツを着ているからですと書いてあって、ぎゃふん。仕方ないだろう、オーダーなんてとんでもない、安いのしか買えないんだから。
やっぱりここは我慢してスーツを着て体を鍛えるしかないようだ。大リーグボール打倒ギブスかよ。
そんなふうに今日もインタビュー仕事が終わったらぐったりと疲れてしまい、どうせこのまま帰っても仕事なんかできないだろうから、メシを食って帰ることにして、東大前の中華料理店に立ち寄り、息子を呼び出した。

この中華料理店は息子がよくチャーハンを食べに来る店で、安くて量が多く、従って常に学生で大賑わいという人気店なのである。中国人の夫婦が経営しており、この中国人がまたいい味を出しているのだ。
6時前に店に入って、中国の田舎の農民はまさにこんな顔だろうという旦那に「生」と告げる。やってきた生ビールをぐびぐび飲みながら、茄子のニンニクソースかけとチャーシューをつまみにホッと一息をつく。
そこに息子がやって来て「久しぶりに飲もうかな」と生を頼む。
普段、息子はほとんど酒を飲まないのだが、今日は運転する必要もないから、飲むのだろう。いつもは飲んだくれの父親の運転手役を務めさせられて、きっと迷惑しているに違いない。
息子が来たので一品料理をいろいろ頼むが、とにかくどれも量が多すぎるのだ。大陸かよ、ここは。
油淋鶏なんて2人前は間違いなくある。そして旨いのだから参ってしまう。
隣の席がチャーハンを頼んだのを見て、あまりの量に仰天し、締めのメシはナシにした。 「な、多いだろう」と息子。さすがに大学前の名店だ。

自分の行きつけの店にやってきた父親に呼び出されたというのに、イヤな顔一つせずニコニコと現れた息子は、本当によくできた息子で、オレにはもったいない。普通イヤがるよなあ。
中華で満腹になったオレたちは丸ノ内線、西武線と乗り継いで帰る。スーツが重くて疲れる。
駅からの帰り道、ひー疲れた疲れたとこぼすオレの背中を押して、ほら、ちゃんと歩け、しっかり歩けと叱咤する、とても頼りになる息子なのだった。

「推理大戦」似鳥鶏・講談社文庫。
あれえ、似鳥鶏がこんな本を書いていたのか。知らなかった。ということで書店で見かけて慌てて購入。コロナの前ぐらいに出した本のようだ。この作家は、とにかく好きだ。文章も好きで、いつも頭の中が気持ちよくなる。これは本格推理の長編。謎解きに関しては、なるほどなあという凝った作りだ。だが、最大の読みどころはキャラクター造形の絶妙さだろう。この作者の一番の持ち味だと思うが、とにかくすべてのキャラクターが素晴らしく、それぞれを主人公とした小説を読みたくなるほどである。だから前半、人物紹介を兼ねてそれぞれのキャラを立たせたショートストーリーが連ねられているあたりが、一番面白かった。それにしても市立高校シリーズ、復活してくれないかなあ。


2023.12.05

小島と三戸ちゃん


まさに12月の灰色の空そのものの天気であった。
思い出したのはサイモンとガーファンクルの「冬の散歩道」。現代は「A Hazy Shade of Winter」。くすんだ冬の色。
完璧を目指した詩人が、推敲に推敲を重ねて作品を書き進めていたら、いつまでたっても納得のいくものができなくて、とうとう救世軍の配給を待ち、ウォッカに酔い潰れる身になってしまった、ああ、人生はもう冬だぜ、という内容の歌だ。
当時はさっぱり意味のわからない歌だと思っていた。今となっては、よくもこんなものを歌にしたもんだと呆れる。
こんな内容の歌詞が、一度聞いたら忘れられないキャッチーなイントロと軽快なリズムに乗って歌われる。
これはポール・サイモンお得意の「軽いものの上に重いものを載せる」という構造の歌だ。 「母の子の絆」も、肉親の死という重いテーマを軽快なレゲエのサウンドに乗せている。

そんなことを思いながら冬の空の下、市ヶ谷のお濠の脇を震えながら歩いていたら、アルビレックスの高の移籍決定のメールが来た。わかっていたことだから同様はない。次のチームでも頑張ってくれと願うのみだ。
この季節のお知らせは、下げて上げる、つまり悪いニュースの次はよいニュース、というのがお約束だ。チームを出て行く選手の情報が来たのだから、明日はきっと新しく加入する選手の情報が来るに違いない。噂に出ていた徳島のあいつか、甲府の彼か。
などと思っていたら、まったく意表を突いて1時間後にとんでもないメールがやって来た。なんと、キーパーの小島が契約更新である。残留だ。
思わず、おおおーっと声が出た。このタイミングで、まさか小島が。
マリノスと浦和、他にも間違いなく数チームから誘いの声がかかっているから、きっと出て行くだろうと覚悟していた。新潟に収まるような選手じゃないしなあ。
ところがどっこい、残留だ。いかも契約更新第一号だと。

正直これには驚いて、早速息子にLINEをしたら、息子も「おわっ!まじか」とLINEでのけぞっていた。
よかったぜ。心底よかった。これでアルビレックスは来シーズンも闘える。
キーパーだけは替えが効かないから、小島が移籍したら来年はどうなるのだと思っていたので、これで一安心である。年俸爆上げは当然のこととして、やはり今の特異なサッカーを突き詰めたいのだろう。
小島が残留するなんて、かつてのチームなら考えられなかった。
いかに自分たちのスタイルを積み上げることが大切か、改めて痛感する。
プッチに舵を切ったのは、大正義だったのだ。

夜、Jリーグアワードの中継を見る。Jリーグのレコード大賞のようなものだ。
ここで新潟の三戸俊介がベストヤングプレーヤー賞を受賞した。要するに最優秀新人賞だ。
いやあ、これもいいニュースだなあ。
表彰式に半ズボンで登場した三戸ちゃんは「コナンだ」「小学生だ」「虫取りだ」などと散々な言われようであったが、そこがまた三戸ちゃんらしい。
三戸は、今年の夏に海外に移籍するだろう。ぜひ大きく羽ばたいてほしいものだ。
空は相変わらず灰色だが、おかげで心は晴れ晴れ。小島、三戸、ありがとう。
高? 誰それ?
オレたちは来シーズンも今のサッカーを堪能できる。楽しみだなあ。


2023.12.04

ヨメ問題


ヨメ「こんな田舎、もうイヤ! 雪も田んぼもイヤ!」
旦那「ま、まあ、そう言うな」
ヨメ「吉祥寺に暮らせるし、給料だって上がるし、移籍しないなんてあり得ない!」
旦那「いや、でも、もうちょっとここでこのサッカー続けたいし」
ヨメ「サッカーなんてどこでやっても同じでしょ! 移籍しないなら離婚する!」
というやりとりがあったかどうかわからないが、似たようなものだろう。
アルビレックスのボランチ、高のFC東京移籍が決定的になった。

FC東京は新潟より順位が下だったから、下のチームへの移籍である。ぷっ。
名古屋との争奪戦になって東京に決まったらしいが、どう考えても名古屋を選ぶべきだろう。
FC東京は闇が多すぎる。クラブ上層部は創価大学OBで占められているし、サポーターは半グレだし、功労者だろうが何だろうがさっさと切るし、新潟からプッチ監督を強奪したのにプッチサッカーになじめずにいびり倒してやめさせたし。こんな闇だらけのクラブになんで移籍するのだろう。
というわけで、その理由はヨメということなのだ。
Jリーグあるあるだ。家族にとってはサッカーのスタイルなんて関係ない。都会でシャレオツな暮らしがしたいのだ。だから高の選択も仕方ないのだ。

高はアルビレックスの最終戦で号泣していた。
この3年間、よくやってくれた。感謝しかない。
今のポゼショナルサッカーのキーマンとして、戦術を支えてくれた。
できればもっといいチームに行ってさらに自分を高めてほしかったのだが、東京だったというのが残念だ。
まあ、頑張ってくれ。
チームは変わる。去る者は追わず、残ったものたちでさらに磨きをかける。
最終戦の後、ピッチに集まった選手たちが、「独身だけで写真撮ろうぜ」と記念撮影していたのが、高のことを思うと、なんだかとてもおかしい。というか、味わい深い。


2023.12.03

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△△○○△○△△○45 10位


85分、渡邊泰基の相手を食いつかせてからの勇気あるロングフィールド。今シーズンの泰基の成長に感動する。
三戸を経由してそれを受けた小見洋太の、倒れ込みながらのポストプレーは、フォアザチームの象徴だ。高卒3年目の落ち着きに刮目する。
そしてその瞬間の三戸のスプリントの速さときたら。一瞬の加速に、こいつは化け物かよと驚愕した。
ゴール右でいったんははね返されたシュートを正確にフィードした太田の判断力は素晴らしく、それを落ち着いて決めてみせた長倉の初ゴールに、これは今シーズンのフィナーレであると同時に来シーズンはさらに上を目指す号砲なんだと歓喜した。
なんという出来過ぎで幸せな展開なのだ。

最終戦の今日、相手は香川真司を擁するセレッソ。開幕戦の相手でもあった。
J2からの昇格組でありながらほとんど補強をせず、J2時代と同じ戦力ということで、あらゆるマスコミと評論家がアルビレックスを断トツの最下位候補に挙げていた。オレたちも、久しぶりのJ1でボコボコにされることを覚悟し、そして残留こそが最大の目標と割り切ってのシーズンインだった。
そんな思いで立ち向かった開幕戦のセレッソ。そのプレスの速さと強さ、パスのスピード、プレーの正確さにオレたちは、これがJ1だったかと改めて背筋を寒くした。
そんなときに飛び出したのが、谷口のシュートだった。仲間に揉まれながら谷口は人差し指を真下に向けてピッチを指し、「ここがJ1だぞ、オレたちはここでもやれるんだぞ」と真っ白な歯を見せて笑ったのだった。
その後逆転され、迎えた最終盤。コーキックに合わせた千葉が、見事なゴールを決めて、引き分けに持ち込む。
センターサークルに引き上げながら千葉は左手で大きくサポーター席を指さし「見たか、信じろ、オレたちを」と吠えたのだった。
その千葉が香川の前でボールを止めて「ほら、取ってみろよ」と挑発し、さらに香川を囲んで鳥かごを披露したシーンも、あいつらはまったくビビっていないとサポーターを驚かせてくれた。

その同じ相手に今日の最終戦は、シュートわずか2本に押さえ込んで完勝。スタッツのあらゆる指標でセレッソを上回ってみせた。
結果は10位で、CF東京や札幌より上である。どんな形でもいいから残留が大目標だったことを思うと、望外すぎる結果である。しかも後半戦に限って言えば5位。9月から一度も負けていないし、ここ4試合はクリーンシートだ。
夏場を前に連敗し、ここまでかと思ったら、歯を食いしばって持ち直し、そして夏が終わった頃から急激に強くなった。それが今季のアルビレックスだ。J1の強さに耐えながら、決して折れることなく努力を重ね、戦術を練り上げてきたに違いない。
昨年の上位3チームには、結局一つも負けなかった。川崎には連勝し、マリノスには1勝1分け。歯が立たないと感じたのは、アウエーの鹿島戦だけで、その鹿島にもカップ戦では勝っている。
断トツの最下位候補として残留争いに巻き込まれること必至と覚悟していたオレたちは、この結果に驚き、そして胸を張るのだった。
アルビのサポで本当によかった。そう思わせてくれた、幸せなシーズンだった。

これから選手が抜けたり加わったり、いろいろと落ち着かないだろう。サッカーでは二度と同じゲームはない。チームも常に変わり続けていく。だから一瞬一瞬が貴重なのだ。
アイシテルニイガタ。ありがとう、アルビレックス。心揺さぶられる、なんという素晴らしいチームだろう。


2023.12.02

あの念仏のようなグリコCMの「オレオレ」チャントを来季も聞かなくて済むのは慶賀の至りじゃないか、諸君


これに勝てばJ1昇格というゲームを2つ続けて落としたのだから、清水の自業自得と言われても仕方なかろう。結局はそこ止まりのチームだったというわけだ。すまんな、コマちゃん。
最後のPKだって、あの時間、あのエリア、しかも味方2人がゴール前に詰めている状況でスライディングするほうがバカ。お前はアルビレックスのマイケルジェームスかよと。
これで清水は千葉とともにしばらくJ2沼だ。権田、乾は間違いなく抜けるだろうし。
東京がアダウィトンとスウォビクをクビにしたから、チアゴ・サンタナは東京じゃないか。一緒に権田がくっついていくかもしれない。
草刈場だ。J2の悲哀だ。
東京のキーパーが権田で埋まれば、J1のキーパー玉突き移籍に少しは歯止めがかかって、アルビレックスの小島移籍の可能性も低くなるかもしれない。
いや、清水は選手じゃなくて監督をクビにしなきゃダメだな。負けて選手のせいにしている秋葉監督。決戦の前に座禅を組ませる監督。もっとも今シーズン最初から秋葉にしておけば、間違いなく昇格していただろうから、秋葉もありっちゃあありなのかも。

一方のヴェルディは16年ぶりのJ1ということで、めでたい限りである。
オレもJリーグ発足後、しばらくはヴェルディを応援していたから感慨深い。あの頃はルーズソックスの女子高生が国立のスタジアムに大挙して押し寄せて、「たけだくぅーん」「かずさぁーん」と嬌声を浴びせていたのだから、隔世の感がある。
オレもヴェルディ側の客席で試合を観ていたら、ルーズソックスの女子高生に「なんでおっさんがこんなとこにいるんだよ」と睨まれた記憶がある。
オレにガンを飛ばした女子高生も今ではルーズソックスではなくてヒートテックを履いたおばちゃんになっているだろう。今回のJ1昇格をことのほか喜んだに違いない、ってそんなわけなくて、まったく関心がないのだろうなあ。
とはいえ、国立に5万3000人も集まったのだから驚きである。
かつてブームに乗ってJリーグを観ていたライト層も、好天の土曜日だしということで、大勢押し寄せたのかもしれない。満員のスタジアムは圧巻だ。
J2のカードでこれだけ客が入るのだから、Jリーグというコンテンツには潜在的な魅力があるのだろうと思う。それをうまく引き出して定着させられないことが問題なのだ。ああ、もったいない。
普段のヴェルディの試合なんて、味の素スタジアムがガラガラなんだもんなあ。

見事に昇格を決めたとはいえ、今日のゲームを観ているとヴェルディが来季もJ1で戦うのは相当に厳しいことがうかがえる。まあ、湘南やガンバ、京都あたりと降格候補の筆頭だろう。補強しようにもカネがないらしいし。
とはいえ、1年前のアルビレックスだって同じように散々バカにされていたわけだから、自分たちを信じて強みに磨きをかければ、残留の道も開けてくるのではないか。まあ、頑張りたまへ。
と、上から言うのは大変に気持ちよいものだ。
これで東京にJ1が3チーム。ヴェルディ対町田は、バスケス・バイロンの禁断の移籍を巡って遺恨試合となるだろうし、ヴェルディ対FC東京は城福の因縁の対戦となる。
オレとしては、ぜひ大嫌いな町田に降格してもらいたいところだ。乾あたりが町田に移籍して、チームを壊してくれないかなあとさえ思っている。
どうもJリーグを観ていると、他人の不幸を喜ぶ人間になってしまうようで困ったものだ。

というわけで、いよいよこちらもシーズン最終戦。
今年は幸せなシーズンだったよ。監督と選手に感謝だ。
そしてこれが終わると悲しみの移籍シーズン。アルビレックスは既に3選手との契約満了を発表しているが、移籍についてはこれからだ。
早くも数名の選手が噂に上っており、個人的には高、藤原、小島が抜けるものと覚悟している。
もっとも特定の個人に頼ったサッカーを続けてきたわけではないので、選手が入れ替わっても同じサッカーを続けられる手応えがある。その意味では監督の松橋が来季も契約することをいち早く発表できたのはとてもよかった。
来季も彼らにしかできないサッカーで、オレたちにしか味わえないハピネスを。


2023.12.01

空テン


12月になったので「空のカーテン」を聴いた。ももクロの名曲である。
聴いたといってもテレビでYouTubeを観たわけだが。なんとも便利な時代だ。
「空のカーテン」は、繰り返すが名曲である。歩きながらヘッドホンで初めて聴いたときは、あまりの名曲ぶりにちょっとびっくりして、立ち止まってしまったほどだ。
12月の分厚いカーテンのような曇天に、青春期の不安や苛立ちを重ね合わせ、「そこから進め、君は君だ」とエールを送る、とてもセンシティブで力強く、美しい楽曲なのである。
この「空のカーテン」と「ピンキージョーンズ」「DNA狂詩曲」がオレのももクロベスト3だ。

YouTubeには、いくつもの「空のカーテン」を組み合わせた動画もあって、初出時から最近のパフォーマンスまでをメドレー形式で観ることができる。
こうして改めて眺めてみると、いかにももクロが劣化したかが、よくわかる。
パフォーマンスは、初期のカラオケで歌ってた方が絶対によい。売れてからはバンドを従えて生演奏でやるようになったが、全然よくない。まったくダメ。酷い。オレが思わず立ち止まってしまったアレンジが完璧に殺されていて、なんじゃこりゃレベルの演奏だ。

いやいや、それよりも生演奏を入れるようになってももクロは、観客に歌を届けようとせず、バンドと協力して音楽をつくることに神経を注ぐようになった。その結果、いかにうまく歌うか、うまいよね私たち、といった歌になってしまっている。
昔のパフォーマンス、それこそ2011年の大震災の年のステージを観ると、とにかく全力で精一杯想いを届けようというエネルギーが弾けていて感動的だ。
上手に歌おうというパフォーマンスでは人の心は動かない。
できることを一生懸命にやるから、人は打たれるのだ。

紅白歌合戦に出て国立競技場がどうしたこうしたといったあたりから明らかにももクロは、一生懸命にやりますというフェーズから、あたいらショービジネスなんでというフェーズへと移行した。
これを境に昔からのファンが離れていったのもわかる。
しかしそんな変節や劣化にもめげず、相変わらずライブに駆けつけて声をからしているコマちゃんとオザキは偉い。いや、騙されているのか。宗教なのだから、騙されているほうが幸せなのかもしれん。

そんなことを思いながらまた「空のカーテンを聴く」。
こら、バンド、邪魔だ。下手くそな生演奏はやめろっつーの。


2023.11.30

人類の進歩と調和


前回の大阪万博が開催されたとき、オレは確か小学校6年生だった。月の石が大ブームだった。
オレの父と祖父が見学に行った。まだ上越新幹線などなかった時代だ。新潟から大阪まで片道12時間くらいかかったのではないか。大旅行だったはずだ。
そんなにしてまで万博に出かけていくなら、「年寄りじゃなくて、お前を連れていくべきなのに」と、母はオレに向かって嘆いていた。オレに意味はわからなかったが、今になれば母の気持ちのはよくわかる。
大阪までは時間もかかったが交通費もかっつただろう。宿泊費もかなりのものになったはずだ。それでも行きたいと思ったのは、たぶん祖父なのだろう。
帰ってきてから祖父と父が興奮気味にみやげ話を披露したことを覚えているが、その中身はまったく記憶に残っていない。
当時、オレの父はまだ20代だったはずで、ということは祖父が父親と二人で久々の、いや、ひょっとしたら生涯最初で最後の親子旅を楽しみたかったのかもしれない。そう思えば母の嘆きを振り切って、小学生を差し置いて自分たちだけで博覧会を楽しんだのも理解できる。
諸国の文化や産業に触れて世界の人々と交流を楽しむ。片道12時間以上かけても行ってみたくなるほど、さぞや意義深いイベントだったろう。
もちろんネット時代の今、1ヵ所に集まって一体何を見せるんだと、誰だって首をかしげる。
昔、プロレスにはまだ見ぬ覆面外人というのがやってきて、大いに盛り上げてくれた。パスボートを持って素顔で入国審査を通っているのだから、お笑いだ。そんな謎の覆面レスラーを見るのにも似た冷ややかな空気が、今の万博を取り囲んでいる。


2023.11.29

手書きからパソコン入力へって何十年前の話だ


参院が速記者を廃止することが決まった。そりゃそうだよなと誰でも思うだろう。
オレもインタビュー中にメモを取っていると、時々「速記ですか」と聞かれたものだった。
まさか。テープが回って録音しているのに速記なんて取るわけないじゃん。じゃあなんでメモを取っているかというと、話の流れを整理して次に聞くことを考えつつ、原稿にまとめるポイントを整理して、構成を模索しているからに決まっているじゃん。記録のためじゃなくて、制作のためのメモなんだよ。
なんて答えるわけはなくて、いえいえ、速記はできないんですよ、てへっ、という表情でスルーしたものだった。

今やオレはAIを使って、音声をテキスト化している。ICレコーダーのデータをクラウドに投げれば、テキストとなって降ってくる仕組みだ。やっとこういう時代になった。とても便利で重宝している。
オレのような文章屋さんだけでなく、どの会社でも会議の議事録作成には苦労しているので、この手テキスト化のサービスは一気に広がってきた。大変によいことである。
そもそもライターの仕事はインタビュー音声をデータとして記録することではなく、そこからメッセージを創り出すことなので、機械に任せられることはどんどん任せればいいのだ。
国会の審議だってまったく同じ。その議事録なんて機械に任せればいいのだ。映像と音声を残して、ついでにAIがテキストも残してくれれば十分だろう。
やっと国会も重い腰を上げたか。

と思ったら、なんと会議場で手書きで記録するのをやめただけで、別室で中継映像を見ながらパソコンに入力する方法に変わっただけだそうだ。なんじゃそりゃ。
満座の視線を浴びていた速記者のお姉様たちが念入りに化粧しなくてすむようになったという、それだけの話だったようだ。


2023.11.28

カレー>寿司>肉


オレは外食が好きで、昔から外で食べることが多い。
そもそも独身時代が長かったからついた習慣だろう。あの頃は三食すべて外食で、たまーに弁当を買って食べる感じだった。
今も週末は家族と外食することが多い。
もっとも家族一緒となると食費は一気に4倍。簡単に1万円を超えてしまうので、会計時に目を剥くことになる。
その点、助かるのはサイゼリヤだ。なにしろ4人でランチして3000円を超えないのだから。コスパ最強だ。その上、大変に美味い。なんでこんな美味しいドリアが300円なのだと驚いてしまう。ドリアにパスタにピザにサラダ。
いろいろ並べて、今日は気分がいいからワインでも飲んじゃおうかなあと思ってデカンタを頼んだら250円というのだから、何かが狂っているとしか思えない。いや、パラダイスとしか言えない。
同様に助かるのが、行きつけのインド料理屋だ。
ここも大変美味しい。美味しい割に安くて家族で食べて飲んで7000円台だったりする。まあ、飲むのはオレだけだし、セットの料理を頼めばお得だし。それでもコスパは大変によろしくて、時々地元の掲示板にグルメリポートが載ったりしている。他に人には見つかってほしくない店なのだがなあ。
あとは回転寿司やラーメン屋、そば屋といったところが多くて、焼き肉は案外行かない。混んでいるからだ。
まあしかし、なんだかんだいっても、日曜の夜に『イッテQ!』を見ながら家族でつつく寄せ鍋が一番うまいのは確かだ。娘もオレにビールを注いでくれる。
いずれ夫婦2人になったら鍋もしなくなるだろうし、今のうちにたくさん食べておこう。


2023.11.27

昔の名前で出ています


そして今日はJ1進出プレーオフの第二戦が行われた。カードは千葉対ヴェルディである。
どちらもJリーグ発足当時にプロだった。いわゆるオリテン(オリジナルテン)だ。
名門同士のゲームではあったが、しかし、結果がすべてのプレーオフだから試合内容は固く、さして見所のないままに終わった。勝ったのはヴェルディである。
千葉はJ1から降格してずっとJ2である。今やJ2の主。J1時代に応援していたサポーターの息子が、今のサポーターの中核になっている。
ずっとJ2ということは、つまり一度も昇格を経験していないのも千葉である。J3からJ2に昇格したわけでもないし、もちろんJ1に昇格したこともない。サポーターの心情を察するばかりである。
ホームスタジアムは、とてもいいんだよなあ、千葉は。サッカー専用だし、駅から徒歩5分という立地だし。そのスタジアムに見合う成績を残せていないのが悲しいチームだ。
一方のヴェルディは、ご存じJリーグバブルの圧倒的王者。北澤クラスでも年俸1億円を超えていて、実に異常な時代だった。
それがバブルが崩壊し、読売が経営から手を引いたことで、一気に凋落の時を迎え、今では千葉同様、すっかりJ2の主となってしまった。
そんな名門2チームがJ1昇格を争う、なんとも味わい深いプレーオフだったわけだ。


2023.11.26

関西はうざい


というわけでJ1の優勝は神戸に決まったわけだ。 あのあたりはやっぱり野球の土地のようで、ホームでの優勝決定戦だというのにチケットは完売にならなかったようだ。先日の浦和戦に埼玉まで遠征したサポーターはたった1000人。同じ状況でアルビレックスのサポーターは3000人が横浜まで駆けつけたのに対して、けっこう関西は冷めている。
というか、Jリーグ全体として、神戸の優勝に対して「何なんだかなあ」という空気だ。
三木谷マネーの金持ちチームが有名選手を高額で買い集めたチームだから、そりゃあ優勝もするでしょ。
そんな目線でみんな見ている。
試合後の優勝セレモニーで、歓喜する選手たちの中央に三木谷のデカい顔が笑っているのを見て、オレたちはなんだかイヤーな気持ちになる。金持ちチームが勝ったところで心は動かない。

同時刻のJ1参入プレーオフ、清水対山形のゲームで、必死になって身体をぶつける山形の選手たちの姿の方が、神戸のセレモニーよりよっぽど感動的だった。
例えば鹿島とか浦和とか川崎とか広島とか、長い時間をかけて積み上げてきた歴史があって、その間に貫いてきたものがある。鹿島は嫌いだが、そうした積み上げの上にあの強さがあることにはリスペクトする。
神戸にはそれがないし、何かというとすぐに震災からの復興を持ち出して、挙げ句には三木谷が「札束で優勝しました」と哄笑してふんぞり返る。

ひがみ半分だが、そんな気持ちになるのだった。
もっともその神戸の優勝をサポートするからのように横浜の足を引っ張ったのがアルビレックスで、神戸サポから「新潟さんありがとう」と感謝されていることに、うぐぐぐと歯がみするしかないのだった。

「それでも会社は辞めません」和田裕美・双葉文庫。
なんか聞いたことのある名前だなあと思ったら、営業ウーマンとして有名な人だった。コンサルトかやってて、ついでに小説まで書いちゃったのね。リストラ部屋に押し込められたダメ会社員たちの奮闘ぶりを描いた連作小説。キャラクターの書き分けができてなく、ストーリーも類型的で、いかにも月9あたりのドラマになりそうな話だ。それでも文章は上手く、読ませるところがちゃんとある。これは編集者の力量なのだろうか、それとも作者にこれだけの力があったということなのだろうか。ところどころ、こんなサラリーマンがいるわけねえだろと思いつつも、まあ、時間つぶしに。


2023.11.25

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△△○○△○△△42


あれは3年まえ〜と歌ったのは、ちあき・なおみだった。
あれは10年前〜と怨嗟の言葉を吐くのは、横浜マリノスのサポーターである。
2013年11月23日、横浜マリノスは残り2試合で1つでも勝てば優勝というところまで来ていた。そのうちの1つの相手が我らがアルビレックス新潟だった。
確かに当時のアルビレックスはチーム史上最高のJ1で7位という結果に終わるなど、非常によいチームだった。
だがマリノスは強豪である。アルビレックスなんて格下チームに負けるわけがない。2つのうち1つ勝てばいいなんて、もう優勝が決まったも同然。アルビレックスなんてあっさり倒して、ホームでみんなで優勝を祝おうじゃないか。
マリノスがそう考えたのも理解できるし、それに煽られて同調したライト層の横浜市民が大量にスタジアムに駆けつけたのも納得できる。さらに日産のグループ会社や下請け会社にも動員がかかったのも当然だろう。
何しろ負けるわけがないのだから。今日は優勝が決まるおめでたい日なのだから。
結果、日産スタジアムに集まったのは6万人を超える大観衆。当時のJリーグの最多観客数であり、この記録は10年後の今年の夏まで破られなかった。
そしてその超満員の観客の前で、なんとマリノスはアルビレックスに0-2と負けて大恥をかいたのである。
この試合をオレはたんさいぼうの練習をしながらネットで見ていたが、1点目を川又堅碁が決めたときの「うひょひょひょ」という実に嬉しそうで品のない笑顔も、2点目を鈴木武蔵が決めたときの6万人の観客のしらーっとした雰囲気もよく覚えている。
横浜中がお祭り騒ぎを楽しみにしていたのに、空気読めよ、新潟。
観客のそんな呪いの思念がスタジアム全体に漂い、そして11月下旬のスタジアムは冷え込みすぎるほどに冷え込んだのであった。

結局2つ勝てば優勝だったマリノスは、次の試合にも負け、半ば手中に収めていたシャーレを逃してしまう。最終戦、ピッチに土下座するように突っ伏して号泣する中村俊輔の姿は強烈なアイコンとなって刻み込まれ、その年、優勝チームでもないのにMVPに中村俊輔が選ばれたという皮肉な結果とともに新潟のスタジアム冷え冷え大作戦は、Jリーグの歴史にしっかりと記されたのであった。
10年前のこの日のことを横浜は忘れていない。文字通りのトラウマだ。
従って10年後の今日、日付もほぼ同じ11月24日、同じようなシチュエーションで新潟戦を迎えたマイリスサポは、屈辱の記憶をここで振り払うべく、「あれは10年前〜」という呪詛とともに我々アルビレクッスサポに襲いかかってきたというわけである。

マリノスは2位だ。
首位を走る神戸を逆転するには残り2試合を連勝するしかない。連勝して、神戸が他チームに負けるのを祈るしかない。他力ではあるがまだ十分に逆転の可能性はある。
2連勝するしかない状況で迎えるのが新潟だ。次の相手は京都だから、新潟・京都の2連勝は難しくない。むしろ十分に連勝の可能性があるだろう。
よし、かかってこい、新潟。10年前のあの日をオレたちは1日たりとも忘れたことはない。あのときと同じ11月23日、あのときと同じ日産スタジアムで、叩きのめしてやる。天下に恥をさらすのは新潟だ。

しかし皆の衆、結果は言うまでもあるまい。
このたびも我らがアルビレックスはマリノスに大恥をかかせてることに成功したのだ。これを世間では返り討ちという。
結果は0-0の引き分けだ。しかしこれでマリノスの優勝は事実上消滅した。マリノスが優勝するには2連勝しかなかったのである。
シャーレに片手を掛けるシーンを目撃しようと、平日の夜にもかかわらず集まったのは3万人強。ド派手な演出でゲームは幕を開けたが、終了時には広い日産スタジアムがシラけきってひえ冷えになり、その中で間の悪いことに1年間の感謝を示すセレモニーが行われ、それはうんざりするようなシラけたセレモニーになったに違いない。分かりやすくいうと、お通夜の雰囲気だ。
また、オレたちアルビレックスはマリノスに嫌がらせをしてしまった。トラウマを刻んでやった。とてつもなく気分がいい。

もっとも彼我の力の差はあまりに激しく、開始5分でオレたちアルビレックスサポーターは驚愕する。エウベル、アンデルソン・ロペス、ヤン・マテウス。こんな前線3枚は異次元過ぎで、誰がどうやって止めるのだとオレたちは天を仰いだのである。
もちろんキーパーの小島が止めた。
息子が「今日は小島のゲームになる」と予言したとおり、今日の小島はゾーンに入った神だった。何度スーパーセーブを見せてくれたことだろう。
もはやどんなシュートが来ても決められる気がせず、シュートを撃たれるたびオレたちは「残念そこは小島だ」と絶叫する。サポもゾーンに入ったかのようだった。
加えて藤原、デン、渡邊、新井のディフェンス陣にボランチの高が神。
序盤からマリノスに目を付けられてとことん袋だたきにされた新井はそれを耐えきり、驚異のロングフィードで敵に襲いかかる。藤原はエウベルに何度も勝ち、相手をうんざりさせる。デンは素晴らしい読みでリスク管理をし、しかも攻撃参加だ。

目を見張ったのは、渡邊だ。67分、シュートに行こうとするエウベルからボールを奪ってみせたのは、一つ間違えばPKになる決定的シーン。だが渡邊はためらうことなく刈りに行き、見事にボールをかき出したのである。
4年前の新人時代は、ビビりまくってへなちょこなプレーしかできなかった渡邊である。正直、今年でクビだろうとさえ予想していた。それがどうだ、このビッグマッチ、マリノス相手に先発したばかりか、完璧なパフォーマンスで押さえ込んでしまったのである。
あのタイキがなあ。
オレの胸は熱くなり、ちょっと涙もこぼれてしまった。
あのタイキがなあ。

選手1人ひとりの力量は圧倒的に差がある。どうやって闘えっていうのだというぐらい、サポーターも絶望的な気分で試合に臨んだ。
案の定、力の差を見せつけられ、ボコボコにされながらも、アルビレックスの選手たちは自分たちの積み上げてきたサッカーを貫こうとする。それは仲間を信じ、自分を信じるサッカー。
無数の複雑な約束事で構築されたアルビレックスの特異なサッカーは、お互いを信じることで成立する。デンが上がれば必ず高がそこを埋めてくれる。藤原のチャレンジが失敗しても必ず小島が止めてくれる。
仲間を信じ切った上に成立するサッカーを貫く姿は実に感動的で、こいつらすげえと何度も絶叫したのであった。
マリノスも同様にパスをつなぐスタイルのサッカーだが、最後のところは個人の力量に頼っているところがみえるサッカーでもある。そこが大きな違いで、それができるのもマリノスの強みだ。
だがマリノスからアルビレックスに移籍してきた選手が、ゴールの瞬間ベンチが一体となって湧くシーンを見て「マリノスではそんなことはなかった、オレがいないときに決められても嬉しくないとみんな思っていた」と吐露したそうである。
出場選手もベンチも、全員が全員を信じ切って、「オレたちのサッカー」を貫いている。今日のゲームは、まさにその真髄を見ることができた。とても素晴らしいゲームだった。

勝ちきれなかったことに選手は不満そうでも、サポーターは全員が満足し、大きな拍手で称えるのである。すげえよ、このチーム。こういうチームを見られるなんて、とても幸せなシーズンだった。
0-01という結果ではあったが、オレたちは日産スタジアムを冷え込ませることができて大満足である。喉も裂けよと叫んだスタジアムを後にするアルビレックスサポーターはみんな幸せそうだった。
引き分けでも、胸を張って帰れるぞ。そんなチームのサポーターでよかったぜ。
オレたちはそう感謝し、そして「喝采」を送るのだった、とうまくまとめてみせたわけだが。
ってやかましいわ、オレ。


2023.11.24

日付はずれているが


勤労感謝の祝日、オレは日頃の勤労に感謝して仕事を休んだ。
だがヨメは出かけ、息子も出かけ、娘も出かけ、家にはオレ一人。
秋晴れの祝日、どこへの行き先がなく、オレ一人。
仕方なく本を読み、ネッドで映画を観て過ごすのであった。


2023.11.23

もはや記憶力が鶏


オレはミュージシャンかプロレスラーになりたかった。
ライターを目指したことなど一度もなく、たまたま未経験のコピーライターでも採用してくれるポンコツ会社に拾われた結果(「コピーって何ですか」と面接で聞いた間抜けをよくぞ採用したもんだ)、文章を書く仕事に就き、ものの弾みでフリーになってからはとにかく食っていくためにどんな仕事でも引き受けていたら、今まで来てしまったということに過ぎない。
「どんな仕事でも一生懸命にやれば、それが天職になる」とオレに説いたのは亡くなった父であり、「どんな仕事でも必死で10年やれば二流にはなれる」と上から語ったのは二流ギタリストの中川イサトだった。
これでいくと、生活するために懸命に目の前の仕事をこなし続けてきたオレは、何とか二流ぐらいにはなれたということなのかもしれない。こう書くと身も蓋もないのだが。

その伝で行くと、未経験のミュージシャンか未経験のプロレスラーを採用してくれる会社に飛び込んでいたら、オレも今頃は二流のミュージシャンか、二流のプロレスラーになれたかもしれないということだろうか。さすがにプロレスラーは無理のような気がする。しかし、ミュージシャンだったらアリだったかもしれない。
新人でどこかのスタジオにアシスタントとして潜り込み、小僧扱いでこき使われながら、次第に余り仕事をもらうようになって自立していく。そして気がついたら音楽で身を立てている。そんな道もあったかもしれない。
ということはやはり最初の入り口というものが、とても重要というわけだ。いわゆる新卒カードである。
何もできません、何も知りません。私は何者でもありません。
そんな言い訳が通じるのは新卒の一度きりである。転職に際して「一から頑張ります」なんて真っ直ぐな目をしたところで「一昨日来やがれ」と言われるのが関の山。求められているのは即戦力だからだ。
そんな大切な新卒カードをどう切るか。そろそろ息子と娘にもそんな自覚を持たせなければならない時である。

親の言うことなんか鼻をほじりながら右から左だったオレがそんなことを言ったって、天唾棚上げ(「天に唾して自分を棚に上げるということだよ」と、かつて日経新聞の広告局の部長さんに教わった)の行為で、天の父は「片腹痛いわ」と大笑いするだろう。
結局、自分の道は自分の意思で開いていくしかなく、親としてはせいぜいそのための材料を用意するぐらいで精一杯だ。
今思うと、父も母も、結局のオレの仕事がどういうものであるか、理解はしていなかったと思う。
文字を書く仕事とはわかっていたようだが、どうしてそれがカネになるのか、わかっていなかった。文筆業とは作家のことであり、請負で文章を書くという仕事が想像できなかったのだろう。
里帰り中に急ぎの原稿を書いていたら、それを見た母は「そんなことは自分でやらせろ」とオレに言ってきたことがある。それをオレがやるからカネになるんだ、ということがわかっていなかったのだ。
もちろん面倒くさがって仕事の仕組みを説明しなかったオレが一番よくないのではあるものの、やはり署名原稿とは縁のない請負ライターというのはその程度の認知度に過ぎないということだ。
別にオレは署名原稿を書きたいとは思っていないし、時々「小説家を目指しているんですか」と誤解されることはあっても、小説なんてまったく書きたいとは思わない。あれは読むものだ。
請負仕事として、つまり大工さんが人に頼まれて家を造るように、寿司屋が客の注文に合わせて握るように、オレも客に頼まれて原稿を書いている。大工は自分の住みたい家を造るわけではないし、寿司屋も自分の好きなネタを握るのでもないように、オレも自分の書きたいことを書いているわけではない。あくまで客が求めるものを「こういうのでいかがでしょう」と差し出すだけだ。
自己表現もしないし、文章としての完成度を求めるわけでもない。目的はただ一つ、納品することである。納品しなければ、どんなに素晴らしい文章を書いたところでカネにはならないからだ。

そういや以前、先輩のシンゴさんに「タンゴって、ミュージシャンにしては文章が上手いね」と言われて、喜んでいいのか、落ち込んでいいのか、しばし戸惑ったことがあったっけ。シンゴさんはとてもいい人で、もちろん後輩のオレのことを素直な気持ちで褒めてくれたのである。まるで揶揄されたかのようにここに書くなんて、オレが間違っている。
それでもこんな駄文を連ねた日記を長々と続けているのは、客の求めなどに関係なく自分の好きなように書きたいという気持ちがあるからだろう。その証拠に、書きっぱなしである。読み返して推敲もしないし、後日に事実誤認に気づいても修正しない。
オレが勝手に書いている日記なのだ。たとえ人様が内容についてなんらかの指摘をしてきたところで、人の日記をのぞいていちゃもんつけるとは何様ですか、とスルーするのみ。
と、齊藤美奈子の昔の文芸評論をちらっと読み返したら、あのクセのある文章に触発されて、こんなどうでもいいことを書いてしまった。キーボード入力の練習だな。
毎朝、15分とか20分で2000文字ぐらいの文章をたらたらと書いているのは、ラジオ体操みたいなものだし、ウォームアップにはちょうどいい。もしかしたらオレが2000字や3000字程度の原稿なんて屁のカッパとばかりに猛スピードで書き殴ってしまえるのも、毎朝のこの駄文書きが少しはトレーニングになっているのかもしれない。

「レジまでの推理 本屋さんの名探偵」似鳥鶏・光文社文庫
この作家は大好きだなあ。とはいえ、作比によってはまったく好みではないものもあるのだが、この一冊は大好きな「市立高校シリーズ」と同じテイストなのでとてもよい。楽しめた。
この作家の持ち味である人物造形がとてもよく、トリックもちょっとひねっている。読後、もっと書店で本を買わなきゃと思ったのだった。
それにしても「市立高校シリーズ」再開してくれないなあ。
と、ここまで「待てよ」と思って調べてみたら、なんと2018年の5月27日に既に読んでいたではないか。この本。しかもKindleで。
道理で最後のトリックが、どこかで読んだトリックだなあと思ったわけだ。
しかもほとんど同じような感想を書いているではないか。
あまりの衝撃にオレの心は折れ、物忘れも酷すぎると自分を責めたのだった。
まあ、Kindleで読んだから、リアルの文庫を手にした際に、気がつかなかったのではないか。と言い訳する。


2023.11.22

手塚治虫はヤクザにおびえた


隣町のショッピングセンターにカインズができた。オープン直後の先週は激混みとの情報だったので、平日ならばと思い、今日行ってきた。
このショッピングセンターは西友の系列で、東映の撮影所の隣にある。だから昔から俳優がうろうろしていたり、東映のドラマの撮影に使われたりしている。
だいぶ老朽化が進んではいるが、この街のランドマークとしての存在感は健在だ。
ユニクロがテナントに入って集客力はそこそこあるものの、まだ足りない。てこ入れのためにカインズを入れたのだろう。田舎とは言え、一応は23区内。本格的なホームセンターはない。カインズは人気が出るだろう。

ちょうど蛍光灯が切れていたこともあって、探すついでにいろいろ見てまわる。なかなか広い。品揃えも面白そうだ。
ただ「ポイントカードお持ちですか」「お作りしませんか」「ポンとカードお得ですよ」というポイントカード勧誘がとなかく鬱陶しい。5メートルおきに声を掛けられる。最初は、けっこうです、いです、と答えていたが次第に面倒くさくなり、腹も立ってきたので無視するようになった。
店員さんは一生懸命なだけだから申し訳ないのだが、さすがに邪魔すぎる。
こりゃあ、オープニングの勧誘が落ち着くまでは来られないなあと諦め。蛍光灯のほか、洗濯ハンガーやフライパン、ティッシュなどを買って帰ったのだった。

それにしても物価の上がり方はひどいね。
2000円くらいかなと思ってレジに行ったら3000円を超えていることはしょっちゅうだ。コンビニでもあっという間に1000円を超えてしまう。
これから暖房がフル活躍の季節。暖房がないと死んでしまうので節約しづらいのは確かだが、その分、他のことで節約しないといけない。
とほほほ。

そういや今日はワールドカップ2次予選のシリア戦があったのだが、結局テレビもネットも中継はなかった。シリアとの試合なんて非常にレアだから見てみたかったのだが、放映権料1億円をふっかけられて、「そんなカネ、払えるわけがないだろ」と日本が蹴ったらしい。
シリア側は「契約する言っておきながら直前になって値切ってきた。日本人、きたないね」ということのようだ。
真相はわからんが、シリア戦なんかに1億円の価値はないのも確かだが、一方で日本が買えなくなってきているのも事実だろう。シリアは、日本は金持ちと思ってぼったくりに走ったのだろうが、シリア人が思うよりずっと日本は貧乏だったということだろう。
とほほほ。
日本全体で節約しなければ。

「アニメ大国 建国記」中川右介・集英社文庫。
「鉄腕アトム」から始まった日本のテレビアニメについて、「ドラえもん」が登場するあたりまでを俯瞰的に描いたノンフィクション。クロニクルと言ってもいいかもしれない。
日本でアニメーターが低賃金と劣悪な労働環境で働いているのは、「鉄腕アトム」第1話の制作費をたった50万円で請け負った手塚治虫の責任だというのはアニメ業界の通説らしいが、この本で著者はそれを明確に否定し、むしろキャラクタービジネスでしっかりと稼ぐという新しいビジネスモデルを確立したのが「鉄腕アトム」と賞賛している。なるほどねえ。
「ドラえもん」は、一度アニメ化されたけれどぱっとせず、失敗作と見られていた。しかし原作のコミックを読んだあの高畑勲が「こんなにすごい作品はない」と感動して企画書を書き、それを見た藤子不二雄が再度のアニメ化を許可し、それによって現在に続くモンスターアニメが誕生したというエピソードはなかなか面白いし、虫プロが倒産して膨大な借金を背負った手塚治虫が「ヤクザに殺される」と関西まで逃げ回った話や、「戦艦ヤマト」のプロデューサーだった西崎某に騙された手塚治虫がすべての手塚キャラの版権を手放してしまったという話もとんでもなく面白い。
新しい産業には有象無象が群がり、いろんなことが起きるのは、昔も今も変わらないのだなあと納得する。
大変な労作で、よくぞここまでまとめたものだと感心する一作。関係者へのインタビューはなく、すべて既存の紙資料から素材を集め、まとめ上げている。登場人物が膨大でこんがらがってくるのはこちにの頭が追いつかないせいである。順接の「が」が多用されていて読みにくいというのは、好みの問題か。いずれにせよ労作だ。拍手。


2023.11.21

晩秋の武蔵野


北府中というところに行った。初めての駅である。名前の通り、あの府中の北にあるところだ。
駅を降りると右手には東芝の広大な工場があり、左手には府中刑務所の高い塀が続く。ここはこういう街なのだ。
三億円事件の現場も近いのだろう。あれは確か12月だったから。時期的にも今と近いはずだ。
東芝の工場はとても広い。いったい何人の人たちが働いているのだろう。そしてこの工場はどうなっていくのだろう。
どんな名門企業でも無能な経営者が三代続けば潰れてしまう、そんな好例だ。真面目にコツコツと勤め上げてきた従業員たちは、たまったもんじゃない。
そんなことを考えながら、駅の近くでランチだ。デニーズがある。ちょうどいいではないか。

だが、ちょうどいいどころではなかった。ランチを食べたらなんと1500円。
仰天し、頭を抱える。ファミレスのランチで、今やこの値段かよ。東芝の呪いか。
頭を抱えたまま、取材先に向かって歩き出す。なんと北府中の駅から徒歩30分だ。まあ、十分に許容範囲内ではあるのだが、なにしろ寒々とした武蔵野台地の果てだ。とぼとぼ歩いていると心が冷えきってくる。
従って帰りは、バスに乗ることにした。
ところがこのバスがなかなか来ないのである。寒々とした武蔵野台地の果て。荒野の中でぽつんと20分もバスを待つオレは、心身ともに凍えきってしまい、絶望するのであった。
やっぱり北府中は絶望の地なのであった。


2023.11.20

紙兎


朝は6時に起きる。つけるテレビは8チャンネルの「めざましテレビ」だ。
お天気キャスターに癒やされる。特に金曜日の谷尻萌は大好物である。
しかし何よりもありがたいのは7時近くになって流れる「紙兎ロペ」だ。
ロペは面白いぞ。オレの一日はロペで始まると言っても過言ではなくもないくらい、面白い。結局過言なのかどうなのか、わからんが。
動物を擬人化したマンガで、舞台は京成線の立石駅周辺。男子高校生が他愛のない馬鹿話をするだけのマンガだ。
例えば、手書きの間違い探しのクイズを作ってみたり。
こういう男子高校生らしいアホ加減が実に味わい深い。
この後に再びお天気キャスターの萌ちゃんが出てくる流れが最高である。


2023.11.19

乾杯


アルビレックス新潟の松橋力蔵監督が、正式に来季も指揮を執ることが決定した。
まだシーズン途中という異例の時期での契約発表である。それだけ監督の去就が、選手の移籍・残留の判断に与える影響が大きいということなのだろう。おそらくこれで多くの選手が監督とともに来季もアルビレックスでプレーする意志を固めたはずだ。
まずはよかった。乾杯である。

午後、オリンピックチームがアルゼンチンとフレンドリーマッチだ。後半だけを見たが、強くなったなあ、日本。藤田ジョエルチマなんて化け物だろ、あれ。こないだまでマリノスにいたが、海外へ行って一気に成長した感じだ。
高校から直接海外に行った福田師王も、果たしてどうかと思ったが、いきなりの決定力で驚いた。たいしたもんだ。やっぱり海外で一気に成長したか。
ん? 海外で成長? そういえばチェイス・アンリはどうしたのだ。怪物と言われていたのに、もう行方不明ではないか。難しいものだなあ、海外も。
このオリンピックチームではアルビレックス新潟の選手が2人、先発している。三戸とキーパーの藤田だ。
圧倒的な破壊力を見せる攻撃陣の中で、三戸は存在感を喪いつつある。これではメンバー選考に入るのは無理ではないだろうか。福田師王にあれを見せられると、三戸は厳しい。
キーパーについては、もしオーバーエージを採用するならキーパー枠と言われているから、やはり厳しいのではないか。オーバーエージでなくても鈴木ザイオンが戻ってくる可能性だってあるわけだし。なんとかこちらも頑張ってもらいたいものだ。
ともかく競合アルゼンチンを圧倒しての勝利に、乾杯である。

そして乾杯ついでに夜は、最近開拓した新しい店に行った。
隣の駅にある店で、ちょっと遠い。住宅街の中にひっそりとオープンした、不思議な居酒屋である。 とにかく料理がびっくりするほど旨いのだ。何を食べても旨い。これは板前の腕が抜群によいのだろう。
その上、安い。今日は3人で行って8000円、先日は息子といって5000円。これだけの料理を食べて、飲んで、この値段はなかなかのものだと感心する。
ハイボールを頼んだらとんでもなく濃くて、たちまち酔っ払ったのもよかったぜ。
これでもう少し近かったらよかったのだがなあ。


2023.11.18

PCは道具


息子のパソコンが壊れたので買い換えた。息子は「4倍速くなったので、やることが4分の1の時間でできるようになった」と喜んでいる。
最近の息子は、何やら大量にプログラミングをしており、その処理が速くなったということなのだろう。一晩中ずーっとプログラミングが走っていることもあるようだ。
こんな具合に仕事がはかどるのを見ると、つくづくパソコンは道具であると感じる。道具ならばいいものを使った方がいいし、道具を変えて仕事がはかどるなら、どんどん買い換えればいいのだ。だって道具なのだから。
それに対して、例えば楽器は「道具」というイメージからは遠い。
あるいは弓道をするものにとっての弓も、決して「道具」ではないだろう。
あえて言うとすれば、「相棒」という言葉が近いかもしれない。
などと偉そうに書いているが、実際に今この日記を書くために使っているのはLet's noteの中古である。35000円の。
これぞまさに道具という風情だ。調子が悪くなったら、とっとと捨てて買い替えればいい。
オレの仕事は文章を書くことで、ネットを見ながらテキストを打つ程度の仕事には中古のLet's noteで十分である。
メインで使っているデスクトップは、音楽製作にも使っていたのでけっこうなスペックのものを用意していたけれど、音楽をやめた今となってはかなりのオーパースペック。次に買うとしたら、もっと安いのでいいや。
でもDellはだめだ、Dellだけは。絶対に後悔する。オレは昔Dellのマシンを買ってえらい目に遭ったので、もうDellには近づかないことにしている。安かろう悪かろうの代名詞だ、あれは。


2023.11.17

お安い五井


ミャンマー代表の監督が試合前の記者会見で口にしたのが「前半15分まで0-0だったらオレたちの勝ち」という謎ルールだった。
世界中がポカンとしたが、ミャンマーの選手だけがその謎ルールを信じて全力で守備に走りまわり、13分まで0-0に抑えたのは見事だった。残念ながらその直後に日本が得点してミャンマーの勝利は手のひらからこぼれ落ちてしまったのだった。
まあ、アジア予選は結果だけが大切だから、こういうつまらない試合になるのは仕方ない。
でも見ながら思ったのは、きっと30年前の日本対ブラジルでブラジルのサポーターたちは、今のオレたちと同じような思いでゲームを見ていたのだろうなあということだった。万が一にも日本が点を取るなんて誰も信じていなくて、それがマイアミで日本が勝ってしまったものだから、ブラジルは肩をすくめて「こんなこともあるさ」と片づけてしまったのだろう。
きっと今日のミャンマー戦のことなど誰も覚えていないように、30年に日本代表を見たブラジルのサポーターたちは翌日にはきれいさっぱり日本のことなど忘れてしまったに違いない。

などということを考えつつ、というか、ミャンマー戦は夜だったので、その昼の話であるが、オレは千葉の五井というところに行った。昨日は西の横浜で今日は東の千葉。まったく東奔西走とはことのことだ。
五井は、遠い。とてつもなく遠い。我が家からは3時間ちかくかかった。要するに名古屋より遠いわけだ。
この一帯は工業地帯で、デカいプラントが立ち並ぶ。なかなかの迫力だ。
それらのプラントで働く人のためには独身寮や社宅が用意されており、それらは実に格安である。独身寮は朝夕のご飯もついていて、おかげで「1ヶ月3万円もあれば衣食住のすべてがまかなえますよ」と若者たちは笑うのであった。
じゃあ、貯金がいっぱいたまるでしょうと聞いたら、当たり前だろうという顔で「貯まるでしょうね、自分は全然ですが」と答えるのである。その貯まったお金を頭金にして、千葉のこのあたりでマイホームを手に入れるのがパターンなのだそうだ。
うーむ、なんと堅実な生き方なのだろうとオレは秋の青い空を見上げて感心するのであった。


2023.11.16

お高い横浜


早朝7時に横浜に行った。
横浜駅の横浜ではない。県庁や税関などのある官庁街の横浜だ。赤煉瓦街から山下公園にかけての、象の鼻公園や大桟橋などのある、最も横浜らしい横浜のほうである。「あかいくつ」と書かれたバスが走っていて、平日だというのに観光客が多い。
横浜というのは気取った街だ。京都ほどではないがお高くとまっている。
道は広々としていて、高い建物は少なく、大きな空の向こうに港が見えて、実にきれいだ。快適である。確かにこういう街に住んでいるとお高くもなるだろうなあと思えてくる。

朝の官庁街を歩きながら、どこかの街に似ているなあと感じた。思い出した、仙台だ。どことなく仙台に似ているのだ。仙台もとててもきれいで気持ちのいい街だ。だが、仙台がお高くとまっているという感じはしないから、お高い理由は街のせいではなくて人のせいなのだろうか。こんなことを書いていると横浜の人たちに殴られそうだ。
もっとも横浜が横浜らしいのはこのあたりだけの話であって、ちょっと中に入れば、例えばFC横浜のホームスタジアムであるニッパツ競技場のある三沢あたりなどは、坂道の連続である。道幅は狭く、渋滞は慢性的で、人も車もとても窮屈だ。危なっかしくて自転車なんてとても乗れない。
これがリアル横浜なのだろう。
先日はタイ人がヤクザをボコボコにして刺殺してしまった事件もあった。実にまったく横浜のイメージからかけ離れた事件で、世間は大いに驚いたのだった。

港のすぐ近く、税関に併設された食堂で昼飯にする。この食堂は一般に開放されているのだ。A定食が600円と、社員食堂のノリである。というか、職員食堂だからそんなものか。ここでカツカレー食べた。とても美味しい。というか、カレーはだいたいどこで食べても旨い。
官庁街で話を聞く。実は神奈川県は貧困問題が深刻なのだという。
へえ、イメージとまったく違う。お高くとまっているからお財布もお高いのかと思ったら、それは一部だけということか。
日本全体で子供の貧困率は約13%(た、高いな、これも)。神奈川県でも相模原市あたりになるとこれを上回るようだ。なるほど、奥地に行くとお高くとまってはいられないということか。

横浜といえば最近、相鉄線がJRとつながったというのが話題になった。確かに先日、JR新宿駅で電車を待っていたら、海老名行き電車がやってきて混乱した。
乗換なしで新宿から海老名まで行けるようになったのか。なんて便利なんだ。いや、小田急ならずっと新宿から海老名まで乗り換えなしだったではないか。オレはますます混乱する。いったい誰が得をするのだ。
これは相鉄線に住んでいる人も同じらしくて、今日話を聞いた人も「かえって不便になったんですよ、横浜行きが減って、混んじゃって」とのことであった。どういうことか、オレにはさっばり理解できなかった。

釣瓶落としの晩秋だ。5時にはすっかり暗くなり、港に灯がともる。
夜景はさすがに美しく、ほーっと見とれてしまう。これで隣にいるのがイームラくんでなくて、美女だったら最高なのだが、そんなことはありえないので、夜景を眺めながらホッピーでもという妄想は捨てておとなしく帰ることにする。
横浜は確かに街も夜景もきれいだけど三日で飽きるに決まってると、タワーマンションに住めない人が言うような負け惜しみを残してオレは、タイミング良く滑り込んできた西武池分路線直通所沢行きみなとみらい線に乗り込んだのだった。横浜の人たちは秩父とか飯能とかという地名を聞いて、どんな想像をするのだろうなあ。


2023.11.15

空のカーテン


夕べはアルバイトに出かけた息子が「ひー、寒い、何か持ってきてくれ」とSOSのLINEを送ってきた。確かに寒かった。
車に乗って駅までコートを届けてやったところ、ダウンを着ている人がかなりいるのに驚く。先週はTシャツが目についたというの、ほんとにまあ。いったい秋はどうしたんだ。日本の四季はどこへ行ったというのだ。
そんなオレたちをさらに寒くさせるのが、選手の移籍情報である。

今年もこのシーズンがやってきた。本格的な移籍アナウンスは最終節終了後ではあるが、それより以前から噂が飛び交う。ネットの噂ならまだいい。笑って済ませられる。だがYahoo!ニュースで「小島に浦和が正式オファー」ときたら、穏やかではいられない。
小島とはアルビレックスの神。キーパーの小島だ。
小島がいなければこの特異なサッカーは成立しないとまで言われているほどのキーマンである。これまでの活躍がスーパー過ぎて、まあ、そりゃあ移籍するよね〜、年俸が2000万円とかいうし、よそだったら5000万円はもらえるよね〜、とみんな諦めてはいる。
だが、こうしてそれが現実の話として突きつけられると、うぐぐぐぐと歯がみするしかなくなる。歯がみがうぐぐぐぐという音なのかどうかは知らんけど。

小島が移籍するならマリノスと目されていたので、浦和はねーだろと言われている。なにしろあそこには西川という絶対神ががいる。30代後半の今にしてさらにキャリアのハイへと登り詰めようとしている、バケモノだ。小島が移籍したところでその地位が揺らぐとは思えず、セカンドに甘んじることがはっきりしている浦和へ小島が移籍するとも思えない。
それとも、ひょっとして西川が出るというのだろうか。先日の神戸戦での、ベンチを無視した無謀な上がりは、こんなチームでやってられっかという反抗心からだったのか。
ならば小島の代わりに西川をもらおうじゃないかと言いたいところだが、そんなカネは、アルビレックスにはない。西川が移籍するとしたらカネがうなっている町田か神戸か。
話を戻すと、小島があまりに素晴らしすぎて、しかも年俸が安すぎて、他チームから声がかかるのは確実である。仕方ない、それがプロのサッカー選手だ。仕事なのだから、ギャラのいい契約を優先するのも当然だ。
だが浦和はやめてくれえというのが多くのサポーターの声である。さて、この先、どう動くのか。


2023.11.14

ですね!


それにしても日曜日のJ2最終節は面白かった。
DAZNを切り替えながら、3試合を同時に見る。結局、試合前には2位だった清水が終わってみれば4位となり、それを交わして昇格を決めたのが同じ静岡の磐田。清水がゴール前の絶好機を外したのに対し、磐田は劇的なゴールを決めた。
オレは、ズッ友だった大宮を看取ってやろうと大宮対ヴェルディもしっかりチェック。
ただ、この3試合を切り替えながら見ていたというのに、ゴールシーンはいずれもリアルタイムでは見てなくて、この世でオレが一番持っていないと悲しくなった。
と思ったらプレーオフ参入の6位争いも激しくて、長崎がまさかの6位かというその瞬間、山形のデラトーヤがロスタイムに超絶ゴールを決めた瞬間はリアルタイムで見ることができた。
いやあ、面白いなあ、J2は。
もっともこれは他人事だから面白いのであって、この中に巻き込まれていたら失神したかもしれない。まったく恐ろしいリーグだ、J2は。

こんな日はみんなJ2で盛り上がっているから、浦和対神戸の試合はおとなしいものだろうと思ったら、とんでもなかった。なんとロスタイムに世紀の大誤審が発生だ。
西川の無謀な上がりに中島翔哉のアホすぎるフィード、前川の神フィードに大迫の神シュートが重なって起きた奇跡の決定機が、実は大誤審だったというので大騒ぎである。
優勝を左右する大一番で起きたとんでもない事件だ。いやあ、Jリーグは面白いなあ。

続けて映画『東京MER』を観る。
テレビドラマで話題になったやつの劇場版だ。鈴木亮平の当たり役だな。
横浜ランドマークタワーでテロが起きて人が大勢閉じ込められたという話だ。ハラハラドキドキさせて、どうせ最後はハッピーエンドなのである。これでいいんだよ、映画なんて、という映画だった。
役者がみんな上手いのはいいのだが、政治家のからむネタだけはどうにかならんか。あれは無駄。 サンダーバードのような、手に汗握るシンプルな救出劇がいいのだ。


2023.11.13

再結成は嫌いだ


ビートルズの最新曲がチャートのトップって、いったい何ごとかと。
ジョン・レノンの未発表曲にAIを振りかけて、ポール・マッカートニーやリンゴスターが音をかぶせ、ついでにジョージ・ハリスンも天国から呼び寄せて完成させたらしい。
なんとまあ、悪趣味な。
そもそも再結成ものにはろくなものでなくて、オレは好きではない。
先日はクラッシュギャルズが再結成して、40年前には少女だった女子ファンの前でプロレスを披露したそうだが、オリジナルより強いわけがない。
ビートルズだって同じだ。ビートルズはビートルズ。AIの呪いをかけたところでビートルズになるわけがなく、単なるフェイクに過ぎないっつーの。


2023.11.12

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△△○○△○△41


「6試合負けナシって、なかなか手強いな」とFC東京のサポが謎の上から目線でオレたち新潟サポを見下す。そして順位表に目をやって「なんだ、オレたちより上じゃないか」と驚愕する。
今や新潟の方が上位なのにイメージだけで強豪のつもりでいるのが東京サポさんたちです。間抜けだ。
もっとも試合が始まってすぐ、こりゃあダメだ、勝てるわけないと、すぐにわかった。チームがバラバラやんけ。闇がありすぎる。
外人2人は守備をせず、すぐにサボる。それにムカつく松木が、何度もブチ切れて外人を指さしてポジションを修正させる。高卒2年目の日本人の若手に命令された外人が素直に言うことをきくわけもなく、さらにサボる。
ひどい闇だ。
ベテランの東はすぐに意味のない遅延をするし、小泉はやる気なしで漂うだけだし、中川に至っては前節の意味不明一発レッドで「こんなチームは出て行ってやる」とさらに空気を悪くしたし。
このチーム、ひょっとしたら来季は降格争いじゃないか。もともとサポーターの質の悪さも図抜けていたし、クラブの上層部は創価大学人脈で固められているし。
先日の「クラブのロゴ勝手に変えました、サポーターは黙ってろ」騒動も酷いものだったしなあ。
こうしてアルビレックス新潟は7試合負けナシとなる。でも、今日の東京相手なら勝たなきゃいけなかったな。

まあ、よい。今日はもっと酷いものがあった。FC東京より酷いもの、それはレフェリー・山下良美だ。
山下良美は、ご存じ、Jリーグ唯一の女性審判だ。
これまで11試合を捌き、そのうちなぜか4試合が新潟。明らかに、新潟には山下、という意図が感じられる。ちなみに東京も3試合当てられていて、新潟−東京の対戦なら、こりゃもう山下良美以外はない。
おそらくフィジカルに強くない、チームの方針として判定に異を唱えないとしているから、新潟なら山下でも問題ないだろうと思われてのことだと考えられる。舐められたものだ。
試合前に主審山下良美と知ったオレたちサポは、今日も酷いゲームを見せられるのかと絶望した。そして案の定、酷いレフェリングだった。

山下良美は37歳である。
常識的に考えて、37歳のおばちゃんが、20代の男子アスリートに走り勝てるわけがない。追いつけるわけがない。
だからパスコースに平然と立ってパスの邪魔をするなんてことも頻繁に起きるし、ファールを判定するための正しい位置に立つこともできない。そのため、プレーではなく雰囲気でファールを宣告し、カードを出す。
そして、自分でもちゃんとプレーを見ていなかったという反省があるものだから、帳尻あわせのために相手にも無用のカードを出してしまう。それがテレビ観戦のオレたち素人にもわかるような帳尻あわせだから、選手にもベンチにも観客にも小馬鹿にされてしまう。

笛の音も小さくて、現地の観客席でも聞こえない。
ロスタイム8分の最後のプレーのコーナーキックが終わったとき、誰もがこれでゲームは終わりと思ったら、山下良美はピッと短く笛を吹いた。
え、ファールか? オフサイド? 
選手も観客も一瞬動きを止めて、なんの笛だ、と山下良美を注視する。その視線が集まった瞬間、山下良美はピピーッと試合終了の長い笛を吹いて、全員、ななな、なんだったんだとずっこける。
そんな珍しいシーンも見られて、山下良美劇場の幕がやっと降りたのだった。

もちろん山下良美はいい審判だ。人柄は真面目だし、真摯にサッカーと向き合っている。だが純粋に技量が足りないのだ。理由ははっきりしていて、繰り返すが、37歳のおばちゃんが20代男子アスリートの動きについていけるわけがないのである。
だから最も悪いのは、そんな女性に国内トップリーグの試合を裁かせようとするJリーグなのである。そして、その背後にいる女性活躍推進のジェンダー様たちなのである。
その意味で、山下良美は一番の被害者だろう。かわいそうだ。
審判としての技量はあるだろうから、女性のリーグで笛を吹かせてやればいいのだ。
このままでは誰もハッピーじゃないぞ。


2023.11.11

2023年のたんごちゃん



1976年以降、日本のプロレスは「プロレスこそ最強の格闘技」という猪木の主張に強く呪縛されることになった。
やがて新日本プロレスから、猪木の主張を現実のものにしようと考えるレスラーが現れた。タイガーマスクの佐山聡である。
数年後、前田日明をエースとする新生UWFが誕生して、一大ブームを巻き起こしたのは、真剣勝負のプロレスを標榜し、メディアは何の検証もしないままプロレスが最強の格闘技であることを証明しようとする勇気ある若者たちと伝えたかったからだ。
だが、実際の新生UWFは佐山聡が心血を注いで作り上げたルールを丸パクリしながらも結末の決まった試合を行い、時に猪木を真似た異種格闘技戦を行って人気を集め、さらに他のプロレス団体を「自分たちは格闘技、あいつらはプロレス」「飛んだり跳ねたりの連中」と見下す詐術的なプロレス団体であったから、人気が長く続くことはなかった。
三派、四派に分裂したUWFは、古くさい似非格闘技団体とみなされるようになった。

これは『2000年の桜庭和志』(柳澤健・文春文庫)の「文庫版のためのあとがき」からの抜粋である。
さすがというほかはない、柳澤健にしか書けない文章であろう。なにしろあのUWFを「詐術的」つまり嘘つきでインチキなプロレス団体と断罪してみせたのだから。
これほど日本のプロレスの本質を鋭く突いた文章を、私は他に知らない。
という具合にオレも柳澤健の文体を真似てみたのだ。オレの文章も似非文体だが。
オレの場合、小学校4年生に国際プロレスでビル・ロビンソンのダブルアームスープレックスを見た瞬間に始まったプロレスを巡るジャーニーは、30代前半、UWFが3派に分裂した頃に終わりを迎えた。まさに柳澤健の言う、詐術的プロレスがその原因だった。プロレスの詐術ではなく、詐術的プロレスというところが罪深い。
さて、そんなわけで、久々に読み進むのがもったいないという本が『2000年の桜庭和志』だった。
これは『1976年のアントニオ猪木』『1984年のUWF』と続くプロレス3部作の最終巻である。
これらの他にも『1993年の女子プロレス』『185年のクラッシュギャルズ』『1964年のジャイアント馬場』といったプロレス本を書いており、どれも秀逸。だがやはりストロングスタイルを追いかけた3部作が群を抜いている。
ちなみにこの『××年の〜』というパターンは筆者の発明だ。

UWF分裂と共にオレのプロレス熱は冷めてしまったので、桜庭和志はリアルタイムでは観ていない。今になってYouTubeで観返して、ぜひとも生で見ておくべきだったと後悔している。
この『2000年の桜庭和志』は、まさにそんな桜庭和志とグレーシー柔術とのリアルファイトにいて綴った、極めて優れたノンフィクションだ。桜庭和志という魅力的なキャラクターを浮かび上がらせ、手に汗握るファイトを再現している。
プロレスラーは強いんだ。
そんな幻想は、UWFの詐術と総合格闘技の出現によって脆くも破られてしまった。そこに登場したのが、プロレスラーの桜庭和志。グレーシー相手にローリングソバットを叩き込んだり、モンゴリアンチョップをぶちこんだり、あげくに「恥ずかし固め」というオリジナルのプロレス技を披露したりと、プロレス的なムーブを織り交ぜつつ総合格闘技のアイコンであるグレーシー一族を破ったのだから、爽快なんてもんじゃなかったわけだ。
そんな流れを実に素晴らしく描いている。

後書きによれば、著者はもうプロレス本は書かないと宣言しているようだ。残念である。
だが『2016年の週刊文春』がとても魅力的な一冊だったように、ノンフィクションライターとしての著者の力量はとてつもなく素晴らしく、もっと様々なノンフィクションを読ませてほしいと願う。
デビュー作である『1976年のアントニオ猪木』を読んだときの衝撃は忘れられない。なにしろ表参道駅で下車しても、あまりの面白さにページをめくる手を止められず、そのまま青山通りを二宮金次郎状態で歩きながら読んだほどだ。
あのときの興奮は忘れられない。


2023.11.10

没落日本の希望の星


久しぶりに千駄ヶ谷近辺に行った。かつては取引先もあって、よく足を向けたエリアだ。打ち合わせが長引き、深夜の街でタクシーを拾って帰ったこともあった。
そんなことを思い出しながら歩く。街の基本的な佇まいはあまり変わってない。落ち着いているが、商店は少なく、決して暮らしやすいとは言えないだろうなあ。

家に帰ったら娘の大学から郵便物が届いていた。定期的に送られてくる、父母会のお知らせである。 驚くべきことにこの大学には、父母会というものがあるのだ。大学生にもなってPTAかよ。さらに驚いたことに、この父母会のお知らせによれば元父母会、つまり父母会のB会というものも発足したとのことだ。
びっくりしたなあ。同時に呆れた。
学生のOB会は普通だけど、父母会のOB会とはなあ。いったい何のためにあるんだろう。
それともいまどきの大学はこういうのが普通なのだろうか。
この大学からは寄付のお願いがしょっちゅう送られてくるのだが、父母会のカネをそっちに回せばいいのに。

恐れ多くもかしこくも、秋篠宮の佳子様が大変にお美しく、お可愛らしく、あられまする。
ペルーの人々も大喜びだし、おじさんたちも佳子ちゃんが話し始めるとみんなニコニコする。
この可愛さはもはや国宝。後光が差している。今や日本で一番価値のある輸出は佳子様ではないのか。
そんな佳子ちゃんにはぜひ中東に飛んでもらい、あの愛くるしい笑顔で、アラブの屈強な男たちに「喧嘩をやめてー」と訴えてほしい。
「カコのお・ね・が・い」とやれば、きっとみんな戦争をやめるに違いない。
などと妄想しているのだが、皇族や戦争をギャグのネタにするんじゃないよと怒られそうだから、これ以上はやめておこう。

まあしかし、大阪万博をめぐる動きは、没落日本、ここに極まれりという感じだ。よく言われるように敗戦がわかりきっているのに視野狭窄に前に進み続けた戦前戦中の日本そのものだ。
あげくに維新の馬鹿どもは責任逃れに終始している。このままいくと維新にとって致命的な失点になるのは間違いないだろう。
呆れて、とうとうメキシコが逃げた。
そりゃあ、こんなものにつきあってられるか、と思うに決まっている。かつては見下していた中南米の国に三行半を突きつけられる有り様で、とほほほ、どこまで落ちるのだ、わが国は。


2023.11.09

クマ迫る


クマ騒動は広がる一方で、先日は町田に出たというからついに都内にもと思ったら、なんと今度は西武線沿線の仏子という駅の近くにも出たというからびっくりだ。
仏子は所沢の先にある駅だ。我が家の地元駅と同じ路線である。
既に地元では、電車に乗ってクマがこっちにもやってくるのではとの期待が高まっている。いや、高まっちゃダメだろ。
仏子のあたりは秩父山麓の麓であるから、クマが出る可能性がないわけではない。これで味を占めたクマが、電車には乗らなくても徐々に人里に侵入してきたら、いずれ練馬区にもということにもなりかねない。
クマが出る区、練馬区。絶対に他の区にバカにされるぞ。
柿が好物らしいから、我が家の隣の広大な畑に実った柿の木が狙われたらどうしよう。クマよけの鈴でも用意しておくか。
それにしても泣きながら秋田県庁に電話を掛けてくるバカはどうにかならんものか。動物愛護団体もたいがいにしろよと思う。
まったくこの手の市民団体系は始末が悪い。

先日直接聞いた話だが、沖縄の基地問題で暴れているのは地元の人たちではなく、本土からやって来た市民団体なのだそうである。
基地が移転すれば好立地に大きなショッピングセンターができ、にぎわいが生まれて経済的にも活性化するから地元の人たちは早く移転してほしいと考えているのに、それを邪魔しているのが本土由来の市民団体なのだ。
この市民団体の連中が、何の権限のつもりか、勝手に道路で検問をやって、工事関係者を追い払っているそうだ。
どこの法治国家だ。まあ、最高裁の判決をシカトする人物が知事をやっているような県だからなあ。 その市民団体も近年ではさすがに高齢化が進み、人が少なくなっているのだそうだ。そんな中に、最近、若い仲間が加わったと注目されている。
なんでこんな若者がと思ったら、なんと彼は自分探しの旅として沖縄で活動に参加しているのだそうだ。ずっこけるよなあ。


2023.11.08

小野花梨もオレのお気に入り


今日は「エイプリルフールズ」という映画を観たのだけれど、案外面白かった。
様々な話が同時並行で進んでいき、最後はそれらが複雑にからみ合って伏線回収、ついでにちょっとした奇跡も起きちゃうという展開だ。
ありがちではあるが、ちゃんとハッピーエンドで終わるこういう話がいいんだよ。
面白かったのは、役者である。
8年前という微妙な昔のため、今観るといろいろと楽しい。

例えば戸田恵梨香が松坂桃李の子供を妊娠しちゃって結婚を迫るという展開に、まさかリアルでも同じことが起きてこの2人が結婚しちゃったのか、なんて想像したり。
あるいは今をときめく浜辺美波が、なんとランドセルをしょった小学生として出演していて、こりゃあマニアにはたまらんだろうなと妄想したり。
オレとしては、中学生役の女の子が、あれっと思ったら小野花梨だったのにびっくり。この役者、けっこう好きなので、嬉しかった。
こじらせた同級生にチューされるという役柄で「ファーストキッスの相手だからちゃんと付き合う」と叫んじゃうところなど、なかなか可愛い。
他にも木南晴夏や遠藤憲一、戸次重幸など、いい味の役者が出ている。キャストを観たら生瀬勝久も出ていたらしいが、気づかなかった。

さて、日本の四季が二季になりつつあるというのはいよいよ本当のことのようで、今日も夏日だったというのに来週には一気にコートが必要になるらしい。
コート? 持ってたっけ?
急に言われても困るんだよね。
タンスの中にはまだTシャツが入っているし、いろいろと戸惑うことばかりである。


2023.11.07

朝倉あきはオレのお気に入り


伊藤沙莉っていい女優だとは思うんだけれど、どうも顔を見るたび泉ピン子を思い出してしまう。似てるよなあ。
その伊藤沙莉が主演の、歌舞伎町を舞台にした映画を観たんだけれど、まあ、酷いものだった。
脚本が、おやっと思わせる流れで、これはいったいどうやって回収するんだろうと期待したのだが、おやっと思わせて終わりだった。エロとグロが満載の、ひたすら気分の悪い映画で、ああ、観るんじゃなかったという後悔で一杯だった。
先日観た北海道警の実話を下敷きにした映画も酷かったなあ。
まあ、アマプラにU-NEXTにネトフリにDisney+にと、配信ばっかり、適当に流し見しているのだが。
そうそう、阿部サダヲの『シャイロックの子どもたち』はなかなか面白かった。
やっぱり映画は役者だなあと実感する。

かつてレンタルビデオ全盛時、「オレは月に30本は映画を観てるぜ」といばってるやつがあちらこちらにいて、話を聞くとそれはレンタルビデオで観たというだけであって、果たしてそれが映画を観たことになるのか、映画というのは映画館で観るのが正しいのだ、そうだそうだ、という論があったっけ。
今でも、この映画というのは映画館で派は健在なのだろうか。
オレもそうだが、きっと映画館で観る映画と、配信で観る映画を、いまどきの人たちは振り分けているような気がする。
例えば今やっているゴジラの映画は、評判はよくないけど、やっぱり大画面の迫力を楽しみたいから映画館で観ようかという気になる。
同じ迫力ものでも、キャプテンマーベルの映画は、あまりの馬鹿馬鹿しさに配信でタダになったら観てもいいか、ぐらいに思っている。

最近は暇なのでこうして平日の昼からだらだらと映画を流し見している。でも一番いいのは、日曜の朝からのんびりと眺める映画だな。
ちょっとスリルがあって、テンポがよくて、ハッピーエンドな映画がいい。
そんなわけで、気に入っている旧作、例えば『海街diary』とか『シンゴジラ』とか『四月の永い春』とかを繰り返して観ている。
映画は役者だけれど、映像のきれいな映画が一番いい。


2023.11.06

バースの時代


前回阪神が優勝した1985年って何があった年だろうと思って調べてみたら、日航機が御巣鷹山に落ち、豊田商事の会長がマスコミの前で公開刺殺され、電電公社がNTTになり、おニャン子クラブの新田恵利がオレをクラクラさせるなど、実にいろいろとにぎやかな1年だったことがわかった。地価が高騰し、バブル前夜でもあった。
長い目で見れば、時代の節目ではあったのだろう。

どういう経緯だったか忘れたが、この年の夏、知り合いのイラストレーターに連れられて後楽園球場で巨人−阪神戦を観た記憶がある。満員の後楽園球場で、巨人ファンの一群だったのになぜか三塁側の座席だった。もっとも周囲も巨人ファンばかりだったから、そういうものだったのだろう。
バースが大暴れしたあの年から38年ぶりの阪神日本一だ。相変わらず道頓堀に飛び込む連中が跡を絶たないなど、関西の民度は不変のようである。
よく日本シリーズで勝った程度のことで泣けるなあ、こっちはJ1昇格で泣いたぜ、とわけのわからないことを口走りながら、オレは道頓堀に据えられた定員カメラの映像を眺め、そしてジンのソーダ割りを飲む。

そうである。最近の私はジンを偏愛している。
ジンとは蒸留酒の一種であり、ヨーロッパで広く愛されている。ボタニカルな素材が使われることから知的でエシカルなイメージもある。よって私もジンについて書くときはクールな文体にしなくてはならない。そう、まるでレイモンド・チャンドラーのように。いや、チャンドラーはジンではなくてギムレットか。いやいや、ギムレットはジンをベースにしたカクテルだからやっぱりいいのか。
私は錯乱し、結局何もわかっていない自分に気がつく。

サントリーの「翠」というジンを買ってきてソーダで割ったら、こりゃ旨い。焼酎のように透明だが、焼酎のように臭みがなく、するっと飲める。
調べてみたら、クラフトビールのように、日本にもご当地のクラフトジンというカテゴリーがあって、これがなかなか興味深い。「翠」も柚子・緑茶・生姜といった和の素材を使っている。
ほかにどんなジンがあるかというと、先日買ったのはあの養命酒が作っている「香りの雫」というジンだ。これは日本古来のクロジンという香木とハーブ、そして中央アルプスの水を使ったものである。
実に旨そうではないか。
ところが飲んでみたらあんまり旨くなかった。いや、旨かったが、期待したほどではなかった。これなら「翠」のほうが旨い。

という具合に、これからいろいろなクラフトジンを飲み比べてみようと企んでいる。楽しいではないか。
問題はあまり売られていないことで、近所のディスカウント酒屋の棚をのぞいてみてもジンはほとんど置いてなかった。むしろスーパーのサミットのほうが種類は豊富だった。
こうなるとやはり頼りになるのはネットで、例えば桜島のミカンのジン、瀬戸内のレモンのジンなんて、なかなかそそられるではないか。
もっとも最近の物流業者の皆さんのご苦労を思うと、酒ぐらい自分で買えよ、宅配させるんじゃねえよ、と思ってしまう。よって結局はスーパーで「翠」を買うのが無難ということになる。安いし。


2023.11.05

負け


ちょっとだけ見りゃいいやと思っていたルヴァンカップの決勝だが、結局全部観てしまった。
開始5分の福岡のゴールは見事である。
というか、浦和は崩されすぎ。まったく準備してこなかったことがすぐにバレてしまった。というか、完全に舐めていたのだろう、福岡を。
いつでも点が取れる、いつでも勝てるって。
いかにも浦和らしいアホな負け方だ。
直後には、J2の清水対大宮だ。
これに勝てばJ1への自動昇格にマジック1が灯る清水と、負ければ事実上のJ3降格が決まるという、お互いに絶対に勝たなければならないゲームだ。
なのに結果は4-0と清水の完勝。大宮は、選手もサポーターも案外あっさりしたもので、もうとっくにJ3降格の現実を受けいれていたのだろう。
浦和が決勝でみっともなく負けて、大宮があっさり降格。
今日のさいたま市はお通夜状態だ。
お気の毒である。


2023.11.04

空飛ぶポコチン


三連休である。
25度という驚異の気温でも、空はやはり秋らしい色で、高い。何をするにも快適な一日。まさにザ・休日である。
もっとも三連休なのに、オレには何も予定がない。いや、いつものように普通に仕事の予定は入っている。休日らしい予定が何もないということだ。
家族はというと、それぞれに予定が入っていて、全員が別行動である。
こうなると格好の行楽日和と聞いても何も心は動かず、渋滞のニュースに「オレ勝ち組」と虚しく威張るだけである。
仕事があるといってもたいしたボリュームでもないので、焦る気もない。
午前中をボケッと過ごした後、結局、今日はサボろうと決めて書くべき原稿はすべて明日以降に回した。なーに、明日できなくなったて明後日も休みさ。

そこでオレは、テレビの前でゴロゴロしながら映画を観た。まだは先日途中でやめてしまった「20世紀少年」である。今さら「20世紀少年」かよと思われるが、俳優陣がとにかく豪華で、しかも15年前くらいの映画だから、ちょっと昔の姿を見られるのが面白い。
えっ、これが小日向文世かよ。ええっ、生瀬勝久ってこんなだったっけ。
おかしいのは豊川悦司で、こいつだけは何歳であろうと、いつの時代であろうと、どんな映画だろうと常に豊川悦司。もはや職業・トヨエツだ。
「20世紀少年」はマンガをリアルタイムで読んでいた。そのマンガを忠実に再現した映画ということで、ああ、ここはあのカットだな、と思い出す。案外よく覚えているものである。
もっと、話のテンポは悪く、説明不足すぎて消化不良。加えてやたらと長いので、先日は途中で放り投げてしまった。その続きを見たのである。
そして、やっと見終わったと思ったらこれが第一章で、あと2つも続くということで、うんざりしながらやめた。オレの休日を返せ。
仕方なく、お口直しに別の映画を観る。「カメラを止めるな」の上田慎一郎監督の新作「ポプラン」である。

ある朝突然、ポコチンが意識を持って自立し、家出してしまうという話である。
家出したポコチンはどうなったかというと、もの凄いスピードで日本の空を飛び回るのだ。
もちろん持ち主だった男はたいへん困るので、必死で自分のポコチンを追いかけ、取り戻そうとするのである。
書いていて馬鹿馬鹿しくなるが、本当にそういう話なのだ。
そういう話を、製作委員会方式として小学館や集英社などが出資して作り、エイベックスが配給しているのである。まったくいい大人がそろいもそろって、なんというバカな映画を送り出してくれたものだ。

自意識を持って家出したポコチンを、主人公がとうとう追い詰める。激しく飛び回っていたポコチンは、目測を誤って男性の口に中に飛び込んでしまう。男性は、千載一遇のチャンスとばかりに自分のものだったポコチンを口に中に収め、逃げ出さないようにと必死で口をふさぐ。
するとそこに別の男性が現れ、「そのポコチンは私のものです。ほら、その証拠にキンタマの裏にホクロが三つ」と主張し、横取りする。
自分のものだと思って必死で口を押さえていた男性は、実は見知らぬオッサンのポコチンを口の中に入れていたということに気づき、ゲロを吐くのであった。
というくだらなすぎるシーンが一番笑えたぐらいで、基本的に極めてつまらない映画だった。

話が荒唐無稽なのはよい。ポコチンでもよい。問題は、それを支えるべきリアリティがまったく薄いことだ。荒唐無稽な話であればあるほど、リアルはリアルとして丁寧に描くべきなのだ。スティーヴン・キングのホラー小説のように。そこができていないからこの映画は失敗作だったのだと思う。
映画を観ながらポコチンがポコチンが大笑いするオレに、何ごとかと息子が2階から降りてきたので、ぎゃははは、自意識を持ったポコチンが家出したのでオッサンが探しに行く話だ、ぎゃははは、と説明したら、息子はとうとう父親が発狂したかと思って「なんのこっちゃ」といいながら2階の自分の部屋に戻っていったのだった。
遠く、千葉の旧友との再会に出かけていたヨメも帰ってきて、ほら、ポコチンが空を飛んでいるぞ、というオレの説明に、とうとう旦那が発狂したかと呆れていた。
まったくオレの大切な三連休初日を返してほしいものである。


2023.11.03

秋の表参道


久しぶりに表参道を歩いた。表参道駅から原宿駅まで、約15分の街歩きだ。
11月というのに気が違ったかのような陽気が続いていて、今日も24度である。表参道の若者たちは半袖が目につくし、オレも軽く汗ばむ。
昔は時々歩いた表参道も、数年ぶりだ。もちろん知っている店など一つも残っていなくて、オレたちが学生時代によく歩いた道とはすっかり様相が違っている。
それでも表参道ならではのおしゃれ感、品の良さはそのままだ。と同時に、この街もやはり外国人だらけである。

表参道で妙に覚えているのが、坂道を下ったあたりのビルに入っていたレコード屋を探しに来たことである。どんなレコード屋だったか、さっぱり忘れてしまったが、授業のない時間にここまで歩いてきてレコード屋を探したことだけは覚えている。
レコード屋と言えば、渋谷警察の裏にあったカントリー専門のレコードショップには、大学からの帰りがけによく足を運んだ。確か「HILLBILLY」という名の店だった。
店長だかオーナーだか、いつも独りで店番をしていて、パイプをくわえて黙って座っている姿がかっこよかった。

オレはブルーグラスが好きだったから、この店でいろんなミュージシャンのレコードを買った。カントリー専門ではあってもブルーグラスは従兄弟みたいなものだから、この店でもそれなりのスペースにレコードが置いてあったのである。
一番覚えているのは、ダン・クレアリーというギタリストのサンダンスというバンドのLPレコードを買ったことだった。あとはクラレンス・ホワイトもここで買ったと思う。
当時はもちろんネットなんてなかったから、ブルーグラスのようなマイナーな音楽を聴こうと思ったら、こういうジャンル特化型のレコードショップに足を運ぶしかなかった。さすがに東京、探せばどんなジャンルのレコード屋もあったと思う。
オレはブルーグラス専門雑誌を片手に、目当てのレコードを買うためにこのHILLBILLYに通ったのだった。

表参道を歩いて原宿の駅前につき、オレは地下鉄への階段を降りる。副都心線の直通運転に乗って帰るためだ。
副都心線はつくづく便利だ。なにしろオレの駅〜池袋、新宿、渋谷、横浜へ乗換なしに行ける。学生時代に下宿生活を送った祐天寺と同じ路線になろうとは、こんな未来が待っていたなんてとちょっと驚いたものだった。
電車の中で「2000年の桜庭和志」をむさぼるように読んでいたらあっという間にオレの駅に着いた。
今日はヨメの誕生日である。子どもたちには、オレがケーキを買って帰るから、と話してある。
ケーキ屋は、娘の中学時代の仲良しだったモモちゃんがパティシエとして働いている店だ。店内から奥の方をのぞいたら、モモちゃんらしき白衣の女の子が忙しく立ち働いていた。
晩秋に向かうというのに、明日はもっと暑くなりそうだ。


2023.11.02

真っ赤なパンダが夜の街を走り去る


夜、息子を駅まで迎えに行った帰り道に目撃したのは、見たことのない真っ赤なリュックを背負って信号待ちで停まっているバイク。
リュックにはFOODPANDAと大書してある。
そして大きなパンダの顔。
ありゃあフードデリバリーの風体だなあ。でもパンダなんて聞いたことあるか? さあ?
パンダっていうから中国だろう。中国人が始めた、中華専門のデリバリーじゃないか?インチキくせえなあ。
助手席で息子が検索したら、なんとドイツのフードデリバリー業者だった。
ド、ドイツでパンダかよ。なんでパンダなんだよ。
さらに調べたら日本に上陸したものの、既に撤退してしまったらしい。しかも置き土産に日本で事業を売却しようとしたものの、どこも手を出さなかったという完全撤退。
いろいろツッコミどころのあるパンダだ。

家に帰ってさらに詳しく調べたら、日本のフードデリバリーでは4番目という後発で、配達員の時給がよかったりといろいろ差別化はしたものの、ウーバーと出前館のツートップには遙かに及ばず、誰にも知られずにひっそりと消えていったらしい。ああ、悲しみのパンダよ。
その撤退のどさくさ紛れに配達員がリュックを返却せず、借りパクしてしまったということではないか。
秋の夜長に静まりかえった街を走り去る真っ赤なパンダ。
なかなかシュールであった。

シュールと言えば、スターリンクがますますとんでもないことになっているそうだ。
スターリンクとはあのイーロン・マスクがばかすか打ち上げている人工衛星だ。
基地局がなくて携帯がつながらないなら、人工衛星を基地局にしちゃえばいいじゃん。
おお、そりゃあいい。ナイスアイデア。
というわけでイーロン・マスクが思いつきで打ち上げ始めたところ、あっという間に3000もの人工衛星が飛び交うようになった。
このスターリンク計画が完成すると、空さえあればどこでも携帯がつながる。砂漠でも海の上でもエベレストの頂上でも南極でも地下でも。あ、地下はダメだ。空が見えないから。
すげえよな。まさにゲームチェンジャーだ。

という具合にいいことだらけのようだが、実は深刻な問題も起きていて、この人工衛星にはソーラーパネルがついているものだからキラキラと光ってまぶしく、天体観測ができなくなってきているのだという。おかげで今後、宇宙開拓は大幅に遅れることが懸念されている。
しかも計画では3000どころか最終的には12,000もの人工衛星がぐるぐると地球の周りを回る予定だ。一列に行儀よく並んで周回し、地上から肉眼で夜空の線が見えるようになるとまで言われている。
ますます夜空はまぶしくなり、天体観測なんてとんでもないという状況になるわけだ。
恐ろしいのは、このとんでもない数の人工衛星が落っこちてくることである。途中で燃え尽きるように設計されているとはいうものの、なかには燃え尽きないで落っこちてくるバカも当然いるだろう。
さらにこれが軍事に転用されないという保証はなく、まさにダモクレスの剣になりかねない。

今日、ドコモはこのスターリンクを活用したサービスを開始すると発表した。既に実用化されていたが、日本でも本格的な普及のフェーズに入ろうとしているわけだ。
うーむ、どうしてこんなものが許されるのだ、迷惑だし、危ないではないかと、オレなんかは思うのだがなあ。


2023.11.01

リュック問題


長年愛用してきたノースフェイスのリュックが疲れてきたので買い換えたいのだが、なかなかいいのが見つからない問題について騒いでいたところ、長野のまっちゃんから「無印良品にいいのがありますぜ」という情報提供があった。
まっちゃん、ありがとう。
詳しく見てみたら、確かに軽くて、大容量で、安くて、なかなかよさそうだ。
と思ってもっとよく見たら、もう既に持っているじゃないか、このリュック。
まっちゃん、ごめんよ。
無印良品のこのリュックは、サッカー観戦用として使っている。息子と2人分のユニフォーム、サイリウム、タオル、万一の雨に備えてのレインコート、待機列用の折りたたみ椅子2脚が入って、まだ余裕があり、1リットルペットボトル2本も入ってしまう。
なかなかの収納量で、しかも軽くて、背負っていても重量がうまく逃げていく感じがして、なかなかの優れものだ。
しかしこれはサッカー専用という使い方をしているので、残念ながら普段の仕事用には使わない。
今は先日えらく安く手に入れた、聞いたこともないメーカーのリュックを使っている。軽くて悪くないのだが、つくりがしょぼくていつ壊れるかわからない点と、ポケットなどの使い勝手がイマイチな点が、不満だ。
軽くて薄くて使い勝手がよくて、そこそこ収納量があって、両サイドのポケットにペットボトルが入るようなリュック、ないかなあ。まあ、どんなリュックでも、いざ使ってみればそれなりに勝手がよいものなので、何でもいいといえば何でもいいのだが。


2023.10.30

誰もが成長したいわけじゃない


若いサラリーマン諸君にインタビューする機会が多いのだけれど、以前は「成長できる環境がある」という入社動機が多かったのに、ここ数年は「人柄のいい社員が多いから」と会社を選ぶ人が増えた気がする。
オレの肌感覚なので適当なものではあるものの、なんとなく時代の空気が反映されているような気もする。
実力主義や成果主義への反動というか、家族主義への揺り戻しというか。
社員旅行を復活させる会社が増えてきて、若い社員も喜んで参加しているという。昔のような大広間での宴会はなく、現地では自由行動が基本とはいうものの、休日に会社の仲間と過ごすことに抵抗がない。
運動会も流行っている。社員運動会を請け負う専門の会社は大忙しだそうだ。
走ったり綱引きをしたり玉入れをしたり、とても楽しいのだという。
考えてみればカイシャというのは毎日8時間以上も過ごす場所なのだから、どういう人がそこにいるかはとっても重要なのだ。その意味では、社員の人柄を重視するのは自然なことなのかもしれない。
成長とか市場価値とか、そんなことのために人は仕事しているわけじゃない。真面目に働いて生活の糧を得ることが一番の目的だから、真面目に過ごせる環境を選ぶことが一番大事だろう。
そんなふうに考える人が増えてきているのだ。
日経新聞によれば、地元の大学への進学率が過去最高だそうだ。
別に東京に行かなくても、地元の大学で地元の仲間と過ごす方が楽しいし、ショッピングモールが全国津々浦々に広がって、ネットで世界と情報のやりとりができる今、東京でなければ手に入らないものなんてない。
地元で暮らすことになんの不便さもなく、むしろ心地よい。だから大学も地元がいい。
こんな風潮にも、時代の空気が反映されているような気がする。


2023.10.29

恩師


ハロウィンには渋谷に来るなと叫んでいるというのに、オレの娘は渋谷で友達と焼き肉を食って帰ってきた。
どうだったと聞いたら「警官がガチで怖かった」とのこと。なるほど。素晴らしい。
地元の商店街でもハロウィンのイベントをやっていて、それは別にかまわないんだけど、楽しそうに着飾った子どもたちがたくさん集まっていて、それも別にかまわないんだけど、親がその子どもたちを写真に撮ろうと道のど真ん中に広がってはしゃぎまくっているのが鬱陶しくてかなわん。
やっぱり日本にハロウィンなんていらないのだ。

などと思いながら、今日は大人になった子どもたちが小学校時代の恩師と対面するという企画の取材をした。
企画自体は極めてまっとうなものであり、参加した生徒も恩師も実に素晴らしい人たちである。
オレに対する扱いが少々雑で、気の利かない現場であったことが引っかかるが、企画自体は素晴らしく、お話も大変に盛り上がったのだった。
そして、小学校時代の恩師と10年もたってこうして話し合えるなんて、めったにないことだろうなあと思い至ったのである。

オレは、オレの担任という人種にまったくいい思い出がない。再会したいなど、1oも思っていない。
小学校から中学校に至るまで、あまり顔も覚えていない担任ばかりだ。なんで再会したいと思わないかというと、ろくでもない担任ばかりだったからである。

小学校3年の担任は、図工の時間に「好きな絵を描いていい」と言った。オレはその言葉に従って思うままにSFチックな絵を描いた。担任はその絵をクラス全員の前で広げ「なんだね、これは」と大声で笑った。以来、オレは絵を描くのが大嫌いになった。
小学校6年の担任はそれに輪を掛けてとんでもない教師で、児童の机から少年ジャンプを没収しては、「今日は自習」と言い置いて、真ん前でそれを読みふけっては笑っていた。今なら教育委員会が出動するほどの悪態だろう。一度や二度ではない。週に何度もそんなことをしていた。教師失格である。
この担任は、バスに乗ったら車掌の気が利かないので大声で説教してやったと、自慢していた。教師ならば、労働者に敬意を示すことを児童に教えるべきなのに、クレーマーになれと教えていたのである。
高校1年の時の担任は、初めてクラスを持った新人で、最初の挨拶の時「自分は大学を卒業したけれど就職できず、先生にしかなれなかった“でもしか教師”だ」と自虐ネタを披露した。高校生がこんな教師を尊敬するわけはなく、進路指導を受けても鼻で笑って軽蔑しまくった。

そんなろくでもない担任ばかりだった。今では全員死んでしまったに違いない。再会したいと思わなくても、そもそも再会なんてできるわけがないのだ。
だからといって別に何の感慨もない。きっとどの担任も、オレのことなど思い出すことなく死んでいったに違いない。
そんなやさぐれた思い出とは真逆の、とてもきれいな恩師と教え子のエピソードを聞いて、オレはいかに自分が不幸だったかを改めて思い知らされた。
教師という職業が悪いという話ではない。教師の中にもいい教師と悪い教師がいるという話だ。

学生時代にはオレも教職課程を履修し、母校の中学へ教育実習に出向いた。そこには中学1年のときの担任がまだ残っていた。
担任のおばちゃんは、休憩時間に他の先生と一緒になって教頭と校長の悪口で盛り上がっていた。
中学時代には聖域に思えた職員室のそんな現実を見た大学生のオレは、こんな人種にはなりたくないと痛切に思い、教職の道をきっぱり捨てた。
もっとも、ろくでもない教師を見て育ったオレが教師なんかになっていたら、ろくでもない人間を再生産することになったと思うから、社会のためには教師にならなくてよかったと胸をなで下ろしている。中学1年のあの担任のおばちゃんもも、少しは後世のためになることをしたということになる。

素晴らしい恩師と素晴らしい時間を過ごした子どもたちは、やがて自分もあの先生のようになりたいと思い、教師の道を選ぶのだろう。幸せなことである。
恩師がいない人生とはオレの人生だ。なんと殺伐とした響きなのだ。


2023.10.28

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△△○○△○40


あのヘタレだった渡邊タイキがものすごく頼もしいセンターバックに変身したことに、オレは胸熱だ。
強力なフィジカルではね返す、はね返す、はね返す。相手と競っても倒れない、倒れない、倒れない。広い視野で遠くへボールを供給する、供給する、供給する。
そこに今日はゴールを決める決定力が加わって、おお、アルビレックスは京都相手に1-0の勝利だ。 これでなんと6試合負け無し。しかもリーグ10位。念のためだが、J1の10位である。
開幕前に軒並み断トツの最下位を予想した評論家の皆さん。いいです、いいです。別に頭を丸めなくてもいいです。誰にでも目が曇ることはある。私たちは大きな心で許してあげます。
つくづく今シーズンは幸せなサッカーを見せてもらっている。
勝ちゃあいいというサッカーとは真逆で、負けてもこのスタイルを貫いてきて、その結果の今の立ち位置だ。
残りは3試合。ぜひこのままきれいに走り抜けてほしいものだ。


2023.10.28

生憎名刺を切らしておりまして


何度も書いているが、名刺を使わなくなった。明らかに使わなくなっている。
初対面であってもお互いに口頭で名乗って終わりだ。
はじめまして、タンゴと言います。「はい?」。伊勢丹の丹に後ろと書きます。「あー、なるほど」。
かつては、丹波哲郎のとか、仁丹のとか言っていたが、どちらも若い世代にはちんぷんかんぷんなので、今では伊勢丹の、で通している。これに京都の丹後地方の、と付け加えればばっちり。
時々調子に乗って、丹後なんですが出身は越後なんですわ、ふふっ、とボケて空気を冷たくしたりしている。
先日も日本を代表するメガバンクで4人に会ったが、一度も名刺交換しなかった。
今や片方が名刺入れを取り出す素振りを見せると、一方が明らかな「めんどくさいなあ」と顔をして名刺入れを探し始めるのが当たり前となった。逆に言えば名刺交換をするのはそこそこに硬い席というわけで、緊張を強いられる。

こんなふうになったのは、明らかにコロナ以降だ。
コロナでリモートミーティングが一気に浸透し、初対面であっても名刺交換しない、というかできない状態になり、画面に表示された名前を見るだけで互いの認知は成立するようになった。それで何の支障もなかった。
なんだ、これでいいじゃん。名刺なんていらんかったんや。
一気に人々の認識が変わり、リアルでのコミュニケーションに戻っても名刺の出番はなくなったというわけだ。伊勢丹の丹で済むわけである。
以後の連絡のためにどうしても詳細な情報が必要な場合のみ、互いのキーマンがさくっと名刺を交換すればいい。
もっともオレのような完全フリーランスは、名刺がなければどこの何者とも説明できずに困った時代があった。
フリーランスなんていう働き方がまったく認知されていない時代だったから、名刺を渡して「お、名前と会社名が同じということは、ひょっとして社長さん?」と相手に軽くマウント取るまでが入り口の儀式として重要だったのである。

フリーランスだから名刺は自分で手配しなくてはならない。当然だ。
大会社の部長がベンチャー企業にヘッドハントされて入社して、名刺も自分で手配しなくてはならないことに「なんだ、気が利かないなあ」と呆れるのはお約束。秘書が用意してくれているなんていうことはベンチャーではないからだ。
そんなこともわからずにお客さま気分で来たのかよ、このおっさん、という冷たい視線にさらされて一気に居心地を悪くするまでがお約束だった。

オレがフリーになった1980年代末はネットなんかなかったから、街の中の名刺屋を探して注文に行かなくてはなかった。オレも新宿の地下街の名刺屋まで、電車賃を払って出かけていって、わざわざ頼んだものだった。
できあがるのは1週間後。またわざわざ電車賃を払って受け取りに行った。ネットがない時代は、なんて面倒だったんだろう。
今はネットで適当に見つけた名刺屋のホームページで、フォーマットに住所などを入力すればおしまい。名刺屋は海外の印刷屋に発注しているのだろう、かなり安い金額で仕上げてくれる。納品が遅くてもいいコースを選ぶと、船便で運んでいるのかよというぐらいに格安だ。
便利な時代だ。

新宿の地下街の名刺屋へ行くと写真アルバムに収められた見本を見せられ、好みのものを選んで注文する仕組みになっていた。
さすがに新宿の店だけあって、見本の中には会社名のところが「××組」となっていたり、ロゴマークのところに立派な代紋が入っていたりするのも多かった。所帯はもちろん貫禄の筆文字である。
ひゃー、下っ端のチンピラが幹部に言いつけられて名刺を頼みに来たんだなあ、もし漢字を間違えたりしたらチンピラは袋だたきだったろうなあなどと想像したものだった。

あるとき急な出張で上京した父親が、オレのアパートに泊めてもらおうとやってきた。そして慌てていたので名刺を忘れたことに気がつき、「なんとかならないか」と相談してきた。
繰り返すがネットなんてない時代であり、いつもの新宿の名刺屋に駆けつけたところで、出来上がりまで1週間はかかる。
オレは焦って分厚い電話帳を引っ張り出し、ページをめくって近所の名刺屋に片っ端から電話をかけ、なんとか今日中に名刺50枚をつくってくれないかと、夕刻近いこれからの時間でも引き受けてくれるように交渉し、発注することができた。
ダメ元で相談したのになんとかなってしまったことに、父親は「なかなかやるな」という目でオレを見た。その視線がちょっと嬉しかったのを覚えている。


2023.10.27

百合子の10万円


先日、某中央官庁の職員と話をした。間もなく初めての子どもが生まれるという彼は今、夫婦で出産準備に忙しい。
ベビーベッドはレンタルにしましたよ、とオレは彼に言った。彼は「そうですよね、レンタルでいいですよねー」と答える。
初めての子供のためにいろいろとベビー用品を揃えるというのは、人生でも至福の時間の一つだ。彼も夫婦であれがいいこれも必要だと話し合っているのだろう。
そんな彼が言う。
「抱っこひもです、抱っこひも。ヨメが欲しいというのが3万円もするんです」
さ、さ、さんまんえーん? 居合わせた全員がびっくりする。
「なんとかというブランドの抱っこひもなんです。西松屋なら6千円だし、西松屋でいいだろうと思うんですが、絶対になんとかブランドじゃなきゃだめなんだって、ヨメが」
どうやら最近の若いママたちの間では、ベビーグッズによるマウント合戦が行われているようである。
結局その職員は、いくら考えても3万円の抱っこひもに納得は行かなかったが、強硬な奥さんに折れて買うことになったそうである。
続いて問題になっているのはベビーカーだ。
アップリカとかがありましたよね、とオレ。するとやはりここでもマウント合戦で
「かんとかっていうブランドのベビーカーじゃないとダメらしいんですよ。6万円」
ひぇー、6万円。すぐ使わなくなるものに6万円。
洋服だってすぐ着なくなるのだから西松屋でいいですよ、ベビーカーだって、と周囲も盛り上がる。 と、そこで1歳児を絶賛育成中のおっさんが「百合子の10万円がありますよ」と助け船を出す。 なんじゃ、そりゃ。
よく聞くと、子供が生まれたらお祝いに東京都からカタログショッピングの本がプレゼントされるらしくて、それには10万円のお買い物券がついているのだそうである。
なるほど、なんとかブランドの抱っこひも3万円にかんとかブランドのベビーカーが6万円。そして買い物券が10万円か。
そのため東京で出産間近のママたちの間では「百合子の10万円」がバズワードとなっていて、「百合子の10万円はまだなの」「百合子の10万円をもらったわ」という会話がそこかしこで交わされているのである。
別に小池百合子がおごってくれるわけではなくて、オレたち都民税から支給されいるわけだが。
ううーむ、なんという深謀遠慮、というか、さすが百合子。抜け目なさ過ぎる。


2023.10.26

忝い


手元に「美しい日本語選び辞典」という一冊がある。その名の通り、辞書だ。
帯に「薄い、軽い、小さい でも有能!」と書いてあって、実にまったくその通りであると得心がいく。

これはどういう辞書かというと、格調高い文章を書くための辞書である。
文学的な言い回しが見つかったり、スマートな決まり文句を発見したり。
この日記を見てもわかるように、オレの文章はあまりに酷い。知性のカケラも感じられず、まったくもって格調高くない。こんな文章のオンパレードである日記を毎日読む人がいるなんて信じられない。世も末ではないかと案じてしまう。
格調高さはまったく感じられず、語彙力に至っては貧弱そのものだ。
これではいかんと自らを省みて一念発起し、手に入れたのがこの辞書というわけである。うまい具合に言い換えるならば、文章を書いてメシを食っているプロのライターが商売道具として活用するに値する辞書というわけだ。

帯に宣伝されているように、この辞書には「格調高い表現」「文学的な表現」ばかりが集められている。例えば冒頭でオレは「得心がいく」と書いたが、これは「納得する」と書こうとして、いや待てよ、ここはちょっと格調高くいこうではないかと筆を止め、「美しい日本語選び辞典」の索引で「納得」を引いたところ「得心がいく」と表記してあったのでそれに置き換えたという仕掛けだ。
もっともオレはバカだから「えしんがいく」と入力して、あれえ、おかしいなあと首をひねったわけだが。

似たような辞書に類語辞典があって、オレも1500ページという弁当箱のような厚みの「類語大辞典」を机に上に置いているが、この「美しい日本語選び辞典」は類語ではなく、格調高くて文学的な表現にのみ的を絞っているところがポイントである。
実に素晴らしい。
しかも薄くて軽くて小さく、スーツのポケットに入れてもまったく違和感がない。電車の中でこれをポケットから取り出し、パラパラとめくって面白そうな語句を見つけ出してもいいし、最初から順番にページを繰っても楽しい。いちいち、へえ、こんな言い方があるんだという発見の連続である。
例えば、やっとのことで逃げ出す様を「ほうほうの体で」と言うが、これは「這う這う」と書くのだそうだ。なるほど、這うように逃げるということか、と納得する。実に面白い。

もっと面白いのが「まえがき」だ。
辞書の前書きというのは堅苦しいものと相場が決まっているのに、この辞書ときたらいきなりこうかます。
「文豪の視点で小説を書きはじめたが、よく考えたら私は文豪ではなかった。詰んだ」
念のために繰り返すが、これが辞書の前書きなのである。最初に読んだときは、あまりの振れ方に仰天した。
そして「物思いに耽る日々を過ごす字書きのみなさまに寄り添える辞典になったかと思います」と綴り、「執筆中に心が折れないよう工夫しております」と自負し、最後に「願わくはみなさまの創作活動が、より得心が行くものになりますように」と祈りまで捧げてくれる(おや、ここにも得心が)。
これだけたっぶりと楽しませてくれる辞書も珍しいのではないか。

それなのに、あなた、腰を抜かしなさんな。なんとこの辞書、630円なのである。たったの。
何が仰天するって、この価格に一番仰天するではないか。6300円でもなければ1630円ですらない。 回転寿司でちょっと高い皿なら2つもつめまないだろう。630円では。
あまりのことにオレは随喜の涙を流す(心からありがたく思って流す涙)。
さあ、もっとこの辞書を活用して、オレは格調高い文章を量産するのだ。知的になるのだ。文豪と呼ばれるのだ。


2023.10.25

経済小国


ついに日本のGDPがドイツにも抜かれて4位に転落だ。
バブル時代、世界2位のGDPを誇り、「よーし、アメリカの土地全部買っちゃうぜ」とイキっていた頃が夢のようである。
ついでに1人当たりGDPは34位に転落だ。こちらは2000年には2位だったというから、この20年でいかに日本が転落したかがよくわかる。
悲しいぜ、オレは。

ちなみに1人当たりGDPの1位は、当時も今も、ルクセンブルグだ。かの国が世界一の金持ちということである。
経済学を研究している息子によればルクセンブルグの平均年収は1,100万円ぐらいで、1人当たりGDPというのは全国民の所得の平均のことだから高齢者だらけの日本が低いのは当たり前、ついでに円安だから当たり前、ということらしい。
「あんまり気にすんな」と慰められた昭和のお父さんがオレです。

34位っていったら、J2でも中位から下位じゃねえか。情けない。昇格なんてとても無理だ。
ルクセンブルグやシンガポールなど、ちょっとクセのある小国が1人当たりGDPで上位に来るのは、例えばタックスヘイブンだとか、金融立国だとか、国として特異な立場にあるかららしい。日本のように1億3000万人もいて、3分の一が高齢者なんていう国が勝てっこないのは当然だ。
悔しいが。

東芝が消えて電気はパナだけが残っている今、もはや日本には売るモノがない。GDPはますます下がっていくのだろう。経済大国なんて立場に固執するのは諦めて、貧しくても幸せな国、ブータンを目指すのがよかろう。
と思ったら、ブータンの幸福度は急落しているそうじゃないか。今では幸福度では世界95位という。J2どころかJFLにも入れないぞ。
なんでこんにブータンが急落したかというと、情報鎖国と言われた状態から脱して世界の情報がどんどん入ってくるようになり、国民が隣の芝生は青いことに気がつき始めたことが理由らしい。
国家の運営というのは、いろいろと難しいものだなあ。


2023.10.24

ライドシェアとラーメン


インドネシアあたりからやってきた観光客は、駅前のタクシー乗り場の長い行列に仰天し、いくら待っても車がつかまらない現実にあきれ果て、そして「なんて遅れてるんだ、日本は」と吐き捨てるそうである。
彼らの国では、もはやライドシェアは当たり前。乗りたい場所でスマホをピピッとやれば、たちどころに近くにいるヒマな兄ちゃんの運転する車が目の前に止まって、好きな場所に連れていってくれるのだ。
10年も前から話は出ているのに日本で一向にライドシェアが進まないのは、要するにタクシー業界の保護が第一の理由で、第二の理由が事故や問題が起きたときに責任をおっかぶせられたくないからだ。
マイナンバーカードでもそうだったように、新しいことを始めようとすれば想定外の問題やトラブルが生じるのは当たり前である。
ライドシェアでも、金銭的なトラブルや密室ならではの犯罪、交通事故などの想定外は十分に想定される。なんだ、想定外じゃないじゃないか。
重要なのは、よくわからないから始めないのではなくて、よくわからないから十分に準備しようということなのだが。

都市部ではインドネシアあたりのインバウンドが呆れる程度で済むが、地方の、特に山間部の高齢集落あたりでは車の問題は深刻だ。ちょっと薬をもらいに行くだけでも1日数本のバスに乗って遠くの病院にまで行かなくてはならない。だからといってタクシーを呼んだのではべらぼうにかかってしまう。
こないだは隣の権兵衛さんのせがれが車に乗せてくれたけど、毎度毎度頼むわけにもいかんしなあ。金払うから乗せてくれと、こっちから言うのもなあ。
そんなおばあちゃんも、ライドシェアがあれば何の気兼ねなく、金を払って、遠くの病院まで気楽に行ってこられるわけだ。
地方こそライドシェアが必要だと思う。

などと考えながら今日は大船まで行った。
遠い。遠すぎる。ほとんど鎌倉だ。オレんちから大船までは電車で1時間半。さらに駅からバスというのだから、ここは地の果て、ゴビ砂漠。いや、それは言い過ぎか。
大船駅ではコマちゃんと待ち合わせた。それまでの時間、昼飯にしようと駅ナカのラーメン屋に入る。味噌チャーシュー麺が1300円だ。腰を抜かすではないか。
オレはラーメンは、味噌→醤油→豚骨→魚介の順に好きなので、ここでも味噌だ。そしてチャーシューも大好きだ。だから味噌チャーシュー麺という選択は必然であるのだが、それにしても1300円とはなあ。
出てきたラーメンが1300円に見合うものだったかどうかは嗜好の問題なので触れないが、それにしてもこれが1300円とはなあ。本当に物価は上がったものだ。
一時期、ラーメン1000円の壁ということが盛んに言われて、メニューが1000円を超したラーメン屋は客が離れて潰れてしまうとされていたものだった。それが今やあっさり1000円超えである。 そういや池袋の丸富で飲んだら4000円超えちゃったよと教えてあげたら、コマちゃんは「それは高いっすね!」と声を呑んだ。なんでもかんでも高くなっちゃって、困ったもんである。

友達のカトーくんは、大学を卒業して就職した年、ちょっと社会人ぽく振る舞いたくて靴磨きに立ち寄った。
カトーくんは靴を磨いてもらいながら、彼を新米社会人と見て取った靴磨きのおばちゃんに「靴磨きなんて贅沢をしたんだから、昼はラーメンで我慢しな」と諭されたそうである。
当時、ラーメンは庶民の安い食べ物の代表だったわけだ。日本はずいぶんと遠くまできてしまったのか。というか、ずいぶんと道を間違えてしまったということなのか。


2023.10.23

悪は滅びる


関わるすべての人間をブチ切れさせて敵を大量生産しておきながら、「なぜ自分たちだけが叩かれるのかわからない」ととぼけたことを抜かして世間をシラけさせる、そんな特異な芸風でのしてきたゼルビア町田が、全人類の願いも虚しく、とうとうJ1昇格を決めてしまった。

清水の秋葉監督がブチ切れた。
ヴェルディの城福監督は、試合後に相手ベンチに殴り込みをかけようとしたほどブチ切れた。
秋田は球団自体がブチ切れた。
だれもが「あんなサッカー」と呼ぶサッカーをする町田。「あんなのはサッカーじゃない」とまで言われている。
先日会った磐田サポは「あんなサッカーをJ1に上げちゃいけない」とまで言っていた。
不思議なのは、選手自身はあんなサッカーをやっていて嬉しいのだろうかということだ。サッカーの醍醐味を殺してまで「勝ちゃあいいんだろ」というプレーをして、他チームの選手やサポから嫌われ、笑われ、バカにされる。まったくリスペクトされないサッカーをやっていて、選手は楽しいのだろうか。
オレはそこが非常に不思議だ。
岡山のヨルディ・バイスが絶対にJ1では通用しないといわれているように、町田のサッカーもVARのあるJ1では難しいんじゃないかなあ。
鹿島や浦和といった気性の荒いチームにも今まで通り、相手を小馬鹿にしたようなサッカーをするのだろうか。きっと成敗されるに違いない。
マリノスや川崎や神戸には、ボコボコにされるに違いない。
とにかく非常に不愉快なチームなのである、町田は。
親会社のサイバーが狙うのは、CF東京に代わる東京代表チームの座だ。そのためにホームタウンも渋谷に移転しようと画策している。どこまで胡散臭いのだ。

今日は町田の昇格が決まり、そしてヤンツーが監督の金沢の降格が決まって、非常に悲しいのであった。
ヤンツーは好きな監督なのだが、あまりに長く金沢で監督をやり過ぎたのではなかったか。もちろんこれで退任するだろうから、しばらく休んでほしい。
一方の崖っぷちの大宮がここへきて4連勝とは、どういうことだ。しかもあのシヴィルツォクが帰国しちゃってから勝ちだしたとは。まったくサッカーはミラクルでいっぱいだ。
今日も藤枝に0-2とリードされていながら、後半23分から3点を叩き込んで大逆転。残留を決めるチームはこういう勝ち方をする。
大宮アルディージャは距離的にも近いし、同じオレンジだし、常に一緒のカテゴリーでライバルとしてやってきたので仲間だ。ぜひなんとか踏ん張ってもらいたいものである。厳しいけど。これで残留したら、奇跡の残留だ。

この大宮に藤枝は負けてしまったが、しかし、新潟からレレンタル中の矢村がとんでもないスーパーゴールを決めたのにはびっくりだ。ちょっとすごいゴールで、オレと息子は大声を上げて腰を抜かしてしまった。
新潟時代から矢村は年イチのスーパーゴールを決めていたが、今年は年イチどころかこれまで8点とキャリアハイである。これなら来年はレンタルバックもあるかもしれない。今の矢村なら小見より上だものなあ。


2023.10.22

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△△○○△37


さっきまで夏だったのに、一気に冬である。
ピッチには冷たい雨が降り注ぎ、そして試合内容も歩調を合わせたかのように寒々しいものだった。
アルビレックスの先制点は、PK。オレから見ても、相手の鳥栖には気の毒なPKだった。それでも
ルールはルール。ごっちゃんです。
美味しくいただいたのであった。

それにしてもこれがアルビレックスの今季初のPK獲得である。他チームは普通にもらえるPKが、今季のアルビレックスはまったくもらえなかった。
陰謀である。秋冬制への移行に反対する雪国クラブは、そんないじめに遭っていたのだ。それがどうやら秋冬制移行が決まりそうな流れになったので、もうほっとけとばかりに相手にされなくなり、おかげで普通にPKを取ってもらえるようになったのである。
という陰謀論が一部では信じられているが、そんなことはまったくない。
きれいに崩してゴールまで持っていくか、ショートカウンターで一気に切り裂くかというプレースタイルのアルビレックスだから、PK内で強引にゴリゴリする必要がないため、必然的にあわやPKというシーンが少ないだけである。
一方でキーパーから丁寧につないでビルドアップする戦術のため、プレスをかけられてPKを取られてしまうことが多いのである。
なんでもかんでも陰謀論にしてはいけないのだ。

そんなわけでやっと取ってもらえたPKをきれいに決めたというのに、アホかこいつらは、なんとその2分後にきれいに崩されて同点に追いつかれてしまう。
目まいがした。
せっかく一つ上のFC東京が負けて、一桁順位を狙う絶好のチャンスだったというのに、アホすぎる。
ゲームはこのまま引き分けに終わり、遠路はるばる佐賀から新潟までやって来たサガン鳥栖のサポーターは心も体も冷えて、風邪をひいて帰っていったのであった。

もっともこれで今季の残留が正式に決まった。
その意味では大変にめでたい一日であり、喜ばしい結果である。
よくやったぜ、マジだ。
開幕前の評論家の予想では、軒並み断トツの最下位に挙げられたチームである。
選手はJ2レベル。監督も2年目。
あんなサッカーが通用するのはJ2だけと冷ややかに見られながら、それでもそのサッカーをやり通し、それどころかさらに磨きをかけて、川崎に連勝するなどけっこうな結果を残した。
J1残留が今期の最大のミッションだったから、これで文句を言うならばサポーターがバカなだけだ。オレは全力で拍手するぞ。

今日のゲームも両サイドバックが絶品。新井は中身が入れ替わった別の生き物のような完璧な働きで、藤原も例によって見ているだけで惚れ惚れとするプレー。ずって見ていたいと思わせてくれる両サイドバックである。
極上だった。


2023.10.21

でんがな


本日は大阪に日帰りである。
新幹線に外国人が多いのはもう当たり前になったが、大阪にも予想以上に外国人があふれていてびっくり。御堂筋線の改札前には大集合しているし、車内では詰めずに広がって立つものだから邪魔くさくてかなわない。
先日、京都から東京へ出張できている人に会ったので、オーバーツーリーズムはどうですかと聞いたら「いや、ひどいもんどすえ。電車もバスも外人さんでようけぎょうさんどすえ。邪魔どすえ」と眉を八の字にしていた。本当に困っているようだ。
日経新聞では、インバウンドで地方が潤ってけっこうだという記事に並んで、オーバーツーリーズムを根本的に何とかしないとという社説が並んでいる。日経新聞も混乱しちゃってるようだ。
先日、スズキがインドでつくった自動車を日本で売ると発表した。日本には、海外に売るモノがどんどんなくなってきている。
残されているのは美しい四季と清潔な街並みだけだ。
いやいや、その四季もなくなりつつあるし、ハロウィンを見れば街並みが清潔なんてとんでもない。
売るモノがどんどんなくなって、日本はどんどん貧しくなる。だから神宮外苑もとっとと再開発して経済効果を生み出せばいいのに、坂本龍一なんかに踊らされてる老害ノスタルジアどものばかやろう。
と、大阪で東京に怒りをぶつけるわたくしであった。


2023.10.20

年と共に軽くなる


スーツにリュック姿も、今ではすっかり当たり前のものになった。オレも、多少の違和感を抱きつつも、出かける際はリュックである。
長い間、ノースフェイスのリュックを使っていたが、だいぶへたってきたので、先日新しいのに買い替えた。聞いたこともないメーカーの安リュックである。
決め手は、軽さだ。
とにかく重いものはもう持ちたくない年齢になってきて、ギターより重いのは嫌だ。そこでアマゾンで見つけたのが今のリュック。これがとても軽くてなかなか案配がよろしいのである。
ただ門田は実に安っぽいのだ。というか実際に安いのだ。
先日など買って数週間だというのにファスナーが噛んじゃったりもした。
気に入っているけど、こりゃあ長持ちしないだろうなあ。
そう思って毎日のようにネットで探しては、あれがいいとかこれがいいとか。
でも、冷静に考えればこういうものはリアルの店舗に行って、手で持ち上げてみたりして決めるのがいいのだろうなあ。
そんなことを考えつつ、今日も電車の中では人が背負っているリュックを眺める。
案外みんな、デカいリュックなんだなあと気がつく。重くないのか。重いに決まっている。邪魔じゃないのか。邪魔に決まっている。
軽くてスリムで、サイドポケットにはペットボトルが余裕で入って、中のポケットは多くて、そして安いリュックはないものだろうか。きっとあるような気がする。


2023.10.19

居酒屋成増


今日は書くことがないなあと思ったら、夜のテレビに入り会いのイームラ君が出演してびっくり。
成増の居酒屋に藤原紀香が突撃するという番組なんだけど、その居酒屋にたまたま居合わせたのがイームラ君夫妻という展開だ。
ちなみに本人によればまったくのガチで、一切の仕込みはなかったらしい。
イームラ君はけっこうな尺を使って、ボケをかましまくる。名前も連発だ。
オレたちにしてみればいつもキャラだが、テレビ的には安心して見られるボケキャラなのだろう。
イームラ君はとてもいいやつなので、普段から徳を積んでいるから、これはそのご褒美なのかもしれない。
選挙に出たら案外いい線いくんじゃないか。
もっとも議員になっても、なんでもかんでもはいはいと言うことを聞いて、結局何もしないで支持を失うという未来が見えるのだけれども。


2023.10.18

強国日本


「絶対に負けられないなんちゃらかんちゃら」というのが終わったと思ったら、「最強」の連呼である。こいつら、いっつも最強っていばってるよなあ。
などと思いつつ、メシを食いながら後半だけチラ見した代表のチュニジア戦。
最強は確かに最強だ。ここに三笘が加わるんだから、いったいどこまで強くなるんだという日本代表。
ガチでちょっと驚いたわ。もはや引くレベルの強さである。
去年のワールドカップのドイツ戦、スペイン戦で完全に一線を越えてしまったようだ。
ここまで強くて上手いチームとなると、もはや伊藤涼太郎の入るすき間なんてまったく見当たらない。ファンタジスタなんてお呼びじゃないのだ。
海外のSNSでは「次は日本が優勝」とからかわれているようだけが、優勝はシャレとしても、8強レベルは間違いない。

今の代表の中核はゆとり世代である。そこにZ世代の久保らが猛烈に追い込みをかけている。鈴木ザイオンもギリギリで間に合ったようだ。もっと早く浦和なんて飛び出しておけばよかったのに。
少子化、高齢化、人口減という国難に見舞われているというのに、ここのところのスポーツ強国ぶりはどういうわけだろう。
バスケもラグビーも卓球もみんな強い。強くなっている。
人口減で国力は落ちているはずなのだが。それともサッカーに限れば今が頂上で、これからは落ちる一方なのだろうか。
インドや中国が決してサッカー大国ではないことを思えば、人口とスポーツはあまり関係ないのだろうか。ちょっと興味深い。

読売新聞が藤井聡太現象についてなかなか面白い解説をしている。
脳の力とは、かけ算で増えていくのだそうだ。
1から勉強を始めて2になれば、次は2+2で4になり、さらに勉強を続ければ4+4で8になる。
この調子で8+8で16となり、32となって、気がつけば64、128となっている。
1から始めたことを思うと128なんてとんでもない高みであるわけだが、努力を続けるとちゃんとここまで到達できるというわけだ。だから勉強は継続することに意味がある。
藤井聡太はさらに脳を鍛えて256。二ゴロだ。
128まで努力してきた他の棋士は、256とのあまりの開きに絶望するのだそうである。1の我々にはまったくうかがい知れないが、128の本人にとっては256なんととてつもない差というわけだ。
なるほどねえ。

やっぱり頭は使えば使うほど鍛えられるのであり、勉強は継続することに意味があるということだ。
これはもしかするとスポーツにも言えるかもしれないから、日本のサッカーはここ30年の努力がようやく実って64ぐらいのところまできているのかもしれない。
やっぱり人口なんていう単純な理由ではなくて、継続こそが力ということだ。


2023.10.17

まさか加山雄三より先とは


「天空の城ラピュタ」で、朝日の中、パズーがトランペットを吹くシーンはとても印象的というか、心に染みる。
あのトランペットを吹いたのと同じミュージシャンが「いい日旅立ち」の、あの有名なイントロのトランペットも吹いているというのは、ちょっとしたトリビアである。
こういう話を聞くと、やっぱりアナログ時代の音楽はよかったなあと思えてくる。

「いい日旅立ち」という曲名は、スポンサーであった「日本旅行」と「日立」の社名に引っかけたものだ。なかなかのネーミングである。
この曲はディスカバージャパンのキャンペーンで生まれたが、このキャンペーン自体、電通のプロデューサーが仕掛けた南太平洋の旅から生まれたものだった。
阿久悠など第一線のクリエーターを無料で南太平洋の船旅に招待し、好き勝手にディスカッションを楽しんでもらおうという仕掛けで、ここからたくさんの作品が生まれた。
なんともおおらかな、いい時代だったのだと思える。

この曲と「昴」の二曲の印税で谷村新司は一生食えたんだろうと思う。
学生時代の親友で、東日本大震災の前年に早逝した山口くんが、アリスが大好きだった。祐天寺のアパートで深夜、谷村新司のラジオを聞いていた山口くんの姿を思い出す。
オレ自身は「チャンピオン」が「ボクサー」のあまりに酷いパクリだったことに激怒して以来、このオッサンは好きじゃなかった。今回の訃報に際しても特別な感慨は湧かない。
ここ最近、テレビで姿を見かけなくて、ネットでは入院中という情報が流れていたので、そろそろかもしれないなあとは思っていたのだが、まさか本当だったとはいう驚きはある。
ともかくこれでまた昭和の音楽が一つ消えていった。


2023.10.16

小さい秋はなかなか見つからない


10月も半ばを過ぎ、さすがに夏物のスーツ類はクリーニングに出して、冬物に替えようかと思うものの、来週の天気予報を見れば25度、24度という数字。
25度って、夏日じゃん。
まだ夏物のスーツが必要じゃん。
在宅勤務なら、日中はTシャツでいけるよなあ。
というわけで、なかなか衣替えも進まないのであった。いったいいつになったら秋が来るんだ。


2023.10.15

上尾野辺伝説


20211女子ワールドカップでなでしこジャパンが優勝して以来、上尾野辺めぐみにはINAC神戸などの強豪チームから移籍の声がかかった。それなのに彼女は決して首を縦に振らず、ずっとアルビレックスに残る道を選んでくれた。
その理由は、もはや伝説。
「引っ越しが面倒」の一言だった。
よっ、男前っ。アルビレックスで一番男らしいのは上尾野辺なのだ。
そんな彼女も刻々と引退の時が近づいている。大功労者に無冠のまま引退させたくはないというのは、誰にも共通の想いだ。
だから今日のWEリーグの決勝戦には、アルビレックスのサポーターが男女の垣根を越えて大挙したのである。男子のゲームと同じくビッグフラッグが広げられ、たくさんの段幕が掲げられ、大声援でビッグスワンと同じ雰囲気を作ったのだった。
だからPK戦での敗戦は、とにかく残念である。
当の上尾野辺と、上尾野辺を支えるために移籍してきた川澄奈穂美のベテラン2人はPK戦のキッカーに立たなかった。決勝戦のPK戦という大舞台こそ、ベテランの経験と精神力が必要なはずなのに、120分フルで走り回ってもはや力が残っていなかったのだろう。
こうなるとベテラン2人をフル出場させ、交代枠を余らせた采配はどうなのかということになる。
対戦相手の広島はきっちりと交代枠を使い果たしたというのに。

それにしてもアルビレックスはPK戦に弱い。
オレもPK戦は嫌いだ。
「誰もが嫌いだし、誰もが得しないんだよ。でも他に方法がないんだよ」と息子は言う。
そうなんだよなあ、じゃあコイントスで決着を付けるかって、そういうわけにはいかないしなあ。
120分走り回って1つも点が入らず、最後はPKなんていう運で決着させるしかない。サッカーは欠陥競技と言われるゆえんである。
120分あればバスケなら300点ぐらい余裕で入るだろうねえ、確かに。


2023.10.14

なんだこれ×5


カナダの守備があまりに酷くて「なんだこれ」「なんだこれ」「なんだこれ」「なんだこれ」「なんだこれ」と「なんだこれ」を5回繰り返してる間に先制点だ。あほらし。
しかも案の定で小島は使われず、直前に呼びつけておいて「お呼びじゃないよ」という扱いは酷すぎる。これも「なんだこれ」だった。

それにしても改めて日本代表の試合を見て、むちゃくちゃ速くてむちゃくちゃ上手いのにビビる。
パススピードもレベルが違うし、裏を取る動きもワールドクラス。
そりゃあこの中に伊藤涼太郎が入れるわけがないよなあと、改めて実感した。
もっともこちらはアルビレックスの遅攻を見慣れているから、余計にそう感じるのかもしれないが。

こうしてサッカーを観た後で将棋を振り返ると、いったい将棋の何が面白いのだろうと改めて不思議になる。全然動きがないし、どっちが優勢かもわからない。
オレは駒の動きぐらいしか知らないから、なおさらだ。
息子が小学校低学年の頃、羽生さんと渡辺竜王の対局を目の前で見たことがある。前から2列目という素晴らしい席だった。
約2時間という短い対局ではあったが、その間、オレもずっと集中を切らさずに見ていた。きっと退屈だろうなあと思っていたのに、自分でも意外なほど集中し、興奮したのである。
オレは駒の動かし方を知っている程度で、盤面を見ても戦局なんてわかりはしない。それでも2時間、ずっと席に座って楽しめた。
何というか、本物同士の真剣勝負ならではの空気感そのものがとても心地よかったのだと思う。
盤面は読めなくても、たった一手でがらりと戦局が変わり、一気に優劣が入れ替わった瞬間が、空気の動きではっきりとわかった。その瞬間を同じ空間でリアルに共有できていることに、興奮したのだろう。
自分では指さずに見るだけのファンを「観る将」と呼ぶらしいが、なるほどと納得だ。


2023.10.13

小島降臨


「監督、大変です、前川が怪我で辞退です!」とコーチAが叫ぶ。
森保は「うぬぬぬ、使えねえ」と怒る。
続けてコーチBが「監督、大変です、鈴木ザイオンの合流が遅れそうです」と叫ぶ、
森保は「まったくどいつもこいつも使えねえ」と吠える。
そして「誰か代わりはいないのか、代わりを連れてこい!」と暴れ、コーチCが「そんなこと言っても、監督、ここは僻地の新潟ですし」と涙目になる。
すると森保、ふと遠い目をして「なに、新潟だと…そうだ、あいつがいるじゃないか、えーと、ほら」と何かを思い出す。
「おお、それはいい。新潟だから交通費も要らないですし」とコーチDがおもねるように言い、こうしてアルビレックス新潟の神であるキーパー・小島亨介の初のA代表招集が決まったのであった。
「誰だよそれ」「忖度かよ」と代表の試合しか観ないライト層は偉そうに言うわけだが、シャラップである。一昨日来やがれである。
オレたちの神・小島をなめんな。
前川やザイオンや権田なんかより遙かに神だぞ。
さあ、いよいよ神・小島が降臨する。皆のもの、伏して待たれよ。

権田と言えば、仰天したのだが、なんと先日練馬区の小学校に講演にやってきたそうだ。
何しに来たんだ、このサイコパス。
そう思ってネットニュースを見て腰を抜かした。息子と娘が通っていた地元の小学校じゃないか。うちから徒歩5分の。
ななな、何しに来たんだ、権田。危険だ、危険すぎる。権田が小学校に来るなんて。
ヒマなんだろうか、権田。ヒマなんだろうなあ。

権田を見て、我らが小島を見ると、やっぱりJ1にいなきゃダメなんだということがわかる。
アルビレックスもこのまま定着しなければ。
エスパルスも早く上がっておいで。


2023.10.12

インフルコンプリート


昭和歌謡のベスト100みたいな、過去の映像集めて、ひな壇に適当なタレント並べていっちょ上がりという、本当に毎週のように見る手抜き企画の番組をぼけっと眺めていたら、二階から息子が「たいへんだ、たいへんだ」と言いながらどたどたと降りてきた。
何ごとかと思ったら「将棋が大変なことになっている」とのことである。
息子はそのまま「代えてもいいか」とFireStickのリモコンを持ち、ABEMAの将棋の中継に切り替えた。
なるほど、どうやら将棋の八冠がかかった一番が行われているらしい。そして、どうやら藤井聡太がミスをして負けそうになっているらしいのだ。
ほほう、藤井くん、追い詰められているのか。画面の下に出てくるAI勝敗予想も、藤井くんの圧倒的不利に針が振れている。

そのままじりじりと緊迫の時間が過ぎたと思ったら、突然息子が「あっ、やっちまった」と叫んだ。
その瞬間、AIの針が一気に逆に振れ、藤井くんの勝利の確立が99%になってしまった。
直後、対局相手の永瀬拓矢が己のしでかしたとんでもないミスに気がつく。そして頭を抱え、身もだえし、天を仰ぐ。
映し出された盤面を見ていたオレもヨメもなんのこっちゃだったのだが、永瀬の振る舞いに、人ってここまでわかりやすく後悔して絶望するものなのかと納得し、やっと永瀬が負けそうだということに得心した。

この結果を受けて日経新聞は「Z世代の衝撃」というなかなか興味深い論評を載せていた。
スポーツ界では、大谷翔平、羽生結弦、木美帆、桃田賢斗と、ゆとり世代が世界のトップで闘っている。ゆとり世代こそ、実は勝ち組だった。
それを追いかけるようにZ世代が出てきて、没落日本の一筋の光明となっている。
絵に描いたようなやらかしで負けてしまった永瀬はゆとり世代というのも、なかなかに面白い。

そんな一日であったが、実は我が家のインフルエンザ予防接種は今日で全員終了した。
オレは10月2日に早くも接種し、ヨメと息子と娘はきょう、接種完了である。
予防接種は治療ではないから、完全に自由報酬。クリニックによって料金が違う。オレんちのあたりだと3000円〜3500円が相場だ。
早くもインフルエンザ流行の兆しということで、予防接種の人がクリニックに押し寄せているという、ニュースも言っている。
確かに2日にオレが打ったときも、他に何人も打っていた。誰も彼も、今年は早く打たねばと思っているようだ。
こうなると売り切れも早いかもしれない。
なにしろワクチンは生もの。必要な量を予測して、春先から培養して、供給している。数に限りがあるのだ。
限定生産である。
だから早い者勝ち。売り切れてしまったら、来年まで待つしかない。今年のように早くから人がクリニックに押し寄せるようなときは、例年より早く売り切れになるだろう。

加えて今年はひょっとしたら鶏卵不足の影響もあるのではないか。
インフルエンザワクチンの培養には、鶏卵が使われる。
今年の春頃、鳥インフルエンザの影響で卵が不足し、高騰したのは記憶に新しい。倍以上の値段になって、それでもスーパーの店頭から消えてしまったというので、卵を求めて人々が右往左往したものだった。
そんな卵不足は、きっとワクチンの培養にも影響すると思うのだがなあ。検索してもそんなネタは出てこないし、オレの危惧は素人の浅はかさに過ぎないのだろうか。
まあ、よい。
そんなわけで皆さん、今年はなるべく早い予防接種をお勧めします。
特に幼児と高齢者のいる家庭は焦った方がよろしいかと。


2023.10.11

丸富の宵


上皇・上皇后がディスられているというのはネットで何となく目にしていたが、文藝春秋でこうも大々的に報じられると、さすがに衝撃を受ける。
例えば上皇后は「皿婆」と呼ばれている。いつも帽子を被っていることが揶揄されているのだ。
静養に出かければ「マスコミを大勢引き連れて目立とうとしている」、仮住まいが終わって引っ越せば「税金の無駄遣い」。こんな具合にネットで散々叩かれているという。
秋篠宮家があんなになったのも、眞子がこんなになったのも、全部上皇・上皇后のせいにされている。
上皇・上皇后は困民のすべてから敬愛される存在であると思っていたのに、いったいこれはどうしたことか。文藝春秋では様々な分析が試みられているが、目を疑うとはこのことだろう。

それにしても今日は驚いた。
長らくほったらかしにしていた「たんさいぼう」の経理をやろうと思ったのである。
「たんさいぼう」は一応プロのバンドで、ちゃんと組合として税務署にも届けている。良識ある市民バンドなのだ。
とはいえ、何の税金対策も必要ないほどのポンコツなのは間違いない。今年の売上も数万円である。念のためであるが、一年の総売上である。
口座を確認しようと思って、ゆうちょダイレクトにアクセスした。郵便局のネット口座である。 ところが全然アクセスできない。
おかしいなあ、あまりにも貧乏口座だから、削除されてしまったのかなあ。
違った。システムトラブルだった。
あららら、10日に、しかも連休明けに。
と思ったら、なんとゆうちょだけでなく、都市銀行も含め11の銀行のネットバンクがストップしているのだという。全銀協のシステムがやられたそうだ。
なんと、大ごとではないか。
実はゆうちょは銀行の嫌がらせで、当初、全銀協に入れてもらえなかった。官による民の圧迫だとかなんだとかで。その後、ようやく特別会員として仲間入りを認められたようである。
すると、「たんさいぼう」の口座が見られないのも全銀協のシステムが原因か。
ネットを見れば「入金予定のカネが入ってこない」「バイト代が振り込まれるはずなのに入ってない」と、あちこちで悲鳴が上がっている。なにしろ10日だからなあ。決済殺到なのは間違いない。
いったいどうなってしまうんだろうと、「さんさいぼう」の貧乏口座を持つオレは、下見の見物なのだった。

などと一日を振り返りながらオレは酒場で刺身をつまみながら今日発売された文藝春秋を読み、上皇・上皇后への罵倒に胸を痛め、そしてホッピーの中のお代わりをする。
ここは池袋の丸富食堂。魚が美味いと評判の居酒屋だ。
コマちゃんにそうLINEしたら「ちょうど今、丸富で昼飯食ってます」という煽りの返信が来た。勝ち誇っている。
頭にきたオレは、一人で電車に乗って池袋まで行き、一人で丸富食堂に突撃したというわけだ。時刻は午後5時。ここで6時半まで飲み、家に帰って風呂に入って、さっぱりすれば、おお、なんとまだ8時。いいねえ、健康的で。
丸富食堂、思っていたのとはだいぶ違ったが、なかなか美味かった。カウンターが充実していて一人酒できるのも嬉しいし、店員の接客も気が利いていてよろしい。
鯖の塩焼きはなかなかのもので、唸った。肉豆腐も素晴らしかった。今度はホッケを食わなくては。 というわけで丸富食堂、再訪決定である。
オザキも行こうよ。コマちゃんがおごってくれるよ。
ただビールがアサヒだったことと、ハイボールが甘いばかりで薄かったのは減点だ。ホッピーがいいと思うよ。

なお、日付は11日になっているが、例によってここに書いてあるのは10日の出来事である。10日の出来事を、11日の朝になって、11日の日付の日記に書いているのだ。さっぱり訳がわからない。
さすが未来日記。いや、過去のことを書いているのだから過去日記か。そもそも日記とは過去のことだから、いいのか。だから、まあいいや、これで。


2023.10.10

百田の罪


やれやれ、やっと夏が終わったわい。
世間はそう騒いでいる。
だが終わったのはいいが、いきなり寒いではないか。もはや日本に四季はなく、夏と冬しかなくなったという説は正しいようである。
困るのは森高千里だ。秋が終われば冬が来るのではなく、夏が終われば冬が来るのだから、サイパンに行くタイミングも難しい。
というわけで、急に寒くなったから、昼はラーメンでも食べに行こうと、息子とヨメを連れて出た。娘は授業である。なんと祝日なのに平日扱いで授業があるのだ。なかなかブラックな、いや、むしろ良心的な大学ではないか。
寄付しろ寄付しろという連絡がうるさいが。

オレはラーメンに何の思い入れもない。だからだいたいどんなラーメンでも満足できる。
もちろん好きな店はあるし、気に入っているメニューもある。ホープ軒はその筆頭で、桂花も大好きだ。
今日は丸源に行った。丸源もたいへんに美味しい。
我が家の近所には魁力屋というチェーン店がある。もちろんここにもよく行くし、いつ食べても美味しい。

ラーメンを食べて帰ってきてから、息子は家庭教師のバイトに出かけた。
オレはU-NEXTで映画を観ることにする。
「すくってごらん」だ。主演の尾上松也が、ヒロインの百田夏菜子に恋をするというアホみたいな話である。アホみたいなのは映画だからかまわないのだが、あまりにひどいのて途中でやめた。
とにかく百田夏菜子が酷い。この設定のヒロインに必須の透明感や清純さがまったく感じられず、目の下の隈の跡を連想させるような表情で、げんなりする。百田夏菜子なんかにやらせた制作側の失敗だな。
冒頭、田園風景をとらえたカメラは素晴らしいのだが、物語が転がり始めてからのカメラもイマイチ。
Googleで「すくってごらん」と入れると予測で「大コケ」という文字が出てきて、大笑い。原因は百田夏菜子だあ。

呆れてしまったので、次に「天間壮の三姉妹」を観る。大島優子、門脇麦、のんが旅館の三姉妹を演じ、母親役を寺島しのぶ、客を三田佳子というくせ者ぞろいの女たちが出演する。「すくってごらん」は無料見放題だったが、こちらは有料だ。
これはとにかくカメラワークが素晴らしくて、冒頭の長回しにほほうと驚き、海辺の俯瞰シーンや萩原利久が一人で船に乗り込んで出航するシーンなど、見事だった。このシーンを見るだけでも有料の元が取れた。
ただ話が何となく整合性がとれていないような感じがして気持ち悪い。柳葉敏郎が出てくるあたりから物語のトーンが変わったのはいいのだが。
これも途中で観るのをやめてしまったから、話もきちんと収斂されるのだろうが。
大島優子の演技が上手いのにはびっくりした。三田佳子がブチ切れて啖呵を切るシーンも、さすがの迫力である。
一方、のんちゃんは相変わらず可愛いのだけれど、もう彼女も30歳。いつまでも可愛いままというわけにもいかないのだが、演技が相変わらず、何をやってものんでしかなく、一本調子。このあたり、大きな課題だ。
後半に永瀬正敏が出てくるらしく、楽しみにしていたのだけれど、疲れてしまって途中でやめた。「すくってごらん」なんか観るから疲れちゃうんだ。百田夏菜子のせいで永瀬正敏を見ることができなかったのだから、百田夏菜子は永瀬正敏に謝罪すべきである。


2023.10.09

偏愛


ということで、今日もぼくは未来日記を書いている。
なぜならこれを書いているのは10月9日の朝。つまり一日の始まりに今日の出来事を書いているからだ。

未来日記ということでは、先ほど衝撃的なことがあった。
NHKでラグビーの試合が放送されていて、そこにライブという表示があったから、ヨメと息子は「日本の決勝リーグ進出がかかっている」と大騒ぎしていたのだ。確かにテレビでは君が代も、アルゼンチンの国歌もフルで流れている。
あれえ、でも日本はグループリーグ敗退じゃなかったっけ。そんなニュースを読んだ気がする。
そう伝えたらヨメと息子は「何を言ってるんだ」「ライブってテレビに出てるじゃないか」「国歌もフルバージョン」「未来から来たのか」「そろそろ、朝ご飯はまだなのかって言いそうだ」「さっき食べたでしょ、お父さん」と散々な口ぶりである。

ぼくは、おっかしいなあと首をかしげ、そうだ、と思い出す。
そしてさっき朝食を摂りながら読んだ読売新聞と日経新聞を広げ、ほうら、ここに書いてあるじゃないかと、ラグビーの試合結果を報じる紙面について指さしたのであった。
要するにラグビーは再放送で、ボケてるのはいったいどっちだという話だったのである。
ぼくは自分のことを未来人だったのかと一瞬疑ってしまったよ。

などと言いつつ、オレは夕べAmazonから届いた本を手に取る。
とんでもない本が出たのだ。
「ポール・サイモン全詞集を読む」という本だ。
600ページ4500円という大作である。題名の通り、ポール・サイモンのすべての歌詞について評論を加えたという、とんでもない労作である。
“とんでもない”には二つの意味がある。どれだけ手間暇かけて作ったのだという意味と、そんな手間暇かけたところで一体どれだけの人間が読むというのだ、という意味である。

ポール・サイモンとはご存じ、サイモンとガーファンクルの片割れである。80歳を超え、せんだって、引退を発表した。最後の作品になるであろうアルバムも発表された。買ってないが。
オレは中学生の頃からポール・サイモンを偏愛していて、たぶん生涯最も聴いたアルバムはこの人の作品である。
かつてワーナーの社長が「日本におけるポール・サイモンとプリンスの人気は信じられない」と呆れたように、とにかく日本でのポール・サイモンの扱いはどマイナーなのだ。そのため小沢健二が「コール・ミー・アル」と「追憶の夜」の2曲を合体させて1曲にするという無茶すぎる完パクリをやっても、まったく怒られないという状況だった。

そんな日本にもオレのようなポール・サイモン偏愛者はいて、この本の著者プロフィールを見たら、どんぴしゃ。オレと同年齢だった。だから本のそこかしこに出てくる個人的な思想などが、オレと完全にかぶっているのだった。

ポール・サイモンのすべての歌詞は203篇。
筆者はそのすべてに新たな訳詞を行い、一冊の本にして刊行した。
その際、著作権者との契約で「歌詞以外に一切の文章を付け加えてはならない」という縛りがあったらしく、訳詞をしながら考えたさまざまなことどもを、筆者はこうして別の本にして刊行するに至ったというのである。
要するに手間暇かけて二冊も無駄な本を作ってしまったというわけだ。
その偏愛ぶりには感涙する。

だからオレのような偏愛者は、この本の刊行を知って迷うことなく、それこそ4500円という価格にもまったくびびることなく、ポチった。そして昨日の夜、置き配されたそれを手に取り、酔っ払った頭でむさぼるように読んだのである。
まず長い前書きを読んで涙し、続いて「マイ・リトル・タウン」に始まり、「ボクサー」「ニューヨークの少年」「アメリカ」「アメリカの歌」「何かがうまく」「母と子の絆」「平和の流れる街」と、特に好きな曲を拾い上げては、むさぼるように論評を読んだのである。
幸いなことに酔っ払って読んだから、一晩寝たオレは内容をすっかり忘れており、もう一度楽しめるというわけだ。なんとお得なのだ。

オレの机のブックエンドには「ポール・サイモン 音楽と人生を語る」という本が収められている。名著だ。
この「全詞集を読む」は、その隣に並べられることになるだろう。それまでは表紙をなでつつ、何度も読み返すのだ。
頬ずりしたくなるほど愛しい本だ。


2023.10.08

未来日記


この日記を読んでくれているのは、いったい何人ぐらいの方だろう。
時々、そんなことを考える。感覚としては20人くらいではないだろうか。
その属性はというと、次の3つのクラスターに大別できそうだ。
一つ目が「仕事関係のクラスター」である。コマちゃんとか、オザキとか、カナウチおじさんとかだ。
二つ目は「友人関係のクラスター」だ。学生時代からのつながりがほとんどである。
そして三つ目が「血縁のクラスター」である。親戚縁者であり、実家に暮らす私の弟もここに入る。
この三つ以外にも、まっちゃんのように何の縁もないのに読んでいる単なる物好きという方もいるけれど、クラスターというほどでもないのでとりあえずよけておく。
ちなみにこのクラスターという言葉はコロナですっかりお馴染みのものとなったが、本来はマーケティング用語である。
「この明太子味のアイスクリームがターゲットとしているクラスターは、味覚音痴のJKである」という具合に使う。クラスターの語源は「ブドウの房」で、同じような属性の人々が寄り集まって房になっているイメージから、こうした使われ方をする。

こうした豆知識が満載された有益な日記を、では私がいつ書いているかというと、原則として朝である。朝一番にパソコンを開いたら、この日記を書いている。日によっては、その後に文章の練習のために読売新聞の編集手帳の書き写しをすることもある。
千本ノックのようなものだ。
先日社会人1年目の女の子が「毎日とんでもない量のメールに追われています」と言うので、メールの千本ノックだねと、自分ではうまい返しをしたつもりだったところ、きょとんとした顔をされてしまった。
確かにいまどきの若い子が千本ノックなんて言葉は知らなくて当たり前だ。

実は今私は嘘をついた。朝一番に書いているのはこの日記ではなく、もう一つのリアル日記である。
そうである。私はこの豆知識が満載の有益な日記のほかに、もう一つ、別の日記もつけているのである。
つまり世にも珍しい二つの日記を同時に書いている男が私なのだ。呆れるではないか。
もう一つの日記とはどのようなものかというと、大学ノートを使った手書きである。だいたい半年で大学ノート一冊を書き潰すペースだ。
ここに家族の日々の記録を手書きで残している。風邪をひいて医者から薬をもらってきたとか、週末なので地元のインド料理屋でカレーを食べたとか、子どもたちがおばあちゃんからお小遣いをもらったとか、そんな類いのことだ。
仮に私が盗撮や痴漢を疑われて逮捕されて、刑事から「何年前の×月×日、お前はどこで何をしていた」と厳しく追及されたとしても、そ、その日は浦和の児童センターでたんさいぼうとして子ども相手にコンサートをしていましたという具合に、ちゃんと申し開きができるわけである。大学ノートを片手に、ほれこの通り、と示しながら。
もっとも「尻尾を出したな。そのコンサートに子どもを連れてきた若いお母さんから被害届が出ているのだ、観念しろ」と勝ち誇った刑事に言われ、日記のせいで墓穴を掘ったことに気がつくということもあり得るのだが。

話がどうにもおかしな方向に広がってしまって、ちっとも前に進まない。軌道修正しよう。
そんな具合に大学ノートに手書きの日記を書いてから、続けてこの日記を書いているのである。二つの日記を書くのが毎朝の私のルーティンだ。呆れるではないか。
ところが朝から仕事が入っていてすぐに出かけなければならないこともあるし、大阪まで日帰りだから6時半の新幹線に乗るために5時前に家を出なくてはならないこともある。出張だと、そもそも別の場所で朝を迎えることもあるわけだ。
こんなときに問題となるのが、日記である。

大学ノートのほうは簡単だ。何しろ出来事だけをつらつらと書き連ねればいいのだから、手書きとはいえ、すぐに済む。そこに思いや表現はいらない。ただ事実関係のみを記すだけである。
だがこちらの日記はそうはいかない。ネタを探し、構成を考え、表現に首をひねらなくてはならない。
そんな手間をかけてこの程度の駄文かと言われれば、すんませんと頭を下げるしかないのではあるが、要するに朝のすき間時間にちゃちゃっと済ませるわけにもいかないということだ。
そこでどうするかというと、出かけた先のスタバでLet's noteを開いて書いたり、前の晩に書いたりすることになる。
話はこのあたりからややこしくなっていくのだが、朝この日記を書くときは昨日の日付で、昨日の出来事を書いている。それを前の晩に書くということは、今日の日付で今日の出来事を書くことになる。ところがそれをすっかり忘れてしまって、出かけた先のスタバで、あらやだ、いけない、日記を書くのを忘れてるじゃない、なんて思い出しておもむろにLet's noteの電源を入れてしまうことがある。そして時間をかけて日記を書いて、家に戻ってからアップすることになる。
その際、昨日の日付の日記は昨日のうちにアップしているから、気を付けないと昨日の日記の日付が二つ上がってしまうことになる。新しくアップする日記は今日の日付の日記でなければならないわけだ。
そしてその日の夜、明日も朝から忙しいから今日のうちに日記を書いてしまおうと思い立って書き出した日記は、なんと明日の日付の日記になってしまうのだ。

こうして出現するのが、世にも不思議な「明日の日記」なのである。タイムリープかよ。
未来地図はパクリ上等のドリカムの歌であるが、未来日記というものが私の日記なのである。その証拠に今書いている日記は10月8日の日付であり、私はこれを10月8日の早朝に書いている。
本来は10月7日の日付の日記を書くべきところ、実はその日記は昨日のうちに書いてアップしてしまっているので、こういうことになった次第である。
もはや私の頭は混乱していて、では明日の早朝にはいつの日付の日記を書けば本来の姿に戻るのかも、よくわからなくなっている。このままいくと、2、3日先の日記を書くことになってしまうのではないかという恐れも出てきた。これではもはや予言の書ではないか。

などという心配をしながらオレは、昨日のサッカーを振り返る。
アジア大会の決勝、韓国戦だ。きっと負けるだろうなと思ってみていたら、案の定、負けた。いいのだ、この世代は負けることで強くなっていくのだ。韓国相手にアジア大会で勝って喜んだって、ちっとも強くなれない。負けに学び、負けに鍛えられなくてはならない。
とはいえ、韓国相手ということで明らかにビビって腰が引けていたのは、いただけなかった。もっと前を向いて闘わなくてはなあ。情けない。
昼にもう一戦、清水対磐田を見た。こちらはJ1への自動昇格圏を争う大一番。2位と3位の直接対決、しかも静岡ダービーだ。
おかげでずいぶん盛り上がった。結果は清水が薄氷の勝利で自動昇格圏に滑り込む。「仕事関係のクラスター」のコマちゃんも大喜びだろう。一方で磐田に住む「友人関係のクラスター」のカトーくんはがっくりと肩を落としているに違いない。

こうして清水対磐田の激闘やアジア大会の決勝を見ていて思うのは、新潟のサッカーってとんでもなく面白くて、とんでもなく洗練されたものだということだ。
アジア大会を見ながら、そこはバックパスだろうとか、どうしてそこに選手が立っていないのだとか、今こそタテに刺すタイミングなのにとか、なぜキーパーのフィードがそこなのだとか、いつもの新潟のサッカーに比べて問題の多いことに気がつく。いや、それだけオレたちは新潟の洗練されたサッカーを見慣れてしまっているのだ。
あの片野坂が「J1の今季のすべてのチームを見てきて、新潟が一番面白くていいサッカーをしている」と明言していた。当然だろうと、オレは鼻息を荒くする。
いやまて、ひょっとしてこれは片野坂の就活なのか? こりゃ参ったね。


2023.10.07

箒=北


ワールドカップ予選で北と戦うことにビビっている森保監督に、オレがいい作戦を教えてやる。
遠藤保仁、香川真司、小野伸二、長友佑都、吉田麻也、酒井高徳といった旧世代の代表選手でチームを作ってアウエーに向かえばいいのである。ワントップはもちろん岡崎慎司だ。なんだったら引退した小野伸二に本田圭佑、李忠成でもよいだろう。
言うまでもなく、このメンバーでも北には十分に勝てる。経験もあるので雰囲気に飲まれることもないだろうし、日本のためにと身体を張ることもできる。
むしろ北が「ついに日本がビビって本気を出した」と喜んでくれる可能性すらある。
旧世代の連中ならば、「相手の力が5ならば、8まで引き上げて9で勝つ」という風車の理論を持つアントニオ猪木(オレならば箒とだって試合してみせるぜと豪語していた)のように、ハラハラドキドキの展開で最後は引き分けに持ち込んでまた来週、ぐらいの演出もできるだろう。
日本の会社では働かないおじさんたちが問題となっているが、サッカー界ではおじさんたちが頑張るのだ。

などと考えながら今日はアジア大会の女子の決勝を見る。
女子サッカーでは北が頭一つ抜けている。だが日本も着実に力をつけてきて、今日のようなBチームでも決勝に進出できるところまできた。
だがやはり地力は北。開始10分で圧倒的な力の差を知る。とのかくフィジカルがまるで違うし、1対1はことごとく負ける。これでは失点は時間の問題と思ったら、日本のカウンターがきれいに決まった。
こういうのがサッカーの妙である。
結果、4-1の圧勝で日本が優勝。こちらの力が5だったのに、気がついたら10になっていて、9の相手をねじ伏せていたという試合だった。

驚いたのはキーパーの懲罰交替だ。
4-1となった時点でキーパーが交替させられ、しかもこのキーパー、ベンチで号泣する姿が大映しにされてしまったのである。
どうやら一族郎党、炭坑送りのようだ。あるいは強制収容所か、軍隊か。
気の毒すぎる。たかがサッカーで。それに失点はキーパーのせいじゃないだろう。キーパーにチャンスがあったのは3点目ぐらいで、それ以外はノーチャンス。守備陣の責任だ。
その守備陣も負けが決定した頃から途端にプレーが荒くなり、まるで「チームは負けたけど自分は闘いました。負けたのは自分以外の選手のせいです」と言い訳するためのプレーのようだった。
きっと監督も、この試合の後は行方不明になるに違いない。
まったく気の毒なことである。そして後味が悪すぎる。
酔った頭でオレは、喜ばしいけれど、気分が悪いなあとつぶやくのだった。


2023.10.06

漁師はいいなあ


仕事でインタビューした人が磐田サポだった。それも下部組織でプレーしていたことのあるガチのサポーターだった。
山本康輔は元気ですか。そう聞いたら「おお、よく知ってますね! もちろん元気です」と嬉しそうだ。新潟のサポはみんな山本康輔が大好きですよと言ったら、心底嬉しそうだった。

その磐田は今週末、清水と試合だ。静岡ダービーであるが、それ以上にJ2の2位と3位、つまり自動昇格圏入りをかけたしびれるような試合である。勝ち点差はわずか1。つまりここで勝った方がJ1自動昇格に大きく前進することになる。
こりゃあ大一番だ。清水サポのコマちゃんも燃えていることだろう。
町田にはJ1に上がってほしくないから、頑張ってくださいと磐田サポに伝える。。
「あのサッカーをJ1に上げてはいけないというのは清水も含めた総意です。できれば静岡の2チームで上がりたい」
おお、本気で町田を引きずり落としてやると、そう信じているんですね。
「もちろんですとも!」
これは頼もしい。今週末のダービーには日本中が注目だ。
では、お仕事のお話を、とオレは話題を切り換えて、本来のインタビューに取りかかる。もちろんインタビューなんかより、ずっとサッカーの話をしていたいのだが。

なとどいうことを考えながら、オレは今、神谷町というところにいる。港区、東京のど真ん中だ。
最もわかりやすい言い方をすれば、東京タワーのある場所である。
コロナもあってこのあたりに足を踏み入れたのは数年ぶりだ。そして駅を出て、驚いた。
あまりにも街が変わっていて、一瞬間違えたかと思ったほどだ。
そして思い至る。そうか、麻布台ヒルズか、これが。もうすぐ本格開業する、都心の大規模再開発の街だ。
いやあ、たまげたなあ。
一億円ではとても買えそうにないマンションがずらりと並び、向こうには現時点で日本一の高さの超高層ビル。
練馬の畑の隣に暮らすオレは、気後れどころか、取って食われるんじゃないかという恐怖心さえ感じて、ずりずりと後ずさりするほどの威圧感というか、見下ろされている感というか、ざあます感を抱いてしまう。

先日、東京駅前、八重洲の高層ビルの工事現場で、立ててある梁が崩れて死傷者がでるという大事故があった。このあたりの場所はよく知っていて、施工に関わったゼネコンのこともよく知っているオレにとってもちょっと衝撃的な事故だった。
原因についてのオフィシャルな発表はまだないが、察するに人手不足に加えて納期に追われる中、ギリギリの状態で工事をしていたことに加え、外国人施工者ばかりによるコミュニケーション不足、途切れてしまった技術伝承などが要因だろう。
「もうタワーマンションを建てるのはやめようよ」。そんな声が上がり始めたのも当然のことだろう。
東京の狭い土地に信じられないような容積率を設けて、日本一を競うような高さの建物を建てても、なんだか未来に向けて負の遺産を増やすだけのような気がする。

などと考えながらオレは、麻布台ヒルズのタワーマンションを遠くに見やる。
いったいどんな人が暮らすのだろう。
芸能人、ベンチャー経営者、中国人といったところか。
高いところが苦手なオレはとても住む気になれないし、住めるわけもないのだが、誰が住むんだろうという野次馬根性はある。よく耳にするタワマンカーストなんて本当なのだろうか。
やっぱり畑の隣で、地面に足を着けて、のんびり暮らす方が性に合っている。
その無理のしわ寄せは、現場へ。

「コンサルタントと漁師」という有名な話がある。
早朝、漁をして、あとはのんびりと暮らしている漁師に向かって、コンサルタントが言う。 「朝だけでなく、日中も漁をすればもっと稼げるのに」
漁師は「そんなに稼いでどうする」と尋ねる。
コンサルタントは「たくさん稼いで投資するんだ。その先には海辺の街に引っ越してのんびり暮らす、理想の人生が待っている」
すると漁師はこう答える。
「なんだ、それならもう手に入れている」


2023.10.05

NGリスト


ビッグモーターと日本大学とジャニーズ。これは日本三大どれだけ叩いてもOKチームである。
水に落ちた犬は棒でつつけ。雨の日に傘を持っていなかったら水をかけろ。
もっとも記者会見騒動を見ていると、まさかコンサルタント(要するにPR会社)のような存在を知らなかったのかよと驚いてしまう。
記者会見を開くなら当然リスク対策はするじゃん。そもそも記者会見を自分たちでやるわけないじゃん。専門のPR会社がいて、会場を見つけて、司会者を用意して、シナリオもちゃんと整えてくれるに決まってるじゃん。
だーれが望月イソコなんて下劣女の質問を受けるかよ。会場に入れただけでもイソコはありがたく感謝すべきである。お前は福島に行って土下座してこい。
新しいビールの発表から映画のクランクアップ、企業の謝罪まで、何だってPR会社がからんでいるに決まっている。政治家となると露骨にできないから、身内の人間が外部からアドバイスをもらって、さも自分たちだけで対応しているように整えるが、本質は同じだ。
そして専門のPR会社が入るんだからリスク対策は当然のことである。
そしてクライアントのことは死んでも守るから、クライアントは何も知らないと言い通すのも当然である。
そうでなきゃ他のクライアントが逃げていくからな。
そもそも芸能界なんてそんなものだということは、誰だって知ってたことじゃん。
身体を売ってのし上がるなんてよくある話だし、もっと言えば芸能界に限ったことではないわけで。いやいや、だからジャニーズは贖罪されていいという話ではない。あれは人権問題。自分の意思で身体を代償に取引を持ちかけたのではない、歴とした犯罪だ。
オレが言いたいのは、芸能界なんてそんなものとみんな思っていたのに、今になって騒ぐのはどうよということだ。
となると、そもそも日大なんてこんなもんというのも、当たっているのかもしれない。 ビッグモーターもこんなもんなのだ。
どうも話が乱暴だが、そういうことを思った秋の空なのだ。


2023.10.04

3点目


オレが年を取るのと同様に、オレの周囲の人たちも年を取った。
だから早朝7時にメールが来たりするのも珍しくない。
おいおい、もう起きて仕事してるのかよ〜。
その分、夜遅くのメールは少なくなっているのだが、若い世代の仕事もしているものだから、22時や23時のメールも少なくない。
時には3時半に送信されたメールもあったりして、これは一体遅いのか早いのか、どっちなのだと首をかしげる。
働き方改革だから、深夜に送られてきたメールの最後に「働き方改革推進中です」「19時以降のご連絡への返信は翌日以降にさせていただきます」とかスタンプが押してあると、うひゃひゃとおかしくなる。

などと考えながらアジア大会のサッカーを観る。
いやあ、しかし香港が準決勝に上がってくるとは想定外すぎた。イランのやらかしもたいがいである。というわけで今日の準決勝は香港が相手だ。
香港ならばいくらなんでも軽く一蹴だろう。開始5分でいかに香港が弱いかがわかってしまった。

そして大変に喜ばしいことに3点目は、我らがアルビレックスの小見くんが込めてしまう。国際大会初のゴールだろう。
解説の福田は新潟が嫌いなので、中継でもずっと小見くんをディスるわけだが、これで少しはあのおしゃべりな口を黙らせるのではないか。
レッズのレジェンドである福田が決してレッズの監督やコーチなどを引き受けないのは、少しでも負けが込むと実家がサポーターに襲撃されるのを知っているからである。
ワールドカップで監督をした西野さんも、実家が浦和市内にあるという理由でレッズとは距離を置く。

キーパーはアルビレックスの藤田だ。
今は栃木にレンタル中で、栃木では神と言われている。帰ってきたらアルビレックスの次の正キーパーだ。まだまだ物足りないところがあるが、このまま育ってほしいものだ。 というわけで次の決勝は韓国戦。案の定だ。
ヤツらは姑息にもオーバーエージを使っちゃってるし、負けちゃいそうだな。負けたら悔しいけど。

「アントニオ猪木とは何だったのか」集英社新書。没後1年のタイミングで、ターザン山本とか水道橋博士とか夢枕獏とか吉田豪とかの稿を寄せ集めた一冊。
オレは猪木が選挙に出馬したときに別れを告げた。平成元年だった。それ以降の猪木にはまったく関心がない。つまり昭和の時代の猪木しか知らない。
IWGP決勝の舌出し事件も、たけしプロレス軍団の国技館暴動も、前田日明異種格闘技戦のレオン・スピンクスどっちらけ戦も、現場にいた。
一番印象に残っている個人的ベストバウトは、蔵前での長州力とのシングルマッチだ。しふいなあ、オレ。
「1976年のアントニオ猪木」はノンフィクションの傑作で、オレはハードカバーはもちろんのこと、加筆された文庫版、さらにはいつでもどこでも読めるようにと電子書籍まで持っている。まさにコンプリートだぜ。


2023.10.03

おくちくちゅくちゅ


明け方、4時頃に目が覚めて、眠れなくなる。
見たらダメだと思いつつ、ついスマホを手に取ってしまう。
なぜかFacebookを開くと、プロレス関連のネタということで、なぜか星野勘太郎対ダイナマイト・キッドの試合がアップされていた。
どこかの地方の会場だろう。ワンカメラでずっと追いかけているから、テレビマッチではない。だが画像はテレビクォリティだ。テストで撮ったのか、不思議な画像だ。
カードは地方の穴埋めのカードに違いない。そこになんのドラマもないはずだ。
だが途中で明らかなシュートマッチに移行したのがわかった。

何が気に入らなかったか、突然星野勘太郎がキッドにフェースロックをして、手首の硬いところをぐりぐりとキッドの頬骨に当てた。これはもの凄く痛い。プロレスで、観客にわからないように相手を痛めつけるときの裏技だ。猪木も時々やってた。
これに切れたキッドが、星野勘太郎のタマを思い切り蹴り上げる。星野はギリギリでかわし、さらにブチ切れる。
そこからはパンチとどつきあいの応酬だ。
星野は、キッドの仕掛ける技を一切受けない。タックルもあっさりと潰してみせる。このあたり、さすがの底力だ。シュートに備えている。
背中を取ったら、肛門に指を入れようとする。これも観客にわからないように相手の心を折るための裏技だ。
さらに組み合うたびに何度かキッドの目に指も入れている。

あの前田日明を控え室まで追いかけて「アキラ、ここでオレと勝負しろ」とケンカを売った星野勘太郎。気の強さは天下一品だ。
もしかしたらこれは、星野勘太郎が「あのガキ、調子こいてるからちょっとしばいてやる」とテレビスタッフスタッフにシュートマッチを仕掛けるとこっそり耳打ちして、それで記録させたのかもしれない。だからこんな不自然な映像なのではないか。

地方に住む昭和の観客たちには、テレビマッチでもない地味なカードでの単なる殴り合いに、戸惑っている。というかこれがシュートだとは気がつかず、実に退屈そうだ。まったく盛り上がらない。
当然レフェリーは早い段階に異常な試合には気づいたものの、なかなか軌道修正できない。このままでは没収試合にするしかないかというところで、ようやく星野とキッドにささやきかけ、試合を終わらせることができたようだ。
突然星野がキッドの技を受け、最後はダイビングヘッドバットもちゃんと受けてみせて、あっさりスリーカウント。この瞬間だけ、会場が沸いた。

いやあ、たまにあるこういうシュートマッチは面白いなあ。虚実ない交ぜのプロセスの奥深さがわかる。
前田日明対アンドレ・ザ・ジャイアント、橋本真也対小川直也…。
特にかつての全日本女子は普段の人間関係がそのまま持ち込まれた試合ばかりで、試合の結果も含めて基本的にすべてシュートマッチだったとされている。
当時の試合をアジャ・コングやブル中野、豊田真奈美などが振り返って解説するという番組がU-NEXTで観られるのだが、これがとんでもなく面白い。

というわけでU-NEXTに話題は移るのだが、先日、娘が例の「VIVANT」全10話を一気見したいというので、とうとうU-NEXTに加入してしまった。
高いから入るつもりはなかったのだがなあ。
AmazonPrimeには以前から入っているし、Disneyチャンネルは息子の強硬な希望で入っている。
Netflixは、テーブルテレビにおまけでついている(おまけと言いつつ、ちゃんとその分が反映されて値上がりしている)。
TVerは無料だからいいとして、これにU-NEXを加えてしまったもので、イイムラくんに言わせれば「コンプリートじゃないですか」ということになってしまった。
やれやれ、なんと無駄なコンプリート。

ところがU-NEXTに入ってみてびっくり。コンテンツの充実ぶりが圧倒的なのだ。あの映画もこの映画も全部ある。何度も観返したいと思っていた映画が全部ある。
早速オレは片っ端からリスト登録していったわけだが、例えば「キツツキと雨」という小さいながら絶品の映画もしっかり観られる。役所広司の演技が最高なのだ。
これほど充実しているとは想定外すぎて、すぐにファーストチョイスがU-NEXTになってしまった。
皆さん、配信サービスに加入するならU-NEXT一択ですよ。
だからといってAmazonPrimeはショッピングのためにも切ることができないし、一番無駄だと思うNetflixはケーブルテレビとセットになってしまっている。
図らずもコンプリートしてしまったオレは、このままコンプリートを続けるしかないのかと、天を仰ぐのだった。

などと一人で呆然としていたら、神田駅がアース製薬駅になったというニュースが流れて、どれどれと見てみたら、本当だった。電車の発車ベルも「おくちくちゅくちゅモンダミン」のメロディーである。
うーん、これは斬新。
西口は「バスロマン口」、南口は「アースジェット口」だから、徹底している。
なんでもアース製薬設立100周年に向けた企画なのだそうだ。この手の仕掛けは最初にやったもの勝ちだから、もの凄いパブリシティ効果である。

アース製薬は一度取材に訪れたことがあって、神田というよりは淡路町駅が近い。
日用品を製造してきた長い歴史を持つ、B2Cのドメスティック企業ということで、実に穏やかな社風のいい企業だと感じた。あの社風なら、この手の誰でも笑顔になる仕掛けはよく似合う。
いったいいくらかかったのかは、わからないけれど。


2023.10.02

現在11位


先日の川崎戦で我らがアルビレックスはシーズンベストを争うような試合をしてみせた。
結果はもちろんのこと、内容でもあの川崎を圧倒したというのが誇らしい。
「すげえな、おい」と息子も言う。
「16分〜30分までのポゼッション率はなんと85%だとさ」
31分〜45分でも76.8%だ。
これは驚異的というか衝撃的というか、オレんちのチームとはいえ、あまりにエグすぎるだろうという数字だ。
要するに前半はほとんど川崎にボールを持たせてない。すげえな、おい。

夏の中断明け以降、つまり今年の後半戦に限れば、順位はなんと4位だ。
つまり前半より強くなっている。試合を重ねながら成長している。
この特異なサッカーを展開する上で、いかにチームとしての練度が重要かを示しているデータだ。
今年のシーズン前の評論家たちの予想ではほぼ全員が断トツの最下位にアルビレックスを挙げていた。その一番の理由が、選手のレベルだった。
J1で通用するのはごくわずかで、ほとんどの選手がJ2レベル。そんなチームがJ1でやっていけるわけがない、と。
ところがチームの練度が増すのと同時に選手個人の力量も確実に上がってきて、例えば島田なんて、当初はやっぱりJ1じゃ厳しいか、うーん、と思わせたのに、後半になってからグンと力をつけてきて、30歳を過ぎてもなお成長する姿を見せてくれている。
結局J1では厳しいというのは田上ぐらいではなかったか。

渡辺タイキのコンバートも大成功、長谷川タクミのコンバートも大成功。
特にタイキがディフェンスの大黒柱になっているなんて、去年の今頃には想像もできなかった。
「むしろあと1年でクビだと思っていた」と息子も言う。
それが今では中田浩二が「いずれは日本代表の道も」とまで評するほどに大化けしている。こりゃあ今年一番のぶったまげだなあ。
川崎を圧倒して、今年どうにも歯が立たなかったというのは鹿島ぐらい。つまりJ1でも互角に戦えている。
その上でさらに成長を続けて強くなり続けているチームが誇らしい。

キャプテンの堀米は「オレたちには一桁順位の力があるから」と仲間を鼓舞する。 もちろんサポーターもそう思っている。あと6試合。なんとかトップハーフに入りたいものだ。


2023.10.01

給水事件


老眼は不便だ。とにかく不便だ。
小さい文字が見えないから、いちいちメガネを外したり、かけたりしなくてはならない。
以前は遠近両用メガネを使っていたが、定期健診を受けている眼科医から「やめたほうが…」と言われてやめた。今は普通の近眼鏡である。
客先からインタビュー資料をもらっても、字が小さくて読めない。インタビューの途中でいちいちメガネを外したりかけたりすると鬱陶しいに決まっている。
オレが若い頃、そんなおっさんが現場にいたら嫌だったから、今はオレが若い連中に嫌がられないようにしなくてはならない。
そこで送ってもらった資料は編集し直して、大きな文字で印刷して持参するようにしている。人知れずこんな苦労をしているとは、若い連中は夢にも思わないだろう。オレもかつては夢にも思わなかった。

だが、そんな苦労ももはや必要ないと思わせるメガネが誕生した。
ViXion01という製品である。なんと見る距離に応じて自動でピントを調節してくれるメガネというのだ。すげえぞ、これは。
ただかけているだけで、遠くを見るとき、近くを見るとき、瞬時に判断してピントを調節してくれる。ということは、これさえかけていれぱ遠近両用どころか、どんな目の状態にもジャストフィットするということか。
こりゃあJINSもやばいな。
このメガネ、クラウドファンディングで開発されたそうだ。目標額500万円のところ、なんと4億円も集まったというから、期待の大きさがわかる。くそう、オレも支援するんだった。

立ち上げたのはHOYAを退職した技術者らしい。
HOYAってオレも何年間か仕事をしたことのある会社だ。実に興味深い会社で、それまで謎に包まれていたところが、取材したらいろいろと見えてきて非常に面白かった。日本にこんな見識の会社があるんだなあと驚いたものである。
例えばこの会社の社長に何度かインタビューしたことがあるが、ついぞ一度も「社会のため」「日本のため」という言葉を聞くことはなかった。そのことを広報担当者に指摘したら「そんなことはまったく考えてません、うちの会社」と笑っていた。
稼ぐことだけが企業にとって唯一の正義であるというのだ。それはそれで見識だと、オレは思うのだった。
なにしろハードディスクに使われるガラス基板では、一時、世界シェア99%という圧倒的なシェアを誇ったこともある会社だ。稼げば文句ないだろうという言葉にも実に説得力があった。
そんなHOYAを辞めた技術者が開発したのが、この驚異的なメガネというわけだ。

HOYAといえばレンズである。事業に占める割合は高くないが、メガネのレンズやコンタクトレンズでは高いシェアを誇る。特にコンタクトのアイシティはシェア一位だ。
つまりピントを瞬時に合わせてくれるメガネが誕生すれば、従来のメガネやコンタクトレンズは市場を食われてしまうことになる。これをマーケティング用語で「カニバっちゃ
う」と言うのだが、要するに共食いしちゃうからそんな技術は認められんと言われた技術者が会社を飛び出したということなのではないか。
想像ではあるが、スジは通る。
本当のところはともかくとして、オレもこのメガネには興味津々である。早く市販されないものだろうか。クラファンに支援しておけばよかったのだが、もう時既にお寿司。市販されるのを待つのみである。

などということを考えながら今夜は、アジア大会の北朝鮮戦を見る。もちろんメガネはしっかりかけている。
もともとよくわからんチームだが、コロナで完全に国の門を閉めてしまったので、ますます見えなくなった。いったいどんなサッカーをするのか、まったわからない。
そして試合が始まって仰天する。最初から全力疾走。何でもかんでも全力疾走。技術はまったくなくて、恐ろしいほど下手くそで、戦術理解度もゼロなのに、とにかくフィジカルで真っ向勝負してくる。
きっと日本戦ということで、勝たなければヤツらは国に帰ってとんでもない目に遭うのだろう。冗談でなく命がかかっているかもしれない。そりゃあ犬のように走りもするだろう。
加えて応援団がめちゃくちゃで、北の選手がボールを蹴っただけで「ぎゃーっ!」と叫ぶ。一体何ごとか。ひょっとして日本はいま、とんでもないピンチなのかもしれないと錯覚してしまうではないか。

日本が先制し、後半、北が追いつく。見事なゴールだった。
その瞬間、まるで優勝したかのような大騒ぎで、選手スタッフがピッチになだれ込んで転げ回る。おいおい、同点になっただけだぞ、そんなことで時間を食い潰している場合じゃなくて、すぐに再開して逆転を狙うのがサッカーの常識だろう。
もちろん北の国に常識なんて通用しない。

驚いたのは給水だ。
プレーが途切れたときに日本のスタッフが選手にペットボトルを配っていたら、そこに北の選手が襲いかかってペットボトルを奪おうとする。
びっくりした日本人スタッフが、これは日本のものだとばかりに遠ざけようとしたら、なんと北の選手は日本人スタッフをぶん殴り、ペットボトルを奪ったのである。強奪、略奪、強盗。
このシーンはしっかりとカメラに収められて、しかもレフェリーの目の前だったので、すぐさまイエローカードが提示された。
このペットボトルの略奪は後になっても行われ、オレのものは国のもの、人のものはオレのものという、かの国の現実を世界に教えてくれたのである。

試合後も仰天したぞ。なんと試合終了の笛が鳴った瞬間に北の選手たちはレフェリーに襲いかかり、追いかけ回して、恫喝したのだ。自分たちの思った通りの判定を下さなかったことに激怒しての狼藉である。
きっとこのまま帰ったらとんでもない処分が待っているのだろうなあと思うと、哀れであったが。
ともかくこうして何年に一度かという北との真剣勝負が終わった。珍しいものを見せてもらった。

なお、アルビレックスの小見はアディショナルタイムの時間稼ぎに交代出場。もはや戦力として期待されていないようだ。
パスをもらいに行っても誰もボールを預けてくれず、そんなシーンを見ると、選手同士の信頼も失ってしまったのかと悲しくなる。ここは試練だ、小見。めげずに乗り越えろ。


2023.09.30

中指事件


鳥栖対京都のゲームがえらいことになっているというので、ブレーバックを見る。
1-2で鳥栖が負けたまま、アディショナルタイムに突入だ。
結果は既に知っていて鳥栖が3-2で勝っている。だが、ちょっと見ただけでも、とても鳥栖が勝つなんて信じられない。どうしてこれで鳥栖の勝ちなんだと、息子とオレは首をひねる。

すると突然、ゲームが止まった。繰り返すがアディショナルタイムである。
なんだなんだと思ったらレフェリーが交信している。行進していたら審判大集合という映画でも始まったのかと思うところだが、交信だからVARのチェック中だ。
だが、反則も何もなかったし、中継の連中も「どうしたんでしょうかねえ」「何でしょうねえ」と首をかしげるし、スタジアムのサポたちもぽかんとしている。
一体何なんだ。

今日の主審は例の山下良美さんである。Jリーグ初の女性審判だ。技量は十分ではないがよくやっていると思う。器量は…知らん。
すると山下さんは両手で例のテレビポーズを作って、オンフィールドレビューを始める。
スタジアムはどよめき、放送席も「おおっ、オンフィールドレビューがっ」と驚く。息子とオレも何だ何だと慌てる。
そしてオンフィールドレビューの画面に映し出されたのは、なんと京都のアピアタウィアがレフェリーか相手ペンチに向けてか定かではないが、中指をおっ立てている様子だったのである。
スタジアムはさらにどよめき、放送席はおったまげ、息子とオレは腰を抜かし、そして山下さんはためらうことなくアピアタウィアに向かってレッドカードを出したのであった。
中指即レッドカードなんて初めて見た。いや、VARはよくこんな一瞬を見逃さなかったものだ。いや、VARだから見逃さなかったわけで、しっかり仕事をしたということか。

アピアタウィアは、どこをどう見ても黒人なのだが、日本で生まれて日本で育った日本人である。
中指を立てたのは、そこに至る理由があるはずで、もし主審に対してならば判定への不満だし、相手ベンチに対してなら中傷的な何かを言われたのだろうと想像できる。「ク※ンボ」とか「ハン※ーグ」とか。後者は鈴木武蔵がよく言われたらしいが。
「どうせ外人だから日本でバカにしてもわからないだろうと思ってヤジを飛ばしたら、実は日本人でしたっていうオチじゃないか」とは息子の解説である。
ともかくこんなシーンは初めてで、実に興味深い。案の定、当のアピアタウィアと京都の選手たちは山下良美を囲んで猛抗議するが、映像としてしっかり残っちゃってるんだからルールの解釈云々でもなければ事実誤認でもないわけで、アピアタウィアは一発退場しかない。
大男たちに囲まれて猛抗議を受けるも一切引くことなく、クールに対応してみせた山下さんは見事だった。

アディショナルタイムにこんなことが起きてしまえば、残りはオマケみたいなもののはずだが、しかしここからゲームは急展開。1人少なくなった京都は動揺しつつも逃げ切りを図るものの、これまたマグレみたいな鳥栖のゴールが続けて2点も入っちゃって、なんと100分を超えて逆転勝ちだ。
こんなのは数年に一度レベルのゲームである。いやあ、珍しいものを見せてもらったぜ。 京都のキジェ監督は激おこだろうと思ったら、ただ呆然とするばかりで、そりゃまあそうだろうなあ。

こんなとんでもない試合を見ちゃったものだから、本来書こうと思っていた小野伸二引退が後回しになってしまった。
さすがに引退か。もったいないなあ。稲本のように南葛SCに移籍して最後のプレーをしてほしかった。南葛ならオレも気軽に小野伸二を観に行けたのに。
文句なしに日本史上最高のプレーヤーである。誰もが仰ぎ見る選手で、間違いなく天才だった。そのボールさばきは、同業のプロが見て溜息を漏らすほどだ。
見ているだけで観客を幸せにしてくれるプレーヤーなんて小野伸二だけであり、ニコニコ楽しそうにプレーする表情を見ているだけで、神様に選ばれた選手なんだなと思わせてくれた。
試合を見に行くんじゃなくて小野伸二を観に行くんだ。
そう言わせる、唯一の選手だった。

怪我が多かったことに加えて、走るのが嫌いという選手だったから、なかなか試合に絡めなかったのは確かだ。残念である。
酒が大好きで、若い頃は試合が終わったら六本木へ直行して深酒をしていたらしい。若い頃はそれでもよかっただろうが、もっと自制して身体をいたわっていたなら、と思う。残念だけど。
今後はどうするのだろう。
指導者には向いていないから、というか小野伸二に教えられても困るだけだから、解説者になってサッカーの楽しみを教えてほしい。そして時々ウルトラマンDASHで超絶テクニックを披露してくれればいい。


2023.09.29

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△△○○36


自衛隊員を募集しても4割しか集まらないそうだ。とんでもないことである。日本はどうなってしまうのだ。
国を守るために熱く燃える若者が入隊を決心しても、おんぼろの隊舎を見た親が仰天して「こんなぼろ家に我が子を住ませられないざます」と引き留めてしまうケースが後を絶たないのだという。
国のために体を張る若者たちに、もっといい環境を提供しなければ。万博のカネはこっちに回せ。大阪のバカ。

などと国防の意識に体を震わせながらオレは、川崎戦を見る。アウエーだ。
オレは仕事があったので現場には行けない。息子が友だちを連れて、武蔵小杉の等々力スタジアムまで駆けつけた。「友だちに新潟の闘いを見せてやる」と意気込んでいた。国防の若者も大切だが、アルビサポの若者も大切である。
川崎にはアウエーでは10年以上勝ったことがない。オレも等々力スタジアムでの勝利は見たことがない。
今日もどうせ負けだろうなあ。

ところが、どうだ。なんと3-2の大勝利。しかも先制され、逆転し、追いつかれ、突き放すという神展開。こんなゲーム年イチあるかどうかだよという内容なのだ。
同じパスサッカーを試行する川崎相手にボール保持率で圧倒し、決定力でも圧倒する。こんな日が来ようとは、アルビサポをやっててよかった。
例えば前半15分あたり、約2分間にもわたって川崎に一度もボールを触らせず、延々とパスをつなぎ続けたのにはしびれた。
その後の三戸のスーパーミドルには目まいがした。あんな軌道のシュートは見たことがなくて、チームメイトでさえビビっていた。
そして3点目の太田のゴールは、これぞ太田というシュートで、決定力とはこういうゴールのためにあるのだと教えられた。
これからサッカー界はいろんな行事があるので約2週間のお休みになる。この間を幸せな気分で過ごすことができる。なんと素晴らしいことだ。

息子も友達にこんな神試合を見せられて、さぞ誇らしかっただろう。
息子は昨日、大学院の入試に合格した。楽勝だろうと思っていたのは親だけで、実は相当な難関であったことを後になって知り、こりゃあ不合格の場合の備えも必要だなと思っていたところだった。何しろ息子は大学院進学を前提に、就職の内定を断っている。もし入試に落ちたらニートだ。
そんな状況ではあったのに、息子は難関をくぐり抜け、しっかりと合格してみせた。オレはお前が誇らしいぜ。
今日の神試合は、そんな息子へのご褒美だったのだろう。現地で見られて、よかったなあ。


2023.09.28

ドンシャリ


以前、学研で音源制作を手伝った楽曲、つまりオレが作曲・編曲・録音・ミックス等を行った音源が、別の本に再収録されて出版された。
それに伴って版元である学研から「音源再利用のギャラをお支払いしますよ」という連絡が来た。
些少である。文字通りの些少である。居酒屋に一回行けば軽く飛んでしまうほどの額だ。 それでも何もしていないのに入ってくるわけで、文字通りの不労所得。こんなにおいしいことはない。

これでは著作権商売を一度でも味わったらやめられないだろうなあ。
ゴールデンボンバーも、大喜びで何度でも「女々しくて」と飛び跳ねるだろうし、ピコ太郎もどんな格好だってしちゃうわけだ。一発屋万歳。オレも一発屋になりてえよ。
伝説として伝えられているのが「あの素晴らしい愛をもう一度」で、加藤和彦は詞をもらって5分ほど鼻歌を歌って、この曲を作ったらしい。5分は大げさとしても、それに近い感覚で作曲したのは確かだろう。
これだけで加藤和彦は一生食えちゃったから、著作権商売は最強だ。
いやいや、話によれば加藤和彦は「あの素晴らしい愛をもう一度」の印税をプライベートスタジオづくりにつぎ込んでしまって、晩年はあまりお金がなかったらしい。ネットの噂だけど。

そんな加藤和彦にはとても及ばないが、オレも何もしないで不労所得を得たのは確かだ。
毎日コツコツ、地道に400字書いてナンボなんていう仕事をしているのが馬鹿馬鹿しくなる。
いやいや、こういう発想こそバブルの元凶。土曜日返上で地道に働いてこそ美徳だ、と自分に言い聞かせる。

再利用音源が納められたという見本誌が届いた。
音源がついているはずなのにCDはない。あれえと思ってよく見たら、「スマホ・タブレットで聞ける」とある。確かに楽譜にはQRコードがついていて、なるほど、今はもうそういう時代なのね。
いや、とっくに世間はダウンロードにサブスクの時代ではあったのだが、こと保育の現場ではでっかいラジカセを前に置いてCDを回し、みんなで一緒に踊ることが今でも普通に行われているのだ。
そのためCD添付が当たり前だったのだが、それがちょっと変わってきたようだ。

ラジカセでみんなで聞きましょうという音楽の場合、アレンジやミックスでは、ドンシャリの音を意識する。ドンシャリとはオーディオやスタジオ用語で、低音がどんどんして高温がシャリシャリする音楽のことだ。よくヤンキーが大音量でカーオーディオを流しているが、あれがドンシャリの典型。
下品な音なので、アレンジャーやエンジニアは「ドンシャリかよー、しょうがねえなー」という具合に薄笑いすることが多い。
そんなドンシャリの音は、みんなで聞きながら一緒にお遊戯する際に、ぴったりなのだ。 ラジカセでなくてスマホやタブレットで聞くようになると、ドンシャリも関係なくなるのかなあ。
まあ、いいや。不労所得をいただいた身としては、何も文句はありません。どうぞご自由にお使いくださいってところだ。


2023.09.27

社会派の日記なのだ


今月は消費税の引き落としがドカンとあった。
娘の半年分の学費をドカンと払った。
毎月の国民健康保険に加え、固定資産税に都市計画税をドカンと納めた。
わずか1日で100万円近くが飛んでいった。
泣きたい。泣いてもどうにもならないが、泣きたい。
どうしてこんな国になってしまったのだよ。

かつてのバブル時代、リゾート法という法律ができた。施行は1987年である。
これは派手にぶち上げたぶん、やはり派手に失敗した。カネを使ってどんどんレジャー施設を作り、国民はカネを使ってどんどん遊べという法律だったから、今考えれば失敗するのは当たり前だった。
そのちょっと前だったと思うが、週休2日制が一気に企業に浸透した。それまで土曜日は午前中だけ仕事をして、昼飯前に退社するというスタイルが普通で、これは半ドンと呼ばれていた。
半ドンがなくなり、どこもかしこも週休2日が当たり前になるのは、あっという間だった気がする。
当時、そのあまりの変節ぶりを目の当たりにしたオレは、真面目に働く人が小馬鹿にされ、派手にカネを使って遊ぶ人がもてはやされるようになるなんて、実におかしな時代だと思ったものだった。
そして半分本気で、週休2日制はアメリカの陰謀ではないかと疑ったものだった。
今にして思えばオレの妄想は、実は的を射ていたものだったのではないか。
おかげでジャパン・アズ・ナンバーワンと言われて浮かれていたオレたちは、遊びほうけている間にあっという間に転落していって、中国に抜かれ、台湾に抜かれ、シンガポールに抜かれ、インドに抜かれ、もうすぐタイにも抜かれようとしている。アメリカの陰謀は実に恐ろしいものだったのだ。

そのあげくに、収入の半分以上を税金や社会保障費にぶんどられるという異常な国家になってしまったわけだ。自業自得ではあるが、なんだか悔しい。
勤勉で思慮深く、真面目に生きてきたのが日本人。やっぱりバブルに踊って遊びほうけたのが最大の間違いだったなあ。


2023.09.26

いきなりヒマになったでござるの巻


どこかの政治家が「人口減少は今や国難」と言っていたが、確かになあと共感する。
今年の婚姻数は去年より25%も減ったそうで、そりゃあ、人口も減るわな。
今日の日経新聞にも書いてあったけれど、恐ろしいのはこれが入り口だということだ。今後人口減はさらに拍車がかかって、日本人がどんどん減っていく。
それを見て川口に住むクルド人が「クルド人は平均して5人の子どもを産む。このまま行くと日本人よりクルド人の方が多くなる」とニヤニヤしているそうだ。
日本人の数が減ってどんどん年老いていって、若いクルド人がどんどん増えていく。そんな社会が本当にくるとしたら、日本は合法的にクルド人に乗っ取られることになる。
ちなみに今、クルド人と書いて変換をミスったら、“来る土人”となってしまった。なんとなくイヤーな感じは共通するものがある。

家の近くにOKストアができる。
という報せがあって、はや2年。広い土地は確保され、あとは工事が始まるのを待つだけだった。
ところが工事はさっぱり進まず、今や敷地は草が荒れ放題。歩道にまではみ出して、住民は文句たらたらである。
話を聞いたところでは、どうやら工事を始めようとしたら遺跡が出土したのだそうだ。
なるほど、近くには川が流れているから、大昔の人たちがここに集落を築いたのも納得できる。
出土したのはたいした遺跡ではないだろうから、知らん顔して進めれば良かったのにと、こちらは外野なので好き勝手なことを言う。
そしてどうやらその遺跡の発掘も一区切りが着いたそうで、工事再開の兆しだ。
大昔に川の畔で暮らしていた人たちも、まさか自分がOKストア出店の邪魔になるとは予想もしなかっただろう。

先日、Let's noteを買った。言わずと知れたパナソニックのパソコンである。みんなで国産を買いましょう。
もちろん中古である。新品なんてとても手が出ない。
外出時にスタバで使う、セカンドマシンだから、中古で十分だ。どう書くのはこの日記ぐらいだし。
驚くほど格安で手に入れたLet's note。クリックした当日にアマゾンから届いてさらにびっくり。なんとも驚きの軽さだ。
今まで持ち歩いていたChromebookがあまりに重かったので、この軽さは衝撃である。加えてLet's noteは頑丈さでも有名で、100キロぐらいの衝撃にも耐えてしまうそうだ。すげえな。
中古といってもしっかり整備されているのでまったく抵抗なく使える。Officeもインストール済みだから、届いてすぐに使えちゃうのだ。なんて便利なのだろう。
問題はバッテリーである。たぶん展示品だったと思われるので、バッテリーがだいぶへたっている。とはいうもののフルで充電したら5時間は使用できるという表示だったので、問題ない。その後の減り方のスピードが速い感じだが。
なかなかいい買い物ができたと喜んで、息子に見せびらかす。どうだ、Let's noteだ、いいだろう。
息子は「おお、いいじゃん、くれ」といってあっさりオレから奪ってしまった。息子にカツアゲされる父、65歳。高齢者を虐待するんじゃねえよ。
せっかく手に入れたLet's noteを略奪されてしまったので、仕方なくオレはもう一台購入した。だってそれぐらいの安さなんだもの。
これなら1年使って捨てても惜しくない。


2023.09.25

岐阜で散々な目に遭ったでござるの巻


岐阜は山の中である。海もなければ娯楽もない。しかも遠い。
今日はそんな岐阜まで行った。岐阜といっても外れの方である。名古屋から名鉄で1時間もかかる、ど田舎だ。
昼めしを済ませてから来てくれということだったので、ど田舎駅に着いたらスタバかドトールでサンドイッチでもと思っていたのだが、名鉄が走るにつれて商業施設はすっかり姿を消し、これはスタバどころかコンビニでさえも危ういと思い、慌てて途中下車して見つけたコンビニでおにぎりを2個買い、再び乗り込んだ名鉄で食べて難を逃れたのであった。

ところが一難去ってまた一難。
タクシーできてくれと言われていたのだが、ど田舎駅にはタクシーなんて影も形もなかった。
タクシー乗り場がない。いや、道をタクシーが走っていない。よく見ればど田舎駅は無人ではないか。自動改札だけがぽつんと置いてあるのでSuicaでも大丈夫だったが、もしこれが自動改札でさえなくて、きっぷを箱に投げ入れる方式の駅だったら大惨事ではないか。 いや、今はタクシーだ。
これから呼んでも着くまでに15分はかかりそうだ。調べてみたら目的地の工場までは徒歩20分。
なるほど、歩くか。オレんちから駅までは16分。いつも普通に歩いているから20分ならどうってことはない。ということでオレはYahoo!ナビを片手に歩き出したのであった。

そして見事に迷子になる。
畑の中に工場が建ち並ぶようなエリアである。しかもここは岐阜。日本のチベット。
目指す工場らしき建屋は遠くに見えるのに、道が見えない。
行き詰まったオレは仕方なく先方に電話したのだった。
すんません、とほほ、迷っちまいました。
先方は「どちらにいらっしゃいますか」と聞くのだが、オレは畑の中ですと答えるしかなく、先方も「ここらは畑ばかりですが」と困り果てる。そりゃそうだ。
結局オレは電話を持ったままうろうろする。そして来た道を戻ったらば偶然目の前に工場の門が。神はオレは見捨てなかった。
「あー、見えます見えます、姿が」と電話越しに安堵の声が聞こえ、どうにかこうにかオレは目的地にたどり着いたのであった。

岐阜には20年以上前、一週間ほど滞在したことがある。仕事だ。
岐阜市内のホテルに泊まり、毎日車で往復3時間かけて山奥の村へ取材に通ったのである。
素朴で美しくて、とてもいい村だった。ここで食べた蕎麦は、今でも一生で一番旨い蕎麦だった。
村の温泉に入ったら隣の裸のオッサンが村長だったりした。おばちゃんたちは底抜けに明るく、山の幸をいろいろと勧めてくれた。

だが驚いたのは、日が暮れてから岐阜市内へ帰ろうと、山道を走っていたときのことである。
カーブを曲がるたび、数人の若者がしゃがみ込んでいる姿がヘッドライトの光に浮かび上がってきたのだ。彼らはまぶしそうに、そしていぶかしげに視線を向けてきた。
翌朝、村役場の人に、夕べのアレはなんだったんですかと尋ねたら「遊びに行きたくても遊ぶところがない若い連中が、時間を持て余してたむろしているんです」とのことであった。彼らも今ではいいおとっつぁんだろうから、今度は彼らの息子たちが同じように山道にたむろしているに違いない。

もっとも事情は県庁所在地の岐阜市内でも同じようで、週末の夜、食事に出かけた我々は、市内のあまりの荒れ方に仰天した。
当時でさえ珍しい、いわゆるシャコタンのヤンキー車が表通りをブイブイいわせて走り回り、泥酔したお姉ちゃんがそういう車に引きずり込まれていくのを、周囲がはやし立てている。
なんていうところなんだ岐阜はと、遊ぶところなど山ほどある東京暮らしの我々はのけぞったのである。

取材仕事を終えたオレは、もう歩くもんかと、タクシーを呼んでもらえませんかと先方にお願いした。「じゃあ送っていきますよ」という答えを密かに期待したオレの心は見透かされたのか、先方は「今呼びますね」と明るく返事をしてくれたのだった。
そして待つこと15分。タクシーは来ない。入り口の守衛が気を利かして、タクシー会社に問い合わせて催促してくれた。
そしてようやく20分経ってタクシーがやって来た。やっぱり歩くのと変わらないではないか。
タクシーに乗り込んだオレは、守衛が教えてくれた一番近いナントカ駅までお願いします、と伝える。運転手はしばし熟考して、「名古屋へ行かれるならカントカ駅のほうが近いですよ」と答える。
あ、そうですか、じゃあカントカ駅までお願いしますとオレ。
タクシーは方向転換し、カントカ駅を目指す。そして到着したらば運転手、済まなそうに「やっぱりナントカ駅のほうが近かったみたいです」と言うのだった。
黙ってりゃわかりゃしないのに、きっと正直で誠実な運転手なのだろう。オレは、いえいえ、大丈夫ですよ、と答えたのであった。

想定外のタクシー待ち時間があったため、予定していた新幹線には名古屋駅でダッシュしなければ間に合いそうになかった。ダッシュはしたくないので、オレは一本遅い新幹線に予約を変更する。エクスプレス予約は本当に便利だ。
そうしたらちょっと大きな駅で名鉄の車内にアナウンスが響き「名古屋駅へお急ぎの方は4番線の特急に乗り換えてください」という。あれ、乗り換え案内はそんなこと、言ってなかったぞ。
オレはアナウンスに促されるままに4番線に回り、そして特急に乗り換えた。そして当然のように当初予定していた新幹線にダッシュしなくても余裕を持って乗れる時間に着いてしまったのである。

どうもことごとく目論見が外れる日のようである。そういや今朝の「めざましテレビ」の星占いでは、水瓶座は11位だったなあ。
そういう日もあるだろうと納得したオレは、別に急いで帰ることもないと、おにぎり2個で我慢していた胃袋をなだめるため、名古屋駅地下のラーメン屋でラーメンをすすったのであった。
そんな散々な一日だったが、唯一よかったのは新横浜駅からの乗り換えである。武蔵小杉で副都心線西武池袋線直通の東横線特急に座ることができ、そのまま1時間、ゆっくりと座って帰れたことだった。神様は一日頑張ったオレをいたわってくれたのである。
駅まで迎えに来てくれた息子の運転する車に乗り込んで家に帰り、すぐさま風呂に入って、そして飲んだビールの美味いことといったら。


2023.09.24

日曜の夜はイッテQ!


ガンバ対浦和を見る。
試合前に差別撤廃の選手宣誓が行われ、ガンバの宇佐美が「差別や暴力のないスタジアムを目指しましょう」と訴えると、2階席に押し込められた浦和のサポーターが腕組みをして憮然としながら、オレたちのことかよという表情をしていたのが惜おかしかった。
試合は荒れ、浦和のホセカンテが宇佐美にヘッドバッドを食らわせて、一発退場。
なぜか食らった宇佐美にもイエローカードが出て、試合後に宇佐美が「どうして被害者のオレにカードが」と首をかしげたのも当然のこと。こういうレフェリングだからJリーグの浦和忖度が疑われるのである。

夜はお楽しみの「イッテQ!」だ。受験生の息子も、時間になったらドタドタと降りてきて、ぎゃははと笑いながらメシを食い、そしてまたドタドタと上がっていった。
オレは気分良く酔っ払って、そして早く寝る。


2023.09.23

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△△○33


同じチームを応援し続ける楽しみの一つが、選手の成長物語に触れられることだ。
渡邊泰基もその一人である。

タイキはアルビレックスの下部組織出身。つまり地元のサッカー少年団出身みたいなものだ。
トップチームに昇格し、身体能力の高さから大きな可能性を感じさせたが、いかんせんチキンハート。ビビりまくって、見ていられなかった。
もっと思い切ってやればいいのに、チカラはあるんだから。
そんな思いで、いつもモヤモヤしながら見ていた。
その後タイキは修行のために金沢に出向させられ、柳下監督のもとでとことんしごかれる。なにしろ昭和の部活の監督だから、特にメンタルは徹底的に鍛えられたようだ。
そして本籍のアルビレックスに帰ってきて出場した春の川崎戦。マッチアップの相手はあの家長で、誰もが家長にボコボコにされてビビりまくるチキンなタイキを想像したのだった。
ところがどっこい。なんてこった。タイキはその家長に真っ向勝負を挑んでボールを奪いきり、勝利につながるパスカットを見せてくれたのである。
仰天した。そして大きな拍手を贈った。
以来、タイキはセンターバックとして開眼。今や押しも押される大黒柱だ。

そして今日のにっくき横浜FC戦では、なんとゴールまで決めて見せたのである。
直後の「え、オレ?オレでいいの?」という振る舞いこそびびりのままだったが、満面の笑顔にスタジアム中が大きな拍手を贈ったのだった。
あのチキンのタイキがこんなにも立派になって。その間の努力を思うから、誰もが拍手なのである。
そんなタイキのおかげで今日は3-1の完璧な勝利。素晴らしいではないか。

これでうまくすればJ1の一桁順位を狙えるところまで来た。この1.5軍のメンバーで、本当に上出来である。おかげでこちらもずいぶんと幸せなシーズンを過ごさせてもらっている。
来年はこの中からどれだけのメンバーが残るだろうなあ。キーパーの小島は移籍だろうし、三戸君もオリンピックが終われば海外だろう。
ステップアップは仕方ない。感謝しながら送り出すのみである。
でも、できるなら一人でも多く残ってれないものか。このチームをもっと長く見ていたい。


2023.09.22

市ヶ谷飲み


久しぶりにイイムラくんと飲んだ。市ヶ谷の居酒屋である。
取材仕事の帰りで、一日中働いたから、ちょっと疲れたのだ。じゃあ軽く一杯、という流れも自然なことである。
フリーをしていると、この「帰りに軽く一杯」という機会のないことが寂しい。だから仕事仲間で時々こうした時間があるととても嬉しくなる。
イイムラくんもオレも、長い酒ではない。早く帰って早寝したいほうなので、暗黙の了解で1時間と決めて、ビールを飲む。

先日オレは地元の怪しい居酒屋に突撃してはしゃいだけれど、その後は足を向けていない。どうも外で飲むのが一段と面倒になってきたようだ。
なんつったって家飲みが一番楽ちんよ。
そんな気分が常にあるから、あまり居酒屋などには行きたくなくなってきた。
いかんなあ。もっと攻めないと。
そうは思うものの、ついつい面倒になってしまう。
考えてみれば新宿御苑時代は、2人の事務所娘を連れて毎晩のように居酒屋で暴れていたものだ。よくあんな元気があったものだ。
イイムラくんとは、案の定、軽く1時ほど飲んだところで、じゃあ帰りますかねと腰を上げる。既に眠い。
こういうサクッとした飲みが、今は心地よい。

陸軍と海軍と空軍が一緒に写っている珍しいカレンダーを片手に地下鉄に乗って帰る。
家で勉強していた息子にLINEして、駅までクルマで迎えに来てもらった。
帰ったら風呂に直行して汗を流し、そして今夜のおかずにヨメの作ってくれた肉じゃがをつまみながら、チューハイを飲む。やっぱり家飲みが一番楽ちんだなあ。


2023.09.21

黒タンゴ


今ではすっかり過去のことのようになってしまったけれど、マイナンバーのトラブルの後始末はどうなったんだろう。
ちょっと計算してみたが、自分のマイナンバーカードが他人に紐づけられたりといったトラブルに遭遇する確率はわずか0.001%ぐらいじゃないか。
トラブルが怖いからマイナンバーカードなんて返上するぜといきっているハゲは、交通事故が怖いから自動車に近づくのはやめるぜと言ってるのと同じだ。もちろんハゲはそんなことに気が回るわけもなく、今日も元気にクルマに乗っている。

マイナンバーカードの次は、あれだ、処理水放出だった。
中国どころかフランスあたりでも日本より多くの処理水を放出していることが明らかになったというのに、汚染水と騒ぎ立てているのは、いかに福島の人々を傷つけているかということに無自覚であることの証明だ。
処理水へのいちゃもんが無理筋とわかってからは、次の標的は神宮外苑の再開発だ。何度も言うが、これは老害ノスタルジー。桑田のバカなんて、自分がバカであることを知らないものだから、あんな恥ずかしい真似をしてしまう。
海外のなんとかという団体がいちゃもんをつけてきたことで反対派の連中は鬼のクビを取ったように鼻息荒いが、どうして日本の法律に基づいて日本の国内で行われることに、海外の団体如きが文句をつけるのだ。このデタラメぶりに気づかないことこそ、老害の証明。ボケてる証拠。
日本にまともに税金も納めなかった坂本龍一が小池百合子に手紙を出したこと自体、痴呆の振る舞いである。
若い世代は神宮再開発に賛成している。だって経済の活性化につながるもの。
失われた30年の張本人たる老害たちは、若者を前にして恥ずかしくないのだろうか。

そして今度はインボイス反対の声を上げようと騒いでいるようだが、インボイスなんて絶対に話題にならない。だって国民のほとんどにとって関係のない話だもの。
立憲あたりが問題化しようとたくらんでいたようだが、国民の関心が薄いことに政治家が手を出すわけがないから、これはスルーだろう。
同様にガソリンの値上げをなんとかしろと騒ぐ声もあるが、よく聞けばガソリン代を補填しろと言ってるわけで、どうして車に乗らない人の税金を車に乗る人にあげなきゃならんのか、理屈が通らない。要するにオレの財布だけが心配なのだろう。
物流コストが上がって物価が、というならば物流業者に補填すればよろしい。

なんていうことを考えてぶつぶつ言っているから、オレも人相が悪くなるのだろうか。外出しないでネットで自分の気に入ったニュースだけを眺めていると、こんなふうに偏った思想の持ち主となる。


2023.09.20

だからオレもライブのお声がかからないのか


人手不足で大型のコンサートが開けないという記事か読売新聞に載っていた。
ドームのコンサートだと、音響照明で150人、警備のアルバイトに300人が必要なのだという。コロナで関連の仕事を辞めてしまった業者が多いこと、時給が低くて人が集まらないこと。働き方改革で1つの仕事を複数で分け合わなくてはならないことが原因らしい。
困ったものだ。
オレはドームのコンサートなどには行かないから困ってはいないのだが、これは音楽業界だけでなくて、いずれサッカーにも影響してくるのだろうなあ。
先日はB'zのライブで事故が起きたけれど、この様子だと八重洲の建設現場のような大ごとがいずれコンサート会場でも起きるのではないか。
困ったものだ。


2023.09.19

赤いチームは日本の敵


暴動騒ぎの罰として浦和に下ったのが、来年の天皇杯の出場権剥奪だとさ。
たぶんこうなるんじゃないかなと思っていたら、本当にこうなったので呆れた。日本サッカー協会はどうしてこんなにも浦和レッズに対して弱腰なのだろうか。きっと学閥やらなんやらの力関係なのだろう。ひどいものだ。
案の定、浦和のサポは喜んでいる。
もともと天皇杯なんて、出たくはないのだ。プロチームとして出場しないわけにはいけないから、厳しい日程をやりくりして、どのチームもギリギリの状態で出場しているのだ。
でも、来年は大手を振って休めるから、浦和はむしろ休憩たっぷりでリーグ戦に集中できるというわけだ。
ほんと、無意味な懲罰だ。せめて天皇杯優勝賞金と同額の罰金と、無観客試合ぐらいは課すべきだったのである。
今回の懲罰で2000年以降、浦和の受けた罰は11回だとか。どうしてこんなチームが野放しなのだろう。
先日の鹿島のチャントも酷かったし、もうそろそろ浦和と鹿島を解体してもいいのではないのだろうか。
浦和と鹿島がなくなれば、Jリーグの問題の過半は解決するような気がする。
早く解体してほしいものだ。テントのように。


2023.09.18

怒りのローリングソバット


「VIVANT」が終わった。
よくもまあこんな大嘘をと呆れるほどデタラメなドラマだったが、ホラは大きければ大きいほど面白いのも確かで、ここまで振り切ってくれると毎週が楽しみであった。
阿部寛・佐藤優・両津勘吉を絶対正義と信じている息子は、「やっぱり最後は阿部寛だったろう」と鼻高々である。
一方、TVerで遅れて見た娘は、傍らで「ここはドラゴン桜」「ここは半沢直樹」と余計な解説をするオレにブチ切れて、タイガーマスクのローリングソバット並みの速射砲キックをオレにぶち込むのであった。いててて、娘よ。だが、オレは娘に殺されるなら本望だよ。

終わったのはいいけれど、匂わせばかりで回収されない伏線が多すぎたのも事実だ。
一番は医者の二階堂ふみだろ。赤飯食って顔をしかめたり、目玉焼きが4つだったり、思わせぶりなことばかりで何も回収されず。堺雅人もこんなのにコロッと惚れるんじゃないよ。
小日向文世が結局単なる不倫オヤジだったのも謎だった。わざわざ小日向文世を使っておいて、まさかこれで終わりじゃないよなと思ったら終わりだったので、国民全員、大いにずっこけてしまったのである。
これはドラムも同じで、きっと何か派手なことをやらかすに違いないと思ったら、何もしないで単なるおもちゃで終わってしまった。いいのか、これで。
オレの推しはチンギスである。一見、悪の王みたいな登場であったが、よく考えてみればこいつは何も悪いことはしてなくて、一貫して自分の仕事に忠実な真面目な公務員だったのである。
しかも最後に自分の出自を明かすとは。まさか、アレだったとはなあ。いやあ、チンギスに拍手だ。

もっとも一番の匂わせは最後だろう。
あれだけ堺雅人は射撃の腕が天才的で、急所を外すことができると振りまくっておいた結果の、あれである。絶対に役所広司も急所を外され、生きているに決まっている。
そして、死体を誰にも見られずに現場の始末をしたと阿部寛が言ってるから、役所広司がそのままどこに運び込まれて生きているのも間違いない。
二宮なんちゃらはバカだから、ころっと騙されて砂漠に墓なんて建てちゃって、堺雅人はそれを聞いて「ぷぷっ、バーカ」と笑っていたではないか。
一番悪いのは公安も騙した阿部寛なのか。そうなると「さすが阿部寛」と息子の鼻息がますます荒くなる。
ということは、これは2年後噂される続編では、実は役所広司は生きていましたちゃんちゃんというところからスタートするという、ホラも二度続くと怒られるぞという内容になるのではないか。それはそれで楽しみである。

「ハヤブサ消防団」も終わった。
こちらは原作とはだいぶ異なる展開となってしまった。原作が、広げすぎた話の回収がうまくできずにバタバタと終わってしまったのと同様、ドラマもうまく回収できずにごにょごにょと終わってしまったという印象である。
中村倫也は好きな役者だが、川口春奈なんかにコロッと騙されるあたり、アホすぎる。
せっかく彼女ができたと思ったら勧誘でした笑。

途中までホラー要素、ミステリー要素がなかなかいい味を出していたのだがなあ。
これはやっぱりタイトルの印象通り、ハヤブサ消防団の面々が消火活動をしながら、過疎地の村で起きるしょぼい犯罪を解決していく、ハヤブサ探偵団のドラマにしたほうがよかったのではないか。
村の外れに暮らす90歳のババアの家に詐欺集団が押し入って、金を盗まれた。→ババアはボケていただけでした
村にやって来たミステリアスな女についていったらラッセンの版画をローンで買わされてしまった→中村倫也が「だから女には気を付けろとあれほど」と怒る
なんていうしょぼい犯罪を、中年の探偵団が、腰をさすってよぼよぼしながら解決していく。そして毎回エンディングでは居酒屋で乾杯して、ボスが窓の外の夕陽を眺める。
そんなほのぼのするドラマでよかったような気がするなあ。
そうでなければ、やっぱりルミナスソーラーはテントの命令で土地を買いあさっていて、最後にハヤブサ消防団は役所広司たちとの決戦に臨むという話でよかったのではないか。

まあよい。こうして今シーズンのドラマは終了。
オレお気に入りの松岡茉優の「最高の教師」も見ようかと思ったのだが、第一回のダイジェストがあまりにうんざりするような陰湿な内容だったので、週末にこんな胸くその悪い話を誰が見るか、と思って拒絶してしまった。
テレビドラマなんて家族でメシ食いながら眺めて、わははは、騙されてローン組んだ男もバカだぜ、わははは、と言い合うのが面白いのだ。
娘よ、いちいちオレにローリングソバットをかますんじゃないよ。
というわけで、一シーズンに2つもドラマを見るのはオレとしては珍しい。しばらくはお休みだ。
それにしても「VIVANT」を見ると、いかに役者が大切かという当たり前のことに改めて気がつく。役所広司と堺雅人の対決なんてやっぱり素晴らしく、特に役所広司は一流の名にふさわしい存在感だと感心する。
役者がよければ、それだけでドラマを見るのが楽しくなってくる。


2023.09.17

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△△30


最近のアルビレックス新潟の戦術は、70分ぐらいまでとにかく耐えて、残り20分で相手がヘロヘロになったあたりにスピードを活かして切れ込んで勝負するというものである。
前節の浦和戦はこれがよくはまった。
この戦術で肝になるのが、右サイドの渡辺タクミである。
タクミは圧倒的なフィジカルを誇る肉体派のプレーヤーだ。ゴリゴリのドリブルで前進し、相手を次々と吹っ飛ばす。その様子は「タクミは今日も相手を轢いていた」と表現される。
浦和戦でも、あの明本相手に勝負を仕掛け、何度も轢いて、明本を吹っ飛ばしていた。
そんな状態でタクミに代わって出てきたのが驚異のスピードスター、松田。ほんど轢死体と化した明本はとんでもないスピードで突進してくる松田にうんざりし、そして置き去りにされたのだった。

今日もこの作戦は奏功した。
相手はガンバである。
タクミが相手を潰し、松田がスピードでかき回した。そして千葉→木→三戸という目の覚めるようなカウンターが決まり、実に鮮やかな得点を決めて見せたのである。
もっとも快勝したかと言えばそうじゃなくて、これでなんとか同点に追いついて引き分けに持ち込んだのであるが。

それにしても笑ったのはガンバである。
かき回されてヘロヘロになったのはいいが、そこまでヘロヘロになるものなのかと。度を過ぎたヘロヘロぶりだ。
イスラム教徒でラマダン中は絶食しながらJリーグに出場していたチュニジア人のジェバリは、ヘロヘロになりすぎてもはや立っているのがやっと。アルビレックスのゴール前に立っているだけで精一杯で、歩くことすらしんどかったか、攻撃をことごとく潰してくれた。
たまげたのは、あの宇佐美である。宇佐美貴史だ。
かつてはホンモノの天才と称されたこともあるこの男は、もはやポンコツ。老害。ゴミ。オレが言うのではない、ガンバのサポがそう言うのである。
途中出場しても、スペースがあるのに面倒くさがって走らない、仲間にボールをパスしても走らずフォローに回らない、そのくせ自分にパスが出てこないとふて腐れる。
プレーはサボるくせに態度はガキ。これはまさに腐ったリンゴで、ベンチに置いてはいけない選手だ。酷暑の中、走り回っていたファン・アラーノがブチ切れるのもよくわかる。

という具合にガンバのポンコツぶりを笑っていたら、なんとか1-1の引き分けに持ち込めて、まずは最低限の結果だ。Jリーグも残り7試合。なんとか残留してくれれば、今年は上出来だ。


2023.09.16

バ鹿島


しかし、改めて鹿島アントラーズというチームとサポーターとその地域が大嫌いになったわ。そしてちょっとだけJリーグにうんざりしたわ。
鹿島とセレッソの試合を見たんだけれど、前半に鹿島にレッドカード。ピトゥカが相手に大けがをさせかねないファールをしたのである。
決して悪意があったファールでないのは確かだが、危険な行為はレッドカードが決まりである。ピトゥカにレッドが出たのは当然だった。
選手が抗議するのは当然としても、監督、スタッフが同じレベルでブチ切れるのはどうか。あげくにコーチにまでレッドが出た。
前半だけでレッドが2枚、しかも1枚がコーチという謎展開である。監督もコーチも、恥ずかしいと思わなくてはならない。こんな連中にサッカーなんてしてほしくない。
呆れたのがサポーターだ。「審判下手くそ審判下手くそ」の大合唱である。これは見ていて心底吐き気がした。

そこには相手チームやレフェリーへのリスペクト一切ない。あるのは強烈な自意識のみ。
オレたちが絶対正義という醜く肥大した意識過剰ぶりである。さすが北関東の陸の孤島。正しいのはオレらでヨソ者は絶対に認めないという村八分の構造そのものだ。
Jリーグ初代王者のプライドがそうさせるのか、J2未降格の自信のせいなのか。
いずれにせよ歪んだ自意識が露骨に現れていて、チームもコーチもサポも、そして鹿嶋市も、大嫌いだと再認識した。


2023.09.15

じゃがりこ事件


目がしょぼしょぼして、目やにも出ているので、目薬を差そうとドラッグストアへ買いに行った。船橋駅前のマツモトキヨシである。
なんで船橋駅前にいるのかというと、今日は船橋にある某研究所でインタビューだからだ。
マツモトキヨシの開店は9時である。
ドラッグストア業界は今とても面白くて、1位がイオンが買収したウエルシア。2位がツルハでマツキヨは3位だ。ヨメがよく通っているスギは6位である。これに何が面白いかというと、再編含みのごたごたがくすぶっているからである。
主役はウエルシアの株主でありながらツルハにも出資しているイオンだ。このあたりの業界のごたごだぶりを追いかけていくととても面白いのだが、非常にややこしくてうまく整理するのも難しく、今日はやめておこう。
要するに業界全体が嵐の前の静けさ。にらみ合いを続けている。

船橋駅前には数百人というとんでもない行列ができていたので何ごとかと思ったら開店前のパチンコ屋の行列だった。さすがに船橋らしい民度で、その隣にマツキヨはある。
開店と同時にオレは店に入り、目薬を買った。目薬マニアのオレは、今日は40代以上向けの疲れ目に効くという目薬を選んだ。
レジに行って差し出すと、案の定。会員アプリはあるか聞いてくる。もちろんない。いらない。
いつもなら、ないというだけでスルーするのであるが、レジのお姉さんが言うには、今インストールしてくれたら15%割引しますわうっふんということであった。
目薬は案外高い。今日買ったのも1500円もする。その15%ということは、案外おいしいではないか。
瞬時にそう考えたオレは、朝一番の買い物でレジ行列もできていないことから、アプリをインストールする。これが、想像はしていたものの、実に面倒くさくて手間のかかるアプリだった。
住所氏名に電話番号、郵便番号。パスワードまで設定させられてあげくに確認の再入力まで。PCならともかく、スマホでこれは実に面倒だ。
やれやれと言いながらやっと終わって、ようやく精算。と思ったらdポイントが使えるというのでポイントを貯めて、PayPayで支払う。ここまですべてをスマホで行うわけだが、さくっと現金払いの方がよっぽど速くて簡単ではないか。DXとは物事をややこしくして、人をうんざりさせるだけではないのか。

ようやっとすべてが終わり、袋は要らないと言って受け取った目薬を持って店を出ようとしたら、レジのお姉さんが「いま、アプリのお礼にじゃがりこを差し上げています」と言い、レジの前に3種類のじゃがりこを並べて「どれがいいですか」とニコッと笑うのである。
じゃ、じゃがりこかよ。
これから取材に行くのだ、勘弁してくれ、と言ってオレはそのまま立ち去ったのであるが、じゃがりこを手にしたまま研究所を訪れたらどういう反応が返ってくるのだろうと想像するのだった。


2023.09.14

大惨事


本日は終日在宅である。5人ものリモートインタビューをこなさなくてはならない。
もちろん楽勝である。束になって係ってきやがれってなもんだ。
電車に乗らずに金儲けができるなんて、オレは勝ち組だぜと鼻を伸ばす。
先日リモートインタビューした人はカルラをオフにしていた。男性でこれは珍しい。
どうしたんですかと聞いたら「髪がボサボサで」との返事。なんのなんの、そんなものはちっとも気にしません、私だって下半身はとてもお見せできません。
リモートインタビューの時は誰だってそんなもんだ。
だから今日もオレは上だけ素肌にワイシャツを羽織り、下はワークマンかどこかで買ったヨレヨレのズボンである。
そしてお茶はカメラに映らない場所に隠しておいて、時々こっそり飲むことにしている。 今日もそんふうに準備万端だった。
ところがインタビューか始まった途端、オレはお茶の入った湯飲みを手に引っかけ、ひっくり返してしまったのである。
あわわわわ、えらこっちゃ、お茶をひっくり返してしまいました、あわわわ。
慌てふためいたオレはそう口走ってティッシュを引き寄せて、机を拭く。メモ帳もびしょびしょだ。
なんという無様な事態なのだろう。リモートワークだからといって油断してはいけないということを、オレは改めて学んだのだった。


2023.09.13

ベローチェ問題


「VIVAN」がいよいよ最終回を迎えるというので、オレも物語の行く末を推理する。
テロ組織・テントが土地を買いあさっているという話だ。なるほど。これはきっとソーラーパネルを設置するのが本当の目的だ。
つまりテントの正体はアビゲールで、日本が最終目的というのは、ルミナスソーラーを使って土地を買い占めていることでも明らかだ。よって最終回は、テントとハヤブサ消防団の直接対決が見られるのではないか。
局またぎの、なんと壮大なドラマなのだろう。

などということを考えながらオレは、取材仕事の前に東銀座のカフェ・ベローチェに立ち寄った。この店は店内が広くて落ち着ける。
店に入ったら、レジ前が行列だ。
よく見ると先頭にはベトナムかマレーシアか、あのあたりの観光客集団が5、6人。わいわいやりながら注文していた。
どれにする、おれはこれだ、ちっと待てこっちのセットが安い、それならトーストも。 そんなことを言いながら注文を相談している。
注文する際は、店員がホットかアイスか、レギュラーかラージかなどと聞き、支払はキャッシュかカードかPayPayかなどと重ねて確認するものだから、1人当たりの注文で5分はかかっている。ものすごいスタックだ。
その様子を見て呆れたのか、列を離れて帰っていくおっさんもいた。
こうしてオレの番までくるのに15分もかかってしまったのである。

レジの担当は新人らしく、ちょっとたどたどしかった。滞留しているならレジを増やし、注文を受ける係と支払の係に分業すればいいのに、そんな素振りもない。店長は何をやっているのだ。
そしてオレの番が近づいたあたりでようやくベテランのおばちゃんが「やっぱりアタシがいないとダメね」という雰囲気をたっぷりに漂わせてレジに加わったのである。いや、ベトナム人はあらかた片付いたし、オレの番になって急にそんなにに張り切って「店内ですかっお持ち帰りですかっ」とつっけんどんに聞かなくても。
この店のオペレーションはダメだな。チェーンのくせに本部の指導が行き届いていないのだろう。今度C-Unitedに言って聞かせないと。
朝のコーヒーを飲むだけでもぐったりと疲れてしまい、これも要するにオーバー・ツーリズムなのだろうと思うのだった。


2023.09.12

見つけてしまったかもしれない


その店は、街のはずれにある。
バス通りに面していて、人の通りもそこそこあるから、決して立地が悪いわけではなさそうだ。
だがその店には、赤提灯も看板もなく、窓ガラスに大書された店名は薄れかけていて、要するに「見つかってほしくない」と思っているようなのだ。そして店内は外からはまったくうかがい知れず、漏れてくる灯りも薄くて、まるで「中に入ってきて欲しくない」と主張しているようでもあるのである。

数日前に発見して気になっていたその店に、本日、息子を伴って二人で突入した。
引き戸を明ければ店内は案外に広い。客のひとりが驚いたようにこちらを振り返り、そしてなぜだかにこやかに「こんにちは」と挨拶してきた。
カウンターの中にいる大柄な男が店主のようである。
二人だけどいいですかと言い置いて、オレは返事も待たず、息子と並んでカウンターに腰掛ける。清潔な店内だ。
えーととオレはカウンターの上に視線を走らせ、次いで壁をぐるっと見渡す。それんなオレの姿に「ウチはメニューがないんだよ」と店主は答えるのであった。
えっ、メニューがないの。こりゃどうも。えーと、とりあえずビールください。
「ビールなら、そこから出して」と店主は店の隅にある冷蔵庫を指さすのだった。えっ、そういうシステムなのか、この店は。オレは戸惑いながらも冷蔵庫を開け、そして、おっ、サッポロがあるじゃんとつぶやいて星のマークの瓶ビールを取り出した。外食ではサッポロビールが好きと示すと、だいたいこの客はわかってるじゃないかと見られる。姑息だ。
えーと、こっちはウーロン茶でと息子を指したら「それならそこから好きなの取ってきて。200円」と店主は段ボールに積まれたソフトドリンクの山を示すのだった。

手酌でサッポロビールをコップに注ぐオレを見ながら店主は「食べられないものある? ウチは魚しかないけど」と言う。
ない。何でも食う。
そう応えると店主はにやりと笑い、おもむろに包丁を取り出して調理を始めるのである。
そして出てきたのがなんと味噌汁。シジミとたらこの海鮮味噌汁だ。ちょっと待て、オレはビールを飲んでいるのだぞ。仕方なくオレは味噌汁をつまみにビールを飲む羽目になったのだが、この味噌汁がうめえっ!
続けて、白子とあん肝のお通しが出てきた。白子はさっき取り出したばかりのピチピチだという。オレは、新鮮な白子は白くなくて薄い紫色だと初めて知った。当然、これも美味いっ。
メニューがない店である。その後も店主が作りたいモノを作って出してくれるというスタイルで様々な海鮮が出てきた。
「イクラは今週が一番美味い。来週になると堅くなる」と言われて食べたイクラは確かにとろとろだった。ぷりぷりではない。とろとろだ。
オレは驚いた。このクォリティ、ちょっとすげえな。

えーと、こうやって次から次へと出てくるものを食べるシステムなのかなと聞いたら、店主は「途中で十分になったら言ってくれ、止めるから」と答える。なるほど。行きつけの寿司屋のようなものだな。旬の海鮮が直で出てくる。
ビールが空になったのでチューハイをと言ったら、案の定「そこから取ってきて飲んで」という。わははは、こりゃ楽ちんなシステムだ。店主も一切接客しなくてすむ。
というか、一人で好き勝手に料理して出しているのだから、注文なんか聞く気がないのだろう。すみませーん、お代わりください、と言われても対応できないから、勝手に飲め、ということになる。

次第にわかってきたのは、この店主、本業が豊洲の仲買人で、朝買ってきた魚の中から適当なヤツを店で出しているということだ。つまり儲けなくていいから客に美味いものを食わせたいと考えて始めたのがこの店だったのである。
なるほど、それならいろいろ腑に落ちる。そんなに大勢の客には来てほしくないから目立たないようにしているし、注文に応える気がないからメニューもない。
なんと素晴らしい。斬新な店だ。

カウンターには他に3人の客。光が丘の大工と、光が丘のうどん店のオーナーと、「こんにちは」と挨拶してきたのは韓国人留学生のようであった。
この光が丘のうどん店のオーナーがトイレに立ち上がったと思ったら、帰ってくる途中で店のどこからからギターを引っ張り出し、そして突然「ファンキー・モンキー・ベイビー」を弾き語りで歌い始めたのである。
衝撃の光景だった。だが店では当たり前のことらしく、店主も客も何も言わない。オレと息子は口を開けて呆然とするのみだった。うどん屋、ギターが上手い。

途中、店主が「ここまででこれだけ。もっと食べたければ言って」と伝票を走らせる。
6300円。このクオリティで2人だと思えば、驚くほどの安さだ。うーむと、唸る。
「いいウナギがあるけど3000円。食うか」と聞かれ、それは次にしようと考えて、断った。 実になんとも不思議な店で、これは再訪決定。誰かを連れていきたい。
「食べたいものがあれば、電話して。用意しておくから」と帰りがけに店主が言っていたので、どうやらオレたちは合格だったようだ。問題はちょっと遠いことで、オレんちからだと歩いて20分。駅からでも歩いて10分。
いやいや、それよりも、電話番号がどこにも書いていないことである。いくら調べてもわからない。
「電話して」と言っておきながら。
これは直接聞くしかないだろうなあ。


2023.09.11

人生は短いのだ


暑いのと寒いの、昔は寒いのが苦手だったが、今は暑いのがキツいなあ。
これも加齢ということなのだろう。
とほほである。人生のサマータイムが終わりを告げれば、秋から冬なのだ。

この手の例えでわかりやすいのは、人生を一日に置き換えるやつだ。
人生80年として0時に生まれて20歳に6時になる。人生の夜明けを迎えるわけだ。
そして午前中を過ごして40歳で正午になる。折り返しだな。
午後をぼけっと過ごすと、気がつけば60歳になってたちまち18時の夕暮れだ。
すると残りは24時のご臨終まで、夜の時間を過ごすことになる。
オレは今たぶん19時ぐらい。
こう置き換えると、急に焦ってくるから面白い。
くそう、つくづく午前に遊びほうけたのが悔やまれるぜとか。


2023.09.10

土曜の夜と日曜の朝


今日は「VIVAN」だなあと思って朝から楽しみにして、それまでの時間つぶしにと映画を観た。「アキラとあきら」だ(漢字とひらがなの順序は逆だったかもしれない)。
原作は池井戸潤。よって舞台は銀行。メガバンクの非道なところなどを、例によって池井戸潤は楽しそうに描いている。ただ役者がイマイチで、例えば上白石萌歌(萌音だったかもしれない)が優秀な銀行OLだなんて、やっぱり違和感たっぷりだ。

などとぶつぶつ言いながら早く「VIVAN」が始まらないかなあと新聞の番組欄を見て仰天。いまどき、新聞のテレビ番組欄を見てワクワクするなんてオレんちぐらいのものだろうが、とにかく仰天したのだ。
なんと19時から「VIVAN」の特別番組が生中継であって、毎週見ている「イッテQ!」か20時から90分のスペシャル版で、だいすきな「家、ついていってイイですか」が20時半から90分のスペシャル版で、フジテレビでは19時から「逃走中」を2時間半スペシャルだ。ちなみに「逃走中」には完全に台本がある。
民放各局が日曜夜にいろんなものをぶつけてきて、よく見ればNHKも大河ドラマじゃなくてラグビーワールドカップを19時半から22時半までやるじゃないか。

オレの日曜のレギュレーションは、20時から「イッテQ!」を見て馬鹿笑いして、21時から「VIVAN」を見て混乱と興奮の中で酔っ払って寝るというものだ。それが今夜はどうしたらいいか、たちまちパニックになる。
番組欄を握りしめながら仁王立ちのオレは、自分に落ち着けと言い聞かせ、そして冷静に考える。
ラクビーや「逃走中」は、そもそもまったく興味がないので除外していい。
「家、ついていってイイですか」は、TVerであとで見られる。CM飛ばしができるので、むしろそのほうがよい。あの番組は、他に何も見るものがないときの時間つぶしには最高だ。「相席食堂」と同様に。
となると問題は「イッテQ!」と「VIVANT」である。

番組欄をよく見てみると、あれれれ、今日の「イッテQ!」は女芸人の合宿じゃないか。90分拡大でこれかよ。日テレ、逃げたな。
この瞬間オレは「イッテQ!」は見捨てて、「VIVAN」の生中継特番から一気にドラマへと、19時から23時まで、ぶっ通しで「VIVAN」を見ることに決めたのであった。
ところがそんなときに限って「VIVAN」はつまらなかった。今さらそんなことはわかっていたようという内容の謎解きをされたって、店舗は悪くなるだけだし、阿部寛やドラムは出てこないし、つまらなかった。ぶつぶつ言いながら酔っ払ったオレは、とっとと寝たのである。


2023.09.09

嫌われ町田の敗戦


今Jリーグで最も嫌われているチームは浦和レッズでも鹿島アントラーズでもなくて(いや、浦和も鹿島もなかなかの嫌われ者だが)、ご存じ、町田ゼルビアである。
スポンサーがサイバーエージェントになり、監督が青森山田の黒田になって、一気にヒールとなったのが町田。
その試合のスタイルはまさにアンチフットボールで、時間稼ぎが酷いし、すぐにファールで止めるし、何か言われても「ルール違反じゃないから」と知らん顔だし、球団はそれに輪をかけて傍若無人の振る舞いだし、とにかく関わるものすべてをブチ切れさせるという、とんでもない芸風になってしまった。

例えばこいつらは時間稼ぎに何でもかんでもロングスルーなのである。ロングスローというのは確かに戦術の一つであるが、あれはサッカーではないということで、だいたいのチームはやらない。恥ずかしいからだ。
やるとしてちも格下のチームか、負けているチームが、ここぞという場面で仕方なくやるだけである。そうでなければ恥ずかしいから。
だが町田は違う。やたらめったらとロングスローをする。勝っている試合では必ず全部ロングスローだ。
しかも町田は、ボールを拭くためのタオルを、丁寧に四つに折りたたんだ上に、ジップロックに入れて置いている。ジップロックの開け閉めだけでも時間がかかるといのに、ご丁寧にいったん取り出したタオルを「これは違うなあ」とばかりに四つに折りたたんで元に戻し、ごそごそと別のタオルを取り出す始末。
まさにアンチフットボール。こんな恥ずかしくてみっともない時間稼ぎをしておいて「ルール違反じゃないから」としれっと言うから、関わる人間すべてがブチ切れるのだ。
3年前までは穏やかで上品ないいチームだったのだがな。

そんな町田の黒田監督が数日前、インタビューに応じて、こう言った。「どうしてウチだけが叩かれるんだ」と。
代表ウィークで選手が抜かれるのは困る、J2にも休憩が必要だ、ということがインタビューの主眼であって、それはそれでまともな意見だから大切なことなのだが、続けて「どうしてウチだけが」とやるから、周囲はまたブチ切れる。
どうしてウチだけが? それを言うなら、わからせてやろうか。
そう考えて行動に出たのが、今日の栃木だった。というわけで、町田-栃木戦をDAZNで観たのだが、これか実に面白かった。

何と栃木が枠内シュートゼロで勝ってしまった。
町田のオウンゴールの1点を守り切るために、栃木は普段町田がやっている時間稼ぎをそっくりそのまま、やり返した。途中投入された矢野貴章なんて凄かったぞ。コーナーフラッグの近くでボールを保持し、1分でも2分でも、このままボールキープしてやるという態度だった。
これは鹿島の選手が得意な汚い手なので、Jリーグ専門用語で「鹿島る」という。ちなみにロスタイムに失点して負けることを、一時期の新潟がよくやったので「潟る」という。
矢野貴章の鹿島るに激怒したのが町田の選手。人って、普段相手にやっていることをやり替えされるのは、本当にイヤなものなのだろうね。町田の連中は目を三角に「きたねえぞ」「時間稼ぎすんな」と暴れ出す。
酷かったのが、足をつってライン際で倒れた栃木の選手を、町田の選手が持ち上げでピッチ外へと放り投げたことだ。大げさではない。本当に放り投げたのだ。
まさに目を疑う行為で、即座にイエローカード。これはレッドでもおかしまないほどの乱暴なプレーだった。

このシーンを観た多くのサッカーファンは、いつだったかの高校選手権の決勝で、怪我で倒れた相手選手(静岡商業だったような)を、青森山田の選手が無理矢理引きずり起こして立たせようとしたことを思い出した。
怪我した相手への思いやりなどまったくないその行為は反スポーツプレーとして散々叩かれ、当時の黒田監督はどんな指導をしているのだと非難囂々だった。
今回の町田の選手の行為も、それとまったく同じ。ははあ、黒田の指導は青森山田とまったく一緒じゃねえか。

青森山田がみんなの敵であるように、今や町田ゼルビアはみんなの敵。
栃木は、町田が普段やっていることをそっくりそのままお返しして勝ってみせたことで、Jリーグファンは拍手喝采なのだった。しかも立役者の矢野貴章は元アルビレックス新潟、ファインセーブ連発のキーパーはアルビレックス新潟からのレンタルである藤田ということで、これは町田を新潟が蹴散らしたも同然なのだった。
その意味でも大変に気分がいい。なんで町田が叩かれるのか、今日のゲームで選手も監督もよくわかっただろう。わかってもやめないとは思うが。


2023.09.08

トカラの法則


朝からトカラ地方で小さい地震が続いている。そのためネットでは「トカラの法則」でざわついている。
「トカラの法則」とは、トカラ地方で地震が続くと数日後にどかーんと大きいのがくるという現象のことだ。
ネットの与太話か都市伝説レベルかというとそうでもなくて、東日本大震災も熊本地震も、トカラ地方で群発地震が発生した数日後に起きている。トカラ地震も内科医トラフも同じフィリピンプレートで起きるとされている。
マジか。マジなのか。
結局今日のトカラ地方の群発地震は50回以上になったそうだ。
そして夕方には宮城県沖で震度4だった。これで済めばいいのだが、果たして。


2023.09.07

13号


「で、明日のことなんですがね」と、席に着くなり担当者が言う。
明日? 台風だな。
「そうなんですよ、台風が直撃しそうじゃないですか」
それなのに明日はこの会社で、今日に引き続きインタビュー仕事がいくつか入っている。
「電車が止まるかもしれないし、なるべく在宅勤務にするようにという命令が出まして」
お、そうなのか。こりゃ、ひょっとすると。オレはちょっとワクワクする。
「こちらもどちらかというと在宅勤務するようにと言わなくてはならない立場なので、その中、あえてインタビューのために遠方から社員を呼び出すのもどうかということで」
おっ、来た。来たぞ、これは。
「明日のインタビューは中止にさせてもらって、後日またということでいいでしょうか」
いいですとも、いいですとも。
なにしろ今週は忙しい。原稿が山のようにあるというのに、まるで手をつけられていない。 そろそろやべえなと思っていたところだから、明日、急きょ予定がキャンセルになると原稿を書く時間ができる。これはめっちゃデカい。
ええ、ええ、そうですね、社員の皆様の安全と健康と子孫繁栄のためにも、明日はそりゃもう、キャセルの方向で。ええ、ええ。
オレは眉を寄せて、非常に残念だという表情を作りながら、会議室のテーブルの下でガッツポーズをする。
そんな具合に予定外に余裕が生まれたものだから、オレは家に帰ってとっととシャワーを浴びて、そしてだらだらと過ごしたのだった。


2023.09.06

大手町はカフェが少ない


いやあ、今週は長いなあ。
今日は朝から大手町。大手金融でインタビューである。
疲れる。暑いからなおのこと疲れた。
昼過ぎに家に帰ったら、まだ夏休みが続いている娘が、スマホ片手にゴロゴロしている。うらやましい限りである。
そんな娘の様子を片目で眺めながら、オレは原稿仕事に向かうのであった。


2023.09.05

老害ノスタルジー


サザンなんちゃらの桑田なんちゃらが、バカなくせして例の神宮再開発にいっちょかみして、もう三井不動産や伊藤忠のCMはできなくなるなあと笑われていることについて、オレの思うところを書いたのだが、あまりに酷い罵詈雑言のオンパレードでとても人様には見せられないと考え直し、いま、こうやって書き直している次第。
老害ノスタルジーだよなあ。
再開発を反対するのは、左巻きのじじいにばばあばっかり。SNSを見れば、若い世代はみんな賛成している。
文句があるなら神宮外苑にいえ。世間を巻き込むな。
そもそも「日本の税金が高くてイヤだ」とアメリカに引っ越して暮らしていたくせに、がんにかかったら「アメリカの医療費は高くてイヤだ」と日本に帰ってきた坂本龍一が小池百合子に手紙を出して再開発反対を訴えたというあたりから気運が盛り上がってきたわけだが、日本で税金も払わずに医療費だけガメていった、つまりは後の世のために税負担をしようという思いなんてまったくなかった乞食に共感するあたり、左側の人たちの頭の構造が知れる。


2023.09.04

ビールだみゃー


本日は名古屋である。
朝から暑い。夕方まで暑い。とにかく湿気がひどいのだ。
あんまり暑いからこのまま新幹線で帰るわけにはいかず、駅の近くの蕎麦屋でビールを飲むことにする。もちろんビールだけで終わるわけがないから、チューハイも飲む。それもメガサイズのジョッキだ。
つまみは味噌カツやおでんやチョリソーなど。
駅の中の店なので、いろんな客が出入りしていて、制服姿の駅員も三々五々。そそくさと蕎麦を食べては引き上げていく。

一時間半ほど飲んでほどほどに気分が良くなったところで、新幹線に乗って帰る。
問題はそこからだ。いや、新横浜駅に到着してからだ。
新横浜線に乗り換えるために降車したオレは駅の外を歩いて新横浜線の改札に向かう。当然、暑い。せっかく飲んだビールが全部流れ出てしまった。
それでも品川や池袋で乗り換えることを考えれば、新横浜線は大変にありがたい。確実に座れるし。
暑さのあまりへろへろになって地元の駅に帰り着いたオレは、息子の運転する車に乗せてもらってやっと家に到着する。そのまま風呂に直行してシャワーを浴び、やっと一息ついたのだった。

一息ついて、もう名古屋でまずい味噌カツ食ってきたから晩飯はいらないよと言いおいて、それでもヨメが作ってくれた肉じゃががあまりに美味そうだったので、それをツマミに続けてチューハイを飲む。
テレビでは相変わらずバスケで大騒ぎだ。羽田空港へファンが出迎えて「感動をありがとう」という例のやつなのだが、沖縄から帰ってきただけだよなあ。
いやまて、そもそもバスケはグループリーグ敗退じゃないのか。まるで優勝したみたいな騒ぎだが、グループリーグ敗退という結果について冷静に分析して次につなげていくべきではないか。
テレビでは相変わらず日本の得点シーンしか流さないし、だめだこりゃ。

黒船ダゾーンが襲来してから日本のスポーツマスコミの薄っぺらさ、バカさ加減が顕になって、コアなファンは地上波には見向きもしなくなった。Abemaで本田圭佑が見つかってから、松木安太郎は相手にされなくなったのだ。
今や地上波は感動をありがとうと言いたいだけのミーハー、ネットはコアファンがシビアな目を向けるという具合に棲み分けがはっきりしてきた。だから地上波が羽田空港の騒ぎに盛り上がるのはいいけれど、これだけではちっとも前には進めないのである。
もっとも選手や関係者は、そんなことは百も承知のようなので大丈夫だろう。

ついでにBSで熊谷紗希のドキュメンタリーを見る。
ヨーロッパを主戦場とする熊谷は、澤に続いて最も成功した女子サッカー選手だろう。自らのポジションどりとコーチングでチーム全体を動かしてみせる、ボールに触れないサッカーは実に見事だ。
代表の引退はもうちょっと先に延ばして、しばらくは頑張ってもらいたいものである。


2023.09.03

医療ドラマはだいたい面白い


ふと気がつけば、いつの間にか秋である。 いや、そんなことはない。もちろん最初から秋だとわかっていたに決まっている。
8月は世間が夏休みということもあって、月の半分ぐらいしか仕事をしなかった。困ったものである。
その反動というわけではないが秋に入った途端に忙しく、9月の予定は既にいっぱい。10月も半ばまで予定が入っている状態だ。ありがたい話である。
こんなことを書くと取引先各位は、どうせヤツに連絡しても断られると決めつけてしまうに違いない。
ちょっとちょっと、お客さま。そんなことはないですよ、私、どんなお仕事も断らない主義ですよ。ぜひご一報を。
忙しいのはありがたい。受注産業のフリーランスなのだから、声をかけられてナンボだ。 ぜひお客さま各位は、お電話またはメールでご発注を。
などと言いながら、とりあえず予定の原稿は全部書いてしまったので、今日の日曜日は完全にオフである。何の予定もない。
そこで時間つぶしにアマプラで「ラジエーションハウス」という映画を観た。本田翼、窪田正孝とか、なんであんなに下手なんだろうなあ。もっといい役者を使ってほしいものだ。
山崎育三郎も演技が大きすぎて、あんなに元気な重症患者がいるわけねえだろと突っ込んでしまう。
などと暇つぶしにどうでもいい映画を観ながら、勝手にぶつくさ言うのもヒマな日曜午後の醍醐味。本田翼の医者もどうかと思うが、和久井映見の医者には絶対診てもらいたくないなあと思ったのだった。


2023.09.02

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×△29


アルビレックス新潟が天敵・浦和をホームに迎えたビッグスワンで、悲鳴が上がった。なんとスタジアムのすべてのトイレが故障して、水が流れなくなってしまったのである。
「自分のウンコはお持ち帰りください」というアナウンスが響き渡ると、「新潟の嫌がらせにしても酷すぎる」と浦和サポータの怒髪は天を突き、「おまえらが大挙してやって来たからだ」と新潟サポは浦和サポに指を突きつける。
この日はジャニーズのコンサートが新潟で行われたため、市内のホテルは満室。浦和から日帰りできる距離とはいえ、さすがに諦めたサポも少なくなかったようだが、それでも5000人もの浦和サポがやって来た。まったくもってヒマなヤツらである。
「オレ、出禁だからアウエーしか来られないの」と言ってるサポもいたらしく(本当)、あれえ、アウエーも出禁じゃなかったっけともやもやも広がる、そんな空気のスタジアムだった。
浦和サポはバカだから、暑い暑いと言ってビールを大量に飲んでいる。中にはゲームが始まる前に4杯も飲んだバカがいたそうだ。そんな連中への天罰とばかりトイレが故障したのである。

もちろんトイレが故障して困るのは新潟サポも同じである。いやいや、選手だって審判だって困るだろう。中止になるのか。前代未聞のトイレ故障による中止。これは世界的なニュースだ。
と思ったら、試合開始前になって故障は直ったようで、スタジアムには「トイレが直りました、皆さん!」というアナウンスが流れた。その瞬間、スタジアム中に「ああよかった」という拍手が沸き起こり、新潟サポと浦和サポも「よかったよかった」と心を一つに笑顔を浮かべ、スタジアムは温かい一体感に包まれたのだった。

もちろんそんな空気は一瞬のことで、ゲームが始まったらバチバチのぶつかり合いだ。
新潟のサポはいつものように「Pride of 新潟ー」と大声で歌うのだが、新参サポが「すんません、どうしてもパイオツ・ニイガタとしか聞こえないんですが」と発言したことで、誰もが「確かにこれはパイオツではないか」と気がついてしまった。
さらにこの新参は歌の続きについて「デーカープーリーオーとしか聞こえないんですが」と発言。おかげで新潟の応援では誰もが「パイオツ・ニイガタ、デカプリオー」と叫んだのであった。

不穏な空気を漂わせながら、ゲームは進む。
このゲームのポイントとなったのが、PKだった。前半、浦和にはあっさりとPKが与えられたのに対し、新潟には完全スルー。秋春制に反対の声を上げている新潟は、とにかくこうしていじめにあい続けるのだ。
しかもVAR担当が新潟嫌いで名高い岡部。試合終了間際に選手のお尻にしか当たったように見えないのに岡部は「これハンドってことにできませんかね」とVARで割り込んできて、主審の松尾が「うーん、さすがにきついっすね…」と諫めたことで、難を逃れた場面もあった。

そんな逆風ではあっても、70分に3枚替えをしてから交代策がズバリと当たって、新潟が天敵・浦和を攻めまくった。ずばずば切り裂いてゴール前になだれ込み、あらゆる局面で優位に立ち、しかも相手選手を悪質ファールで痛めつけ、ああ、気分がいい。
そしてついに小見くんが浦和ゴールにシュートを決めてみせて、見事にJ1初ゴールをゲットしたのである。長かったなあ、小見くん。

シュートを決められずに苦しみながらも滅私奉公、孤軍奮闘、獅子奮迅の走りを続けてきたことをみんな知っているから、スタジアムは大爆発。選手たちも大喜びで小見くんの頭をぺちゃぺちゃ叩いたところ、それが案外痛かったようで、最後には小見くんが「痛えよ!」と仲間に切れてしまった場面まで大映しになって愉快だった。
これでにっくき浦和と引き分けである。

鹿島・川崎・浦和の3連戦で2分1敗だから、上出来と言っていいだろう。この2軍メンバーでよくやっている。引き分けであっても、オレたちは大満足なのだった。


2023.09.01

大バーゲン


池袋の西武百貨店がたった8500万円とは仰天した。
従業員が約900人というから1人10万円出せば社員がオーナーになれちゃうじゃないか。もちろんそこには莫大な借金がもれなくついてくるわけだが。
借金の総額は3000億円だという。このうちセブンは900億円をチャラに、つまり棒引きにしてやった。結果、残った借金は2000億円。
8500万円で買ったとしても2000億円の借金もついてくるわけで、要するに800円の水割りを飲んだら請求は200万円でしたみたいな話か。計算が合ってるかどうか自信がないが、酷い話だ。
つまり900億円をチャラにしてまでもセブンは厄介払いしたかったわけだ。「我々の経営資源では立て直しは無理でした、すんません」とセブンも報道に対して白旗を揚げている。
たったの8500億円でたたき売られた従業員の皆さんの心情は察するに余りあるが、しかしどう考えてもこれはもはや西武百貨店が立ち直るのは無理ゲー。解体して少しでも借金を減らすしか、残された道はない。これからファンドとヨドバシカメラが手ぐすね引いて、再生という名の解体スキームに乗り出すのだろう。

かくも商売の現実はシビアだ。百貨店文化を残したいという甘っちょろい感傷は何の役にも立たず、そんなことを言うなら豊島区が金を出せと、西武もファンドも思っているだろう。
聞けば30年前、西武百貨店は日本一の売上を誇っていたそうだ。それが今では売上も半減。30年をかけてじわじわと衰退してきたのである。日経新聞によれば、それは日本経済の姿そのまんまということだ。
確かに西武百貨店も、オレたちゃ腐っても西武、なんとかなるさと、ゆでガエル状態だったに違いない。
西武に限らず、今や百貨店なんて誰も行かない。コンビニには毎週立ち寄っても、百貨店には年に一度も行かないという人が大多数だろう。百貨店でなければ買えないもの、得られないサービスって、包み紙とデパ地下ぐらいか。
デパ地下という点では一時期、オレもしょっちゅう西武百貨店の地下で買っていた。目当ては崎陽軒のシウマイである。シウマイはやっぱり崎陽軒に限るよなあ。美味いわ。
なので週に一、二度買っていたのだが、しかし欠品があまりに酷かった。一番人気の30個入りが、いつ立ち寄っても売り切れ、入荷待ち。店員のおばちゃんに聞いても「入荷待ちです」のつっけんどんな対応。もしそんなに売れているならもっと多く入荷すればいいだろうに、結局オレは15個入りを二つ買って、割高の料金を払っていた。
この状態をほったらかしなのは要するに客を小馬鹿にしてやる気がないからだろう。呆れたオレは次第に立ち寄らなくなった。常に割高なサービスを強いられたら、アホらしくて行かなくなるのも当然だ。
まさか崎陽軒のシウマイのせいでファンドにたたき売られることになったとは西武百貨店の組合も思ってないだろう。今や崎陽軒のシウマイなんて、光が丘でも簡単に変えるのだ。売却を恨むならファンドやヨドバシではなくて崎陽軒を恨め。

そんな西武百貨店の姿に凋落・日本の姿が重なる。なんとも情けない。
かつての西武百貨店は凄かったぞ。オレが社会人になってコピーライターとして駆け出しだった頃、最も勢いのある広告主がサントリーと西武百貨店。洟垂れ小僧だったオレたち駆け出しは、いつかはオレもサントリーや西武百貨店のポスターのコピーを書いてやると吠えて洟を垂らしたものだった。 当時の西武百貨店は「おいしい生活」「不思議大好き」の時代である。糸井重里が「1行100万円です、おいしいのはオレの仕事です」とふんぞり返っていた頃だ。特に「不思議大好き」というコピーに、水中を泳ぐ赤ん坊の写真が目を引いた広告は、はそれまでになかった凄まじいインパクトだった。
なお、糸井重里の好敵手的に扱われた仲畑貴志@「お尻だって洗ってほしい」は天才肌のコピーライターで、糸井重里は実は計算ずくの努力型コピーライター。オレが一番好きだったのは職人肌の西村佳也で、彼の「触ってごらん、ウールだよ」こそ日本のコピーの最高峰だと思った。
時代の寵児的に言われた糸井重里のつくりあげたイメージそのままに、西武百貨店は文化のクリエーター的な走り方をしていく。その姿はまさしくバブル。実態のない泡ぶくそのものだった。
そしてバブルがポンと弾けるのと同じくして西武百貨店も失速し、日本の失われた30年とシンクロするように下り坂を転げていったのである。
オレがコピーライターになってから今年で35年だから、西武百貨店の転がり落ちた時間はオレの社会人生活とまんま重なるわけで、実に感慨深いというか、メンタル折れるというか。
かつて盤石の商売をしていた街の電気店をヨドバシやヤマダが崩壊させ、今度はネットが大型量販店に打撃を与えている。小売商売がこんなにも激変する中、ファンドとヨドバシが西武百貨店という器を使ってどんなビジネスをやるにしても、うまくいく姿がイメージできない。ちょっとお手並み拝見である。
西武百貨店売却に反対する声の中には「池袋が秋葉原になっちゃう」という意見もある。なるわけねえだろ、バカ。というか、なれるものならなってほしいわ、秋葉原に。池袋なんて街にはなんの価値もないのだから。
こんなにも世の中が変わったことに気がつかず、何とかなると思い続けてきた西武百貨店が負けるのは当然だった。

などということを考えながら、ネットで「強風オールバック」を聴きまくる。
外でた瞬間、終わったわー。
いいねえ、クセになるねえ。これをネタにした様々なバージョンも上がっていて、中には「国出た瞬間、終わったわ」と北の国をおちょくった危険なバージョンもあったりして、実に楽しい。もはや頭の中を無限ループだ。

などということを考えていたら、U-22の日本代表に我らがアルビレックス新潟から小見くんと三戸ちゃんが選ばれたとの朗報。
おお、よかったなあ。特に小見。どんなゲームでも攻撃に守備にとことん献身的に走り回り、相手チームからスタミナお化けと呼ばれるほど、一生懸命だ。その姿は尊いものであり、やっと世の中に気づいてもらったようだ。
小見くんと三戸ちゃんで、コミットと呼ばれている。今回はさらに栃木にレンタル中の若手キーパー、藤田も選ばれた。
小見くんと三戸ちゃんと藤田は代表でも大暴れして、ぜひ世の中を驚かせ、アルビレックス新潟の名を挙げてほしい。そうなったら来年は確実に移籍だけど、若者がこうして道を開いていく姿を見るのはいいものだ。特に小見くんは高校時代から見ているから、とても嬉しい。
ぶちかませ、小見。時代を変えてやれ。


2023.08.31

夏の終わり


中国の工場へ取材に行ったとき、アテンドしてくれた若い中国人女性は、中国語、英語、日本語を操るとても優秀な人だった。月収は3万円。いつか日本へ行って働くことが夢だと語っていた。
彼女には中国国内の工場をいくつか案内してもらった。ある工場では、敷地に実った様々なフルーツを指さして「絶対に食べてはいけません」と教えてくれた。有害物質をたっぷり吸い込んだ土壌で育ったフルーツなので、ちょっと口にしただけでも病気になってしまうというのだ。
ひええー。オレは腰を抜かし、これが中国の現実だと恐れおののいたのだった。
そんな国の連中に汚染水だと罵られてもなあ。

もっとも日本にも、IAEAには日本人職員がいて日本政府も金を出しているから忖度されているんだろうと、政府の記者会見の席で堂々と噛みついた望月バカ記者@東京新聞のような人間もいるわけで、ああ、恥ずかしい。ちなみにIAEAには日本よりも中国の方が多くの金を出しているそうだ。
東京新聞を読むとバカになるから読まない方がいいと、オレは思う。

銀座の街では相変わらず多くの中国人が闊歩し、ブルガリだとかグッチだとかを買いあさっている。
あのときアテンドしてくれた彼女は今頃どうしているだろうと、ふと思い出す。


2023.08.30

激闘・天皇杯


いやあ、惜しかったなあ。残念。なんとかして、彼らに勝たせてやりたかった。

天皇杯準々決勝である。川崎相手に先制するも、延長後半つまり108分に逆転される。時間が時間だけに、誰もがもはやこれまでと諦めたというのに、延長後半のアディショナルタイム、時間で言うと121分に同点弾を決めて追いついたのだった。
しかも決めたのがあの早川。その瞬間のスタジアムの爆発具合は凄かった。
早川とは、あの白血病にかかって死の淵から戻ってきた選手である。普段はベンチに入ることも少なく、カップ戦要員だった。今日のゲームでは先発するものの、あまり期待はされていなかった。
それがどうだ、獅子奮迅とはこのことかとばかりに身体を張って驚異的な守備をする。
ゴールがなくても今日のMVPは早川だろうというほどの活躍ぶりだった。
そして121分の同点弾。こんな試合展開、見たことないわ。

だからこそPK戦は勝たせてやりたかった。
もちろんPKは運不運である。それでも経験が非常に重要なのは確かで、老獪な川崎との経験の差は明らかだった。それにそもそもアルビレックスの連中はPKなんて練習していないし、それどころか今シーズン、驚くことに一度もPKをもらっていないのだ。全チーム、唯一である。
PKをもらえないのは反則を取ってもらえないからで、それは秋春制への移行を目論むJリーグに真っ向から反対を唱えているためであって、要するにこんな目障りなチームはJ2へ落としてしまえというJリーグの意向がレフェリングに表れているのだという陰謀論もある。
マジかよ。
選手はPKに慣れていないから、最後のキッカーの高なんて目が泳いでいた。
やっぱりPKには鬼メンタルの秋山や、変態モーションのキックで一度も外したことがないという小見に蹴ってほしかった。
繰り返すがPKは運不運だ。結果は仕方がない。

それにしても凄い試合で、こんなゲーム展開、初めて見た。絶叫である。最高のエンターテイメントだった。
ここで勝っておけば天皇杯の決勝も見えてきたのにという悔しさはあるが、それよりもこれだけの試合を見せてくれた選手たちの気迫に拍手だ。


2023.08.29

カレー屋さんリアル


リモートの定着に加えて取引先全般に夏休みだったこともあって、今月の私は仕事で出かけることがほとんどなかった。電車に乗ったのはわずか7日である。
そのうち1日はヨメの実家行くという個人的な用事だったので、仕事で外出したのは6日ということになる。1回は大阪までの日帰りだが。
今週も毎日インタビュー仕事が入っているものの、出かけるのは1日だけ。残りはすべてリモートだ。

電車に乗ると疲れるので乗らなくて済むのは大変によろしい。交通費も削減できる。
交通費は必要経費だから仕方ないとスルーされがちだけど、実はかなり高いのだ。都心まで往復すると1000円近くかかるし、ちょっと池袋まで往復しても400円かかる。電車に乗らずに済むことは、財布にとってもありがたいことなのだ。
都心まで往復すると1000円近くかかるなんて、これでラーメンが食えちゃうではないか。
と思ったら、いやいや最近ではラーメンも、ちょっとトッピングしたりすればもう1000円でも食べられません。今日は近所の普通のそば屋で昼にかきあげ蕎麦を食べたけれど、1100円だった。高いなあ。美味かったけれど。
もはや電車を節約したところで蕎麦も食べられない時代になったのである。とほほである。日本人はみんな貧乏。

いつもならここから、それなのに仕事のギャラは上がらないという愚痴になるのだが、今日はそうならない。
仕事で出かけることが減ったので、歩かなくなったという話である。
歩かないなら歩けばいいだけのことだが、言うまでもなくこの気候でそれは自殺行為。朝はバタバタしているので、歩くとすると夕刻以降だが、それでも夜まで続く熱気を思えばとてもウォーキングする気にはなれない。
ならばせめてと思って、飲みに出かけた。

どうも地元にいい飲み屋が見つからない。魚せいへの出入りをやめて、とおるちゃんもやめて、その後に続く店が見つからない。まだまだ開拓期間なのである。
先週行った店はなかなか美味かったのだが、けっこう高くて、しかもガラガラで落ち着かない雰囲気だった。ガラガラだと気を使って余計なものまで注文しちゃうし、店は店で気を使って話しかけてくるし。
新規開拓強化月間なので今日も以前から目をつけていた居酒屋に初めて突撃する。
料理は美味くて、特に栃尾の油揚げは絶品だったのだが、どうにも雰囲気が窮屈だ。帰り際に入ってきた客は、地元のヤカラだったし。金額的にそんなに高くないのはいいが、二度目はないかなあ。
こんな具合で新規開拓がなかなかうまく行かず、最近では結局いつものインド料理屋に行って飲んでしまう。安くて美味いんだもの。ネパール人の店長は無愛想だが気のいい男なので、とてもよく気配りしながらサーブしてくれる。しかも安い。

今や我が家の食堂となっているこのインド料理屋は、同時にオレの飲み屋でもあるのだ。
世間ではサイゼリヤ飲みがはやっている。確かにサイゼリヤは激安で大変に美味く、ビールやワインをがぶ飲みしながらチョリソーやサラダを食べ、締めにパスタをいただけばかなり高い満足感が得られる。それと同じ感覚で、インド料理屋で飲んでいる。
今日は新規開拓なのでインド料理屋には行かなかったが、こうまで新規開拓が空振り続きだと、もうインド料理屋だけでいいかも、という気になってきた。
とはいえ、このあたりは再開発予定地域。確実に移転することになっている。移転するならよいが、面倒くさいからネパールに帰ろうなんて言い出すかもしれず、ちょっと不安である。

そんな具合にインド料理屋の先行きを案じつつ、酔った足で家まで帰る。ちょっとしたウォーキングができてよかった。


2023.08.28

3年+3年+4年


先日新潟へ帰省した際、運転していた息子が「なんて走りやすいんだ」と感動していた。
道が広いのもそうだけど、「一番は自転車がいないからだな」とのことである。
確かにクルマを運転していて何が邪魔かというと、自転車ほど邪魔なものはない。ちゃんと交通ルールを守って走っている自転車は少数派じゃないのかと思えるほど、マナーが悪い。
乗ってる本人はスイスイと調子よく走っているつもりだろうが、それは自動車の側がものすごく気を使って優先的に走らせているからなのだということを知ってもらいたいものだ。
交差点を左折しようとしているのに左側を減速せずに通り抜けようとするおっさんがいたり、子供を前と後ろに乗せて後方を振り返って確認することもせずに交差点を斜め横断するママチャリがあったり。
おまえら、オレを交通加害者にしたいのかと叫びたくなることもしばしばだ。
田舎は完全な車社会なので、自転車で走っているのは通学の中学生高校生ぐらい。だから車もとても運転しやすいのである。

そんな息子は、今日でバドミントンの部活を終えた。最終日である。
中学1年に始めて10年間。途中で投げ出しもせず、休みもせず、大けがもせず、よく続けたものだ。立派なことであると、我が息子ながら尊敬する。
今日は最後の試合。これで完全に引退だ。
試合の結果がどうだったかは、いつもの通り「まあまあだな」としか言わないけれど、やり遂げたという充実感が表情にあふれていた。
息子がプレーする姿を見たのは高校時代に一度きり。学生時代のプレーは一度も見ていない。
一度くらいは目に収めておけばよかったかなあとは思うものの、まあ、いいか。息子の邪魔になるだけだったろう。


2023.08.27

オレはドラムとチンギス推し


何も予定のない休日の朝は最高だ。不思議なことに、することがないから逆にいつもより早く目覚めてしまう。
息子は朝からバイトで娘とヨメも出かけている。こんな日曜は映画で過ごすのが一番いい。 というわけで、アマプラで「イチケイのカラス」を観た。最近のアマプラにはあんまりいい映画がない。
中国地方の小さな町を舞台にした企業不正と日本政府の陰謀に新人弁護士が挑むというような、罪のない話である。空っぽで観るのにちょうどいい。そこそこいい役者も出ているし。
とはいえ、ちょっと酷くないか、この映画。あまりにリアリティに欠けている。
三菱重工をモデルにしたような感じの大企業が、禁止されていた薬物を使っていたことを隠蔽しようとする。それを地方の工場の責任に押しつけてしまう。って、そんなことがあるわけねえだろ。
不正を追及した弁護士が神社の階段から突き落とされて死んでしまう。その最後の一言に耳を傾けるのではなくて、まずは救急車を呼ぶだろう。
というような具合に、んなわけないだろうのオンパレードでシラけることこの上ない。映画だからホラ話でかまわないのだが、細部のリアリティにこだわってこそホラ話の迫力は生まれてくるわけで、それが欠けた映画は薄っぺらだ。
スティーヴン・キングのホラーが面白いのも、冗長すぎるほどに細部への書き込みをすることで日常のリアリティを出しているからだ。

ほかに観るものがないのでNetflixで「インフォーマ」を観る。
シリーズドラマだ。バイオレンスたっぷり。主演の桐谷健太が悪を演じるのだが、いい兄ちゃんというイメージの役者なので違和感たっぷり。いま注目の一ノ瀬ワタルも脇役で出ていた。これからに期待だな。
シリーズ4作まで観て、バイオレンスばかりでうんざりしたので、傷んだオレの心を癒やしてやろうと思って「海街diary」を観る。もう何度目になるだろう。名作だ。相変わらず是枝裕和のカメラワークは落ち着かなくて気になるものの、全体に漂う穏やかな空気感は絶品。
4姉妹の日常がとても瑞々しい。
長女の綾瀬はるかが終始イラつくしっかりもののお姉ちゃんで、次女の長澤まさみがわがまま放題のいかにも次女、三女の夏帆が天真爛漫すぎるいかにも三女と、それぞれがとてもいい味だ。そして四女の広瀬すずは、この頃が最高に素晴らしくて、成長するにつれてどんどんアホな女優になってしまった。
一瞬だけ出てくるダメ母の大竹しのぶの演技がとにかく素晴らしい。登場した瞬間にこの母親の全人生を語り尽くしてしまう、そんな演技なのだ。
長女の綾瀬はるかはこの母親が大嫌い。それなのに自分がこの母親にそっくりであるという自覚もあるから、ますます不機嫌になっていく。そんなところも味わい深い。

「海街diary」のあとはTVerで「VIVTANT」の6話を観返す。
「VIVTANT」は初回から観ているのだけれど、話があまりにぶっ飛びすぎていて何がなんだかわからず、しかもだいたいが飲みながら観ているので、もはやオレの頭がついていけていないのだ。あれえ、こいつは味方だったっけ、あれえ、敵じゃなかったっけ、あれえ、いつ死んじゃったの、という状態である。
そこで今晩の第7話に備えて、第6話を観返しておこうと思ったのだ。
あまりに壮大なホラ話であることと、役者がなんともまあ贅沢(堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、飯沼愛、小日向文世、濱田岳 and more)すぎて、実に面白いドラマである。特にドラムとチンギスという役者が掘り出し物。いいキャラを見つけてきたもんだ。
感心するのは言葉である。バルカという架空の国が舞台なのだが、使われているのはモンゴル語。これが実に自然でまったく違和感がない。ディテールのリアリティにこだわることがホラ話に神が降りて来るというのは、こういうことなのだよ。
第6話を観返して復習した後、夜は「VIVANT」第7話を今度はテレビで観る。相変わらずのぶっ飛んだ展開に腰を抜かす。堺雅人って、そんなに悪いやつだったのか。

よーし、頭にきた、オレも別班に入ることにした。
そうヨメに言い残してオレは夜の街に飛び出し、そして息子を駅まで迎えに行く。
帰ってきた息子とバスケットボールを観る。ワールドカップだったのね、これ。なんと日本はこれまでワールドカップでは一度も勝ったことがなくて、今回の地元開催を好機にワールドカップ初勝利を目指すというドラマがあるようだ。
そして中継されている試合を観れば、おお、なんということだ、フィンランド相手にリードしていて残り時間が3分。ひゃー、ハラハラの展開だ。
オレはバスケットボールはルールさえしらない。ちんぷんかんぷんだ。それでもどうやら日本は勝ったということはよくわかった。おめでとう、ジャパン。
息子とも話したのだが、要するにこれはバスケットボール界にとっては2002サッカー日韓大会と同じ位置づけなのだろう。あのときも日本はワールドカップの初勝利を目指し、そしてロシア相手に見事に勝利を収めたのだった。
露骨なオフサイド見逃しがあったということで、負けたロシアのサポーターが激怒し、モスクワでは暴動が起きて日本料理観が襲撃されてしまったというオマケもあったっけ。
あれを機に日本は世界でまともに闘えるようになり、今やワールドカップ常連国。ベスト8を狙う位置まできた。バスケットボールも今夜の勝利を大きな第一歩として、これから世界という舞台を歩いて行くのだろう。めでたいことである。

昨日、鹿島に完膚なきまでにたたきのめされてしまったことで、オレはサッカーなんて観たくもなかったから、こうして門外漢のバスケで気を紛らわせるのだった。
鹿島のコーナーキックの時、鈴木優馬、関川、植田の3人の並ぶ姿がアップになった。それはまさに北関東のガチムチのヤカラ軍団。田園地帯のおとなしい新潟のチームが勝てるわけがないと思った。
完膚なきまでの「完膚」って、傷がないという意味らしい。つまり完膚なきというのは、傷のないところがないくらいに、というニュアンスだ。全身傷だらけ。ヤカラ軍団にやられてオレの心も傷だらけなのだった。

90分走り回って1点取った取られたというサッカーに比べて、これだけドバドバ点の入ることがバスケの醍醐味なのだろう。ただやっぱりバスケとかバレーボールとか、屋内のボールスポーツはあんまり好きじゃないなあ。せせこましくて。これは単純に個人の好みの話であって、優劣のことではない。
90分走り回ったあげくに主審の適当なアディショナルタイムで負けちゃったじゃねえかよというアバウトさもサッカーの魅力だと思う。本当のことを言えばオレはVARも好きじゃない。主審の誤審も含めて、ちくしょーっ、と悔しがるところがサッカーの奥深さだと思っている。
でもそういういい加減さを嫌うのがフェアネス至上主義のアメリカ。最近ではアメリカでもサッカーが人気ということだが、あまり盛り上がるとルールをねじ曲げて、1秒単位で試合時間を計算するようになるのではないか。
かつてワールドカップのアメリカ大会が開かれた頃には、CMを入れやすいように15分×6セットという試合形式に変更しようと企んだ国だ。あまりあの国をサッカーに介入させたくない。ここはやっぱり中東の金持ちおじさんたちに頑張ってもらわないと。


2023.08.26

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○×28


完敗である。
クロス一つとっても、鹿島と新潟の差は明らか。技術、判断力、フィジカル、すべてにおいて劣っている。たとえは戦術で勝負できるとしても、これほどにも個の力に差があると、もはやお手上げ。
前半で0-2にされて、後はきっちりフタをされておしまい。ぐうの音も出なかったわ。
ここまで力の差を見せつけられると、もはや悔しくもなんともない。怪我しなくて終わってよかったねーと胸をなで下ろす、いっそすがすがしいレベルだ。
ここまで完璧にやられたのは今シーズン初めてだろう。
ところで、ぐうの音の「ぐう」とは一体何なのか。調べたら、息が詰まったときに出る音のことらしい。って、以前にも同じようなことを書いた記憶がある。もはやオレの頭は、お母ちゃん、オレはお昼ご飯食べたっけというレベルなのかもしれないなあ。

おかげで一気に15位まで落ちてしまった。
それでもこの負けは、次の浦和戦も含めて、想定内と言えば想定内。そりゃあ負けるよね、オレたち、という感覚だから、そんなに落ち込んでもいない。
だが他チームの試合を見ると、気分は一気にブルーになる。横浜FCのバカが横浜マリノスに4-1で勝って、京都のバカが福岡に2-0で勝って、柏のバカが東京と0-0の引き分けだ。 こうして新潟より下位の連中が勝ったり引き分けたりすると非常に不愉快で、気分が悪い。
自分のチームが負けたより気分が悪い。昨日、湘南のバカが浦和に負けておいて本当によかったわ。
まあ、こうして人様のチームをバカ呼ばわりなんてしているからオレに天罰が下って新潟も負けたのだろうけれど。

一番腹立たしいのは、あの町田のバカが山形に5-0で勝ったことだ。山形は一体何をやってんだ。使えなさすぎる。
この状況で勝ってしまったら、町田のバカは調子に乗って、大バカになってしまうではないか。今でさえ自分たちが天下を取ったかのような振る舞いを見せて、心あるサポーターがそれを諫めているというのに、このままではサポーターまでもが調子に乗って浦和化しかねないではないか。
やはり害悪だ。その芽は早く摘まねばならない。それなのに山形は。非常に気分が悪い。

「真夏の雷管」佐々木譲・角川春樹事務所。
人気の北海道警シリーズの書き下ろしだ。ネグレクトされて家出した小学生と、爆弾の材料を盗んで逃げている元JR社員という2つのストーリーが視点を変えて描かれ、やがて一つにつながっていくというありきたりの物語なのだが、それをちゃんと読ませるのはベテラン作家の手練手管というものだろう。
交互に出てくる2つの話を読んでいると、きっとこうなっていくに違いないと思った通りに話は展開していくわけで、このあたりがさすが佐々木譲、非常にうまいのだ。実力ある職人作家がちょちょいとまとめてみました、という感じの仕上がりである。


2023.08.25

嫌われ町田の一生


町田ゼルビアというサッカークラブの愉快なところは、サポーターはいいやつばかりなのに、チームと運営がサルという点である。
つまり浦和レッズや鹿島アントラーズ、FC東京あたりとは真逆。浦和はいい選手がいいプレーを見せてくれるからチームとしては大変に魅力的なのだが、サポーターがサル過ぎてすべてをぶち壊しにしている。
その点、町田は運営幹部がサル過ぎて、サポーターがかわいそうだと他チームから同情されているのだ。まったく愉快なことである。

ではその運営の特徴はというと、とにかく関わる相手すべてをブチ切れさせてくれることだ。
先日のエリキの全治8ヵ月の怪我にしてもそう。町田は前半5分に相手チームの清水に怪我をさせられたと、なんと公式発表で清水に責任をなすりつけている。だが実際にエリキが負傷退場したのは前半35分で、その間にエリキはスーパーミドルを放ったばかりか、得点まで決めてみせている。
全治8ヵ月の怪我をした選手が30分も走り回ってゴールを決められるものだろうか。要するに自爆で怪我をしたのであって、清水が怪我をさせたのではないことは明白だ。
町田の発表に他チームの全サポーターは腹を抱えて笑い、名指しされた清水はぶち切れである。

そして今日も町田はやった。
秋田対町田の試合が雷雨で延期になる

秋田が再試合の日程を数日候補に挙げて町田に提案する

町田はその提案を完全に無視、返事もよこさない

呆れた町田がJリーグに相談

呆れたJリーグが間に入って日程調整
ざっとこんな流れである。

たぶん提案された再試合の日程が、町田にとっては都合悪かったのだろう。いや、都合が悪いと監督が言ったのだろう。
「このクソ暑い中、秋田なんて辺境まで行ってられっか、ほっとけ」
監督のその言葉に運営側も「そうすっよね、非常識っすよね」と同調し、返事もしないでスルーしたのだろう。
言うまでもなく同じ業界の取引先からの提案を完全無視するというのは、社会的にあり得ない行為である。こういうことを平気でやるクラブなのだ。

かわいそうなのはサポーターで、これは完全にウチが悪い、と肩を落としている。
どうもサイバーエージェントが経営に乗り出してからこういうトラブルが頻発するようになり、黒田監督が就任した今春からさらにオレ様化に拍車がかかったように見える。
もちろん清水に続いて秋田もぶち切れだ。その前はヴェルディの城福がベンチに殴り込みそうな勢いでぶち切れている。
関わるあらわるものたちを切れさせるのが、今年の町田。
サポーターは良心的ではあるが、いずれ運営側に染まっていくのは目に見えているので、町田が良心を取り戻すには今のうちに何とかしないといけない。このままでは浦和を超えるヒールの誕生間違いなしだ。


2023.08.24

テキサスブロンコ


プリゴジンが撃墜されて、北朝鮮のロケットが飛んできて、福島第一原発の処理水が放出されて、町田のエリキが全治8ヵ月の大けがで、大谷翔平も今季絶望と今日はいろんなことが起きた一日だった。
その締めくくりで、テリー・ファンクが死んだ。常用していた鎮痛剤の影響か認知症を患い、施設に入っていたそうだ。

テリー・ファンクといえば兄のドリーと組んだファンクスだ。アメリカではヒールで、罵声を浴びながら暴れていたが、日本ではなぜか大正義。大好きなお兄ちゃんを助けるやんちゃな弟というキャラで人気だった。
その人気を決定づけたのが、ご存じ、フォーク事件。
全日本のオープンタッグ選手権で、ブッチャー、シーク組と対決した際、シークのフォーク攻撃で右手がずたずたにされてしまって、日本中が悲鳴を上げたという試合だ。
相手の反則攻撃に耐えて結局反則勝ちとなり、その姿に興奮した少年少女によってテリーは神に祭り上げられたのである。
もちろんフォークを右手に刺しまくられたのは、事前にテリーとブッチャーが打ち合わせした通り。そもそもブッチャーとテリーはとても仲良しで、来日中も六本木で一緒に飲んでいるところを目撃されたりしている。
プロレスはプロレス。そんなことも知らずに本気で「テリーが死んじゃう!」と泣き叫んでいた少年少女は、とてもピュアだったのだ。
おかげでブッチャーもテリーも大儲けだった。

ちなみにキラー・カーンがアンドレ・ザ・ジャイアントの足を折ったのは、実はアンドレが下手な転び方をしてくじいちゃったというのが真相。これでは大巨人神話にケチがついてしまうと瞬時に判断したキラー・カーンが、とっさにニードロップをして足を折ってやったとアピールしたのだった。
その機転に感心したアンドレは「このネタで一緒に大儲けしようぜ」とキラー・カーンに持ちかけ、2人の敵対関係を演出して全米各地を転戦し、がっぽりと稼いだのである。
おかげで全盛期のキラー・カーンは1晩に300万円を稼いだこともあるそうだ。それが無理に日本に呼び戻されて試合をさせられたら、ファイトマネーは1試合5万円だったというから、そりゃあ切れるのも当たり前だわなあ。
そんなキラー・カーンに嫉妬したのが前座でくすぶっていた藤原喜明。地方の前座試合で藤原はシュートを仕掛け、それを受けたキラー・カーンはなんとかプロレスに持ち込もうとしたのに藤原は一切付き合わなかった。
これでは試合が成立しないと危ぶんだ猪木とマサ齋藤が何の脈絡もなく乱入して、藤原に制裁を下す。それを見てあきれ果てたキラー・カーンは、やってらんねえと試合放棄で引っ込んでしまったのである。
当時は、アメリカンプロレスのキラー・カーンが藤原喜明の強さにびびったと言われたものだったが、ファンもしっかり大人になった今は、大人げなかったのは藤原喜明で、自分の価値を守ることを貫いたキラー・カーンこそ真のプロフェッショナルという評価に変わったのだった。

今では共に70歳を超え、キラー・カーンの居酒屋に藤原が遊びに行ったり、カーンの誕生日祝いを藤原が開いたりと、仲良しのおじいちゃん友達になっているそうだ。
話はテリー・ファンクに戻って、オレはどっちかというと陰気で知的なドリー・ファンクのほうが好きだった。
必殺技はスピニングトーホールド。いったいこの技の何がすごいのかと不思議に思って弟を相手に真似してみても、ちっとも痛くなかった。それに相手に背中を向けちゃうから、その瞬間にポンと蹴られたら終わっちゃうという情けない弱点もあった。
あれは不思議な技だったなあ。


2023.08.23

まんまるまいこと呼ばれて


昨日、吉田拓郎の「TAKURO TOUR 1979」を都立大学のディスクユニオンで買ったというようなことを書いたら、長野在住のまっちゃんから「ハンターの間違いでは」というメッセージが飛んできた。
そうであった、ハンターが正解だった。まっちゃん、ありがとう。
まっちゃんも都立大学のハンターには通っていたそうであるから、たぶん私とすれ違っているはずだ。もしかして同じレコードを目当てにあさっていたりして。

ハンターに通ったのは学生時代より社会人になってからだった思う。私がポンコツ広告会社で駆け出しのコピーライターとして泥水を飲むような日々を送っていた1980年代初頭はまだ週休2日制ではななく、土曜日は半ドンで、休みは日曜日だけ。
その貴重な日曜日を、午前中は惰眠をむさぼって潰し、午後になったら三軒茶屋の名画座で映画を観たりしていたものだった。そんな午後によく都立大学のハンターへ足を伸ばし、中古レコードを買っていたのである。当時住んでいた祐天寺と三軒茶屋の中間にあるアパートから、自転車で20分ほどだった。

ハンターでは、基本的にジャケ買いであった。
フォークやニューミュージックや歌謡曲、要するに今で言うJ-POP全般のコーナーに立って、LPをパラパラと引き上げながら物色していく。気になるアーティストやミュージシャンのLPがあればジャケットを見て判断し、買うわけだ。
今ブックオフで本を買うのと一緒だな。
そして数枚のLPを手に入れたら自転車で6畳一間風呂なしのアパートに帰り、夜遅くまでLPを聴くわけである。おんぼろアパートで音なんか周囲にダダ漏れだったはずだが、文句を言われたことは一度もなく、むしろ両隣の部屋の音楽がよく漏れ聴こえてきたから、おおらかな時代だったわけだ。

それで思い出したが、私の部屋はこのアパートの2階の真ん中で、両サイドにはそれぞれOLふうが住んでいた。風呂のないアパートなのに、今思えばOLたちはいろいろ不自由だったろうに。
そして左隣の部屋からはユーミンなんかが漏れ聴こえてきたのだが、ある時期を境に急に中島みゆきだけが流れるようになって、ははあ、男に振られたんだなと察したのだった。
そんな昭和なエピソードを、まっちゃんのメッセージをきっかけに思い出した。
私はもう音楽に対してほとんど情熱を失ってしまったから、日曜日に買い込んできた大量のLPをウキウキしながら聴いていたあの頃のことが、信じられない。
なんだかとても遠い思い出だ。

これも突然思い出したのだけれど、このアパートのすぐ近くにコンビニがあって、それがチャッピーという名前の店だった。そんなへんてこな名前のコンビニが、かつては本当に祐天寺と三軒茶屋の間にあったのだ。
チャッピーには帰宅途中によく立ち寄ったけれど、あるとき、何のはずみか、チャッピーは唐突に中古LPの販売を始めたのである。なんの脈絡もなくコンビニの店内にできた中古レコードの棚に驚いた私は、買い物のついでにLPをあさって、確か伊藤麻衣子のLPを買ったと記憶している。
なぜコンビニが中古レコードを売ったのかも謎だが、そこで私がなぜ伊藤麻衣子のLPを買ったのかも謎である。
昭和とは、要するにいろいろとヘンテコな時代だったのだ。

「事件持ち」伊兼源太郎・角川書店。
アマゾンのレビューに「真面目で誠実な小説」とあって、まさにその通りだという印象だ。この作者の作品はこれまでに1、2冊しか読んでいない。ちょっとストーリーが冗長でキャラの書き分けも不十分と思ったものだった。そういう作家の作品を手に取ってみるには、ブックオフの200円コーナーがちょうどいい。これもハードカバーを200円で買った。つまり新刊で買うほどじゃないけど、ちょっと気になるというゾーンの作家向きがブックオフということだ。ハンターと同じだ。
えーと、この作品は千葉で起きた連続殺人事件を縦糸に、同事件を巡る刑事と新聞記者の葛藤を横軸に据えたものである。「どんなにオレたちが頑張ったところで、この世から事件がなくなるわけではない」という当たり前の事実に打ちひしがれ、あまつさえ刑事は「世の中にこれほどコスパの悪い職業もない」とまで自虐している。新聞記者も、自分の知りたい情報だけを入手して満足している人間ばかりのネット社会で、果たして新聞というメディアに意味はあるのだろうかと落ち込む。
事件の展開そのものよりも、こうした職業的自省が面白く、特に現代社会のメディアのあり方や新聞の立ち位置について苦悩する新聞記者の語りが面白かった。こうした点が真面目で誠実な小説という印象につながっているのだと思う。
事件の展開そのものにスピード感が欠けてかったるいこと、登場人物が多くて混乱すること、キャラの書き分けが不十分であることなどは相変わらずだが、つーかオレの頭がポンコツなだけだが、十分に楽しめた一冊だ。
どんな組織にもいる、昔の自慢話と他人の悪口だけが得意な無能な老害がここでもしっかり描かれていて、そいつが若手にぎゃふんとやられたことに快哉。


2023.08.22

「春だったね」も最高


実家に置きっぱなしにしていた数百枚のLPレコードを、先日、弟がまとめて処分してくれた。業者に引き取ってもらったそうだ。
全部でいくらだったか、聞いたか忘れてしまった。タダみたいな金額だろうと思っていたらタダみたいな金額だったので、そりゃそうだろうなあと納得したのは覚えている。
どうせもう聴かないのだ。レコードなんてあるだけ邪魔だ。
そんな中、業者が「これは引き取れない」と拒否したのが一枚だけあったという。
吉田拓郎の3枚組LP「TAKURO TOUR 1979」だ。
これにはあの「ペニーレインでバーボン」のライブパフォーマンスが収録されていて、例の「つんぼ桟敷」という差別用語が含まれているから、正義感あふれる融通の利かない業者も引き取れないと言ったのかと思ったら、ジャケットがボックスタイプだからダメなのだそうだ。
いったいどういう理屈なんだろう。保管場所に入らないということなんだろうか。

そういうわけで大量に処分したLPの中で吉田拓郎のこの1作だけ残ってしまったのだから、アニキ、持って帰れと、先日帰省した際に弟から手渡されてしまったのである。
まあ、もともとオレのLPだ。オレが責任をもって引き取るのも当然だろう。
だがオレんちにはレコードプレーヤーなんてないし、これを聴くためにわざわざ買いそろえるつもりもない。そもそもこの「TAKURO TOUR 1979」はCD化されて再発売されているから聴きたければそれを買えばいいし、そもそもオレは別に聴きたくないのだ。
というわけで、引き取ってきたのはいいけれど、聴く気もないので、そのまま棚に放り込んで終わりなのだった。

これは吉田拓郎が1979年に行った全国ツアーの中から出来のよい演奏だけを集めて編集したLPである。リリースされたのは1979年の秋だ。
当時オレは大学5年生。買った記憶はまったくない。そもそもその頃は吉田拓郎はあんまり聴いてなかったので、数年後に都立大学のディスクユニオンあたりで中古盤を買ったんじゃないだろうか。それで一通り聴いて、そのままになってしまったという。それぐらいまったく記憶にないLPだ。
どんな曲が入っているのだろうと見てみたら、けっこうな名曲ぞろい。
「イメージの詩」から「結婚しようよ」「御伽草子」「落葉」「こうき心」「人生を語らず」そして「ペニーレインでバーボン」となかなかのラインナップだ。
「元気です」「御伽草子」「今はまだ人生を語らず」「LIVE’73」といったアルバムはたぶん吉田拓郎の絶頂期。特に「今はまだ人生を語らず」は最高傑作と言われている。
オレ自身、中学から高校という最も多感な頃に聴き込んだのがこれらのアルバムだから、やっぱり今もって思い入れが深いのだろう。

そんなことを思いながら、YouTubeで「ペニーレインでバーボン」を聴く。
もちろん「つんぼ桟敷」という差別用語もカットされることなく、ちゃんとオリジナルのままフルコーラスで聴くことができる。簡単なものだ。まったくいい時代である。
疾走感あふれる演奏に乗って細かい譜割りの歌詞を叩きつけるように吠える歌唱はまさにロックシンガー吉田拓郎の真骨頂。この歌も、吉田拓郎でなければ書けないものだろう。
なんでも吉田拓郎は別にフォークシンガーを目指していたわけではなくて、たくさん稼いでいい暮らしをしたいと思ってミュージシャンになったそうだ。確かにこれはフォークのカケラもない。
大好きだったなあ、この歌。
吉田拓郎が天才であることを証明してみせた、他の誰にもできない歌だったと思う。

なお、その吉田拓郎が「ホンモノの天才」と絶賛していたのが、高中正義。 この手のエピソードにはニヤッとしてしまう。
この「落陽」では高中正義が延々と繰り広げるとんでもないギターソロに後藤次利のこれまたモンスターなベースがバチバチにからんでおり、それを吉田拓郎がニコニコしながら眺めている。幸せな気分になれる動画だ。


2023.08.21

サンマは上級国民食


北海道でサンマが初競りされて、一匹当たり2万8000円だと。初競りはお祭りの景気づけみたいなものだから目の玉が飛び出る金額で当然だ。半分は豊漁を祈ってのお布施、半分はご祝儀。
だがその後、出回ったサンマの様子がテレビに映っていて、それが一匹5000円というのでびっくり。
ご、ご、ごせんえん!
数年前、地元の西友で売っていたサンマは一匹50円だった。実にその100倍というわけだから、これはもはや事件である。

オレはサンマが特に好きというわけではないが、秋になればやっぱりサンマは食べたい。
でも5000円ではとても手が出ない。5000円あれば我が家の4人は行きつけのインド料理屋で晩飯がまかなえる。サンマ一匹を4人でいっせいに箸でつつくことを思えば、当然インド料理の勝ちである。
だからといって1人に一匹ということになると、5000円。これは国産ウナギを2匹買える値段ではないか。ついにこの秋、サンマはウナギを超える高級食材に登り詰めたということだ。
もっとも今では家族4人でラーメン屋にいって、サイドメニューに餃子をつければたちどころに5000円だ。今や5000円の価値とはそんなものなのだろう。
恐ろしい時代である。


2023.08.20

夏は過ぎ


いやあ、清水対町田は面白かったなあ。
0-2と劣勢だった清水が延髄切りで一気に3-2と大逆転したのもそうだし、監督インタビューで秋葉が「ジスイズフットボール、オレたちはフットボールを貫いて勝ったのだ」と吠えてみせたのまで含めて、まさにプロレス。
いやいや、試合後には町田のキーパー、ポープ・ウイリアムスが「演劇部でーす」と痛くもないのに痛がってみせるパフォーマンスを自虐ネタで披露して炎上したかと思えば、直後にそれがコラだとわかって、子供のケンカに大人の親会社のサイバーエージェントがぶち切れて弁護士が乗り出してくるという場外乱闘まであって、実にプロレスだった。
このネタで地方シリーズができるんじゃないかというぐらい。

とにかく町田は悪役。ヒール。まともなフットボールをしない。
勝てばいいんだと開き直って、時間稼ぎのアンチフットボールだ。
こういうサッカーをしていては、確かに目の前の試合には勝てるだろうが、ちゃんとしたサッカーがクラブに根づかないから、いずれ凋落するのは明らかである。そもそもこんなサッカーをしたくて入ってくる選手もいないだろうし。
だからどのクラブも長期的なことを考えて、コツコツと自分たちらしいサッカーを積み重ねている。
そんな姿勢とは真逆にあるのが町田のサッカーと監督。
当然Jリーグの他チームのサポは町田のことが嫌いで、というより、軽蔑していて、一緒に試合さえしたくないと思っている。だから清水の延髄切りと監督の咆哮には大喝采なのだ。
よくやった清水。コマちゃんにも拍手を贈ろう。

そんな具合に町田の悪行をあげつらいながら、オレと息子は関越道を練馬目指してひた走る。
この土日の2日間だけというオレの短い夏休みも終わったのだ。
2日間だけではあったが、落ち着いて故郷を訪問したのは数年ぶりだ。
両親の墓に手を合わせ、高校まで過ごした故郷の町を車でぐるっと回ってみる。様相は様々に変わってはいるものの、ここは間違いなくオレの故郷の町であって、一面に広がる緑色の田園を走る風を胸いっぱいに吸い込みながら、オレはここに暮らす人たちのことをしみじみと思うのだった。


2023.08.19

△○△○××△○×××△○××△×△○×○×△○28


アルビレックス新潟の今年の最大の目標はJ1残留である。
残留さえできれば、他のことは一切問わない。それほどもう二度とJ2暮らしはゴメンなのだ。
今日の結果を受けて、つーか正確には昨日18日の結果なのだが、勝ち点28の14位は大きな成果。なにしろ最下位の湘南は勝ち点17であり、残り試合10の時点で最下位に11の差をつけているというのは、ほぼ残留確定と言っていいくらい、上出来なのだ。

だから前節の湘南戦でのロスタイムに追いついての引き分け、今日の福岡戦での1-0の逃げ切りは、実に大きい。もしこの2試合が負けだったら勝ち点24で、湘南とは勝ち点2の差に縮まっていた可能性があったからだ。
特に今日の福岡戦の勝利は素晴らしい。
途中加入して2試合目の長倉がとんでもない選手で、オレたちサポーターですら、なんなんだあいつはと目をぱちくり。可愛いな、目をばちくりって。
J2の群馬からぶんどってきた選手で、その前は関東一部、つまり社会人リーグにいたわけで、よくぞこんな逸材が眠っていたものだと驚く。
どうやらコロナのためにろくに試合もできず、Jリーグスカウトの目に触れる機会が少なかったことがその原因らしい。コロナのおかげでオレたちはこの素晴らしい選手を手に入れられたのだから、コロナさんありがとう。

去年が本間至恩、今年が伊藤涼太郎と、アルビレックス新潟は有望選手をヨーロッパへ送り出した。このままだと長倉も1年後にはヨーロッパに移籍するだろう。
「アルビレックス新潟に行くと、結果を出せばヨーロッパに移籍できるらしい」という評価が定着すれば、若手有望選手もこぞって加入してくれるようになるのではないか。そして毎年彼らをヨーロッパに売って、そのカネで次の有望選手を買ってくるというエコシステムを作るのだ。
要するに人身売買クラブである。
これぞ貧乏地方クラブの生きる道。給料安いけど踏み台にしていいですよーというのが宣伝文句だ。
そのためにも今のポゼショナルサッカーには磨きをかけなくてはならない。あのサッカーがやりたいと言われ続けるクラブにならなくてはいけない。
長倉の加入が、そんな地方クラブの生き残り戦略の可能性を明確に示してくれたわけだ。この点でも長倉を獲得したことには大きな意味があると思う。


2023.08.18

残暑お見舞い


夏休みは特に取らなかった。近々実家へいって両親の墓参りをする予定ではあるものの、それも土日。夏休みと言えるほどのものではない。
よってずっと事務所は営業中なのである。
だが世間は基本的に夏休みで、請負産業である我が事務所もお付き合いするかのように開店休業中。要するにヒマなのだった。
その間何をしていたかというと、何もしていない。だらだらと過ごしていた。無為徒食とはこのことかというほどのぐーたらぶりで、それはそれで心地よかった。
もちろん来週あたりから世間は動き始めるから、オレもそれなりに忙しくなるだろう。
開店休業が長かったから売上も激減だ。少しでもカバーするために来週から頑張らねば。

「正義を振りかざす君へ」真保裕一・徳間書店。
真保裕一らしくないなあ。原遼を気取ったか、佐々木譲の向こうを張ったか。だとしたら失敗だ。登場人物は無駄に多く、そのため物語は寄り道して右往左往し、複雑にからみ合った糸をほぐすだけで疲れてしまう。そんな物語だったなあ。


2023.08.17

客は冷静、メディアは大はしゃぎ


24年間もJR東海の仕事をしてきた。まさに世紀超えのお付き合いだ。
だからというわけではないが、この3日間の東海道新幹線のダイヤ乱れに対する世間の叩き方がすごく腹立たしい。つーか、バカかおまえら、というコメントが多い。
昼のワイドショーを見たら「どうした新幹線」と口走るコメンテーターがいて、どうかしたのはお前の頭だと思ったわ。

一番呆れたのは、MCの「ダイヤが乱れて、新幹線がいつ来るのか、どこにあるのか、時間も場所もわからない」ととんでもないことを口走ったときである。新幹線がどこにあるか、わからんわけがなかろうが。新幹線に限らず、鉄道の仕組みの基本がまるでわかっていない。もしかして車のように自分の都合で好き勝手に走っていると思っているのだろうか。
百歩譲って「自分の乗る新幹線の時間も場所もわからない、ちゃんと知らせるべきだ」という意味なら、では普段山手線に乗るときに自分の乗る電車の位置を把握してんのかと言い返したくなる。
辛坊なんとかという芸人(?)は、地下鉄は動いているのにJRは止まりすぎだというとんでもない暴言を吐いたらしい。どこから説明すればいいかわからないぐらいアホな発言だが、少なくとも、ヨットで太平洋を横断しようとして遭難し、大騒ぎの末に救助してもらった人間が言うことではなかろう。そんな程度の自制もできない老害。

東海道新幹線の1年間の平均遅延は12秒である。これは今回のような自然災害による遅れも含んだ上でのすべての列車の遅れをならすと12秒ということだ。
クレイジーな数字だと思う。
これほどの交通システムが混乱するのには、それだけの理由があるに決まってるじゃないか。
それともこれは、リニアの必然性を静岡のバカにわからせるための壮大な自爆だったとでも言うのだろうか。いや、それは…アリかも。

「爆弾」呉勝浩・講談社。 このミスで1位という話題作。例によってハードカバーを買うならブックオフだ。東京中に爆弾が仕掛けられて、最終的には山手線の駅が10秒おきに次々と爆破されていく。このアイデアは素晴らしい。ただ物語の視点がころころと変わりすぎて混乱するのと、すべての人物にまったく共感できないので、どうにも物語に入り込めなかった。オレには合わない小説だったなあ。


2023.08.16

英雄


レオ・シルバが聖籠にやって来た。
聖籠(せいろう)とはアルビレックス新潟のグラウンドがある場所であり、レオ・シルバとはかつてアルビレックス新潟で大活躍したレジェンド。日本でのキャリアを終えて昨年故郷のブラジルのクラブに移籍し、そこで引退を迎え、区切りということで日本まで挨拶に来てくれたそうだ。
キャリアハイの時期をこんな地方のチビクラブに尽くしてくれたことに深い敬意を抱くサポーターは今なお多く、新潟市のメインストリートにレオ・ジルバの銅像をという声だってあるのだ。

そんなサポーターたちの気持ちをいつまでも忘れず、義理堅く引退の挨拶のためにわざわざブラジルからやって来てくれたレオ・シルバ。
いや、待て。引退したレオ・シルバは代理人業を始めたらしい。要するに営業のために日本にやって来たに違いない。その証拠にアルビレックスだけでなく、鹿島にも足を運んだそうではないか。この後は名古屋にも行くに違いない。むしろ商売としては名古屋や鹿島のほうが大きいから、新潟への挨拶はついでみたいなものだろう。
それでもよい。チームの公式サイトに上げられた動画では、いささか太ってちょっと老けたレオ・シルバが聖籠のピッチに立つ姿が見られた。
「オー、タツヤ〜」と田中達也の姿を見つけて手を振るときの満面の笑顔は現役時代そのまま。まさしくアルビレックス新潟の太陽だった、あの頃の笑顔だ。この笑顔を見ただけで多くのサポが「泣けた」「泣けた」と書き込みしている。

それまで代表厨だったオレがアルビレックス新潟の熱心なサポーターになったのは、出身地ということもあるが、レオ・シルバを見たからというのが一番の理由だった。
あれは来日2年目。アルビレックス新潟の主軸として縦横無尽にピッチを駆け巡り、Jリーグの多くの選手が「あいつはヤバい」「ガチでやばい」「なんなんだ一体」とびびって、いや、リスペクトしていた頃。
オレはたまたまアルビレックス新潟対鹿島アントラーズのゲームを見て、そしてそこでのレオ・シルバのあるプレーに愕然としたのである。
カウンターを仕掛けようとした新潟は、あっさりボールを奪取され、鹿島の逆カウンターを食らってしまった。状況は鹿島が5に対して新潟が2。2のうちの一人がレオ・シルバだ。5人が絶叫しながら新潟のゴール目指して襲いかかってきたところ、なんとレオ・シルバは一人冷静にそのボールをかっさらって、ピンチの芽をあっさりと摘んでしまったのである。
たまげた。仰天した。腰を抜かした。
いったい、今オレが見たのは何だったのだ。
鹿島の柴崎が、オレと同じように「何が起きたんだ」と呆然としていたのが実に印象的だった。
このプレーにすっかり魅了されてしまったオレは、もっとレオ・シルバのプレーが見たくなり、これがきっかけでアルビレックス新潟を応援するようになったのである。

だから今でもオールタイムで最も好きなサッカー選手ということになると、オレにとってそれはレオ・シルバなのだ。
今もよく覚えているのは、2016年5月14日の埼玉スタジアムでの浦和レッズ戦。
当時の通算成績が1勝4分19敗と、圧倒的に苦手とするレッズ相手にアルビレックスは0-0の引き分けに持ち込んだのだ。ピッチを縦横無尽に走り回ってレッズのボールを刈り続けたレオ・シルバは、試合後、オレたちのいるスタンドまでやってきて「どうだ、見てくれたか」と胸を張ったのである。あの時の誇らしげな表情は今も忘れられない。
0-0という結果なのに、1人で観戦していたオレは、精一杯の拍手を送ったのだった。

その前年、レオ・シルバは肝臓に異常が見つかり、ブラジルに緊急帰国して手術を受けることになった。サポーターは大パニック。とにかくあの笑顔が見られるならば、オレたちのチームでなくてもいい、どこのチームでもいい、治ってくれさえすればいいと悲痛な声を上げたのである。 そして伝説の見送りリレーが行われた。 成田空港へ向かうために新幹線に乗り込むレオ・シルバを見送ろうと、新潟駅に集まったサポーターは300人。「絶対に帰ってこい」という声に送られて新幹線は発車した。
すると次の燕三条駅のホームには、レオ・シルバを元気づけるメッセージを掲げたサポーターがずらりと勢揃い。それどころか、その後、東京駅に着くまでの全ての駅のホームにサポーターが立ち、フラッグを掲げたのである。確か熊谷駅だけ、誰もいなかったと記憶している。湯沢高原駅にはたった1人で、ホームで旗を振る姿があった。
もちろんこれは事前に打ち合わせたわけでもなんでもなくて、自然発生的に起きた出来事だった。レオ・シルバの乗った新幹線を待ち構えて新幹線のホームに立つサポーターの姿を目にした奥さんは、ずっと大号泣だったという。そりゃそうだろう。異国の地で自分の旦那がこれほど愛されていたとは。
そして東京駅。
たまたま予定されていた取材仕事が先方の都合でキャンセルになった、たまたまその場所が東京駅から一駅だった、たまたまバッグの中にレオ・シルバのユニフォームを入れていたという奇跡が重なったのがその日のオレ。Twitterを見て何の迷いもなくオレは東京駅に駆けつけ、入場券で新幹線ホームに入り、レオ・シルバの到着を待ったのである。
ホームには同じようにオレンジのシャツやフラッグを抱えたサポらしき人間が数十名。オレも隣の見知らぬ人と「どちらから」「新橋から」「会社は」「へへ、抜けてきました」というような会話をしながらレオ・シルバを待った。
新幹線から降りてきたレオ・シルバは一瞬目を丸くし、そしてニコニコと手を振って改札へ続くエスカレーターに向かっていった。
レオ・シルバを見送るのはいいが絶対に周囲に迷惑をかけちゃいけないというのは、Twitter等で事前に共有されていたので、サポはみんな黙って手を振るだけである。写真も撮らない。フラグッも振らない。
迷惑をかけることなく、けれど力強くレオ・シルバを見送ろうという気持ちで、みんな手を振ったのであった。
ところがそんな中、一人のおっちゃんが歩きながら「あれれ」という風情でレオ・シルバの顔を見上げ「うひゃー」と言いながらレオ・シルバと握手してしまったのである。これにはサポーター一同愕然として固まってしまった。
おっちゃんは「あれ、レオ・すルバだべ」と新潟弁丸出しでサポーターたちに話しかけ、嬉しそうに立ち去っていった。
なんとも伝説のリレーにふさわしいずっこけのオチであった。

そんな具合に新潟のサポーターにとってレオ・シルバはまさにレジェンドなのである。
面白いのは、レオ・シルバが鹿島に移籍したらそのまま鹿島を応援するかというとそんなことは絶対になくて、応援するのは新潟で、鹿島は相変わらず憎むべき敵であるということだ。
選手はチームを好きに変えられるが、サポーターは絶対に応援するチームを変えられないのである。

レオ・シルバも39歳だ。おっさんである。
でも、まだ短時間なら通用するんじゃないかなあ。
現役は引退したけど、新潟で復帰してくれないかなあ。1年でいいから。
オレたちはそんなことも妄想する。

「シャイロックの子供たち」池井戸潤・文春文庫。
「ハヤブサ消防団」が期待外れに終わってしまったので、池井戸潤ならやっぱり銀行ものだろうと手に取ったのがこれ。先日、福岡からの帰り、JALの機内で観た映画の原作がこれで、いかにも池井戸潤らしい面白さだったので、原作も読むことにした。
三菱UFJ銀行のしょぼい支店を舞台にした銀行員たちのしょぼい日常を描いている。もちろん小説だから面白おかしく脚色されているわけだが、やっばり銀行というところは勤めるものじゃないなあというのが感想。つーか、オレなんか採用されないに決まってるが。


2023.08.15

ヤマハの青


ここ10年ほど、アコースティックギター事情についてまともにウォッチしてこなかったおかげで、とんでもないカスをつかまされた。

ギターの弦を張り替えようと思って、たまには変わった弦でもとAmazonを検索したのが間違いのもと。聞いたことのないメーカーが見つかり、しかも3セットで1000円と激安で、よく見たら日本の零細企業が作っているというので、よーし、応援するぞという気持ちもあってポチッとしてしまったのだ。酔っていたし。
メイド・イン・ジャパンを日本人が買わないでどうするんだ。
ところが翌日に届いた弦を張り替えようとして大騒動。張り替えの途中に一番細い1弦がブチッと切れてしまったのだ。
張った後のチューニング時に切れてしまうことは、ごく稀にある。ないことではない。たが張り替え中に切れてしまうなんてことは、中学時代にギターを弾き始めて50数年、初めてのことだった。

まあ、この年になって初めてのことに遭遇するのも、なくはないだろう。首をかしげつつ、無理矢理自分を納得させて、届いた3セット中の2番目のセットから1弦のみ取り出して交換することにした。
ところがこの交換した1弦も、なんということだ、張り替え中に切れてしまったのである。ブチッと。
さすがにここに至っておかしいと思ったオレは、このメーカーの弦についてネットで調べてみた。すると出るわ出るわ、悪評が。その中にはオレと同様、張り替え中にブチッと切れたという怒りのコメントも多数。張り替えがうまくいってもすぐに他の弦も含めてブチブチと切れるらしい。
オレが買った個体の問題ではなかった。このメーカー自体のものづくりの問題だった。
届いた弦のセットには感謝の手書きのメッセージが添えられ、ピックやステッカー、弦拭きの布まで入っていた。サービスたっぷり、きっと何とかして売れるように真面目に努力しているのだろうという企業姿勢が伝わってきて、好感が持てた。
ところが肝心の弦がこれでは話にならない。オレはがっくりと肩を落とす。よく吟味せず、メイド・イン・ジャパンだぜと鼻息荒く購入したオレの失敗だった。
今や、日本製は安かろう悪かろうなのか。

結局未開封の3セットめも含めて、オレは届いた弦を全てゴミ箱にぶち込んだ。そしてちょっと考えて、安定のヤマハ製の弦をオーダーしたのだった。日本製でも安かろう悪かろうではない弦もある。その代表格がヤマハの弦。
ヤマハの弦は、一言で言うと実に優等生。無難で面白みには欠けるが、まず間違いなく、どんなギターにもそこそこ合う。もちろん品質はばっちりで、調弦中に切れるようなこともない。価格もそこそこ。ギター弾きが好むようなブランド感は薄いが、実に間違いのない弦である。
この点、同様に無難なマーチンの弦とはレベルが違う。マーチンの弦は、いったいこれはいつの製造だと思われような弦が混じっていることがある。長すぎる流通在庫が横流しされたか、未開封なのにすでにくたびれた熟年オヤジのような弦があったりする。一時、メキシコで製造されたマーチン弦は品質が悪いという噂もあって、つまり当たり外れが大きいのがマーチンの弦ということだ。
今やPA技術のおかげで生ギターの音質も大抵のことはどうにでも操作できるようになったので、どんな弦やギターであってもそこそこごまかせる。もっと深みのある音とか、伸びやかな高音とか、その程度はどうにでもなってしまうのである。だから昔ほど弦とギターの組み合わせに神経質になる必要はない。

オレの愛器はラリビーというカナダ製のギターで、これがハワイ産のコア材をボディに使っているという変わり種。そのため高音が実に美しく響くという特徴を持っていた。その代わり低音の響きはイマイチで、人によって好き嫌いのはっきりするギターだ。
オレはこのギターが大好きで、マーチンの00-28(エリック・クラプトンと同じモデルだ)は8万円でとっとと売り払ったけれど、ラリビーはたぶん一生手元に置いておくだろうと思っている。
このラリビーに合う弦は、試行錯誤の末、ジョンピアーズに落ち着いた。イギリス製の弦である。高音の伸びが素晴らしい弦だ。ただ比較的高価なのと、割とすぐに死んでしまうのが難点である。
“死ぬ”というのは弦用語で、急に音の張りを失ってしまうこと。まるで寿命が途切れてしまったような感じなので、こう呼ばれる。ジョンピアーズはこの点、割とはっきり、あ、死んだ、と思わせるような死に方をするのが特徴だ。そのため“いっそ潔い”とまで言われている。

その頃センセーショナルな登場の仕方で衝撃を与えたのが、エリクサーという弦だ。こちらは驚くことにそれまでの弦の3倍以上長持ちするという点が最大の売り物であった。秘密は弦の表面に特殊なコーティングをしているためである。そのせいか、音はシャリシャリと金属的で、これも好き嫌いの分かれる点だった。
とはいえ3倍も長持ちするというのは大変に魅力的で、高価ではあるものの、弦交換の手間が少ないというのは大変にありがたい話である。何しろギター弾きにとって最大の難所が弦の交換。誰もがうんざりしながら交換している。
プロならば3日に1度は交換しなくてはならず、専属のローディを雇っているならともかく、おおかたのギター弾きは、オレはーは人生の何分の1を弦交換のために費やしているのだと罵りながら張り替えに取り組んでいる。

ギター弦でオレが今でも一番だと思っているのはドルフィンというギター専門店のオリジナル弦である。これはなんと製造された直後の真っすぐな弦がそのままの状態で送られてくるのである。一般の弦はくるくると巻かれて袋に入れられているが、要するにこの弦は、巻かれもせず、袋にも入れられず、真っすぐな状態で送られてくるのだ。
産地直送、鮮度最高。
それはいいのだけれど、難しいのは管理である。真っすぐに届いたのだからそのまままっすぐに保管しておかなくてはならず、そのために壁にピンを打って吊したりするわけだが、空気にそのまま触れる状態での保存になるため、当然湿気の影響を受けてしまう。さびるほどではないものの、間違いなくマイナスの影響を受けてしまうのである。
それこそ3日に1回張り替えるぐらいなら湿気もさすど気にならないだろうが、アマチュアギタリストにとってはこのあたりのハードルが高いのだった。

さて、話はだいぶ飛んだけれど、こうしてオレはヤマハの弦をオーダーし、届いたその日にしっかり張り替えたのである。相変わらず無難で、面白みの欠ける弦ではあるが、間違いなく安定した品質の誠実な弦でもある。
安かろう悪かろうばかりではないのだ。ちゃんとした日本製のほうが多いのだ。
日本にヤマハがある限り、オレたちは安心してギターを弾けるのだ。
そういや以前愛用していたヤマハのギターは、某児童センターの職員にタダであげてしまった。あれはいいギターだったから、今でもちょっと惜しい。
今はファイバー製ボディのオベイションを使っているのだけれど、ぼちぼち飽きてきたので、買い換えたくなってきた。
ヤマハの青が欲しいなあ。


2023.08.14

開店休業


40歳を過ぎる頃から、帰省して実家の玄関に足を踏み入れ、出迎えた母の顔を見るたび、こうしてこの場で母と対峙できるのはあと何回残っているのだろうと考えたものだった。
両親がどのように思っていたかは知らない。だが高校卒業と共に故郷を出て、結局、跡継ぎとして戻ることはなかった長男の顔を見るたび、何やら深い想いを抱いたであろうことは、自分自身が親となった今、じゅうぶんに想像できる。子どもと離れて暮らしたいと思う親などいないのだ。
今日はお盆の中日である。
子どもが受験期を過ぎて大学生ともなれば家族そろって長い休みをそろえるのは難しく、以前のようにゴールデンウィークだお盆だと帰省することはできなくなってしまった。戻ってきた両親の霊は、今年もまた不在の長男一家に眉をひそめているかもしれない。
娘は先日、サークルで数日間の合宿に出かけた。わずか数日のことではあっても親としては娘のことが頭から離れず、朝はちゃんと起きられたか、晩飯は食ったかとLINEを送り、既読がつかないことにやきもきしては、きっと鬱陶しがられている。
そして亡き両親も同じように息子のことを案じていたのだろうと思い至る。ましてや学生が自分専用の電話を持つなんてとても考えられなかった時代だ。案じることは山ほどもあったに違いない。
そんなことを振り返りつつ、遠い故郷の方角に向かって手を合わせる。

「母の待つ里」浅田次郎・新潮社。
などということを思ったのも、この一冊をブックオフで買ってきて読んだからだ。ハードカバー200円。これはお買い得ですぜ、旦那。別に汚れてもいないし。
このタイトルで浅田次郎だから、もう話の展開は見えたようなものである。ところが最初の章を読んで愕然。こんな展開だったのか。アホな。いったんはこの時点で本を投げ出す。どうせ200円だから惜しくないし。
しかし、事務所の営業はしていても客はみんな夏休みでどうせ仕事にならないし、ヒマだからと、再び手にとって読み始める。すると話は想像していたのと別方向に転がり始め、ははあ、なるほど、こう来たかと感心する。
読後。手練れの作家がきっちり丁寧にまとめてみせた作品という印象。悪くはない。


2023.08.13

ザギンでグーフー ワイハでシースー


先日取材で会ったのは、起業した会社を去年売却し、100億円近くを手にして引退したという40代の方。とても穏やかな好人物だった。
仕事から完全にリタイヤし、家族もいないので、100%自由とのこと。金の心配は一切要らないし、時間はとんでもなくある。ずっと自由であることに憧れてきたから、現在はとても幸せなのだそうだ。
うらやましい限りである。
ただ残念なのは友達に相手にしてもらえないことだそうだ。なにしろ仲間はみんな働き盛りの子育て盛り。ヒマだからと平日に遊びに誘っても「忙しい」と誰も来てくれなくて、ならば週末にと思えば「子どもが受験」とあっさり断られるのだそうだ。
確かにそういう年代だ。
旅行が好きだけれど、友達は付き合ってくれないし、結婚していないから家族もいない。 40代になって母親と2人旅らしく、それはそれで立派な親孝行ではある。
その方は取材で、「夏だからハワイに行ってきます、10日間ほど」と言っていた。誰と行くのかと問うたら、そんなわけで誰も一緒に行ってくれないから1人で行くのだという。
しかもサーフィンもしなければゴルフもしないので「1人のハワイで何をしたらいいんでしょう」と困ったように笑うのだった。
この大火に巻き込まれていなければいいのだがと、オレはニュースを見ながら思うのだった。

「ハヤブサ消防団」池井戸潤・集英社。
ドラマがえらく面白いので、ブックオフで原作のハードカバーも買ってしまった。池井戸潤が銀行でもなく企業でもなく、過疎の山村を舞台にミステリーを描いたということで、ちょっと話題になった一策だ。読んでみて、話を広げすぎて、畳み方に無理というかあたふた感がたっぷりある。池井戸潤の持ち味は読後のすっきり感なのに、そこも薄い。これは明らかにドラマの勝ちだと思った。
ちにみにドラマのロケは群馬だが、小説の舞台は岐阜県。たぶんモデル(八百万町)になっただろう八百津町では、この小説とドラマのヒットをきっかけに町おこしに盛り上がっているそうだ。何よりである。


2023.08.12

△○△○●●△○●●●△○●●△●△○×○×△25


先日アルビレックス新潟に移籍してきた長倉という選手は、1年前まではなんとアマチュアの東京ユナイテッドというチームに所属していた選手だった。
大学を卒業したもののプロチームからは声がかからず、関東リーグのチームに加入。すぐに実力を発揮し、J2の群馬から声がかかって移籍した。
群馬時代に長倉のプレーを見たが、ついこないだまでアマチュアだったということに驚くとともに、なかなか印象的なプレーをする選手だと思ったものだった。
それがこの夏の移籍で群馬から我らがアルビレックス新潟に移籍してきたのである。これにはちょっとびっくりした。

そして今日、長倉はホームゲームでデビューする。そしてオレたちはそのパフォーマンスに驚愕する。
ぶっつけ本番の左サイドだったというのにするすると突破しては鋭いクロスを上げたかと思えば、いつの間にか中央に潜り込んでいて、相手を背負いながらトリッキーなプレーをする。技術的にはもちろんのこと、センスが抜群にいいのだろう。
周囲の仲間が汗だくで必死の競争だというのに、本人はどこかひょうひょうとしてプレーしている風なところがあり、なんとなく乾を思わせるようなタイプではないかと察する。
いやあ、いい選手が獲れたものだ。

今回の移籍に際しては他のJ1クラブと争奪戦になったらしい。
年俸では絶対に新潟は負けているはずなのに、それでもあえて新潟に来てくれたのには感謝だ。本間至恩、伊藤涼太郎と続けてヨーロッパへ送り出した実績が評価され、契約にヨーロッパから声がかかったら絶対に好きなようにさせてあげるという条鋼を契約書に盛り込んだのだろう。
加えて今のチームスタイルが気に入ったのと、選手層が薄いので確実に出場できるという確信もあったに違いない。
去年の夏にはアマチュアチームで走り回っていた選手が、今年の夏にはJ1で活躍しているのである。なんと夢のある話ではないか。
きっと来年の夏にはアルビレックス新潟にはいなくて浦和レッズか横浜マリノス、あるいは本当にヨーロッパに行ってる確率が高い。こういう選手の物語を見るのも、サポーターの楽しみだ。

という長倉が投入されてからゲームの流れは一気に加速し、高木善朗がアディショナルタイムを含めて2点を決めて引き分けに持ち込んだ。実にビューティフルな上手いシュートで、さすが高木の技術はJ1でも十分に通用することを教えてくれた。
勝てた試合だったなあ。前半の間抜けな失点さえなければ。まあそれよりも、今日は高木が復活して引き分けに持ち込めたことを喜ぼう。
今日は父親の高木豊もスタジアムで観ていたそうで、トークショーもやっていたらしい。 息子の復活と大活躍に、高木豊も大喜びだったろう。

「リボルバー・リリー」
原作は以前読んだ。映画になったとは知らなくて、ヨメが観に行くというからのこのことついていった。地元に映画館があるっていいよなあ。
大正大に活躍したリリーという女スパイの話である。基本、嘘っぱちなのだからリリーの撃った弾は相手をばったばったとなぎ倒し、リリーはどんなに砲弾を浴びてもけろっとしているのは当然なのだ。当然なのだが、ファンタジーであると自分に言い聞かせつつも、さすがに嘘くせえと思った。
主演は綾瀬はるか。あのふにゃふにしゃしたオンナにハードボイルドが務まるかという違和感がずっとあって、こりはキャスティングがミスったなあ。
シナリオはテンポがよく、セットも見事。豊川悦治や石橋蓮司などの脇役陣も渋い。
でも、アマプラで十分じゃないかなあというのがオレの感想。


2023.08.11

神・丸山


60分過ぎにスウェーデン選手の顔が大映しになったとき、「やべえ」という顔をしていたので驚いた。2-0で勝っているというのに。
いずれ運動量が極端に落ちるに違いないとは思っていたが、想定より早くそれがきたようだ。

なにしろスウェーデンは前半から飛ばしすぎた。寄せはむちゃくちゃ速くて、日本はセカンドボールをほとんど拾えない。運動量も豊富で、日本のパスがほとんど通らない。長谷川のパスなんて、何度ミスパスになったことか。
アメリカと120分+PK戦を終えて間もないスウェーデンにとって、この試合は疲れはピークのはずで、だからこそ省エネサッカーでゲームに入ると思っていたら、まさかのフルスロットル。これで疲れないわけがない。足が止まるのは時間の問題と思っていた。
それがもっと早く動けなくなって、「やべえ」の表情。スウェーデンの選手たち自身にとっても想定外だったということだ。
だから植木のPK失敗が無茶苦茶痛かった。あれが決まっていれば、日本は間違いなく逆転していた。
もっともスウェーデンのキーパーは神である。アメリカ戦の1ミリもそうだったが、あれは神であるとしか説明のつかないような信じられないボールの動きで、フリーキックがポスト→背中→バーなんて文字通りの神業ではないか。
だから植木のPKが決まっていても、最終的には神の前に日本はひれ伏したかもしれないのだが。

それにしても要するに一番痛かったのは、前半で修正できなかったことだ。
あそこまでアグレッシブに出てくる相手を前に守勢一方になって押し込まれてしまったから、そりゃあフィジカルで圧倒的な相手に守り切れるわけがなく、開始10分で見切ってすぐに切り替えて、もっと仕掛けるサッカーをすべきだった。
そこで問題なのが、なんで遠藤を使わなかったかである。
スウェーデンは左の宮沢を警戒して徹底的に左サイドを封じてきた。こんな状況でも前に出られるのが遠藤なのに、どうして杉田だったのだろう。案の定、左サイドは完全に死んでしまい、宮沢はシュートゼロに終わる。
熊谷もミスが多かったし、1点目はキーパーのパンチングのミスと、ミスが多かったのも事実だ。だが一番は、やはり前半で対策できなかったことのミス。つまり監督の不手際で負けたのだと思う。

いや、それ以上の問題は解説の丸山桂里奈だったのではないか。
解説が丸山と聞いて、ついにNHKはとち狂ったかと思ったが、案に相違して出だしの丸山桂里奈はまともな解説だった。だがそんなまともさを期待して解説に呼んだわけではないというのがNHKの思いだったのか、アナウンサーがしきりに2011年のワールドカップ準々決勝でのドイツ戦を引き合いに出して丸山をあおる。
丸山桂里奈はオフサイドもよく知らないほどのバカだからついついそれに乗ってしまい、宮沢の足が速いという話題で、「実は宮沢選手は算盤一級なんですよ、足が速い選手は手も速いんですよ」というとっておきの小ネタを披露して得意の絶頂になり、ネットが「算盤」「算盤」と大騒ぎになっている間に日本はスウェーデンにセットプレーで畳みかけられ、失点してしまうのである。
キーパーの山下が下手くそなパンチングでピンチを広げてしまったのも、丸山の算盤ネタにうろたえたのではないかという説があり、ネットでは「算盤のせいだ」「丸山のせいだ」「丸山が悪い」と炎上してしまう。
ということは神だったのはスウェーデンのキーパーではなくて丸山桂里奈だったということか。
オレたちはあまりの結論に天を仰いで絶望するのだった。


2023.08.10

寺の住職も怪しいんだよなあ


いやあ、林真理子以下、日大の幹部連中って本当にバカなんだな。マジで呆れたわ。
あのグダグダの会見がうまくいったと勘違いしたのだろう、アメフト部の活動再開を決めて秋のリーグ戦にも参加するというのだ。
もっとも申請したらリーグに即座に却下されて大笑い。ちゃんと打診してから進めておけば、せめてこんな恥はかかずに済んだだろうに。
個人の犯罪で連帯責任は不要と言うが、複数人が疑惑を持たれているのに警察の捜査を待つでもなく、再発防止策も示していない段階で活動再開はあり得ない。
林真理子も正直、ここまでバカだとは思わなかった。やっぱり無理だよ、組織運営なんて。まるで世間の常識とずれている。

などと呆れながら夜は「ハヤブサ消防団」を観る。4回目だ。
謎が謎を呼ぶ展開で、川口春奈が新興宗教の広報だったなんて、仰天。ううーむ、一体どうなってしまうのだ。
このドラマは、消防団のおじさんたちがグダグダにじゃれ合うのが見ていて楽しい。けっこういい役者がそろっているし、やっぱりドラマは役者だなあと実感する。


2023.08.09

猫ちゃんロボットでは無理なのか


今日は大阪日帰りである。
先月は岡山でその前は大阪。来月は名古屋に大阪と、ここのところ関西方面での仕事が多い。
先月下旬あたりから新幹線には子供客が増えてきて夏休みの空気が漂い、今日もリュックをしょった外国人の姿が目についた。
EXプレス予約ですいすいと改札を通って席に行く。
オレの後ろの席は、そんな外国人観光客のカップルだ。
席に着いたオレは、後ろを振り返り「すまんの、ちょっとイスを倒させてもらうぜ。おっとっと、気にすんな。これが日本流。常に他人様を気づかい、リスペクトし、頭を下げるのがジャパニーズのライフ様式だ。ところでお二人さん、どこから来なすった。今日はこれから京都か。天気が悪くて今日はマウント富士の勇姿が見られそうにないのは残念だが、ハバ・ナイストリップだぜ」というメッセージを目で伝えて、イスを倒す。

外国人にとって新幹線というのはアメージングな乗り物らしくて、塵一つ落ちていない清潔さ、1分遅れたら運転事故という正確性、絶対的な安全性など、どれも公共交通機関として最高レベルなのである。
終点到着後の車内清掃なんて、もはや無形文化財。
そんな新幹線に当たり前のように乗って、イスを倒すだけでも後ろの客に頭を下げる日本人も、やっぱりアメージングだぜ。
これに加えて座席まで物品を売りに来てくれる車内販売は利便性の極北で、幅30センチにも満たないワゴンにこんなにも多種多様な物品を詰め込むのも、まさに日本ならではの箱庭文化。アメージングなのだ。

ところがその車内販売も終了するというのでちょっとしたニュースになっている。
報道ではJR東海が車内販売をやめるという言われ方をされているけれど、もちろん車内販売をしているのは子会社だ。一回の乗務でワゴン1台の売上は多くて9万円程度と聞いたことがあって、もともとこれは割の合わない商売だったのだ。
それでも赤字前提で商売を続けていたのは、これもまた乗客サービスの一つ、という割り切りがあったからである。
今回の車内販売中止の決断は、こういうスタイルのサービスがもはや時代遅れという判断なのかも。
グリーン車限定で、モバイルオーダー方式の車内販売は続けるらしいが、それ以外の平民はというと、乗車前に駅の売店でビールや弁当を買い込むか、あるいはあえて各駅停車「こだま」に乗って、駅に停まるたびに下車して売店でビールを買い足す旅を楽しむか、ということになる。後者のあえて「こだま」旅は、もしかしたら案外と新しい需要の喚起につながるかもしれんな。
「ややっ、ビールが切れた」
「部長っ、次の新富士で自分が売店で買ってきます!」
「おお、そうか、すまんな、遅れるなよ」
「大丈夫っすよ、新富士はのぞみの通過で5分ぐらい停まりますから」
だがそんな客が狭いキヨスクに殺到するものだから大混乱。
「あわわわ、ビールくださいっ、あわわわ、間に合わねえ!」
「おーい、何やってんだ、置いていくぞう」
「あわわわわ」
なんていう新しい出張文化が生まれるかもしれない。
外国人観光客も真似をしようとして大惨事。

オレは車内販売はほとんど利用しないが、たまにカメラマンのヨシダ氏と同乗した際はオレンジアイスクリームを買って、カチカチに凍った表面に苦労しながらスプーンを刺したりしている。案外美味いのよ、このスジャータのオレンジアイス。
東京駅のホームの立ち食い蕎麦がこの春に閉店したように、食に関する鉄道サービスがだんだん減っているのは確かだ。今回の車内販売中止に伴うリソースをどこに振り替えていくのか、ちょっと楽しみである。

「サイケデリック・マウンテン」榎本憲男・早川書房。
好きな作家である。この人の書く真行寺弘道シリーズは特に面白く、幾度も読み返した。その著者の最高傑作との評判がこの新刊である。もっとも書かれたのは真行寺シリーズよりもずっと前らしいが。
新興宗教やマインドコントロール、環境問題などのネタを散りばめながら国家とは何かを問いかけてくる大作である。大作ってほどでもないか。なかなか面白く、一気読みである。
この作家の特徴は、時々、文脈とは何の関係もなく、しょうもない冗談をぶっ込んでくることである。例えば刑事が「あぶない刑事」と大書されたTシャツを着ていたとか。あるいは「それは武士道精神に鑑みて賛成しかねます」と上司に反論して叱責されたとか。話もの展開とは何の関係もないこうしたくだらないネタが、なぜかツボだったりす。
ただ個人的にはやはり真行寺シリーズがいい。青木祐子が「これい経費で落ちません!」シリーズだけを書いていればいいように、榎本憲男も真行寺シリーズだけを書いてもらいたいものだ。


2023.08.08

飽きたというか呆れたのかも


結局ABEMAで日大の記者会見を全部観てしまった。
アメフト部廃部にします、私も責任取って辞めます、あとは警察に全部お任せしますと言って頭を下げるのかと思ったら、林真理子、まさかの逆ギレにびっくり。
でも「隠蔽するわけねえだろう、タコ!」と言ってるそばからヒール顔の副学長が「怪しいモノを見つけたので持ってしまっておきました」としれっと言ってるのだから日本中大笑い。それが隠蔽だったつーの。
他にもいろいろと酷い記者会見で、はあ、こりゃダメだと思いながら最後まで観てしまった。
ビッグモーターに飽きたから次は日大だなと思ったけど、世間の反応は案外鈍くて、あまり関心は高くないみたいだ。
これからも叩いていいのは町田ゼルビアだけ。


2023.08.07

買い物を楽しんでくだチャイナ


この季節、銀座で行動するのは地下街を歩くのがいい。なにしろ陽差しが強烈すぎる。
だが一方で銀座は夏がいいのも事実だ。特に早朝と夕刻が素晴らしい。
今日は午後の一番暑いときに行ったので地下を歩くつもりだったが、せっかくだから盛夏の銀座も味わっておきたいなあと思って、インタビュー仕事を片付けた後は中央通りを銀座六丁目から銀座一丁目まで歩くことにした。

今年に入ってから銀座は、とにかく外国人がどっと増えた。道行く人の半数近くが外国人ではないかとさえ思えてくる。そしてそのうちの6〜7割が台湾か中国本土。
とにかく中華が団体でにぎやかに闊歩し、道の端っこを、観光客をもてなす側である日本人がそそくさと歩いているという構図。
日中の銀座だから外国人が増えたからといって雰囲気が悪くなっていることもなく、新橋寄りの時計店を襲ったのは日本人であったわけだから、むしろ日本の若い連中が治安を悪化させているということになるのか。とほほな現実だ。

銀座にはよく来るが、仕事がらみなので、買い物もしない。せいぜいみゆき通りのベローチェでアイスコーヒーを飲む程度である。今日もふと思い立って無印良品のフラッグシップに寄ってみようかと考えたが、暑いし、面倒だし、いいや、と諦める。
どうも買い物とか、あまりしたくなくってきた。
欲しいものがないのか、カネがないのか(それは確かだ)、買い物自体がおっくうなのか。無印良品で欲しいものはあるのだが、ネットで十分。わざわざ立ち寄って上下階を移動しながら目当てのものを探し、そしてレジに並んで、PayPayでお願いしますと伝えるのさえ面倒だ。

こういう具合にいろんなものに対して面倒になるというのは、老いの証拠でもあるのだろうなあ。ちっともアクティブではない。
もっと好奇心旺盛に、ギラギラと買い物を楽しむぐらいでないといけないのだろう。

結局どこにも寄らずに銀座一丁目駅から有楽町線に乗って帰り、地元の駅前の無印良品に立ち寄る。そして買いたいものはない。欲しいものははっきりしているが、店頭には並んでいない。やっぱりネットで頼むに限る。
無印良品の場合、ネットで頼んで店舗で受け取れば送料は無料だ。
きっと中国人や台湾人はそんなことはなくて、ギラギラしながらカルチェだとかブルガリだとかヴィトンだとかダイヤモンドシライシだとかの店に突撃するのだろう。オレたち日本人はかなわないなあ。


2023.08.06

害ではないから老害ではない


いやあ、いちいち反応するのも馬鹿馬鹿しいとは思っていたのだが、さすがに今日の書き込みには呆れた。いつもの自民党大嫌いハゲの書き込みである。
なんと「facebookは本人の経済的、肉体的、精神的問題点を測るバロメータで、書き込みがなくなるとどれかに問題が発生している」と書いているのだ。
何かの比喩かと思って何度か読み返してしまったではないか。あほらし。
ど、どうしてfacebookに書き込みがないと問題なのか。facebookが世界の全て、世間の全てなのだろう。ハゲは肉体的問題点ではないから自分は書き続けていると自慢したいのか。いや、それは違うか。
facebookでしか世間とつながれない人だと思えば気の毒にもなってくる。いい大人がこんなことを本気で書いているのだから、哀れにもなってくる。
まあ、よい。
こうやって人のことを嘲ってばかりいるから、今日なんて下3チームが勝ってしまったではないか。これはマズい。たいへんにマズい。アルビレックス新潟の最大の目標は残留なのである。圧倒的弱者の湘南、柏、横浜のどれかがこのまま負け続けてくれないと、大変に困るのである。
このままでは世界も終わりだ。
あ、オレってアルビレックス新潟が世界の全てではないのか。
まあ、いいや。


2023.08.05

△○△○●●△○●●●△○●●△●△○×○×24


今日はじめて国立競技場に行って座って観戦したのだが、いやあ、聞きしに勝るクソ設計で仰天したわ。
とにかくイスが狭いっ。昔の国立競技場のイスよりはるかに狭い。つーか、こんな狭いイスに座ってサッカー観たことはないわってぐらい、狭い。
ケツのデカい外人なんて、座れないだろう。
悪評もさもありなん。

それから前のイスとの間隔も、覚悟していた以上に狭くて頭をかきむしったわ。
トイレに行くたび、いちいち「すいません、すいません」と言いながら出て行かなくてはならないのはどこでも一緒だからいいとして、それでも確実に人様の膝小僧やつま先に足をぶつけてしまうのである。
幸いオレの座った列の人は温厚な大人ばかりで、「どうぞどうぞ」と笑顔で通してくれた人ばかりだったからいいようなものの、これじゃあチッと舌打ちされても仕方ないわ。
本当にクソ設計だ。

まあ、そこを我慢すれば(つーか我慢できないから二度と行きたくないのだが)、ピッチは見やすいし、3層までちゃんとエスカレーターがあるし、トイレは多くてきれいだし、他のところはなかなか快適なスタジアムであった。座席以外は。

もっとも今日一番の見所はそこではなく、セレモニーである。
なんと生のマツケンサンバが披露されたのだ!
我が家ではマツケンサンバは世界遺産になっているので、息子は狂喜乱舞。たくさんの踊り子が舞い踊って、その中に「たたけ、ボーンゴ」と歌いながらリアルマツケンが登場したときは、興奮も最高潮。
マツケンに合わせてスタジアムも一体となって「オレっ」と叫んだのである。
いやあ、素晴らしかったなあ、マツケンサンバ。死ぬまでに一度は生で見たいと思っていたので、その願いが叶って本望である。なお、この場合の「死ぬまでに」はオレのことではなくて、歌い手さんのことである。

今日は初めての国立競技場なんてどうでもよくて、リアルのマツケンサンバを見られたことがすべてであった。まさしく夏の夕暮れの宴よ。夢よ。幻よ。
よって、サッカーの試合結果などどうでもいいのだ、すべてはマツケンサンバの歌声に乗って神宮の夜空に消えてしまったのだ。


2023.08.04

不敬罪対プー厨


そんな具合に日大アメフト部のやらかしに浦和サポが喜んでいたらば、実はその裏でさらにとんでもない超弩級の事件が起きていたのである。
主役は四国の高知ユナイテッドだ。ここはJFL、すなわちJリーグの下部組織のチームである。
何が起きたかというと、次の通りだ。

8月1日、高知ユナイテッドSCが「某協会」とスポンサー契約

8月2日、高知ユナイテッドが天皇杯出場

某協会の代表が「天皇は自閉症で偽者。知能が中学生レベルで常に小便を漏らす」と主張する陰謀論者と判明

8月4日、高知ユナイテッドは大慌てで一方的にスポンサー解除

わははは。天皇杯出場チームのスポンサーがこれでは、いかにもマズいわなあ。

高知からの一方的な契約破棄の申し出に対して某協会は何も抵抗せず、すんなり応じている。要するに天皇杯に出場してNHKテレビに胸のロゴが映れば満足だったようで、最初から確信犯だったわけだ。
高知は、いくらスポンサーが欲しいといったって、脇が甘すぎだろう。
8月1日にこの協会がユニフォームの胸のスポンサーになると判明した途端、他チームのサポの「余計なお節介だが」「考え直した方が」「もっと調べた方が」という助言が殺到したというから、怪しさはよく知られたものだったようだ。
高知、やっちまったなあ。救いはすぐに契約解除したことで、まあ、なかったことにして終わりだろう。

そんな高知の連中がホッと胸をなで下ろしたのが、その裏で起きていたもっとえらい騒ぎだった。
そうである。羽生結弦の結婚である。
夜中に突然Twitterで報告されたわけだが、よくよく読めば、いや、よく読まなくても突っ込みどころ満載で、まだ結婚したわけでもなければ相手が誰かも書かれていない。
見ようによってアラサーのOLが酔っ払って「今年こそ結婚したるわ−」と暴れているのと何ら変わらないのではないか。
よってネットでは「いつだよ」「誰だよ」「オンナかよ」という突っ込みが殺到。羽生くんの場合、LGBT疑惑がからんでくるから話はややこしくなって、相手についても「もしかしてオレか」「オレでは」「オレに違いない」という声が飛び交っている。
いや、そんなわけはない。羽生くんと言えば深い愛を誓った相手がいるだろう。そうである。熊のプーである。ということは、アラサーOLどころか、ミッキーマスのぬいぐるみを抱えて「あたし、ミッキーのお嫁さんになるんだ」と夢見ているお花畑の中学生あたりと何ら変わらないことになる。

まあ、それでもいいが。いや、よくない。ここは何が何でも羽生結弦の遺伝子を日本に残されなければ。
幸い、石川佳純という逸材がいる。いや、もっとホットなところでは、福原愛ちゃんはどうだろう。これでアスリートの遺伝子を中国から取り戻して、日本に残せることになるではないか。
そんなふうに羽生くんのおかげで日本中が盛り上がって、高知ユナイテッドも、日大アメフト部も、浦和サポも、みんな胸をなで下ろすのであった。


2023.08.03

サル対クスリ


そんな具合に我らがアルビレックス新潟は町田ゼルビアの征伐に成功した。
他サポからは「悪をやっつけてくれてありがとう!」「これで村が救われました」「ヤツらは国民の敵です」というメッセージが掲示板に多数寄せられ、どれだけ町田が嫌われているかが明らかになったわけだが、その裏では大変な騒動が起きていたのだった。
そうである、名古屋対浦和の暴動である。
試合終了後、負けた浦和のサポが悔しさのあまりピッチになだれ込み、名古屋の応援席を襲撃して殴る蹴るの暴力を働いたという騒ぎである。
この映像は多数撮影され、Twitter等でたちまち拡散し、満天下の知るところとなった。

何しろ天皇杯での狼藉である。宮内庁は激おこ。ついに浦和は天皇家まで敵に回したのだから、やはり町田の比ではなかった。
もっとも浦和に言わせると「悪いのは勝ち誇ってる名古屋だ。あいつらがあおってきた」ということになるのだが、自分たちは柏やガンバ相手にアウエーでも散々あおっておきながらすっかり忘れているのだから、さすがのサル頭である。
もっともそこに至る伏線として名古屋と浦和の運営同士の確執というものもあったのだが、ややこしいのでここでは触れない。

もちろん怒っているのは宮内庁だけではない。安心して家族で楽しめるスタジアムですとさんざん宣伝しているJリーグも、当然ながら激おこだ。サポーター同士がピッチで乱闘している様子を目の当たりにした子どもがおびえ、パパが「二度と来るもんか」と吐き捨ててスタジアムを去って行くのだから、それも当たり前だろう。
騒ぎはけっこうなものとなって、パトカーが20台も駆けつけることになってしまった。
宮内庁もJリーグも激おこなのだから当然厳しい処分が下るはずなのだが、実はここからが情けない話で、Jリーグはとことん浦和に対して弱腰なのである。世間やサポーターの厳しい目とはかけ離れた、まさにお茶を濁すという表現がふさわしい、適当な処分しか下せないのである。チェアマンの田島は何か弱みを握られているに違いな。
それを見越した浦和は完全に世間とJリーグを舐めており、早速下された処分も70人ぐらいがしばらく出入り禁止というものだ。警察が介入してきた傷害事件に器物破損事件であるというのに、まったく舐めた処分である。
まあ、いつものことだが。

そしてさらにその裏では、そんな騒ぎが吹っ飛ぶような超弩級の出来事が起きていたのであった。日大アメフト部の大麻と覚醒剤騒動である。
おかげで浦和のサルたちも、これで世間の関心が削がれるだろうと、ニヤニヤ笑っている。 日大のこの事件は、さすがにアウト過ぎる。最低でもアメフト部の廃部だな。

自分の子どもが友達から薬物に勧誘されたりしたら取り返しがつかないと、保護者なら誰でも考えるから、受験生は激減するだろうし。
笑っちゃうのは林真理子だ。
実は先月半ばにはアメフト部で大麻と覚醒剤が使われているという噂が流れて、大学側もブツを押収し、22日には保護者向けの説明会も行っていたのだという。それなのに林真理子ってば「見つかっていません」と断言しちゃったのだ。
後になって突っ込まれると「今のところは、という意味でした」と言い訳をして、これはまさに最低の悪手。「情報が上がってきていませんでした、ガバナンスに問題がありました」と認めるべきだったのだ。
林真理子が理事長になって組織風土もずいぶん変わったと自画自賛していた日大だが、実はそんなことはまったくなくて、統治がまったくできていない、前近代的な組織であることが露呈してしまったのである。ああ、恥ずかしい。
こりゃあ、林真理子も辞めなきゃダメだな。

そんな具合に浦和のサルたちが喜ぶ日大アメフト部のやらかしであるが、実はもっと喜んでいるのがビッグモーターという説もある。
もっとも息子に言わせれば「あそこはもう終わってるから」ということで、なるほど、やっぱり一番胸をなで下ろしているのがJリーグと浦和という結論は変わらないようだ。


2023.08.02

ベスト8


オレは小見洋太を高校生の頃から見ているから、今日のゴールはすごく嬉しいのだ。高校は昌平高校。高校サッカー選手権で見て、いい選手だなあと思ったから、アルビレックス新潟に入ってくれると知ったときには狂喜したものだった。
メシをおごりたい。焼き肉を腹一杯食わせてやりたい。
そんなタニマチ気分にさせてくれる選手だった。

以来3年。アルビレックス新潟のスタメンに定着して、ということは高卒3年でJ1のスタメンに定着したということだから、なかなかどうして立派なものである。
そんな小見君も今年はゴールという結果を出せずに苦しんでいた。守備に攻撃に、とにかくフルタイム全力で走り回って、チームへの貢献度という点では誰もが認めるほど絶大であるのに、ゴールだけがなかった。
おかげでストレスで小見君の坊主頭には10円ハゲがくっきりと。
それが今日やった、今シーズン初ゴールを決めることができた。
天皇杯とはいえ、公式戦。いやあ、よかったなあ、小見君。
チームメイトもサポもみんな彼の貢献と苦しみを知っているから、喜びを大爆発させていた。特にネスカウなんて、自分も結果を出せていない苦しみがあってなおのことなのだろう、とんでもない喜びようだった。

今日の相手は町田。Jリーグで一番嫌われている町田。
恐れられているのでもなければ、バカにされているのでもない。ただ嫌われている。
おかげでアルビレックス新潟の掲示板には「町田に勝ってくれてありがとう」「新潟さん、よくやった」という他サポのコメントが書かれる有り様。どれだけ嫌われてるんだ、町田は。
まあ、今日のゲームだけを見ても、嫌われるのは十分わかる。あいつらに、というか、あの監督にサッカーをやる資格はないわ。
そんな嫌われものの町田をきっちり倒してみせた。小見君、ありがとう。
もし小見のゴールがなければ延長、PKとなって土曜日のリーグ戦にも悪い影響しか残らなかったはずだ。そんなリスクからも救ってくれたのが小見だ。

これで天皇杯はベスト8入り。2009年以来だそうだ。
ここまで来たら勝ち上がりたいものだ。準々決勝の組み合わせは抽選会で決まる。


2023.08.01

8月は雷で始まったのだ


明け方、4時半にトイレに起きたら、家の電話が一回鳴って切れた。
いわゆるワン切りだ。
こ、こんな時間に、なに。
不審極まりない。おかげで目がさえて、眠れなくなってしまった。
不在確認するような時間でもないし、単なるいたずらにしても。
結局、日中に不在着信記録に気づいて、相手もわからずに折り返ししてしまったら詐欺でした的な流れじゃないかと推測する。
迷惑な話だぜ。

それにしてもすごい雷だったねえ。
昼にヨメと近所を歩いていたら、突然の落雷。びびったわ。思わず悲鳴上げて飛び上がってしまった。
ニュースを見たら、板橋の落雷の映像が流れていた。もしかしてこれじゃね、とヨメと話し合う。
ここのところ20日以上も晴天続きだったから、雨はほしいところだが、だからといって極端すぎるのもなあ。
まったく夏の天気は乙女心のようにコロコロと変わるのだ。いや、それは秋の空だ。

ところでアルビレックス新潟のレディースにあの川澄奈穂美が移籍してきた。仲良しの上尾野辺に誘われたらしい。
川澄奈穂美っていくつだよって思ったら37歳とのこと。まあ、それぐらいの年齢にはなるよね。
それよりも知らない人は、上尾野辺めぐみがまだアルビレックス新潟で現役であることに驚いたに違いない。
そうなのである。上尾野辺はまだ現役でスタメンを張り、アルビレックス新潟では生きるレジェンドなのだ。
アルビレックス新潟一筋の上尾野辺。なんでINACとかベレーザとかの強豪に誘われても移籍しなかったかというと「引っ越しが面倒だから」(本当にこう言った)という理由からだった。
なんと男らしいのだ、上尾野辺。
この件以来、レジェンド化にはますます弾みがつき、そして上尾野辺は今日も元気にピッチでボールを蹴って米を食う。
稲刈りも間もなくだ。


2023.07.31

スペイン撃破


いやあ、なでしこのスペイン戦、すごかったなあ。
3点目と4点目は、テレビの前で叫んでしまったよ。
本当に強いチームだ。前の監督の暗黒時代はいったい何だったんだ。
選手を好き嫌いで選ぶなどと言われていたが、本当だったのかも。
あの監督時代はテレビ解説を引き受けるOBも限られていたという。マジか。まったく女の世界ってやつは。

このチームは、今や熊谷のチームだ。抜群の安定感にはほれぼれしてしまう。コーチングも的確だし、何でも言い合える空気をちゃんと作ったのだろう。
仲のいいチームはやっぱり強い。宮間の失敗は、そこを見誤ったことだったんだろうなあ。
スピードスターの宮沢も見事。アルビレックスに欲しいくらいだ。小見もいい影響を受けるだろう。
オレの好きな石川ちゃんは今日もお休みだったが、決勝トーナメントではまたやってくれるに違いない。

このまま優勝しちゃうんじゃないか。なでしこちゃんは。
よし、次も応援しよう。
と思ったら、次はアルビレックスの試合とかぶるではないか。
当然アルビレックス新潟の応援を優先するのであった。


2023.07.30

うの日


ウナギを買ってきて食べた。
買ったのは国産である。頑張ったぞ、オレ。
近所にある魚の市場に行って買ってきた。
店の前では焼いたのを売っていたが、店内のパックされたのがちょっと安いのでそっちにした。
大ぶりのを2枚買って5000円。もっとも今では家族4人でラーメンを食べても4000円以上するから、そう思えば特に大きなお金ではない。
ウナギは美味いなあ。食べるのは一年に一度くらいだが。
「リバー」奥田英朗・集英社。
人間の悪意を書かせたら、奥田英朗は抜群である。今でも初期の「最悪」を読んだときの衝撃は忘れられない。人間の底知れぬ悪意を描いた犯罪小説なのに爆笑させられたのだ。
この小説は、栃木と群馬の未解決連続殺人を取り上げた小説なのだが、警察小説仕立てになっているためか、ちょっと切れ味に欠ける感じがする。最後の方も無理矢理たたんだ感じがするし。
もっともリーダビリティの素晴らしさは相変わらずだし、要所要所のキャラもちゃんと立っている。
ハードカバー650ページ、圧巻の犯罪小説。それは間違いない。


2023.07.29

何でも高くなっている


今日は学生時代の仲間と渋谷で飲み会だ。
オレたちは渋谷の大学で青春時代を過ごしたので、渋谷は庭みたいなものである。あちらにもこちにも甘辛い思い出が刻まれており、目をつぶっても歩けるのだ。
誰もがそう思っているから、いっそ今の渋谷で迷子になったら面白いだろうと思って渋谷に決めたのである。実際、先日はえーじくんが東横線を降りて地上に出るのに迷ったというし。
わはは、だせえ。渋谷の徘徊老人。

集合場所は、マーク下にする。
渋谷と言えば、マーク下なのだ。
息子に、マーク下ってどこだと聞くと、「えっ、マーク下、知らないのかよ。信じられない。どこの田舎もんだ」とのけぞる。渋谷の縁のないリサちゃんも、マーク下のことはちゃんと知っていた。
今やマーク下は若者の常識なのである。
だが1970年代に渋谷の大学に通っていた昭和ど真ん中のおじさんたちは、マーク下なんて知らない。井の頭線の長いエスカレーターを降りたころですよと説明しても、昔のしょぼい井の頭線の改札しか頭にないから、「うーん、わからん。行けばなんとかなるだろう」と反応するしかないのであった。
もちろん待ち合わせのメッカということで、何も難しいことはない。行けばなんとかなるのだ。問題なく全員集合する。

マーク下は、今や宗教勧誘の名所でもある。2人組の妙に身なりのきちんとした分所が近づいてきたら、間違いなく宗教勧誘。オレはワクワクした。早く勧誘されないかなあ。
だがヨメに言わせると、オレがボーッと立っていたって怪しいだけで、面倒くさいオヤジと思われるに決まっているから絶対に勧誘されない、ましてや中山親分と2人で立っていたらなおのことだ、とのことである。ちっ、残念だぜ。

ともかく渋谷の変貌は凄い。数年前に開発主体の東急不動産を取材したのだが、連中が胸を張っていたとおり、100年に一度の大変貌だ。
新しくなった東急プラザの上階に登り、街を見下ろしてみる。
桜ヶ丘一帯の再開発も急ピッチで、246にかけての歩道橋も一新だ。
ついでに渋谷駅も大改装中で、もやは何が何だか。オレは山手線を降りて井の頭線へ行くのにプチ遭難。徘徊老人のえーじくんを笑えないのであった。

オレたちが学生時代に飲んだくれてうろついていた井の頭線脇の飲み屋街もすっかりきれいになってしまった。そのなかの昔からの焼き鳥屋で飲む。ここも今やバックパック外人が一人で列に並ぶという観光名所。店員が驚くほど流暢な英語で案内していた。
ハードは昔のままでもソフトは令和にアップデートされている。オレたちはもはや時代に取り残された昭和の旅人。いや、徘徊老人。
時代は変わっていくのであった。


2023.07.28

快走、シエンタ


本日は車検である。いつものトヨタのディーラーへ車を持っていった。
数件隣にはビッグモーターの店舗がある。今、日本でいくら悪口を言っても許されるのはビッグモーターと町田ゼルビアだけだ。
担当営業に、あそこのビッグモーターの樹木はまだ枯れてないようだなと言ったら「ウチはちゃんとやっていますので」と迷惑顔で言われてしまった。

この営業はオレの顔を見るたびに「買い換えろ」と言ってくる。時々「買い換えろ」と電話もかけてくる。そのたびのオレは、シャラップ、3万キロしか走ってない車を買い換えるバカがどこにいるんだ、と追い払っている。
「買え」と迫るのが営業の仕事だから仕方ないことなのだが、面倒ではある。
オレがあっさりとあしらったものだから、営業は今度は愚痴に入る。とにかく車が足りないのだと。
例の半導体不足からくる車の減産の影響がまだ続いていて、バックオーダーが酷いのだそうだ。プリウスあたりの人気車になると、納車まで2年待ちとのことである。
なんだ、車検一回、できるじゃん。
そんな状態のくせに、よくオレに売りつけようとしたものだな。まあ、それが営業の仕事だが。
それでも徐々に生産は回復してきたようで、納車が続くときは続くそうで、先日は17台も納車したらしく「休日出勤でてんてこ舞いでしたよ」と愚痴るのであった。
しかし売るものがないんじゃ、いくら受注しても売上にならないから、販売会社は厳しいねえ。聞けば「ナンバーが取れてようやく数字になるんです」とのことだから、ディーラーさんも厳しいわけだ。
客だって1年も2年も待ってられないから手っ取り早く中古車に手を出す。なるほど、ビッグモーターが儲かるわけだ。いや、早く潰れてしまえ、あんな会社。

オレも一時、中古車会社の仕事をしたことがあるが、そこの会社でも社長がかつてはメーター戻しをやっていたことを認めていた。メーターを操作して走行距離を誤魔化し、高く客に売りつけようという手である。
当時はアナログのカウンターだったからできたわけで、デジタルの今はそんなことはもう通用しないだろうが、なんとか客を騙そうという精神は業界全体に残っているのだろう。 やっぱり車は新車が安心だよなあ。

だが少しでもそんな顔を見せるとトヨタの営業が全力で駆け寄ってくるから、気を緩めてはならない。
オレ、もう65だよ。
そう言ってやったら、営業は「うーん」と間を置き、「でも75まで乗る人はいっぱいいますよ、それに最近の車は安全機能が凄いし」と体勢を立て直して再び攻めに転じるのであった。
オレも70歳までは運転を続けようとは思うが、その先のことはわからないなあ。東京での生活は車がなくてもなんとかなるし、たぶんタクシーに切り替えても車を持っているのと経済的には変わらないはずだ。
とするとあと5年。やっぱり新車に買い換えるのは馬鹿馬鹿しいよなあ。


2023.07.27

100円の棚をあさるのもなかなか楽しいが


先日、某商社の社長にインタビューしたときのことだ。
立ち話で社長は、休日は読書三昧だとのこと。どんなものを読むんすかと聞いたら「日本のミステリーですねえ、中山七里とか」ときたので、おお、いいですねえ、と盛り上がった。
その社長はブックオフで買いあさっているのだという。
「知ってますか、ブックオフの正しい使い方」と社長は言うのである。
「ブックオフではあえて高い本を買うんですよ」
へ、オレなんか100円の文庫ばっかですよ。
「私も前はそうだったんです。でも、今は高い本ばっかりです。っていうのも、高い本は新しくてきれいだから、読み終わってすぐにブックオフに売ると、高く引き取ってくれるんです」
ほほう、なるほど。確かに。
「2000円で買った本を1500円で売れば、500円で新刊が読めたことになるんですよ」
うーむ、それは盲点だった。どうせ手元に残しておきたい本なんてめったにないし、読んですぐ売り払うなら、そり手はアリだ。新刊本が安くどんどん読める。きれいだし。
いいことを聞きました、今度真似させてもらいますとお礼を言い、社長もオレも満足なのだった。

「狭小住宅」新庄耕・集英社
というわけで早速ブックオフで買ってきた一冊。確かこれは文庫本になっていた思うが、ブックオフの棚を見たらきれいなハードカバーが200円で売られていた。文庫よりずっと安い。
不動産業界のブラックぶりをテーマにした小説である。新人営業マンがいじめ抜かれながら建売住宅を売る話だ。さすがに小説らしく極端に色づけされているが、まあ、昔はこんな会社も珍しくなかった。
途中、ダメ営業マンが受話器を手にガムテープでぐるぐる巻きにされて新規開拓の電話をかけ続けるというシーンがあった。ピカ通という電話会社を取材した際は、まんま同じことを社内で聞いたから、ブラック営業会社では珍しくなかったんだろう。90年代の話だが。 迷っている客に決断させるテクニックはなかなか興味深かった。
さて、これは200円で買ったから、いったいいくらで売れるんだろうなあ。


2023.07.26

今のなでしこは楽しいぞ


今日はなにでしこの第2戦だ。
初戦に勝って調子に乗って、第二戦でコロッと負けて一気にシラけさせるのは日本サッカーの伝統芸だが、今のなでしこはそんなこともなくて、しっかり勝ってしまう。
新人の藤野と、ベテランの猶本がそれぞれ一発ずつという、実にバランスのいい状態だ。
とはいえ、試合時間は午後2時。こんなビジネスタイムに2時間もサッカーにうつつを抜かしているわけにもいかず、ヨメにビデオ録画を頼んで、オレは仕事する。
試合を見たのは晩飯の時。前半だけ見て、あとはおしまいだ。
熊谷の安定感と天才・唯ちゃんの献身ぶりは相変わらずで、この二人を見ているだけでも楽しいわ。今日は石川が休みだったのが残念で、ここに石川が加わったときのディフェンスの頼もしさが素晴らしい。
今日の練馬は23区内最高温度の37.8度。在宅のオレは勝ち組だ。
近所のビッグモーター前では街路樹がすっかり枯れているというので、見に行こうかと思ったけれど、暑いからやめた。


2023.07.25

キングはやっぱり王様


初めてテスラに乗った。
出かけたのは岡山である。正確に言うと岡山から在来線で40分以上もかかるど田舎に行った。
オレんちから片道5時間半。1日で11時間も電車移動するとさすがに使われるわ。
しかも異常に暑かった。岡山は晴れの国と自慢しているが、その自慢すら鬱陶しかったわ。晴れるんじゃねえよ、岡山。

岡山駅の立ち食い蕎麦が評判よいので昼飯に食べてみた。美味かった。
ただやたらとしょっぱくて、喉が渇いたのには参った。オレはインタビュアーなのだから口の中が乾いて声がカスカスになるのはよろしくない。しかもいくら水分を取っても汗で出てしまって追いつかない。晴れの国は晴れなくてよろしいのだ。
そんな状況で田舎の駅に着いたオレを先方か迎えに来てくれたのだが、それがBMW。2000万円。
ええっ、BMWが社有車っすか!

聞いたら、その会社は自動車部品を製造していてトヨタも日産もホンダも取引先だから、国産車には乗りづらいのだという。それでBMWなのだそうだ。そりゃ確かにトヨタの人を日産の車で迎えに行くわけにはいかないからなあ。
もっともオレはトヨタ本社に日産のブルーバードで乗り付けたことがあるが。わっはっはっ。
そんなわけでこの会社の社有車は外車ばっか。そのなかの一台がテスラで、帰りにはそれに乗せてもらったという次第だ。

テスラ2000万円。すげえ乗心地で驚いたわ。
一番びっくりしたのが巨大なカーナビ。B4サイズぐらいもあるんだよ。
こんなデカいカーナビ積んでるんですか。
車体は比較的小さいのに車内はずいぶん広い。これはやっぱり電気自動車になると部品が大幅に少なくなるおかげだろうなあ。
すげえなテスラ。オレも一台欲しくなった。今乗ってるシエンタの9台分。とほほ。

帰りは再び5時間半もかかった。
それはいいんだけれど、一番疲れるのが帰ってきてからで、新横浜駅での新横浜線の乗り換えがかなり歩くし、その上に東横線のトラブルだとかでダイヤがグダグダで、乗車番線が変更になって思い切り走らされたりして、疲労困憊。
岡山の晴れの国ですっかり体力を奪われたオレには、新横浜駅のこの仕打ちは非常に辛いものがあった。

「異能機関」(上・下)スティーヴン・キング、文藝春秋
でたーっ、キングの新刊。というか、いつもいつも新刊を出しているのだ、このおっさん。作家デビュー50周年というが、半世紀にわたってずっとトップベストセラー作家というんだから、こいつが一番のモンスターだよな。オレが好きなのは初期の頃の作品で、一番は「呪われた町」で次が「IT」かな。
とにかく長い。ダラダラしている。くどい。このくどさが中毒になるのだ。
この新作も上下2段組の合わせて700ページ。まあ、長い。とにかく長い。
話は確かに昔のキングっぽくて、超能力を持った少年少女たちが政府の秘密機関と闘うという壮大なホラ話。「ファイヤースターター」「IT」の雰囲気も漂っていて、なかなかよかった。できればここにモンスターがからんでほしかったが。
文中、「メイン州のジェルサルムズロットという町には黒い車で悪いヤツらがやって来た」というくだりがあって、これがオレの好きな「呪われた町」のこと。嬉しくて新幹線の中でにやりとしてしまった。


2023.07.24

A Summer Place


夏の歌ときたら、オレはやはりここに帰る。
パーシー・フェイスの「夏の日の恋」だ。
1959年のアメリカ映画「避暑地の出来事」のテーマ音楽である。オレが1歳の時の映画だ。すげえな。
もちろんリアルタイムで知ったのではなくて、中学2年生の時に親に買ってもらった英国のジャズバンド、ケニー・ボールとヒズ・ジャズメンのLPで知ったのである。
これはなんとディキシーランドジャズバンドで、今にして思えばちょっと無理してアレンジしてみましたという感じの演奏だった。
それでも繰り返し聴くうちにメロディーが大好きになり、なんといってもオレの母親がこの曲を好きだったこともあって、今は亡き母親との思い出と共にこのメロディーが心に刻み込まれているのである。
映画は観たことがないが、たぶんどうでもいいラブロマンスなのだろう。
とにかくメロディーがきれいで、アレンジも見事。イントロのピアノの和音の三連符が始まると、たちまちオレは夏に連れていってもらえる。
特にこの季節になると、車の中ではヘビーローテーションだ。

実はこの曲、1976年に別のアレンジをされて再発売されている。今聴くと、ヴァン・マッコイ「ハッスル」、バリー・ホワイト「愛のテーマ」路線のソフトソウルなディスコサウンドに乗せたアレンジとなっていて、当時の流行に乗っかろうとしたのが透けてみえる。
だからそのアレンジはかなりダサくて、嫌らしい。本来の「夏の日の恋」が持っているピュアで切ない夏の空気感は皆無で、ちょっとがっかりする。
やっぱりオリジナルが最高だ。

ところでオレの息子はなぜだか高中正義の「BLUE LAGOON」が大好きで、この季節、車に乗ると「夏はやっぱりBLUE LAGOONだよなあ」とニコニコしながら聴いている。
彼もオレぐらいの年齢になったら、今のオレのように、BLUE LAGOONの曲と共に父親と過ごした夏の空気を思い出すのだろうか。


2023.07.23

洗濯物もよく乾く


書くべき原稿は昨日までに終わらせてしまい、今日は朝から息子も娘もヨメもそれぞれの用事で出かけてしまったので、真夏の快晴の日曜日を1人で過ごすことになってしまったオレは、だらだらとアマプラとネトフリを観て過ごすのだった。
夜はJ2の大宮対水戸を観る。大宮にまさかの加入したシビルツォクがベンチに入ったからだ。そしてお待たせしました、後半25分から出場。
さすがに仰天のパフォーマンスで、このチート外人にチームの全てを託した大宮の潔さがどんなサッカーに表れるのか、これから興味津々である。
「蛇のひと」
ちょっとうんざりするような暗さの映画だった。特に音楽が酷くて、げんなりしてしまう。カメラや脚本はそんなに悪くはないのだが、それでも東京から突然尋ねてきた永作博美に、実家に暮らす板尾創路が両親兄弟のヒミツをべらべらしゃべることには違和感ありすぎる。永作博美の40過ぎの独身OLっぷりがなかなかリアルでよかった。そこだけだな、収穫は。


2023.07.22

唯一の唯ちゃん


女子のワールドカップが開幕したというので、なでしこ対ザンビアを見る。そして驚く。強い! 強いではないか、なでしこちゃん!
パススピードは格段に速くなっているし、トラップも正確。何よりも戦術の浸透度合いが素晴らしくて、ザンビアの選手が試合後に「沸いてきた」と呆れていたように、次から次へと選手が顔を出す。似たようなサッカーをやっているアルビレックス新潟のサポとしては、実に嬉しいチームだ。
ザンビアが酷すぎたという話はある。確かにこれでは日本の中学生にも負けるんじゃないか。
それを差し引いても、なでしこの強さにはちょっとびっくりした。2011年の優勝チームより確実に強くなっている。
あのときの、陽の澤穂希、陰の宮間あやのような支柱となる選手はいない。それだけチームとして完成されているという印象だ。
その一方で、かつて宮間あやがチームを壊してしまったように、ふて腐れてチームを壊しかけた岩渕真奈を切ったことが大正解。これはコマちゃんの指摘通りだ。これでチームは一気にまとまったに違いない。

オレのお気に入りは23番のサイドバック、石川だ。まだ20歳という。
その佇まいを見た瞬間、これは大器になると直感。データを見たら170センチと大柄で、その強さを活かして相手のエース11番をつぶしまくっていた。あとでコメントを見たら「相手をびびらせようと思って、あえて強くぶつけてやった」と話していて、なんと頼もしいのだろうと驚く。アフリカ人相手にこんなことを考える選手が出てきたのだ。
売り出し中の宮澤は、川澄奈穂美に憧れてバンダナを巻くようになったそうだ。石川も、熊谷に憧れてサッカーを始めたようだ。
2011年のチームを仰ぎ見ていた選手がトップとなって、ようやくこうして受け継がれていくようになったのだろう。フィギュアの伊藤みどり、卓球の福原愛、野球の野茂英雄。ヒーローが出てきて道を作り、その背中を新しい選手が追いかけていくという構図だ。となると、次の世代では八村を見ているバスケ選手が出てくることになる。

支柱となる選手はいないと書いたが、欠くべからざる選手を挙げるとすれば、問答無用に長谷川唯だ。
この試合での唯ちゃんの働きは、まさにスーパー。一人、格が違った。ネットでは、ヤットが帰ってきたと絶賛されているように、まさに遠藤保仁さながらに試合の流れを読み、神出鬼没であらゆる場面に顔を出し、鬼のようなキラーパスを連発していた。
唯ちゃんの動きだけを追いかけていても、十分に楽しめる。
結局試合は5-0。相手にシュートを1本も打たせなかったという、まさに完勝。これぞボコボコ。あまりの力の差に、ザンビアの選手が泣いていたのも印象的だった。
なでしこを見たのは久しぶりだったが、こんなにも強くなっていたとは、心底驚いた。前の女の監督の時代とは、いったい何だったのか。暗黒時代だったのかもしれない。

そんな具合になでしこの気持ちのサッカーを見てテンション爆上がりのまま、インド料理屋でネパールウィスキーのハイボールを飲んで酔っ払っていたら、途中合流した息子が「町田が負けている」と朗報をもたらしてくれた。オレは0-2で町田が負けているところまでは追いかけていたが、息子によれば1-3になったという。
おお、素晴らしい報せだ。まだ日本に正義は残っている。
もちろんネットも大騒ぎ、なにしろJリーグファンの95%が町田を嫌っているから、町田が負けたというだけで大興奮なのだ。今や青森山田並みに国民的嫌われ役の町田ゼルビア。
負けてよかった、ざまみろという空気がJリーグ全体に漂っているのである。
これは、なでしこ勝利並みのグッドニュース。
オレは気分よく酔っ払い続けたのであった。


2023.07.21

ショーが始まる


驚きのニュースが飛び込んできた。
整理してみる。
Jリーグは今、夏休みに入っている。海外チームとの顔見せ興業とか、やり残していた試合とか、わずかながらゲームはあるが、基本的には約3週間の夏休み中だ。
ちなみにこれはJ1だけの話で、J2とJ3はどんなに酷暑であっても夏休みはもらえない。
やっぱりJ1に昇格しておいて正解だ。絶対に降格してはならないと、選手も強く思っただろう。
この夏休みが終われば試合が再開される。秋が終われば冬が来るのは森高であって、Jリーグでは夏の次はまた夏なのだ。

そして再開後の最初の試合を、我らがアルビレックス新潟は国立競技場で行う。対戦相手は名古屋。我々はアウエーではあるが、あの国立競技場で試合ができるのだ。
J1に昇格しておいてよかったと、選手もサポーターも心から思っているのである。
もちろんオレも駆けつける。息子と共にアルビレックス新潟の応援に声を枯らす。

思い起こせば、息子と一緒に初めてサッカーを観に行ったのが、昔の国立競技場だった。
カードはアルビレックス新潟対ジェフユナイテッド市原。息子はまだ2歳で、あとで感想を聞いたら「大きなテレビでサッカーやってた」と答えたのでずっこけたものだった。
次に国立でサッカーを観たのは、なでしこジャパンだ。代表のゲームを、家族4人で観に行ったのである。
入り口脇でふと振り向いたら、そこには当時テレ朝でスポーツキャスターをしていて宇賀なつみがニコニコと笑って座っており、娘に手を振ってくれた。その勢いで、夜のスポーツニュースでは娘がゲートをくぐる様子が映し出されていた。なでしこの試合ということで、小さい女の子の映像ニーズに娘がぴったりはまったのだろう。
そんな娘も今ではサッカーやJリーグにはまったく関心を示さない、立派な大人経て育ったのである。
ちなみにその後、宇賀なつみはフリーになり、息子は宇賀なつみと同じ高校に入って同窓生になった。ヨメもまた同じ高校の卒業生である。宇賀なつみは、だから我が家にとっては親戚みたいなものなのだ。

さて、そんな国立競技場で8月5日に再開されるJリーグの試合に、オレたちはアルビレックス新潟の応援のため駆けつけるのだ。チケットは争奪戦。
発売日を忘れていて、慌てて発売1時間後にアクセスしたら既に1階席は売り切れて、並びのチケットは3階席しか取れなかった。
よいよい、そのほうがゲームもよく見える。
そんな具合に再開後のゲームを楽しみしていたオレに飛び込んできたニュースに腰を抜かしたということで、冒頭の話に戻る。
飛び込んできたのは、これだ。松平健がマツケンサンバを連れて参戦! おお!

説明しよう。
いや、説明するまでもない。これだけですべてがわかる。要するに国立競技場で行われるアルビレックス新潟と名古屋グランパスの試合で、ゲーム前のイベントタイムに松平健が登場して、マツケンサンバを歌うというのだ。それだけだ。
それだけだが、実に何というか、度肝を抜かれた。
特にマツケンサンバこそ至宝、国の誇り、世界遺産と信じている息子は狂喜乱舞。オレたち親子は手を取り合って、マツケンサンバが見られる、ライブで見られる、目の前で見られると大興奮である。
死ぬまでに一度でいいからマツケンサンバは生で見ておきたかった。もはや伊勢神宮レベルである。その思いが、期せずしてかなうのだから、これが驚天動地でなくて何だというのだ。なお、この場合の「死ぬまでに一度は」というのは、オレではなくて、松平健が、という意味である。

国立競技場のピッチで和服姿の姉ちゃんたちを従えた松平健が、大音響でマツケンサンバを歌い、踊り狂うのだ。もちろんスタンドも大騒ぎ。5万人が一つになって、オーレオーレと絶叫して踊るのである。これが興奮しないでいられようか。
国立競技場でマツケンサンバといえば、誰もが東京オリンピックを思い出す。開会式、閉会式のしょぼさとゴタゴタを振り返るたび、噂されていたマツケンサンバをなぜ投入しなかったのかと悔しがる。
あのとき、マツケンサンバ投入の英断を下していたら、まあ、いろいろあったけどチャラだチャラ、という空気になったことだろう。外人は「クレイジー!」と叫んで口を開けたまま、一緒に踊り出し、そして全世界にその様子が放送されたはずだ。
そしてこれこそがクールジャパンのアイコンとして賞賛され、日本の未来も明るくなったはずだ。
今では東京オリンピックなんて誰も振り返らず、むしろ恥ずかしい記憶として封印されている。東京オリンピックに関わった=悪いことをして濡れ手に粟の悪代官、というのが世間の認識である。もしあのときマツケンサンバさえ投入していたら、と返す返すも残念である。
そんな幻の国立競技場のピッチへマツケンサンバがいよいよ降臨するのだ。オレたちは失われた誇りをこの日、取り戻すのだ。
今からワクワクするではないか。

もっとも一つ、懸念がないわけではない。
松平健、つまりマツケンと聞くとアルビレックス新潟のサポーターは反射的に激高するのである。理由はかつて所属していた松原健だ。
松原健はアルビレックス新潟の右サイドだった選手で、当たり前のようにマツケンと呼ばれ、そしてマツケンサンバのメロディーで応援歌が歌われていた。
だが松平健は怪我がちで、アルビレックス新潟に在籍していた期間の半分以上をリハビリで過ごし、完治したかと思ったら「こんな田舎にもう用はない」と、とっとと都会の横浜マリノスに移籍してしまったのである。

この苦い記憶を、アルビレックス新潟のサポーターは今も忘れていない。移籍後に応援席へ挨拶に来た松原健に対し、盛大なブーイングを浴びせて追っ払ったほどである。
先日の湘南戦では、移籍していった大野に対し、家族の面前であるにもかかわらず盛大なブーイングを浴びせ、嫁さんを「ウチの旦那は故郷の人々からこんなにも嫌われていたのね」と泣かせてしまったサポーターである。激する臨界は低く、受けた仕打ちへの恨みはねちっこく、単純である。要するにサルだ。
このオレンジのサルたちが、国立競技場に松平健が登場した瞬間、マツケンという言葉に脊髄反射して一斉にブーイングするのではないか。
オレは今からそれが心配である。


2023.07.20

それでも腹は減る


この一週間、電車に乗っていない。いい案配だ。なにしろオレは電車に乗りたくない。疲れる。
電車に乗っていないのは、この一週間、すべての仕事がリモートで済んでいるからだ。すげえ時代である。
このクソ暑い中、わざわざ出かけなくて済むのは、圧倒的な勝ち組ではないか。すげえのは時代ではなくてオレだったのかも。
出かけるとしてもクルマに乗って100メールと離れたウエルシアに行くとか、300メートル離れたサミットに行くとかである。こんな距離でも歩いたら生命の危機だから、エアコンの効いたクルマに乗って出かけるのだ。
涼しい家から涼しい店まで移動して帰ってくる。外出と言えばそれだけなのだ。
それは、まあ、よかったんだが、しかし一週間も続くとなんだかだんだんおかしくなってくる。このまま世間に忘れられて取り残されたらどうなるのだ。置いて行かれるのではないか。
いや、それよりも足腰が弱ってきた。1日の歩行数が1000とかだから、ほとんど歩いていないに等しいから、そりゃ退化もするだろう。
というわけで、ぼちぼち外に出ることにしようと思う。
思いつつも、今日も在宅でリモートインタビューが2件。終わったら風呂に入って、家でビールを飲んでいい気分。
しかしなんで夏はこんなに暑くなってしまったかなあ。昔は30度で限界だと思っていたのになあ。


2023.07.19

7年ぶりの16強


コトの経緯はこうだ。
いま、サッカー界では天皇杯が行われている。
天皇杯というのは、要するに甲子園大会だ。プロでもアマでも出場できて、一発勝負の勝ち上がりで日本一を決めるというのがルールだ。
もちろん我らがアルビレックスも当然出場している。
その試合が先週行われた。相手は富山。J3のチームだ。
ところが折悪しく、この試合の日は北陸地方が危機的な豪雨。駅が沈むんじゃないかという災害だった。
当然サッカーなんてやってられないのだが、強行日程のため、サッカー協会は「とにかくやってしまえ」と試合開催を命じる。だがとんでもない天候の中の試合は、途中4回も雷による中断の末、中止となった。
試合のほうもJ3相手に我らがアルビレックスはもたもたしやがって、追いつかれて延長に持ち込まれ、そして延長の前半15分が終わったところで結局中止となったのである。

中止というか、正確に言えば中断というわけで、その続きが行われたのが今日。試合の続きをすることになったのである。要するに後半15分だけだ。
この15分のためだけに我らがアルビレックスの選手とコーチと関係者とクレージーなサポーターたちは片道6時間をかけて、富山へと赴いたのである。
まったく信じられない試合だ。
中断の時点、つまり延長の前半を終えてスコアは3-2でアルビレックス。
このまま15分間、とにかく全力で守備をすれば勝利が決まる。
逆に言えば富山は15分間、全力で攻めてPK戦に持ち込む以外に手はない。
さあ、プロが本気になって全力で守って全力で攻める15分間が観られるというので、こりゃあ実に興味津々の試合となったのであった。

そして結果としてアルビレックスと富山が1点ずつ入れて、アルビレックスは見事に天皇杯で勝利したのである。
たった15分のために6時間かけて出向いたということから、試合会場は異様なテンションだった。サポもたった15分のために駆けつけるクレージーな連中ばかりである。
しかも1点リードで相手はJ3というわけで、絶対に、絶対に勝たねばならない。その重圧も、テンションに輪をかけた。
結局はしっかり勝ってホッとしたわけだが、なかなか記憶に残る珍しいゲームだった。

そして次の相手が、なんと町田。
町田かあ。Jリーグ屈指の嫌われ者の町田。
スタジアムは、これまたJリーグ屈指の嫌われものの野津田。例の山の中のスタジアムだ。登山を強いられるという最低最悪なアクセスのスタジアムだ。
平日の夜6時のキックオフは、帰りのことを考えての時間設定なのだろうが、平日の6時に登山できる人間なんて限られているので、こりゃあとても観に行けない。オレだって、仮に時間があったとしても、こんな季節に登山なんかしたら倒れてしまう。
というか、行くたびにもう二度と来るもんかと思うスタジアムだ。だからきっと行かない。
まったく天皇杯って本当に無駄な罰ゲームだと思うのだが、ここまできたらなんとか上を目指して、できればタイトルに挑んでほしいものだ。


2023.07.18

タンゴブラザース


故郷の弟を想うとき、いつも心に浮かぶのは子どもの頃の笑顔である。(弟、生きてるから。元気だから^^)
田舎の小学校で2学年違いだったから、学内ではよくすれ違って顔を合わせていて、そのたびいつも嬉しそうに顔を弾けさせていたものだった。
半世紀以上が過ぎた今も、あの笑顔は変わっていない。
この年齢になってLINEで毎日のように兄弟でメッセージのやりとりができるとは、とても幸せなことなのだろうと思う。内容はたいしたことはない。だいたいが「アルビレックス勝て」といった、そんなことオレに言われてもなあという内容である。無駄話とはそうしたものだろう。
知り合いのカメラマンは実家の兄と折り合いが悪くて、もう何年も帰省してないといっていた。そういう話は世間に案外多いのかもしれない。
我が兄弟にはそのようなことはまったくない。平等に可愛がって大切に育てた兄弟が長じて仲違いし、いがみあうなど、泉下の親にとってはやりきれないこと、この上ないだろう。その点でオレたちはまあまあの親孝行だと自負してよいのだと想う。
その両親が眠る墓を守る弟は、この夏も丁寧に墓地の清掃をして、先祖を迎える準備に忙しい。お盆の期間は無理でも、オレも今年は墓参りのために短い夏休みを取って、息子と車で出かけていく予定だ。
夏の終わりの実家のあたりは、まさに緑の大地。遠くアイルランドのような緑の広陵が望める。夕暮れに深呼吸しながらその景色を眺めることが、オレは今から楽しみだ。
「生理ちゃん」
生理を可視化して、女子の生態に絡めた作品。あまり生理は重要ではなかった。伊藤沙莉を鑑賞しようと思って観た映画で、伊藤沙莉はさすがの演技なのだった。
「体操しようよ」
草刈正雄が定年退職したさえないおっさんを演じている。撮影がとても上手で、画面がきれいなのは素晴らしかった。ただ話の展開があまりにくだらなくて、途中で観るのをやめてしまった。オレのお気に入りの渡辺大知がなかなかいい演技だった。この役者。もっと注目されていいと思うのだがなあ。


2023.07.17

晴雨兼用もあるそうだ


学生時代に出会って47年後の今も一緒に朝ご飯を食べているアンドーくんだが、最近、日傘を買ったのだという。
へえ、日傘か。男の。メンズ。
「あちーからね」とアンドーくんは言うのである。
でも、さすがに男の日傘は珍しすぎないか。
「そんなことはない。楽だぞう。涼しいぞう」
アンドーくんは、いい買い物ができて嬉しそうだ。

オレも夏になると帽子をかぶっている。ハンチングだ。
どうもオレは帽子が似合わないようで、自分でも違和感ありまくりであるものの、この酷暑ではそうも言ってられない。見栄えなんて気にしていられないのだ。
ならばどうせ見栄えを捨てるなら、オレも日傘を差せばいいのだが、しかしまだなんだか抵抗があるなあ。日傘って言ったらおばさんのものという刷り込みが強すぎるのだろう。
イサワやダテくんは「オレンジの日傘を差したらいいんじゃねえですか」と言う。本当にオレンジの傘を差したら指さして笑うに決まっている。

アマゾンを見れば、メンズの日傘もそこそこ種類が豊富なようだ。一度差してみようかなあという気がないでもない。
と言いつつ、今週の予定を見れば素晴らしいことに一度も電車に乗らずに済むようだ。つまりずっと在宅。エアコンの効いた室内で心穏やかに過ごせばいいわけで、日傘も急いで買うことはないだろうという結論。


2023.07.16

練馬対調布


先日、読売新聞の地方版を見ていて、野球の小さなスコアに目が留まった。高校野球の西東京大会の結果を伝える記事である。
写真はその記事を切り抜いて、面白いからみんな見ろと家にあるホワイトボードに貼ったものである。
目を留めたのは、高校の名前だ。井草・大泉・田柄と、五十音順に並べられている。これはもしかして連合チームなのだろうか。
井草は井草高校のことで、娘が通っていた。大泉は大泉高校のことで、息子が通っていた。 田柄高校は、いとこのアヤちゃんが通っていた。通称ガラ校。いずれも練馬区の高校である。
奇しくも我が家に関係のある3つの高校の野球部が一緒になって、連合チームを作ったようなのだ。

たまたま娘がいたので、お前の在学中に野球部があったかと聞いたら「あったけどしょぼかった」という返事。ヨメの話によれば、顧問がひどい人間で、大多数の部員が顧問への反発から退部してしまったという。そんな程度の野球部ということだ。
調べてみたら、案の定、部員が少なすぎてとてもチームを組めない高校が集まって連合チームとして出場したらしい。日刊スポーツでは「他校とは言え同じチームの中なんだから一人じゃないんだ」という感動記事に仕上がっているが、トホホな話だ。もし勝ってしまったらどこの校歌を歌うというのだろう。
少子化、野球人気の低迷はついにここまで来たか。
そもそも炎天下でぶっ倒れるまでやるような不健康なスポーツだし、教員の働き方改革の流れでは誰も面倒見たがらないし。いやいや、もっと言えば、甲子園大会だって様々な矛盾と利権をはらんだまま、なあなあで続いてきたわけだし。
もっとも青年層でこんな全国大会があるのは日本だけで、アメリカと伍して闘えるようになってきたのも、甲子園大会が鍛錬と選抜の場になっているおかげという説もある。その点では無意味な大会とも言えないだろう。

さて、我が子どもたちの母校の連合チームである。このスコアを見て学校の名前の次に目を剥いたのが、そのスコアそのものだった。
14対13。これは高校野球の地方大会あるあるのスコアだからよしとしよう。
問題はその中身だ。どうして4回表で14対13になって、その後ずっと0のオンパレードなのだ。いったいどういう試合展開だったのだ。

ホワイトボードに貼ったこの小さな切り抜きを眺めて、オレはしばし考える。
対戦相手の神代高校は略して神高。神様の高校かよ。通称ちんこ。ダンス部の女子は気が強いので要注意だそうだ。
いやいや、それはどうでもいい。
神高は「だりー」といいながら早めに試合を決めつるつもりだったが、練馬連合軍が想定外の粘りを見せて食らいついたことに呆れ、「いいかげんにしろ」といいながら4回に逆転して、あとは1点差を保ちながら「だりー」といいながら逃げた。炎天下で。
そんな試合展開だったのではないかと推察する。
そう思うと、実になんというか、青春だなあという気になってくる。
まあ、どちらの高校生たちにとってもいい思い出になっただろう。あとは受験がんばれ。


2023.07.15

△○△○●●△○●●●△○●●△●△○×○24


「退場になった選手を胴上げするのか、このチームは!」と他サポが驚いた。そうである。これはアルビレックス新潟に伝統芸なのである。
本日はコンサドーレ相手に後半に1点を先制した直後、左サイドバックの新井が一発で退場になってしまった。
残りは30分以上。破壊的な攻撃力を誇る札幌相手に、とても10人でしのぎきれるとは思えない。誰もが逆転されることを覚悟した。もちろん一番それを覚悟したのは、退場した新井だったろう。
だが選手と監督は絶対に勝ちきれると、自分たちを信じていたのよね。

その覚悟は実に感動的で、特に途中出場の長谷川巧の獅子奮迅ぶりは特筆ものだった。ド迫力のドリブルで切り込んで、相手選手を誘い込み、ファールをもらう。相手ペナ近くで2人続けてイエローを出させたのは、神がかっていた。
そしてその瞬間に抜かれた長谷川巧の表情ったら、もう。
まさに獣の表情で、絶対に負けないと誓った鬼神が宿っているようだった。息子なんてこのシーンを何回も見返して「すげえ表情だ!」と叫んでいたほどだった。
負けたらすべて自分のせいだ。そう思っていた新井に向けて、絶対勝ってみせる、お前のせいにはさせない、というメッセージを発するようなプレーで、実に感動的。
ゲームセットの瞬間には新井は号泣し、それを見た千葉の号令で全選手による胴上げが行われたのである。胴上げされながら両手で顔を覆う新井。
いやあ、実にいいシーンだった。

一時低迷したアルビレックスも、広島・神戸・札幌という強豪相手の3連戦で勝ち点6というできすぎの結果だ。何よりも失点が3試合でわずか1というのが素晴らしい。守備が盤石となったことが勝利に結びついていることがはっきりしている。
そして実は、伊藤涼太郎が抜けてからチーム状態は上向きなのだ。進化している。
絶対神・伊藤涼太郎が君臨していたときは、常にボールが伊藤涼太郎を経由するためそこで止まってしまい、そしてロストしてカウンターを食らっていた。
伊藤涼太郎がいなくなったことでボールは止まらなくなり、全員にバランスよく散らばるようになった。
どんなに苦しいときでも必ず何とかしてくれたのが伊藤涼太郎。彼が抜けたことで低迷期を脱したわけで、実にサッカーとは奥深いものである。
このゲームを最後に、Jリーグは約3週間のお休みに入る。ここで負けたら3週間を重苦しい空気の中で過ごすことになったわけで、今日の勝ちは非常に大きいのだった。

台風並みの雨の中、札幌まで駆けつけたサポーターもご苦労さんである。ただまあ、例によって札幌サポと小競り合いを演じたようであるが。
さにかくJリーグのサポのアホさはもはや国民行事。
そんな中でも超弩級のアホだったのは、先日のFC東京のサポだった。
スタジアムで花火を揚げ、発煙筒を焚いた。
スタジアムの外、私有地の中にあるスポンサー企業の看板に生卵をぶつけた。
花火、発煙筒については味の素スタジアム側が激怒。ことと次第によってはもうスタジアムを貸さないぞという強硬姿勢のようだ。
スポンサーの看板に生卵をぶつけた件では、Jリーグが激怒。スポンサーを侮辱するなど最もあってはならないことだから当然だ。
今回、警察が素速く動いて刑事事件として捜査を始めたのは、こんなふうにスタジアムとJリーグのガチギレがあったからだろう。
そして今日、どうやら“犯人”が自首してきたらしい。だがこれは身代わりじゃないかと、サッカー掲示板で噂されている。ホントかどうかわからないが、ちょっと見物だ。
鹿島、浦和、松本、ガンバ、清水とバカサポは多いが、ここに東京のお猿さんたちも加わったようで、困ったものである。


2023.07.14

5人中4人


アンドーくんと出会ったのは大学1年生だから、18歳のときだった。
物静かで、輪から離れて一人クールに笑っていたアンドーくんは、女子から「きゃー、かっこいい」と言われていたが、実は単なるむっつりスケベだということをオレたちは知っていた。
あれからまさか47年後の今日。こうして朝から一緒にマクドナルドでモーニングセットを食べることになろうとは、まったく想像もできなかった。

今年の春に定年退職して完全に隠居の身となったアンドーくんは「曜日の感覚がわからなくなってさあ」と言うのである。そして時計を見てもうすぐ8時と気づき「あ、朝ドラだ」とつぶやくのであった。
朝ドラ? なんのことだ?
「知らないの、もしかして、お前。朝ドラ」とアンドーくんはでたらめな語順でオレを糾弾するのである。もちろん朝ドラは知っている。NHKの連続ドラマで、オレの母親も生前、毎朝楽しみにしていた。
オレが疑念を抱いたのは、まさかそれをアンドーくんも見ているわけじゃないよな、という思いからである。
だが「見てるよ。決まってるじゃん。今日は録画してきた」という答えを聞き、オレは腰を抜かすほどたまげたのである。
あ、朝ドラぁ? あんなものを見ている人がいるなんて、おっさんでは初めてだ。オレは心底たまげたのである。 朝ドラと言えば神木くんか。そう言うオレに対してアンドーくんは「よく知ってるじゃん」とほめてくれるのであるが、神木くんは子役として「赤鼻のサンタ」に病気入院中の小学生・八重っちとして出演していたときから知っているわ。
そんなふうに神木くんネタでマウントを取ろうとしたところに合流したのが、えーじくん。彼とは45年のつきあいだ。

なあ、えーじ、お前、まさか朝ドラとか見てないよな。
だがえーじくんはあっさりと「見てますよ。録画してきましたよ」と答えるのである。ひゃー、ここにもいるのか。
そして続けて表れたダテくんも「僕はBSの7時からの回を見て、それから8時のを見て、ついでにあまちゃんも見ますよ」とえばるのである。ちなみにダテくんも45年だ。
あまりのことにオレは恐怖すら覚え、最後に現れたイサワくんに向かって、おいおい、大変だ、こいつらみんな朝ドラ見てるんだってと訴えたのである。
するとイサワくん、案の定というか、やっぱりというか、「僕も見てますよ。当然じゃないですが。日本国民みんな見てますよ。今回はシナリオがいい」と実に嬉しそうにしゃべるのである。こっちも45年だ。
どういうことだ。60半ばのおっさん5人が集まって、そのうちの4人が朝ドラを楽しみに日々を過ごしているというのである。こんなことになっているとは想像もしてなくて、オレはあまりの衝撃に開いた口が夜まで塞がらなかったほどだった。

なるほど、アンドーくんの言うように定年退職すると曜日の感覚がわからなくなから、カレンダー代わりに朝ドラを見ているのかもしれない。
うーむ、まんま、じじいではないか。50年近くの付き合いを経て、とうとう仲間たちがじじいになってしまったというのか。あまりのことにオレは頭を抱える。
しかもこの4人は、朝ドラ終了後の「あさいち」で鈴木アナが軽く涙を流して振り返る“受け”まで見るというのである。
「当然でしょ」「そこまでがセット」「常識です」と4人は口を合わせて顎を突き出し、そしてさらに驚いたことに「それからラビットを見る」「ラビットだね」「麒麟の川島がすごい」「あのMCで番組はもってる」と、オレのまったく知らない世界まで言及するのである。
いやあ、驚いたなあ。今やじじいが朝ドラを見るのは当然のことなのだろうか。

オレが早朝から太陽を浴びてひいひい言いながら歩いて電車に乗り、都心をうろうろしているというのに、こいつらはエアコン効いた室内で朝ドラとラビットを見て、たぶんそれから昼寝もしてるんだろう。
しかし、朝ドラかあ。オレは一度もまともに見たことがない。
ヨメは律儀に見ているので、時々夫婦のコミュニケーションのためにと、面白いのか、それ、と聞くわけだが、ヨメもどうせ本気で聞いてるわけがないと知っているので、適当に答えるのみであね、
もともとドラマはあんまり見ないし、たぶんオレの人生に朝ドラが入り込むことはないだろうが、世間とはそういうものだと知って、驚いたのであった。

ところでビートルズに、ジョン・レノンの歌う「悲しみをぶっ飛ばせ」という曲がある。
朝ドラの、なんとかみょんの歌う主題歌を聴いたとき、何かに似ているなあと思ったらこれだった。ジョン・レノンもまさか朝ドラにパクられるとは思わなかっただろうなあ。


2023.07.13

住宅ローンの金利分ぐらいは稼がせてもらいたい


連日の暑さでぐったりだ。特に今日はスペシャルにぐったりだ。
朝から有明へ行って、ちょいと気を使うインタビューをこなす。さすがのタンゴちゃん、そつなく終える。
その後、都心へ移動し、夕方から某メガバンクの役員会議室で、役員同士の対談を仕切ってコメント取って盛り上げるという仕事をこなす。
いやあ、この会議室がリアル半沢直樹。テンション爆上げ。

対談する役員も半沢直樹に出てくるような連中ばかりかと思ったら、あれはドラマだからあんな連中なのであって、現実にはちゃんとした常識人ばかりだった。当たり前だ。
半沢直樹のドラマのせいで、田舎のおばあちゃんが「お前も土下座をしてるのか」と心配して電話をかけてきたり、出向が決まったと実家に報告したら「何か悪いことでもしたのか」と母親がうろたえたり、といった話を耳にした。
実際の会社で土下座なんてないですからね、おばあちゃん。

それでも緊張を強いられる役員対談。
話の流れを考えながら質問を投げかけ、回答のボリュームが均等になるよう気を使い、答えの内容をその場で理解しながら深く突っ込んで話を膨らませ、少し脱線気味になっても気持ちよく話させるためにあえて話させ続け、場の空気を作るために軽い冗談をはさみ、そして「でも減点主義でしょ、銀行って」と煽りの質問も叩き込む。こんなことを初対面の役員2人を相手にこなすわけだから、穏やかに笑いつつも頭はフル回転で、全方向に気を使って、最初から最後まで背中は汗びっしょりなのだった。
こんな仕事はオレにしかできないぜ、と誰も言ってくれないから自分で自分を褒める。まあ、役員がどちらもオレより年下で、場を和ませるにはバブルの思い出話をするに限ると思っていたら、狙ったとおりの反応だったという、そんな世代的なアドバンテージはあったと思う。
対談とか座談会とか、そんな具合にとても疲れるものなのだ。同時にフルスピードでメモを取っているのは記録のためだけでなく、話の流れを作るために書きながら考えているのである。

そんな時間を過ごしたから、今日はスペシャルにぐったり。せっかくの有楽町なのにビールを飲む余裕もなく、よろよろと家にたどり着いて、疲れた体らにむち打ってスーツ姿のまま明日のライブの準備で機材を汗だくで車に積み込み、そして速攻で風呂に入って、やっと一息ついたのだった。
でも本当の仕事はこれから。書くことがメインだからなあ。ぐったりもしていられないのだった。


2023.07.12

恐怖の季節


今日の練馬はなんと38度だったらしい。あっさり体温超えだ。
もっとも家族全員、バラバラの用事で出かけていたので、誰も練馬にはいなかったのだが。
オレは足立区で仕事があって、このクソ暑い中、うんざりしていたのだが、なんとカメラマンのヒラセさんが車でピックアップしてくれることになったので大助かり。
メーターパネルに表示された車外温度は40度超えで、ぶったまげる。アスファルトの照り返しもあるからだろう。恐ろしいことだ。
もっと恐ろしいのはまだ梅雨が明けてなく、暑さの本番はこれからということだ。
うーん、果たしてオレは乗りきれるのだろうか。この夏を。←倒置法による強調


2023.07.11

鉄道系では小田急の箱根蕎麦が案外イケる


「入場料を払って入る場所のメシはまずい」と喝破したのは浅田次郎だったか。
きょう、久しぶりにその言葉を思い出した。
池袋駅の立ち食い蕎麦である。
立ち食い蕎麦は大好きである。一番好きなのは「小諸蕎麦」で次が甲乙つけがたく「ゆで太郎」だ。
逆にダメなのが、JR系蕎麦である。特にJR東の立ち食い蕎麦は昔からしょぼすぎる。
そこまでわかっていたというのにオレはきょう、池袋で山手線を降り、ついフラフラと魅入られたようにJR東が運営する「あじさい茶屋」に吸い込まれてしまったのである。
購入したのは、タコ入りかき揚げ蕎麦640円。た、高い。高すぎる。
しかもカウンターで受け取った蕎麦を見て、あまりの量の少なさに天を仰いでしまった。
味については言及するまでもない。
唯一、タコだけが美味かった。かき揚げ自体はしょぼく、我が家の近くの行きつけのそば屋「やぶ重」のかき揚げの5分の1ほどの大きさである。
食券を買ってしまったのだから仕方ない。オレは自分の選択を悔いつつ、肩をすぼめてみじめな気分で立ち食い蕎麦をすすったのだった。
嗚呼、美味い蕎麦が食べたいよう。


2023.07.10

朝からコマちゃん


本日は朝7時過ぎの集合である。
朝早いのは苦にならない。前夜、早めに寝たので、むしろすっきりしている。
苦になるのは、この暑さだ。
6時前に家を出たというのに、駅に着くまでに既に汗が流れてくる。

しかも今日はスーツにネクタイなのだ。
電車の中を見回しても、いまどきは誰もネクタイなんかしていない。スーツの上着なんて着ていない。
それでも仕方なくなるべく涼しげに見えるネクタイを選んで締めていったのは、インタビュー相手が社長だからだ。
社長なのだからスーツにネクタイも仕方ないのだ。これもギャラのうちと自分に言い聞かせ、ペラッペラのシャツにペラッペラのズボンという涼しい格好で現れたコマちゃんをちらっと見る。
しかもこの社長、「普段はTシャツですよ〜」と言いながら、今日は仕方ないから朝からネクタイなのだと白状する。
お互い、仕方ないですなあと諦めの表情で、朝っぱらから汗をかきながら対峙するのであった。

インタビューを終えてすぐさま帰る。途中のスーパーで冷やし中華を買ったので、家でヨメと昼飯に食べることにする。
家に着いたのは11時前。朝から一仕事終えて、もう1日分働いた気分だ。
帰って真っ先に風呂場に行き、シャワーを浴びる。そしてエアコンの効いた室内で買ってきた冷やし中華を食べて、やっと落ち着く。
当然のことながら眠くなり、しばし昼寝するのだった。
夏はまったく仕事にならなくて困ったものだ。


2023.07.09

天下の悪役・青森山田高校


J2ながら意気揚々と開催した国立競技場の主催ゲームだったというのにコレオが崩れて、町田ゼルビア、改めて不人気ぶりを満天下にさらけ出すという赤っ恥。
コレオって、スタンドの客が色のついた紙を掲げて、マークや文字を作るという演出ね。浦和レッズのサポはこれか上手だ。
もちろんコレオをやるには相応の客が入っていることが前提で、満員の客席でチームロコを描いてこそ迫力が出るのである。
ところが町田ゼルビアったら、3万9000人も集めておきながら、コレオが崩れて何がなんだかわからない模様ができてしまった。客のほとんどヴェルディファンだったのである。
ことほど左様に町田は嫌われている。不人気である。新たなヒールの誕生だ。

この不人気ぶりの理由を探ると、“胡散臭さ”に尽きる。
もちろん町田というエリアそのものも相当に胡散臭い。東京都からは「神奈川はあっち行け」と言われ、神奈川から「こっち来んな」と拒否られる。まるでコウモリだ。
町田市民が天空の城と威張るスタジアムにしたって、足を運んでみればただの登山。しかもアクセスが異常に悪く、駐車場も嫌がらせのように少ない、僻地そのもの。一度行ったアウエー客は、誰もが「二度と来るかこんな僻地」とブチ切れて帰るのである。
そんな胡散臭い町田の、胡散臭さのシンボルが監督だ。

去年まで青森山田高校の監督をしていた男が、今年から町田の監督になったのである。高校の部活の先生にプロの監督が務まるのかという冷笑にも負けず、見事に首位を走っているのは立派だが、なぜか誰もそれを賞賛しないのだ。
とにかくやっているサッカーが汚い。今日のヴェルディ戦でも、試合終了後にヴェルディの城福監督が握手を拒否したばかりか、町田ベンチに殴り込もうとして必死のスタッフに止められていた。
その城福監督、インダビューで「サッカーなら負けないのだが」と強烈な皮肉をぶっ放している。
城福が怒ったのは、とにかく町田の選手がやたらと転んで痛がり、時間稼ぎに走ったからだ。まさにアンチフットボール。痛くもないのに痛がるチキン野郎ばかりだったのである。 青森山田高校時代も、この監督は相手チームのスローインを妨害するなどとにかく汚かった。勝てば何でもいいというサッカーをやっていた。

そんな監督のもとでこんな汚いサッカーをやっているから、誰も町田をリスペクトせず、サポーターはみんな軽蔑している。嫌っている。
その結果の不人気ぶりなのだ。
なんでこんなサッカーをやっていて勝てるんだろう。そんな不思議な強さがあるが、決してそれは人の心を打たない。負けたけど正々堂々、精一杯闘った姿に人は拍手を贈るのだ。 このまま町田はJ1に昇格するだろうが、不人気ぶりはさらに際立つだろう。親会社のサイバーエージェント自体、カネのものをいわせて、勝ちゃいいんだろという匂いをプンプンさせているから、なおのことだ。
町田のホームゲームなのに聞こえてくるのはヴェルディの応援ばかりというところに、不人気ぶりが象徴されている。

まてまて、応援ということでは今日はこれも書かなければ。
仙台だ。
仙台では、先日サポーターが磐田のチームのバスを取り囲んで恫喝するという騒ぎを引き起こした。あり得ない話だ。当然、仙台のチームはことの真相を調べ、騒動を先導したサポーター20名ほどを出入り禁止にした。これはコアサポ、つまり中心部と呼ばれる応援団である。
コアサポはこの仕打ちに納得できず、なんと今日のゲームでは応援をボイコットするという挙に出た。なぜ選手の応援をしないのか、さっぱりわからないが。
そしてコアサポは、今日はチャント(応援歌)を一切歌ってはならない、チャントの著作権はコアサポにあるというビラをスタジアム(アウエー、栃木のスタジアムだ)に貼りだしたのである。
替え歌であるチャントに著作権があるという主張にも腰が砕けるが、悪さをしたコアサポの腹が納まらないからって、なんで一般客が応援してはいけないのか、そもそもそんなことを命令される根拠は何もないというのが当たり前の反応。
ここで立ち上がったのは、既に引退していた旧コアサポのリーダーだった。この旧リーダーは男気を見せて、一般客をまとめて応援歌をスタジアムに響かせたのである。
チャント禁止張り紙の騒動を聞きつけてDAZNで栃木−仙台戦を観ていた息子とオレの耳にしっかりと仙台のチャントが届き、どうなってるんだと不思議に思った理由はこれだった。
この話にはオマケがあって、男気を見せて応援に立ち上がった旧リーダーの姿を隠し撮りしていた連中がいたということで、追放されたコアサポたちが「勝手なことをするんじゃねえ」と胸ぐらつかみに行くんじゃないかと言われている。
ちょっとワクワクする。
もともと仙台のサポはアホばかりで、なんとFuckersと名乗っているサポチームもあるほどである。お里が知れるとはこのことだ。
もっともコアサポの質の悪さで言ったらアルビレックス新潟も人ごとではなくて、現コアサポはアウエーのあちこちで運営ともめ事を起こしている。こういうサポーター文化が嫌いだからもうサッカーは観に行かないという人も多いわけで、サポがサポを減らす現象が起きている。トホホである。


2023.07.08

アプリは無料に限る


お天気アプリはYahoo!を使っているのだけれど、最近は、あまり当たらない。
何時間後に雨が降るかを教えてくれる雨雲予想に重宝しているものの、アテにしすぎて、雨が降ってきたのに気がつかないということがしばしばだ。おかげで洗濯物を洗い直すことになる。
困ったものだ。
書くことがないので今日はこのへんで。

「亡国のイージス」
ずいぶん前の映画だ。自衛艦が某国の工作員に乗っ取られてえらいこっちゃという話である。頑張って制作したのはよくわかるのだが、それでも非常にリアリティに欠けるのでイマイチ入り込めない。お台場付近で自衛艦が爆発したというのに報道のヘリもなければ、レインボーブリッジも普通に車が走ってるなんてあり得ないわけで、そういうアナが目について困るのであった。
「老後の資金がありません」
「亡国のイージス」がどっと疲れちゃったので、あははーと笑える映画にする。ずっと前からアマプラで無料になっていたのは知ってたけれど、人ごとと思えず、身につまされて暗ーい気持ちになると思ってみていなかった。観てみたら完全にコメディ仕立てで、笑えるのがよかった。あちらこちらにお笑い芸人がさりげなく出てたりして面白い。一番笑ったのは、市役所の職員として出てきたのが三谷幸喜だったことだ。いやあ、人ごとじゃないよなあと言いながらヨメと観る。ヨメがパートをクビになって、老いた母親が「介護しろ」と家に転がり込んできて、娘が年収150万のバンドマンとできちゃった結婚して、旦那は56歳で会社が倒産する。夫婦が顔突き合わせて「貯金いくらある」「700万」「もっとあると思ってた」とやりとりするシーンは、実にリアルだ。まあ、笑いながら観られたのでよかったけれど。やっぱり映画っていうのは何も考えずに観るのがいいわ。


2023.07.07

△○△○●●△○●●●△○●●△●△○×21


Jリーグでは金曜日の夜に1試合だけゲームが行われる。「フライデーナイトJリーグ」という仕立てだ。
1試合しかゲームがないから、Jリーグを見ようと思う人はこのゲームを見るしかないのである。
今夜はどういうわけか、その「フライデーナイトJリーグ」にアルビレックス新潟が割り当てられてしまった。相手は神戸である。
当初の予定ではイニエスタ目当ての興業だったのだろう。ハゲがいなくなって、目論見は外れてしまった。それでも七夕のゲームということもあってネタになりやすく、注目度は高かった。
おかげで我々は満座の中で大恥をかくことになってしまったのである。
特に後半出てきたブラジル人のネスカウ。
交代で出た途端、ピッチに諦めのムードが漂ったことがDAZNの画面からも感じられ、しかもそのプレーの数々があまりに酷かったので「なんだあれ」「500万の価値もない」「なんだあれ」「素人か」なんだあれ」と、Jリーグファン総出で突っ込まれてしまったのである。 恥ずかしい。恥ずかしいではないか。
0-1で負けていたとはいえ、いい試合をしていたというのに。
いや、いい試合かどうかは関係ない。ダメな試合だけど勝っちゃったという方がよっぽどいいのだ。
どうも我が軍はますます情けないことになっていくようだ。とほほ。

そんな傷ついた心を慰めるとしたら、これだ、「風の谷のナウシカ」。
オレにとってはオールタイムベストワンの映画である。三軒茶屋の映画館で初めて見たときは衝撃だったなあ。
あまりの衝撃にオレは「ぴあ」を調べて上映館を訪ね歩いては「ナウシカ」を観たものだった。仕事が終わったら新宿の会社から新橋の名画座に駆けつけ、そしてうなったのである。
ポケットにはこっそりとウォークマンを忍ばせ、セリフを録音して、後で場面を思い出しながら聞き返したものだった。おかげで今でもオレは“一人ナウシカ”ができる(ちゃんとそういうジャンルがあるのだよ)。
その後、ボーナスでビデオデッキを購入したオレは、地元のビデオショップでナウシカをダビングしてもらった。たぶんあれは違法だったと思う。
そんな思い入れたっぷりのナウシカを観ながら、オレは壊れた心を癒やされたのだった。 王蟲の群れに立ち向かったナウシカを思えば、たかが神戸にやられたぐらいで諦めるわけにはいかないではないか、諸君。


2023.07.06

清水のディサロ 燦シルヴァーノは日本人


Jリーグの選手の名前は実に国際色豊かである。
ンドカ・ボニフェイスは横浜FC所属で、実は越谷出身の立派な日本人。立派って、何が立派かはわからないが。
日本人の名前で「ン」から始まるのだから画期的だ。
一方、アルビレックス新潟にいるシマブク・カズヨシはベタベタの日本人名だが、実はペルー生まれである。確か国籍は日本だ。
去年、新潟に所属していたイッペイ・シノヅカは、純日本風の名前でも国籍ロシアだったし、どこからどう見ても黒人アスリートの鈴木ザイオンはアメリカ生まれで浦和出身の日本人である。

こんな具合に実にバラエティ豊かなのだ。そんな1人がバスケス・バイロン。チリ人で小学生の時に埼玉県に引っ越してきて、高校は青森山田。でも国籍はいまだにチリ。両親は外国人で本人もチリ国籍であるものの、日本の教育を受けて日本語も完璧である。
サッカー選手としても基本的にはいい選手だ。
このバスケス・バイロンはヴェルディの所属なのだが、なんと今日、町田への移籍を発表したのである。これが大騒動に。
というのもヴェルディはJ2の2位で町田は1位。つまり同一カテゴリーで昇格を争っている上位チームの、しかも同じ関東圏での移籍なのである。
こんなケースは初めてだ。異例すぎて、関係のないオレも腰を抜かしたほどだ。
町田はサイバーエージェントがオーナーになってから財力にものを言わせて、こうした傍若無人ぶりが酷い。高校サッカーの監督を青森山田から引き抜いてきて、勝てば文句ねえだろ式の青森山田高校サッカーをやっているのも、実に苦々しい。
今回引っこ抜いたバスケス・バイロンも青森山田なので、これから町田には青森山田出身選手が集結するのだろう。あの柴崎もそうだし、東京の松木もそうだ。

町田ゼルビアは、ともかく東京を代表するチームになりたくて仕方ないのである。CF東京から東京チームの座を奪い取りたいのである。
東京では「神奈川だろ」とバカにされ、神奈川からは「こっち来んな」と邪険にされる、そんな立場が悔しくてしょうがないのだ。もっともあんな山登りスタジアムをほったらかしにしている限りは、誰もあんなところに足は運ばないだろうが。
バスケス・バイロン、禁断の移籍である。
もはやJリーグファンは全員がヴェルディを応援し、町田はみんなの敵だ。青森山田と共に、みんなの敵だ。

と思ったら、同じ日になんとあのシヴィルツォクが大宮に移籍という爆弾ネタが落ちてきた。シヴィルツォクなんてJ2じゃチートもチート。反則過ぎる。
たぶん毎試合点を取るだろう。
大宮は、9人が守備に回って、1人ぽつんと前線に残ったシヴィルツォクめがけてボールを入れまくるサッカーをやるはずだ。そんな割り切った闘いは実に楽しいではないか。早く見てみたい。

こうして後半戦は、ヴェルディと大宮を応援し、町田を叩くのだった。


2023.07.05

弁当3人で2700円。高っ!


近所のすき家へ行った。久しぶりに昼に牛丼弁当を食べようと思ったのである。
今はすき家も、テイクアウトのオーダーさえ端末で行う。レジで注文しようとすると「あちらの端末で操作してください」と言われるのだ。
もちろんすぐ慣れる。
ニンニクの芽の載った牛丼中盛りに息子は同じやつの大盛りで、ヨメは牛丼ミニで、とちゃちゃっとオーダーし、レジで支払いを済ませる。どうせ端末でオーダーするなら決済も端末でちゃちゃっとできればいいのに。
そう思ったらPayPayの残高不足で、チャージするのも面倒だからキャッシュで支払った。 弁当ができるまでの間、イスに座って待つ。

するとちょっと離れたテーブル席で80近いと思われるじいさんがタブレット相手にぶつぶつ言っている。見ていると、案の定、どう操作したらいいか、わからないようだ。
それでもどうにか頼み終えたようで、じいさん、イスに腰掛けてフーッと息をつく。
その様子を遠目に眺めていたら、どうやら最後の「注文する」というアイコンを押してないようだと気がついた。ありがちなミスである。
おいおい、じいさん、それじゃダメだよ。まだ注文できてないんだよ。よくやるミスだけどな。
そう思ったオレは反射的に立ち上がってじいさんの席に行き、最後はこれを押すんだよと教えてあげつつ、一応、いったい何を頼んだのと声をかけた。
「牛皿だ、牛皿」とじいさんは答えるので、念のためと思い、いったん注文をキャンセルして、最初のところからオーダーし直してやった。おかげでじいさんは無事に牛皿のミニにありつけたのである。
牛丼じゃなくていいのかよ、じいさん。
じいさんは牛皿が食べたかったんだろう、とても満足げで、オレはまた一ついいことをした、徳を積んだとご満悦。

同じ牛丼チェーンでも、松屋の券売機は最悪らしくて、牛丼並の食券を手に入れるまで、なんと16回もボタンを押さなくてはならないらしい。同じ松屋チェーンのカリー食堂も似たようなもので、オレもいつもまごついてしまい、後ろに行列ができて焦ってしまう。
その点、松屋グループの回転寿司、寿司松はシンプルで、注文した皿の数をあとで支払うだけだから簡単だ。
タブレットでのオーダーは簡単だし、頼む方もいちいち「すいませーん」と言わなくていいから楽ちんなのだが、このじいさんのようにデジタル弱者にとっては辛い仕組だ。
もちろん省力化・効率化のためには絶対に必要であって、本来ならこういう高齢者が店に入ってきた時点で店員がさりげなく目を配り、まごついているようだったらすぐに声をかけるという対応をすればよいのである。
「でも、すき家の店員にそんな余裕はないだろ」と息子。
確かに。
ちょっと前までワンオペで現場は死屍累々という状態だったものなあ、すき家。水出して注文取って調理して会計して洗いものしてというのを一人で流れるようにこなしていたのだから、すさまじい現場だった。やっぱりデジタルは必須だべ。


2023.07.04

中央線はよく止まる


立川に行った。遠い。
立川は大きな街で、しかもどんどん変貌中である。
昔は駅の南口なんて治安が悪くて、女性が一人で歩くこともままならなかったそうだ。
それが今では若い夫婦の世帯が暮らす、しゃれおつな街になったという。いいことではないか。
と思ったら、軽自動車を運転するおばちゃんがクラクションを鳴らしながらこちらにガンを飛ばしてきて、どんなにきれいな街に変わっても、住んでる人は変わらないのだなあと実感したのだった。


2023.07.03

白眉はメキシコ戦の大谷の二塁打の咆哮


WBC優勝(ずいぶん懐かしいなあと思ったけどわずか4ヵ月前のことだった)のドキュメンタリーが映画になって、そこそこ好評らしい。
スポーツドキュメントはだいたい面白いに決まっているのだが、そこに日本の優勝というハッピーエンドがわかっていて、さらに大谷君とか出演者も知っていて、見なくても粗筋が推察できるから安心して見られるということだろう。
だがまあ、わざわざ映画館でカネ払って見るほどでも。
と思ったら、AmazonPrimeでタダで見られることになったので、見てみた。
どうせたいしたことないと思って、ちょっとだけのつもりで見始めたら、これが面白いのなんの。とうとう一気に最後まで見て感動してしまった。
オレは単純なのかも。
面白かったけど、ダルビッシュとかヌートバーとか、もっと出て欲しかったなあ。特にダルビッシュの献身ぶりは感動もので、彼こそホンモノの男だと思ったね。
よーし、こんなに盛り上がったんだから続編も作っちゃえ。


2023.07.02

なるべく洗車もお願いしましょう


マイナンバーカード返上と聞いて、正気かよと。
令和の米騒動気取りなのだろうか。
新しい仕組みを導入するのだからシステムエラーやヒューマンエラーは当然のことで、それをチューニングしながらアジャストさせていくのは当たり前ではないか。そんなことも理解できないというのか。
ここでマイナンバーカードを止めれば、日本のデジタルはさらに世界に後れを取ってしまう。それは次の世代にとんでもないディスアドバンテージを強いることになってしまう。
スマホ片手に「デジタル弱者を切り捨てるな」と叫ぶ姿は、猿そのものではないか。

興味深いデータが発表された。
人口1万人当たりのガソリンスタンドの数について、東京は全国最下位。1を割っている、つまり人口1万人でガソリンスタンドは1つにも届かないということだ。
ひゃー。
まあしかし、それもそうだろう。
オレが今の場所に引っ越してきてからでさえ、近隣で3つのスタンドが閉鎖した。
EV化に加えて車離れでガソリン需要そのものが激落ちくんだし。先日もアンドーくんが車を手放したというし、若い世代はそもそも車に興味ないし。
だいぶ前のことだがエネルギ関係者に取材したら、平均的なガソリンスタンドの1月当たりの粗利は100万円で、そこから税金やバイト代や光熱費を支払ったら、ギリギリの生活費しか残らないという。
車一台、満タンにしても500円しか収入にならないそうだ。
そりゃあこんな商売は辞めて、土地を売ってマンションでも建てた方がと思だろう。それに、なくなったら困ると言われながら、うるさくて危険だというので迷惑施設扱いされて。
実に気の毒だ。
ちなみに最もガソリンスタンドが多いのは鹿児島で1万人あたり6。新潟はちょうど真ん中の21位で1万人あたり4.7だそうだ。

夜、横浜マリノス対湘南を見る。最上位対最下位の直接対決だ。
こちらの都合としては下位チームにはすべて負けてもらいたいので、ここはぜひともマリノスに勝って欲しい。まあ、言われなくても勝つつもりだろうが。
と思った矢先、開始数分で立て続けにマリノスが得点して10分にもならないうちに2-0。とにかく湘南の弱さは際立っている。
見切ったマリノスは前半から遊び始めて、舐めたプレーの連続だ。あまりに舐めすぎていて、そりゃあいくらなんでもというプレーが多く、さすがに見ていて不愉快になる。結局前半で見るのをやめてしまった。
その後、今度はU-17のアジア大会、決勝を見る。日本対韓国だ。U-17つまり高校生以下とはいえ、正式な国際大会で韓国相手の決勝である。絶対に勝て、高校生。
期待に応えて日本の高校生たちは見事に3-0で勝って優勝だ。
これによりなんと直近の日韓戦(公式戦)は
2021.03(A代表) 日本 3-0 韓国
2022.06(U-16代表) 日本 3-0 韓国
2022.06(U-23代表) 日本 3-0 韓国
2022.06(大学選抜) 日本 5-0 韓国
2022.07(A代表) 日本 3-0 韓国
2023.07(U-17代表) 日本 3-0 韓国
である。
凄いではないか。もはや韓国は日本の相手ではない。追い詰められた韓国は発狂寸前だそうである。ざまあみやがれである。
それにしてもU-17の選手たちの上手さにはびっくりした。止める・蹴る・走るの基本動作が実に正確で、パススピードも驚くほどの速さで、トラップしてシュートに持ち込むのも実に巧みである。
このチーム、ガチで大宮より強い。いや、湘南よりも強いのではないか。もしかしたらアルビレックス新潟をも上回るかもしれない。
この世代が数年後には日本代表の主力になるわけで、日本も本当に強くなったものだとしみじみ思う。


2023.07.01

△○△○●●△○●●●△○●●△●△○21


すまなかった。オレが悪かった。
どうせ負けるに決まってると斜に構えて見たオレがいけなかった。
広島相手に2-0の完勝。しかもアウエーでも勝った。これをシーズンダブルという。強豪広島相手にシーズンダブルだから、アルビレックス新潟さん、どうせ負けるとか言ってごめんなさい。
伊藤涼太郎が抜けてシステムを変更せざるを得なくなった新潟に対し、敵は代わりに誰を潰そうかへっへっと舌なめずり。見つけた獲物が三戸俊介だった。
かわいそうに、哀れな子羊の三戸ちゃんはおびえながら逃げる。その運動量がとてつもなくて、試合終了後にヒートマップを見た解説の坪井が「こんなヒートマップ見たことない」と驚いたほどだった。
この豊富な運動量で最前線から最後列まで走りまくった子羊・三戸ちゃんを、オオカミの広島は追いかけても追いかけても捕まえきれない。ハッと気がつくと、おかげで背後ががら空きになっていて、そこに鈴木が飛び込んで驚異のキープをして、そして子羊・三戸ちゃんが驚異の運動量で最後列から最前線まで一気に駆け上がってゴールを決めるのだった。
普段はダニーロの介護にヘロヘロの藤原が、早々にダニーロが怪我で退いたことで疲れ知らずにイキイキとし、成長著しい渡辺タイキが眼福のごとくの活躍でオレたちを喜ばせる。 なんとうも素晴らしい勝利なのだった。
試合後、オレは1人で祝杯を挙げるために以前から行こうと思っていた古い居酒屋に飛び込み、そして美人ママの眼前のカウンターに座って1人ニヤニヤと勝利の美酒に酔ったのだった。
なかなか居心地のよい居酒屋だったので、二度目はアリだな。


2023.06.30

作詞家の乗っていた車がスリップして「危険だよ」と叫んだ瞬間、タイトルが決まったそうだ


深夜バスに乗って息子は、京都に向かった。秋葉原発24時で京都着が翌6時である。
目的地は京都大学。コロナで途絶えていた対抗戦が、再開されるのだ。
年一回で定期的に開催されていたが、息子にとってはこれが大学4年生にして初めての東大-京大対抗戦。
選手ではない部員も含めて全員で出向き、しかもOBも応援に駆けつけるというビッグイベントである。とても楽しみにしていた息子は、とても素敵な笑顔で出かけていった。
明日の夜はOBを含めて全員で宴会だそうだ。
京都のヤツらにからまれたら、琵琶湖止めてやると脅せ。
そう言ってオレは息子を送り出したのだった。

「ジュリーがいた」島ア今日子・文藝春秋。
このライターは、オレのお気に入りである。特に女性のインタビューものが抜群にうまい。アエラを主戦場としているので左側の人なのだろうが、ライターとしては尊敬すべき存在である。
この新刊でも(珍しくも出版されてすぐに買った)、膨大な資料を分析しながら、沢田研二という不世出のスターの表情を描き出している。
沢田研二は次男坊だったせいか、お兄ちゃんの後にくっついて、お兄ちゃんに言われるままに行動する子だった。そのためスターになっても自らを「見世物でいいんです」と言い、「まな板の鯉でありたい」と語っている。徹底的に受け身で、何を求められても完璧にそれをこなしてみせる男なのである。

PYGでの挫折を経て、珠玉の名曲「君をのせて」から「危険な2人」「勝手にしやがれ」とスターの階段を駆け上っていくあたりの流れは見事すぎて息を呑む。
「危険な2人」の歌詞は当初「2人は今日まで」だったところ、しっくりこないので逆にしてみたらとてもインパクトが強くなったそうだ。
「うっつくっしー、すぎーる」のところは、作曲家がつくってきたメロディーは「年上の人」と同じ音階で進むものだったが、沢田研二が、それじゃつまらないと勝手に変えて歌ったそうだ。つまり「うっつくっしー、すぎーる」のところは沢田研二の作曲なのだ。
ちなみに「危険な2人」のエンジニアは名匠・吉野金次。福生のアメリカ村でキャラメルママあたりと一緒にミックスしたそうだ。吉野金次が手がけるようになって沢田研二の楽曲は一気に深みが出てきたのは衆目の一致するところ。オレも高校時代にこの曲を聴いて、他とは違う何かを感じていたものだった。
なお、オレが高校時代に組んでいたバンドでは、「危険な2人」をレパートリーにしていて、オレがギターであの特徴的なイントロを弾き、生徒会長のアクツくんがジュリーのよう歌い上げ、体育館に集まった女子たちをきゃーっと言わせたものだった。

そんな具合にスターに登り詰めた沢田研二が、時代の変化に取り残されて輝きを失っていく。そしてお兄ちゃんに言われるままだったのが、自分の意思で行動するようになる。背中を押したのは、田中裕子だったというわけだ。
という具合にこの本は、途中、演劇関係のところがものすごく退屈だったことをのぞけば、けっこう楽しめるのだが、この田中裕子の略奪愛にはほとんど触れられていないのが不思議である。
さらに言えばあれほど出演して楽しんでいた「8時だよ全員集合」について一切触れられていないのも納得できないし、タブー扱いの沢田研二の息子の存在についてもまったく触れられていない。このあたりの突っ込みがないのが残念である。
そして何よりも終始違和感をぬぐえなかったのは、沢田研二本人の生の声がまったくないことだ。どうやら何度もインタビューを申し込んだのに、応じてもらえなかったらしい。ライターとしてはさぞ無念だったろう。
もしかしたら週刊文春に連載されていた原稿ということで、沢田研二の週刊誌嫌いの壁にはじき返されてしまったのかもしれない。息子ネタなどのスキャンダル的な話題に触れていないのも、そのあたりの配慮からなのだろうか。
などと邪推しつつも、けっこうな読みでのある一冊に満足。なかなかの労作である。


2023.06.29

萩の月も買う


本日は仙台へ日帰りである。
東北新幹線「つばさ」だと、大宮の次が仙台である。つまり隣の駅。1時間。
うちから大宮まで1時間じゃいけないから以下略。
仙台はいつ来てもいい街だなあと思う。仙台に転勤すると1年目は文句を言い、2年目は黙って、3年目には家を買うとされているが、それは納得だ。道は広くてきれいだし、食べ物は美味いし、確かに住みやすいと思う。
昼に牛タンを食う。バカ高い。ランチなのに2000円オーバーだ。まあ、年に一回も食べないのだからいいかと思って食べた。美味かった。
新幹線改札口を出た右手に美味しいずんだ餅と日本茶を飲ませてくれる店があって、仙台出張の際はいつも寄るのだが、今日は高い牛タンを食ってしまったので取りやめた。
帰りにお土産に牛タンを買う。3人前で6000円。目玉が飛び出た。
夜、子供たちに、これで2000円だぞと言って食べさせてやったら、のけぞっていた。
これでオージービーフだもんなあ。仙台の牛タンはぼったくりだと思う。築地場外の海鮮がバカ高なのと同じで、要するに観光客相手の足もと商売なのだろう。どこもそんなものか。
大宮駅まではクルマの予定だったが、夕方ゲリラ雷雨の可能性もあるということで、念のために電車に切り替えた。おかげで帰りも大宮に到着してからが長くて、湘南新宿ライン、西武線と乗り継いで帰る。湿気が酷くて、気温が高くて、何が疲れたって、在来線での移動が一番疲れた。
帰ってきてすぐに風呂に飛び込み、ふーっと一息ついて、オレはもう使い物にならない。


2023.06.28

最近の丸ノ内線の混雑は酷すぎる


いやあ、暑い暑い。まだ30度をちょっと過ぎた位なのに、暑い。
朝から外人だらけの銀座へ出かけて仕事をしてきたのだが、昼に帰ってきたらもうぐったり。すぐにシャワーを浴びる。
そしてエアコンの効いた室内で一息つくと、当然のことながら眠くなる。非常に危険である。
この状態で昼寝をしてしまったら、午後はまるまる使い物にならないだろう。
必死でこらえてパソコンに向かう。だが当然のことながらうとうとしてしまって、結局仕事モードに戻れたのは夕方だった。
これからの季節は、こんなことの繰り返しなのだろうか。


2023.06.27

素材の味を殺すのが大阪の料理と関西人は言った


本日は大阪である。もちろん日帰りだ。
大阪でも京都寄りの大阪だから、もんのすごく暑い。蒸す。
よくもまあこんなところに暮らしているられるもんだと呆れる。
あまり暑かったので、仕事終了後、まだ2時だというのに飲むことにした。イームラくんと一緒である。
串揚げにしたかったのだが見つからず、仕方なくお好み焼きである。
もちろんオレは粉ものは食べないので、サラダにウィンナーにベーコンだ。汗が流れ出たから塩分が染みるぜ。
新大阪駅で肉まんを買ったイームラくんとのぞみで帰る。
新横浜線という新しい路線ができて大変便利になったようなので、新横浜で降りて乗り換えることにする。案内が非常にわかりにくく、えらく迷って、なんとか新横浜線に乗れた。よそ者に不親切なのはよくないな。京都人かよ。
新横浜線は東武線直通なので、イームラくんはそのまま乗換なしにおうちまで行ける。素晴らしいではないか。
オレは小竹向原で乗り換えだが、一度の乗り換えで帰ってこられるのがありがたい。なにしろあの発狂的な品川で乗り換えて発狂的な山手線に乗って発狂的な池袋で乗り換えなくても済むのだ。これが神でなくてなんだというのだ。
そんな神路線で帰ってきて、最初にしたことはもちろん風呂である。
暑かったなあ。
風呂で大阪の空気をさっぱりと洗い流し、風呂上がりは気分爽快。オレは缶ビールを片手に、気分も新たに飲み直したのだった。


2023.06.26

ジュリー


ひゃー、知らなかった。
「戦場のメリークリスマス」の坂本龍一の役って、最初は沢田研二だったんだって。
でも沢田研二は大きなライブの準備が進んでいて、このライブで食べている500人ほどのスタッフの生活を考えて、出演を断ったんだって。
男だねえ。
70代も半ばとなった沢田研二は、新橋のあたりの安い居酒屋で明るいうちから酔っ払っているらしい。泥酔すると田中裕子が「お父ちゃん、帰るよ!」と迎えに来るそうだ。周囲の客はびっくりだろうなあ。
もし沢田研二が「戦場のメリークリスマス」に出演していたらデビッド・ボウイと妖艶な美男子2人の共演が見られたわけだ。


2023.06.25

プーちゃん


「ちょっとプーちゃんさあ、若いもんがイキってるんだけど」
「わりいわりい、プリっち。ちょっとやり過ぎちゃった」
「ったくしょうがねえなあ。じゃあ、ガス抜きに軽く暴れさすから」
「わかった。ミスター高橋にはオレから通しておくわ」
っていう感じでルカシェンコが出てきたんじゃないか。
だってどう考えたってプロレスだったとしか思えない。

それにしてもロストフ陥落のネットニュースに驚いて、慌ててテレビをつけたらきょうも大谷翔平ニュース大絶賛状態。力が抜けたわ。
特にワイドショーの連日のオータニさん報道は酷すぎる。野球のことなんかちっとも解説せず、ただ単にオータニさんは凄い凄い凄すぎると繰り返すだけ。野球報道ではなくオータニ報道。まあ、主婦相手のワイドショーなら仕方ないか。
こんなテレビがネットに勝てるわけがない。


2023.06.24

△○△○●●△○●●●△○●●△●△18


いやあ、しょっぺえ、しょっぺえ。ひどい塩試合だった。
ハイライトさえ見る気にならず、試合終了と同時に他の試合に切り替えたわ。
横浜FCが逆転負け、湘南が0-6の大恥。ガンバには逃げられてしまったが、ともかく下の連中が負けてくれたので少しは気持ちも落ち着いた。
これでどうやら降格争いは、横浜FC、柏、湘南そして我が軍の4チームに絞られたようだ。 その中で最弱は、もちろん我が軍。そう、アルビレックス新潟である。
ともかく弱さという点では群を抜いている。目も当てられない弱さだ。
そのあげく復帰が待たれる木がハーフタイムの練習中に怪我して引っ込む。ハムストリングをやったらしい。
さらにようやく怪我が回復して途中出場した堀米が、わずか数分でまた怪我をして引っ込む。こちらもハムストリングらしい。
いったいお前たちは何をやっているのだ。
さすがにオレもこの体たらくには呆れたわ。

今日からJリーグは後半戦。
熾烈な残留争いが続く。
とほほほ。とても残留できる気がしない。下手すりゃ後半戦、一つも勝てないのではないか。
去年の今頃は楽しかったなあ。遠い目でJ2時代を思い返す。
そして、こんなことならJ2のままでよかったんじゃないかという悪魔のささやきに、つい心が折れそうになってしまう。
いや、いかんいかん。J2はいかん。今度落ちたら、今後こそ二度と戻ってこれない気がする。残留だ。ただひたすら残留だけを目指せばいいのだ。
そう自分に言い聞かせ、精神安定剤代わりに大宮のゲームを見て、心を落ち着かせる。大宮はJ3確定だなあ。かつてはJ1で上越新幹線ダービーなんて呼ばれて盛り上がった仲だったのになあ。


2023.06.23

大胆なタイタン


クレーンなどの重機に付いている、重量物を吊り上げるためのカギ型のフック部分。あれをホイストと呼ぶ。
そこには耐荷重500Kgなど、最大でどれだけ重いものを吊るせるかが表示されている。
以前、ホイストメーカーへ取材に行き、立ち話で技術者に「ぶっちゃけ、あれはどこまで大丈夫なんですか」と聞いたことがある。技術者の返事は「5倍までは大丈夫っスよ」だった。
すげえと思った。日本のものづくりはすげえ。
設計強度と製造強度は、これほども違うということだ。

タイタニックを見るために潜っていった潜水艇も、きっとそういうふうに思って過信していたのだろう。「だいじょぶ、だいじょぶ、製造強度は書いてある何倍もあるからさ」とか。
というのがオレの説だ。

もっとも報道で伝え聞く、観光ツアーのあまりのずさんさ、アバウトさを思えば、フィートとメートルを勘違いしていた、つまり水深1300mまでOKというのを1300フィートもイケるぜと思い込んでいたという説の方が、説得力あるのも確かだ。


2023.06.22

地方空港売店無愛想問題


今日は博多だ。もちろん日帰りである。
このあたりに来るのは2、3年に一度のペースだ。来るたびに感心するのがアクセスの異常な素晴らしさだある。
なにしろ福岡空港から地下鉄2駅、約5分で博多なのだ。
羽田空港から地下鉄2駅で東京駅というのに等しい。ありえないアクセス性なのだ。
このアクセス性に惹かれて、家族で福岡に移住したという人の話を聞いたことがある。普段はリモートで仕事をしていて、東京に用があるときは「ちょっと行ってくるわ」と地下鉄で飛行機に乗って出かけるわけだ。これなら名古屋あたりと変わらない。

もっとも一番の問題は羽田空港からはどこへ行くにも大変だということだ。なにしろ我が家から羽田空港まではきっちり2時間。チェックインを考えれば2時間半は見ておかなくてはならない。
羽田から福岡までは1時間半だから、こりゃ笑うぜ。
件の福岡に移住した人も、羽だから都心の取引先に移動するのに苦労しているだろう。オレだって日帰り福岡出張ですげえ疲れたけれど、考えてみれば飛行機の中はずっと座っているわけだし、要するに自宅から羽田空港までの、朝の西武池袋線→朝の山手線→朝の京浜急行で疲れてしまっているのだ。帰りはこの逆のルート。
特に品川駅の混雑ぶりはもはや異常で、地方の人なら怖くて近づけないレベルである。ここにリニアの新駅が完成したら、いったいどうなってしまうのだろう。見てみたいから、リニアの早期完成には絶対賛成だ。

一人で福岡日帰りだったので、昼飯は博多駅でちゃっちゃと済ませる。もちろん豚骨ラーメンだ。すげえしょっぱくて、夜になっても口の中が乾いていた。
一人で相手先に乗り込み、現地調達の初対面のカメラマンに指示を出しながら、インタビューをこなす。オレの仕事ぶりはもはや職人技だ。しかしすいすい行けのは下り坂。調子に乗らず、気を引き締めるのだ。オレはまだまだ働くのだ。

東京は梅雨冷えの曇天だったが、福岡は陽が差して暑かった。汗だくである。
曇りの東京を出発して、東海地方にある梅雨の雲を軽々と飛び越して、陽の差す福岡に降り立ったオレは、勝ち組だ。傘も持たなくて正解だ。なにしろ飛行機に傘を持ち込むと鬱陶しいからな。
順調に仕事を終えて、福岡空港。地方空港の楽しみは売店で地元限定の土産物を物色することだが、店員が100%仏頂面なのはどういうことだろう。地方空港店員ぶあいそ問題は、マイナンバーカード問題より喫緊ではないかと思う。

夕刻の羽田空港は雨。そこから帰宅ラッシュの電車を乗り継いで地元の駅に降り立ったらザーザー降りで、勝ち組だったオレは一転して傘も持ってない負け組へと転げ落ち、泣きながら駅の売店でビニール傘を買ったでござる。

「東大生のジレンマ」中村正史・光文社新書。
東大では休学する学生が増えているそうである。理由は自分探しというか、将来の道探しというか。まあ、本人の問題だから好きにすればいいけれど、息子に言わせれば、1年や2年休学しても東大ブランドは就職に困らないから、という説明に納得。この新書では東大生に起業しろと呼びかけている。そして東大生の意識は変わっているが、一番の問題は親の意識が変わらないことだそうである。そ、そうなのか。


2023.06.21

感謝と誓い


1年で一番陽が長いきょう、オレの事務所の設立記念日だったことを思い出した。
35周年である。たまげた。
設立は30歳の時だから、非常に計算しやすい。それまでポンコツ会社で7年間もサラリーマンをやってたから、合計42年も社会人をしていることになる。これにもたまげた。
35年前の6月20日、つまりポンコツ会社を退職するその日、夕方5時のチャイムを聞いた瞬間の「おっしゃ、もうこの会社とは縁が切れた」という解放感は今でもありありと覚えている。改めてどれだけの閉塞感を抱いていたというのだ、オレは。
そして設立初日、つまり35年前の6月21日、オレは自分の城として借りた曙橋のワンルームマンションに朝一番で出勤し、長テーブル一つだけのがらんとした部屋(ワープロさえ届いてなかった)で、あまりの寂しさに愕然とし、慌てて新宿のカメラ屋までラジカセを買いに走ったのだった。
寂しさを紛らわすためにCDやFMを聴いて、とにかく人の声で狭いワンルームを満たしたかったのである。

なぜ独立の道を選んだかについては面倒なので詳しくは書かないが、一度はフリーというものをやってみたかったというのも理由の一つだった。目安は3年。それぐらいやったら再びサラリーマンに戻ろうと思っていた。
だが机やワープロやコピーやファクスなどをリースしたら、最低リース期間は5年と言われて、こりゃ5年間はフリーを辞められないなあと心を改めたのである。リース会社の営業は、オレの心を見透かしたように「リースはレンタルじゃないので途中で解約できませんから」と電話口で警告したものだった。
オレは解約できないなら夜逃げしかないかなあと案じ、借金取りが実家に押しかける将来を想像して、いかんいかんそれだけはと震えたのである。

これらの備品を調達してくれたのは、学生時代の友人のイズハラ君だった。
イズハラ君は家業の事務器販売会社を継いでいたので、相談に乗ってもらったのである。応えてイズハラ君、「わかった全部任せろ」と言って一式そろえて面倒なリースの手続きも全部やってくれた。
感謝するオレに向かってイズハラ君は「気にするな。ちゃんと利益は出ているから」と言ったが、間違いなく友達価格でまともな儲けは出ていないはずである。
オレは今でも親友のイズハラ君には感謝をしていて、きょう35周年を迎えられたのも、彼のおかげだと本気で思っている。

同様に取引先ののコバヤシさんにも感謝だ。
オレが独立を考えているともらしたらコバヤシさんは「なんで早く言わないんですか!」と怒ったように言い放ち、翌日にはなんと「ここを使ってください」と曙橋のワンルームマンションを案内してくれたのである。
そこはコバヤシさんの経営会社の分室のような部屋で、今使っている社員たちには別の部屋へ引っ越してもらうから、使ってくれというわけだ。
「もちろんタダじゃなくて、家賃はちゃんと払ってください」とのことであったが、敷金礼金をどう工面しようかと思案していたオレには、望外すぎる話だった。
なにしろ当時のオレの手元にあったのは、ポンコツ会社で働きながらこっそり原稿書きのアルバイトをして貯めた50万円だけだったから、まさか都心のワンルームマンションを仕事場にできるとは想像すらしていなかったのである。
ポンコツ会社と取引のあったコバヤシさんは、退職するオレの世話をしたとバレると、いろいろと案配よくなかったはずだ。そんなことも振り払って実質的に家賃敷金の肩代わりをしてくれたコバヤシさんには、頭が上がらない。
このほかにもいろんな方に世話になった。いろんなお世話の上にオレの35年が積み重なっている。

数年前、オレは母を亡くした。亡くなる数日前に母は死に向かう床の枕元にオレを呼び寄せ「ちゃんと家族を食べさせていけるのか。それだけが気がかりだ」と言った。オレは、大丈夫だ、気にするな、安心して…逝けというのも変だなあと思いつつ、もちろん大丈夫だよと答えたのだった。
オレは死にゆく母に約束したから、子供たちとヨメを何が何でも食わせなくてはならない。そのために必死で働くしかない。
先日届いた特別区民税と都民前、固定資産税、都市計画税、さらには国民健康保険料、介護保険料、息子の国民年金と、社会保障費のあまりの重さに絶叫しつつ、それでもオレは石にかじりつきながら働かねばならないのだ。
母との約束なのだ。そして出発点でもらったたくさんの人たちの支えに応えるのだ。
そんなことを思いながら、夏至の一日を過ごす。
明日からは梅雨空が戻ってくるという予報で、その空を飛行機でオレは福岡に向かう。まだまだ全国を飛び回って、そして原稿を書きまくってやる。


2023.06.20

福田と槇野


すっかり忘れていた。今日は代表の試合だった。
弟からのLINEで教えてもらったので、見ることにする。
結果も内容も完璧だった。日本も強くなったものだ。
「サッカーは日本人に向いている」と言ったのは岡田武史だったか。確かにルールをちゃんと守る生真面目さや、仲間のために汗することを厭わない献身性など、日本人ならではと感じる。この試合でも。
と偉そうなことを言いながら森保が監督の間、「おーにっぽー」というお経チャントが続く間は代表アンチを宣言しているオレは、前半だけで見るのをやめて、NHKのうたコンに切り替える。カラオケ特集。
相変わらずめちゃくちゃなメニューで、いきなり「さざんかの宿」の生歌が飛び込んできたりする。ごった煮文化が大好きなのも日本人か。
しっかし解説の福田と槇野がやたらとうるさかったな。日本すげえしか言わないから、あんな解説、むしろ害悪だわ。
ペルーのポジション取りがなんか独特で違和感たっぷりだったんだけど、そういうことを解説して欲しいものだ。いや、福田と槇野にできるわけないか。
なんせ福田は「システムとかわかんないのでボランチに聞いて」とDAZNで言い放った男である。冗談だろうが。


2023.06.19

一面の連日の大谷さん


日刊スポーツの購読をやめることにした。
仕事柄、新聞はいくつも目を通してきた。以前は5紙とっていたが現在は3紙。来月からは2紙になる。日経新聞と読売新聞だ。
日刊スポーツは、アルビレックス新潟がJ1の間は読もうかと思っていたけれど、ページの半分以上が競輪競馬関係だし、自国のトップリーグの首位争いの試合結果よりも、久保が滑ったとか代表のどうでもいいネタばかり大きく載せる編集方針にさすがにうんざりしてきた。
そもそもアルビレックス新潟のいいニュースなんてさっばりないし。
というわけで来月からは2紙で、次にやめるとしたら10年後に日経を止めることになるのだろうか。それまで新聞というメディアが残っているかも怪しいものだが。
「決戦は日曜日」
選挙をテーマにしたコメディだ。主演の宮沢りえと窪田正孝がとにかく芸達者。非常に上手い。宮沢りえの壊れ方と窪田正孝の腹黒さが実にいい具合に噛み合っている。この路線で突っ走ってほしかったのだが、途中で中途半端にシリアス路線に流れていったのが残念だった。
「八月の銀の雪」
伊予原新・新潮文庫。理科系の作家であって、科学的な事象をネタにするのがこの作家の持ち味だ。それはいいんだけれど、物語展開がイマイチで惜しいなあというのが今までだった。それが今作ではちょっと抜けたかなという感じ。全5編のすべてではないけれど、表題作は今までとは明らかに違う深みが感じられてよかった。


2023.06.18

ルヴァン敗退


こいつらバカなのか。
試合を見ながら本当にオレは呆れてしまった。
今日はルヴァンカップの鹿島戦。オレは鹿島アントラーズというチームとサポーターとスタジアムがJリーグで一番嫌いだ。だからこんなチームとは闘って欲しくなかったし、どうせ闘うならコテンパンにやっつけて欲しかった。
だが結果は逆。開始2分で失点だよ。まただよ。
何度このパターンをやれば気が済むのか。
キーパーは試合後に「自分たちでもどうしたらいいかわからない」と話しており、絶望的である。
24本もシュートを撃って1点も取れない攻撃陣もたいがいだし。
もはや今の楽しみはセンターバックにコンバートされた渡辺タイキが日に日に見違えるほど成長していることと、ダニーロ・ゴメスの自由奔放すぎるプレーだ。
もっともダニーロのこのプレースタイルがチームのバランスを崩しているという指摘ももっともで、そのカバーに追われて疲労困憊の藤原の穴を突かれてしまうという困った状態。
まあ、いいや。鹿島ごときに負けたって。
負けてもいいからとっととこの地を去ってしまえばいいんだ。
あーあ、いつか鹿島がJ2に降格する日が来ないかなあ。


2023.06.17

P社


長く入っている生命保険の営業が訪ねてきた。ずいぶん久しぶりである。
いくつか入っている保険の一つが満期を迎えたので、代わりの商品の営業だろう。暑いのにご苦労である。
いくつになったかと聞いたら「59です」と言う。
あれ、じゃあもうすぐ定年じゃん。「そうなんですよ。でも60過ぎたら再雇用で1年ごとの契約社員になります。80までできるですよ、ウチの会社」
へえー、80まで再雇用! そりゃすごい。初めて聞いた。さすが世界最大の保険会社。スケールが違う。
でも、そもそも雇用関係の成立する社員なのか? 個人事業主じゃないの。
そう尋ねると「雇用はされていますが、収入は個人事業主扱いです。確定申告もしてます」という返事。よくわからない仕組だなあ。
まあいいや。
こうして同世代の人間が自分の足で歩きながら営業の第一線で汗かいている姿を見ると、嬉しくなるし元気づけられる。
先日、同年代の居酒屋の店主が店閉めて引退したのが寂しかったから、なおのことだ。
1時間ほど近況を交えながら保険の内容について確認する。やはりいろいろと老後は厳しいなあ。
老後の資金は老後に稼ぐ。これがオレの方針だ。方針つーか、そうせざるを得ないわけだが。
持ってきた保険のプランを聞きながら、いろんな意味で保険も含めて様々なことを見直さなければならない時期かもと思ったのだった。


2023.06.16

なおえと後株


今月号の文藝春秋を読んでいたから、新しいマスコミ用語として「なおえ」が紹介されていた。「なおえ」? なんのこっちゃ。
読んでみたら、「なおエンジェルスは負けました」の略だという。なるほど。確かに今やおなじみのフレーズで、「エンジェルスは勝ちました」の方が違和感ある。
ここから転じて、お約束のオチのことを「なおえ」と言うのだそうだ。
それにしても毎日毎日のオータニさん報道はどうなんだろうなあといつも思う。野球好きならゲームを見るはずだし、野球はどうでもよくてオータニさんだけが活躍すればいいと思っている層もいるにはいるだろうが、それでも毎日似たような映像の似たようなコメントを聞かされていれば、飽きるに違いないだろうし。
「なおえ」のニュースにどんな需要があるのか、イマイチよくわからない。

これも含めて今月号の文藝春秋は、まあ、今月に限ったことではないが、なかなか読みでがある。中国の秘密警察が日本で暗躍しているとか、ホントかよと思うような情報だ。文藝春秋が書くのだから事実なのだろう。
特集は100年の恋。なんだこの特集は。
と思ってページをめくると、天皇が雅子をどうやって口説いたかが書かれていて、次のページには秋篠宮と紀子の出会いについて書かれている。どう読んでもこれは、紀子が秋篠宮をナンパしたと書いてあって、さもありなん。当時から感じられた腹黒さは、やっぱりその通りだったか。
そして次のページをめくると眞子が出てくる次第。がっくりと脱力だ。まあ、好きにしなさい。

そんなことを考えながら、東京駅で昼飯を食う。
今日は八重洲で仕事があり、午前で終わったので昼飯を食べて帰ろうと思ったのだ。そしてなぜだかナポリタンが食べたくなって、それなら東京駅2階のグルメ街にナポリタンを食べさせる店があったことを思い出して、一人で足を運んだのである。

食べ終わって会計する。
レジの前には5、6人の団体さん。部長が1人に若手が5人という感じだ。ビジネスカジュアルである。
当然部長が「ああ、いいから」といい、若手が「ごちそうさまです」と頭を下げて店を出て行く。今日の昼飯は部長の奢りなのだ。というか、経費なのだ。

数千円分をカードで払った部長は、「領収証を」と言う。
レジのお兄ちゃんは「はい、お名前は」と聞く。
応じて部長は「大和証券、後株で」と答える。
ああ、大和証券の一行だったか。東京駅の隣のタワービルに本社が入っている。午前のチームミーティングが終わって、みんなで昼飯に出てきたのだろう。
ところがレジのお兄ちゃんは「えーと、名刺はありますか」と首をかしげる。部長は「は? 名刺?」と驚く。
お兄ちゃん「えーと、名前を間違えてはいけないので」といい、昼飯食うのに名刺を持ち歩くはずもない部長は、呆れた表情で「大和証券。大小の大に、和」と説明する。
この小僧は大和証券も知らないのかと苛立ちの表情だ。
部長は「ごんべんに正しい」に続けて、「券」の字のところで「えっと」と説明に詰まる。そしてここが食堂だったことを思い出してか「食券の券」と伝える。お兄ちゃんも「ああ、食券の券」と納得。

ところが部長が続けて「後株で」と言ったところ、お兄ちゃんは後株の意味がわからずにぽかんと突っ立つばかりだ。
さすがに部長は切れかかり、同時に後ろにオレが並んでいることを気にする。よいよい、オレは時間がある。急いでいない。それよりもこんなに面白いものを、もっと長く見せてもらいたいという思念を送る。
部長は「後株は後株。きへんに朱だ」と言うが、まったく通じた様子がなく、それでもお兄ちゃんは部長が切れかかっているのを察してなんとか字をひねり出して書き付けた。
ところがそれが「株」ではなくて「林」だったようで、部長はわなわなと怒りだし「こ、これが株か。これが。誰が呼んでこい」と口にしたのである。ここに至ってようやく異変を察した店長らしき兄ちゃんがレジに駆けつけ、オレが行列していることを確かめながら、「お客様こちらへ」と部長を端の方へ連れていき、そして部長は「字も書けないのかよ」とぶつぶついいながらそれに従ったのである。

心中にあるのは、天下の大和証券の名前がお膝元の東京駅のレストランでまったく通用しなかったことへの苛立ちだったのだろう。普段銀座で飲んでれば、大和証券と口にしただけでははーっと恐れ入れられているのだろうに。いやあ、なかなか面白かった。
部長が去った後のレジでオレはSuicaでサクッと払い、そして「領収証ちょうだい」と嫌がらせでもしてやろうかと思ったがアホくさいのでやめて、おとなしくレシートを受け取って帰ったのだった。

お兄ちゃん、頑張れ。こうして一つひとつ覚えていくんだぞ。今度部長に会ったらささっと書いて渡せるようになってるさ。きっと。


2023.06.15

バカ試合


息子と地元の台湾料理屋(美味い!)で晩飯を食っていたら、代表の試合のあることをすっかり忘れてしまったでござる。
途中息子が「あれ、今日は代表じゃん」と思い出し、オレは紹興酒ですっかり出来上がった頭で、ははあ、そうらっけ、と答えたのである。
テキスト速報を見た息子は「なんだ、このバカ試合」と呆れた声を出す。開始一分で谷口が得点し、開始三分でドグソレッドからのPK。
たたた、谷口ぃ? 何しに帰ってきたんだ。
息子によれば、エルサルバドルの選手はおそらくサッカーのルールを理解していなかったのではないかと。そうでなければ二点目のアホみたいなドグソはありえないというわけだ。
まあ、代表の親善試合なんてイベントだから勝敗はとことんどうでもいいとしても、セルジオ越後が怒ってるように、こんなエルサルバドル代表がちゃんとギャラを貰って帰っていくのが腹立たしいわ。
どれどれ、家に帰ったら開始から三分間だけゲームを見てみよう。
そう思ったのに紹興酒ですっかりいい気持ちになったオレはコロッと寝てしまう。エルサルバドル並みのあっけなさ。
そして夢の中でオレは、形式卒業生について考える。
先日インタビューした新人くんが、学生時代、夜間中学のボランティアをしていたと話してくれた。夜間中学って何だ。なんでそんなところでボランティアなんかしたんだ。
オレの問いに答えて新人くん(女だけど)は、何らかの事情でちゃんとした教育を受けられなかった高齢者に漢字を教えていたというのである。
ふえー。今どきの日本で、そんな人がいるんだ。
詳しく話を聞いて驚く。義務教育期間に何らかの事情で教育を受けられなかった人たちは、ともかく面倒だから卒業させちゃえということで社会に放り出され、障害があるわけではないから福祉の網からこぼれ落ち、漢字が読めず、九九もできないまま社会生活を送らなくてはならない。漢字が読めないから切符が買えず、電車にも乗れないから、社会生活もままならないわけだ。
そんな人達の、少しでも力になれたらということで彼女は夜間中学のボランティアをしたという。
ふえー、知らなかったとはいえ、そんな落とし穴があったとは。形式卒業生は、教育や社会が見て見ぬふりをしてきた問題なんだろうなあ。自己責任として切り捨ててきたのかもしれない。それはあまりにも冷たいじゃないかと、オレは夢の中で考えるのだった。


2023.06.14

プッチがプッチン


FC東京のアルベル監督が解任された。アルビレックス新潟の前の監督、プッチその人である。

噂は根強かった。上位を狙っているのに負けが込んで2ケタ順位。2年目なのに戦術が浸透していない。そんなことがずっとささやかれてきた。
もっともプッチのせいではないことは、誰の目にも一目瞭然である。
足もとの下手くそなキーパー・スウォビクや小泉、オリベイラ、長友などの脳筋系を与えて、さあこれでポゼショナルで勝てというほうが無理である。
伝え聞くところでは、選手間にも相当フラストレーションがたまり、監督の言うことなど聞かない選手も相当いたそうだ。先日など某選手が試合後のインタビューで「まあ、後のことは監督が考えるでしょ」的なことを発言して物議を醸した。
プッチはTwitterの中で「私の過ちを許してください」と書いており、解任されて許しを請わなくてはならないなんてどういうクラブだとネット民たちをびびらせている。

FC東京は幹部が創価大学サッカー部の出身者で固められている。それだけでも十分に怪しいのに、サッカーのことなんてちっとも考えていないミクシーが経営に乗り出してきて、とにかく話題になればいいや的な運営をしていた。そんなところに乗り込んだプッチも甘かったのだ。
きっと内部はガタガタ。これから内紛のネタがいっぱいネットに放出されるだろう。
東京サポは、J2で圧倒的強さを見せている町田が来年J1に昇格し、東京のチームとしての座を奪われると恐れている。心配するな、町田は東京じゃない。いや、そもそもFC東京を東京のチームとして誰が認めているってんだ。息子もオレも都民だが、FC東京なんてまったく応援する気にならんぞ。

プッチはいいヤツだった。間違いなく人格者である。
Twitterの別れの言葉も、愚痴や文句はまったくなくて、ただひたすら日本に対して感謝を述べる内容になっている。締めくくりが「アイシテル、ニッポン」というのも泣かせるぜ。アルビレックス新潟のサポは胸を熱くする。

プッチがアルビレックス新潟の監督になると知ったのは、2019年の秋だった。駅前の西友で買い物をしている途中、アルビレックス新潟の公式サイトで知り、仰天した。大変だ大変だとレジ脇にいる息子にスマホを見せたら、息子はぽかんと口を開けて呆然とたたずんでいたっけ。想定外過ぎた人事だった。
そこから2年かけてプッチはアルビレックス新潟に今の特異なスタイルの基本を叩き込んだ。そして「クラブ規模がどうのこうの」と言い置いて、都会のビッグクラブへと移っていった。
プッチの2年間がなければ、アルビレックス新潟は決してJ1に昇格できなかった。
そしてプッチがあのまま監督を続けていても、決してJ1に昇格できなかった。
要するにプッチは教育者であって、勝負師ではなかったのである。
だから解任されたのならアルビレックス新潟に戻ってきて次世代の選手たちを鍛えて欲しかったのだが、本人は美しい別れの言葉を残してスペインに帰ってしまった。

先日、アウエーで駆けつけた味スタで、プッチにやられて負けてしまったのが最後だった。
ぜひともプッチとは、ビッグスワンで再会したかった。きっとプッチは例によって号泣しながらサポに手を振っただろう。
間違いなくレジェンドの1人だった。少なくともオレは、プッチのサッカーを観られて幸せだったし、プッチにチームの基礎を作ってもらって感謝している。
「私のフットボールのエッセンスが少しでもこの国に残り、受け継がれていってほしい。それこそ監督として手にすることができる最高のトロフィー」という言葉に、オレは拍手を贈る。
プッチよ、あんたの残してくれたサッカーはきっとこれからも続く。スペインで見守っていてくれ。


2023.06.13

ザギンでニーハオ


仕事で銀座に行った。驚くほど外人が多い。
CHANELの前には行列ができている。よく見たらほとんどが中国人だ。
銀座はもう中国人の街なんだと実感する。
さて最近のオレのDXについて、近日ご紹介しよう。
なんで今日書かないかというと、ネタを取っておくためである。
セコい。
DXと言えば、例の陰謀大好きおじさんがとうとうマイナカードの返上を考えているとSNSに書いていた。大笑いである。
遠くから眺めている分には、馬鹿は楽しい。


2023.06.12

アジャ様と言ったらコング


マイナンバーカードのごたごたを見るにつけ、これも霞ヶ関劣化の一つかと思いつつ、文句を言ってる連中は近視眼的で心底アホだと思わざるを得ない。
新しいこと、それもデジタル関連の新しいことをやろうとしているわけだから、途中でシステムエラーやヒューマンエラーが起きるのは当然のことだろう。それを受けてそのつど改修し、リリースしてまた改修するというのを繰り返していけばいい。アジャイル開発は当たり前のことなのだ。
もし絶対にエラーの起きない完璧なシステムを作ってからリリースしようとしたら、10年後や20年後になってしまう。
近視眼的な人たちは、それが理解できない。理解できないから、例の陰謀論大好きな左翼おじさんのように、「利権だー」「国民皆保険制度の廃止だ−」と騒ぐのである。頭かおかしいとしか思えない。
きっとアジャイル開発と聞いても何のことかわからなくて、慌ててネットで調べたあげく「アメリカの言いなりだー、入管法を阻止しようとした山本太郎先生万歳」と叫ぶに違いない。
もちろん丸の内あたりに務める人たちは、こんなトラブルは想定外だし、むしろトラブルが起きたことによってマイナンバーカードのシステムが磨かれていくと歓迎している。これが巨視的なものの見方だ。
なお丸の内の人たちは「底辺層は努力不足の自業自得、自分たちはヤツらが遊んでいるときに頑張ったから丸の内にいるんだ」と心の中で思っているということを、オレたちは知っておいた方がいい。


2023.06.11

△○△○●●△○●●●△○●●△●17


1失点目はコーナーからのこぼれ球を相手にプレゼントするという酷いミス。
2失点目はゴール近くのパスミスで相手にプレゼントするという酷いミス。
3失点目はペナ内で相手に足をかけてPKをプレゼントするという酷いミス。
一度も崩されていないというのにすべて酷いミスから自滅してりゃ、勝てるわけがないっつーの。
雨だというのにホームに3万人も集まったというのに、伊藤涼太郎の送別試合だというのに、とことん馬鹿みたいなゲームにしてしまって、シラーッ。
くわえて東京の馬鹿がガンバに負けて、浦和の馬鹿が横浜に引き分けて、これで下位が全部勝ち点重ねた。
さらに下位が全部上昇機運だというのにこちらは一つもプラス材料がなく、むしろマイナス材料だらけ。
選手が下手くそな上にけが人続出で、監督が現実を見れない1年生坊主。
こりゃあダメだ。オレはもう降格を覚悟している。
降格を覚悟したから、別に勝っても負けてもいいやと思えてきた。
J2の頃は楽しかったなあと思っていたら、本当にJ2に戻りそうでござる。


2023.06.10

トラウマレベルの迫真の描写だ


Netflixの新作「THE DAYS」は、3.11の福島原発を舞台にした連続ドラマだ。
となるとあの「Fukushima50」とモロかぶりなわけだ。
主役はなんと役所広司。現場の責任者は竹野内豊。
役所広司が吉田所長役とは興味深いので、どれどれと見てみる。
実にリアリティあふれる内容で、よくぞまあここまで丁寧に作ったものだと感心する。
菅首相を演じる小日向文世が実に素晴らしい。あんなキレ具合ができる役者だったとは。
ただ丁寧に作るあまり、どうにも演出が間延びして、かったるい。1分で済むところ、引っ張って引っ張って、役者もセリフをためにためて、5分にしている。
竹野内豊なんて同じセリフを何度も繰り返したりしてるんだぞ。
結果、間延びしてだれてしまって、何度も早送りして見ることになってしまった。Z世代の倍速で映画を観る気持ちがよくわかった。
8回ぐらいのシリーズで、そんな具合に飛び飛びに見て、まだ5回。もっとテンポ良く運んでほしいものだ。作りが丁寧なだけに惜しまれる。
これなら「Fukushima50」のほうがずっと面白い。


2023.06.09

アホーター


Jリーグの発展を妨げている要因の一つがサポーター文化だという指摘にはうなずけるところがある。
実際、酷い。あいつらがつくり
だすスタジアムの空気に触れたら、もう行きたくないと思うライト層が出るのも当たり前だろう。 特に鹿島。ここは酷い。
初代王者にジーコという自意識が異常に肥大して、田舎だからそれを諫める大人もいなくて、さらにチームがむしろそれをあおっているから、とんでもない怪物サポーター集団ができあがってしまった。
スタジアムでの暴力沙汰も日常茶飯事。覚えたての中学生そのものである。
こんな連中と同じ場所で空気を吸いたくないと思うのも当然だろう。


2023.06.08

日本の未来は(Wow Wow Wow Wow)世界が羨む(Wow Wow Wow Wow)はずではなかったか


中央官庁の総合職、いわゆる霞ヶ関のキャリアに占める東大卒の割合が、この10年で半減したと日経新聞に出ていた。理由を調査したら、試験の勉強が大変なこと、働き方がブラックであることなどが嫌われていることがわかったという。
実際、息子の周囲でも官僚志望者はまったくいないらしい。「3000万円の人材を1000万円で使い倒すのが霞ヶ関」というのが現在の東大生が抱く認識だ。
もちろん国を動かす仕事だから、カネだけで語れるものではない。志で汗をかくのがキャリアのあり方だ。そんな志を持とうと思った若者が、現実を前にして志を捨てざるを得ないのが今の霞ヶ関ということなのだろう。
20年近く前、人材系某社の社長が「出向で引き受けている霞ヶ関の役員の質の劣化が酷い。彼らは国家スタッフなのだから、これは由々しき事態だ」と嘆いていた。
当時で既にそんな状況だったわけで、以来、劣化は止まらずということか。マイナンバーのあれやこれやを知るにつけ、こういうことだったのかと妙に納得する。
日本はまだまだ沈んでいくのかもしれない。


2023.06.07

まいぺんらい


医学生にインタビューした。有名な医科大学の、その中でも特に優秀な学生である。
彼はこの春、タイの大学病院で実習に参加した。タイの医療と聞いてもピンとこない。遅れているんだろうなあというぐらいのイメージである。
だが彼に言わせれば「とんでもないです」ということになる。
「向こうの大学4年生が日本の6年生である自分と同じレベルの知識を持っていて、6年生ともなると医者と変わらない仕事をしているんです」
彼にとってもそれは驚きの現実だったそうだ。
中国に負けシンガポールに負け、今やタイに追いつかれようとしていて、いずれベトナムにも追い越されるんじゃないか。それが21世紀の日本である。
日経新聞によれば、今ではベトナムの技術者が、日本は給料が安いと言って来たがらないそうだ。
日沈む国、日本。
もともと高度経済成長という、単なる一発屋にすぎなかったのだから仕方ないのかも。


2023.06.06

ひらひらさんたちの夜


石神井公園の沖縄料理屋で飲んでいたら、その店の姉妹店が近くにあるという。どんな店だと聞いたら「スナックです」という。
ほほう、スナックか。いいじゃないか。これから行こう。
沖縄料理屋の店員に頼んで予約の電話をさせ、オレは息子を伴ってスナックに向かったのだった。
そのスナックは、立地といい、佇まいといい、非常に怪しげであり、沖縄料理屋の姉妹店と知らなければ、絶対に足を踏み入れないだろうと思った。

ドアを開けて店に入ったら、ミニスカートから足を出したお姉さんが4人、店内をひらひらと舞っている。その中の一人が席についた。話を聞いたら中学生の娘がいるシングルママ40代という。ひらひら舞ってる40代シンママ。味わい深いではないか。
聞けば昼はネイルサロンで働き、夜はスナックでひらひらと舞っているそうだ。読書が好きなので週に7冊は文庫本を読んでいるという。
偉いなあ。店は12時までだから、それから家に帰って洗い物や洗濯をこなし、朝は反抗期の娘に食べさせるご飯を作り、そして仕事に出かける。そんな毎日を送っているわけだ。
「すげえなあ、自分にはとてもできないなあ」と息子は心底感心していた。

そんなシンママ40代を勇気づけようとオレはカラオケのマイクを手に取り、息子が止めるのも聞かずに「おそうじおばちゃん」を絶唱したのである。「いっちにちはたらって、にせーんえん!」の絶叫に店内はパニックだ。
その後、帰り側に突然沢田研二が歌いたくなり、至高の名曲「君を乗せて」を歌う。70年代初頭のこんな古い歌だというのに、オレが車で時々聴くものだから息子も知っていて、息子も「ああーああ、君を乗せてー夜のーうみをー」とオレと一緒に歌ってくれるのだった。とてもよくできた息子なのである。 「おそうじおばちゃん」のおかげでオレの名前は2000円ということになり、帰りにはひらひらさんたちから「2000円また来てね!」「2000円ありがとね」と見送られたのであった。

「合理的にあり得ない」柚月裕子・講談社文庫。テレビドラマの原作。女探偵ものだ。バイオレンス小説で売ってきた著者が新境地を開こうと書いたのだろうか。もともとそんなに好きな作家でないこともあって、あまり面白くなかったなあ。


2023.06.05

駆け抜けたイト


伊藤涼太郎のシントトロイデン移籍が正式に決まった。たいへんに喜ばしいことである。
まさに風のように駆け抜けたという表現がぴったりの、伊藤涼太郎だった。

サッカー選手の旬は短く、伊藤も25歳。海外へ行くには遅すぎる年齢だ。
ベルギーリーグはしょぼいけど、これを逃したら海外への門は閉ざされてしまうのは確かだから、シントトだろうがトトロだろうが、行くのは正解。そこから5大リーグへ移籍できるかどうかは自分次第だ。
本間至恩に続いて、これで2年続け選手をヨーロッパへ送り出すことができた。これでアルビレックスは若手の海外挑戦の実績を積むことができ、後に続く選手も出てくるだろう。
地方の貧乏クラブはそうして選手を集めるしかなく、海外へ輸出することで外貨も稼げる。J2でくすぶっていた伊藤涼太郎を甦らせ、海外へ送り出したことで、いいモデルケースになった。

それにしても鮮烈すぎる選手だった。
わずか1年半の在籍ながら、既にレジェンド。去年の昇格を決めたゲームの2点目と、今年の福岡戦の2点目のニコリともしない険しい表情と3点目の咆哮は忘れられない。
東京戦でのフリーキックといい、あり得ないだろうというプレーを山のように見せてくれた。まさに眼福。たとえチームが負けたとしても、いいものを見せてもらったと満足して帰らせてくれる、そんな得難い選手だった。
一昨日の湘南戦が日本での最後のプレーになった。そうなるんじゃないかなという予感がしたから、観に行ってよかった。
ありがとう、伊藤涼太郎。次は代表のゲームで会おう。
数年後に帰国するときは、もう地方貧乏クラブには手の出ない金額の選手になっているだろうなあ。仰ぎ見るポラリスであれ。

しかしこれで一気に新潟がJリーグサポから降格最有力候補に認定されてしまったのには萎えるぜ。当たり前だが笑。


2023.06.04

悪魔のオマ


そのアルビレックス新潟対湘南ベルマーレのゲームには河野太郎が応援に来ていたらしいが、問題はそこではない。レフェリーだ。

「あれ、山下さんじゃないか」と、試合前のピッチでの練習をスタジアムから見ていた息子が指摘したとおり、山下さんが試合前のアップをしていた。そしてく見てみると、一緒にアップしているのは全員オンナだった。
げっ。ということは今日のゲームは全員女のレフェリーということか。
案じたとおり、主審、副審すべて女性。第四の審判とVARは男だったが、にかく直接裁くのは女だった。 これは大変にめんどくさい話だ。

案の定で、山下さんのレフェリングは今日もイマイチだった。はっきり言って技術的にJ1のレベルにない。
試合の流れに着いていけずに正しい位置でレフェリングできないから、雰囲気で旗を揚げる。結果の誤審。オンナだからってなめられたくないという意識が伺えて、なめんなよとすぐにゲームを止める。フラストレーションがたまる。
この山下さん、ワールドカップにも出場したが、第4の審判止まりだった。もし主審を務めていたら暴動が起きていただろう。
山下さんだけでなく、副審も酷い。ピッチからボールが出て、自分が先に右に旗を揚げたのに、山下さんが左に揚げたのを見て慌てて揚げ直すこと、2度3度。
こんな状態のレフェリングなのだ。
男子のアスリートが全力疾走するスポーツなのだから、どうあがいたって女子の走力で追いつけるわけがないのである。これは仕方ないのだ。だからそもそもがJ1のレフェリングなんて無理な話なのだ。
それなのに多様性の象徴ということで無理してかり出されているのだろう。お互いに不幸なことだ。
なんでもかんでも多様性の時代だが、ことスポーツにおいては多様性はプラスよりもマイナスの方が大きいのははっきりしている。多様性くそくらえ。原理主義万歳。
もう女子3人のレフェリーは見たくないなあ。

などと嘆いていたら、ベルギーリーグで本間至恩が大活躍。
相手の優勝がかかった試合で0-1と負けていた87分、本間は途中出場。すると88分にゴールを決めて、2分後にはさらにアシスト。結局0-1から3-1の大逆転に貢献したのである。
こんな試合で87分に出場して1ゴール1アシストだから、悪魔の子と呼ばれるのも当然だ。相手チームのサポは号泣し、スタジアムはお通夜。
優勝中継にやってきていたヘリコプターが2-1となったところで飛び去って、アナが「ヘリコプターがリターンだぜ」と中継していたのが笑えた。
ベルギー人に本間は発音しにくいのか、オマと呼ばれている。実況で、オマ、オマ、とアナウンサーが連呼するのを聞いていると、とても気分がいいのだった。


2023.06.03

△○△○●●△○●●●△○●●△17


平塚ってガラ悪いよねえ。平塚出身の女の子にそう言ったら「そうなんですそうなんです、ガラ悪すぎますっ!」と何度もうなずいていた。
湘南なんて聞くとオサレでハイソなイメージかもしれないが、実際はロン毛グラサンの輩の巣窟。鹿島あたりと何ら変わらないのだ。
そんな平塚までは我が家から2時間以上。しかもスタジアムへは駅から徒歩20分以上。
つまりオレは土曜日の昼、2時間半以上もかけて平塚なんていう地の果て、悪の巣窟まで出かけていったというのに、なんとキッオフわずか2分でPKを取られて失点するなんていう場面を見せられたわけだから、そりゃあ萎えるのも当然だろう。
もっとかわいそうなのは新潟から遠路はるばる幹線バスツアーでやって来たサポたち。前夜の帯状疱疹じゃない、線状降水帯の土砂降りが残る中、朝早く出発して夜遅くに帰る日帰り弾丸ツアーだというのに、開始2分でPKだもの。そりゃあ大野にもキレるってもんだ。

どういうことか。
相手の湘南には、新潟から移籍した大野和成という選手がいる。なかなかいい選手だ。
上越の星。越後の壁。そう呼ばれて新人時代から、いや、下部組織にいた時代から大切にされてきた選手なのに、J2に降格した途端に出て行ったのが大野和成。しかも当時、新潟のキャプテンだったというのに、一緒に昇格しようと言うのかと思ったら、とっとと逃げ出してしまったのである。
出て行かれたこっちは5年間もJ2暮らしで苦労して、ようやくの思いでJ1に上がったわけだから、そこに大野が「やあやあ、久しぶりだね、君たち、元気だったかな」と挨拶に来たところで、そりゃあオレンジのお猿さんたちに通じるわけがなく、大ブーイングの嵐を浴びてしまったのだ。
もっと酷いのは、この大野和成がJ1出場300試合を達成して、そのセレモニーが試合前に行われたというのに、そこで大ブーイングの嵐だったことである。
300試合のうちの100試合は新潟で記録したものだから、今日の湘南-新潟戦ならば両チームのサポーターから祝ってもらえるだろう。
そう目論んでのセレモニーだった思われるが、運営側のそんな狙いはものの見事に外れて、めでたいセレモニーの時間も新潟からの大ブーイングの嵐に包まれてしまったのである。
おめでたい場なのに、かわいそうに。一番かわいそうだったのは、お祝いの場だからと招待されたヨメと娘である。
大ブーイングの中での花束贈呈だったために、「うちのパパはこんなにも故郷の人たちに嫌われてるんだ」と泣いてしまったらしい。こりゃかわいそうに。まあしかし、新潟へは出禁を食らっているからなあ。
もっともセレモニー中にブーイングするとは、あまりに異例。どこかの国のような行儀の悪さ、民度の低さだ。オレンジのお猿さんたちに民度なんか期待してはいけないのだが、ブーイングに対して「お前ら落ち着け」と身振りで叱っていたのが、最年長のディフェンス千葉。さすが猿回しである。もっともその千葉が開始2分のPKのハンドをやらかしたのだから、もはや何が何だか。
大野和成のヨメもかわいそうだが、開始2分のPKを見せられたオレたちもけっこうかわいそうだ。

ともかくオレンジのお猿さんたちの行儀の悪さは目に余る。
オレは基本的に選手にはブーイングしないと決めているので、後ろ足で砂をかけていった松原と福田以外にはブーイングしない。大野和成に対してもブーイングはしていない。オレは猿ではないのだ。
もっともJ1とJ2に袂を分かって、ようやく5年ぶりに再会できたわけだから、万感の想いを込めてのブーイングだったのも確かだ。出て行った選手にブーイングするのはサッカー文化の一つだし、それを浴びるのも選手としての醍醐味の一つ。まあ、プロレスだ。
一度はこのお約束を果たさなくてはいけないから、5年ぶりにそれがかなったということにしておこう。それでもセレモニー中のはいただけないが。

さんなことを考えながら、試合後に小腹が空いたので平塚駅前の焼き鳥屋で息子と軽くつまむ。不思議な店で、数名の女子アルバイトがとんでもない美人ぞろいでたまげる。そしてビールを頼んだら「胃を大切にしてくださいね」と、なんとタダで牛乳が出てきたのである。
乃木坂並みに可愛いお姉ちゃんに勧められた牛乳を飲み、そして湘南ゴールととかいう地元サワーを飲んで、再び延々と2時間以上かけて家に帰る。
そして深夜、伊藤涼太郎のシントトロイデン完全移籍が決まったというニュースに、あらら、よかったね涼太郎、と喜ぶ。これはいい移籍。残されたチームがJ2降格となったとしても、涼太郎にブーイングは絶対に起きないのだった。


2023.06.02

レプレゼンタティブ


いずれ自動運転が当たり前の時代になると「人間の運転するクルマなんて危なっかしくてしょうがない」と言われるようになるのだろう。
同じように医療の現場でAIとロボットが活用されると、「人間の診断は当てにならないし、人間の手術なんて危なっかしくてしょうがない」と言われるようになるのだろう。
それはいいことなのか、悪いことなのか。
いずれAIが個人情報をリアルタイムで完璧に把握するようになると、犯罪は完璧に防がれるようになるわけだ。
とすると、これからやってくるのは労働もなければ犯罪もない社会というわけで、それは実はとても穏やかなことではないのだろうか。
などというアホなことを、医療系の大学で学ぶ医者の卵たちにインタビューしながら考えた。

「MR」(上・下)日下部羊・幻冬舎文庫。
でもこういう小説を読むと、MRなんて医療の現場にいらねえよ、むしろ害悪だよと思えてくる。
「効いたよね、早めのパブロン」というコピーは、症状が出る前に早めに薬を飲ませることで薬の売上げを大幅に伸ばしたという点で、天才的なコピーなのだ。目の悪くない人にメガネをかけさせることに成功したJINSのように、薬なんて必要がないほど軽症の人にも薬を飲ませることで、薬屋は大儲けしちゃってるのだ。オレも陰謀論が好きだなあ。
この小説は、MRを主人公にしたもので、けっこうリアル。オレも以前は製薬企業の仕事が多くて、MRの取材は何度もやったけど、確かにネタの宝庫だ。
医者から名前で呼ばれるまで3年。「壁のシミ」「ハエ」と罵倒されつつ、ひたすら頭を下げまくる。
医者の娘がジャニーズ好きなのにチケットが取れなくて困っていると聞いたとき、たまたま自分の付き合っている彼女がそのチケットを持っていたから、強引に奪い取って差し出したら、医者が喜んでくれて、それから名前で呼んでもらえるようになった。これはオレが実際に聞いたエピソードである。まあ、この手のネタはMRの現場には山ほど落ちている。
そんな扱いをされても、なぜ歯を食いしばってMRをしているかというと、給料がものすごくいいからだ。今や銀座で飲んでるのは医者ではなくて、MRというのは常識である。銀座で飲む、という表現自体が昭和であるのだが。
この小説は、こうしたネタをふんだんに織り込んでいるので、面白い。もちろん面白いのはネタが面白いからであって、小説としては展開は陳腐だし、登場人物の書き分けはイマイチだし、まあ、こんなもんかという感じ。読んで損はない。


2023.06.01

黒船


サイバーエージェントがチャットGPTを導入したら、30人いたクリエイティブディレクターが全員クビになったというニュースは、ちょっとやべえよな。
チャットGPTが何をしたかというと、バナー広告のキャッチコピーを作って、それがどれだけ消費者に受けるかまでを判断するのだそうだ。広告のクオリティコントロールをするのがディレクターの役目だから、それをAIが奪っちゃったということか。
キャッチコピーもAIが考えているのだから、いずれコピーライターも全員クビだろうと言われている。これからキャッチコピーは、チャットコピーと呼ばれるようになるだろう。なんちゃって。
不思議なのは増え続けるコピーを広告にするためにデザイナーの人手が足りなくなって、大量にデザイナーを雇ったらかえってコスト高になってしまったということだ。まあ、これもいずれAIがデザインまでするようになるだろうから、一過性のこととは思うが。
それにしても不穏なニュースである。
いよいよ人間は肉体労働をするしかなくなる時代が来るのかもしれない。


2023.05.31

お花畑


北の国の皆さんが大きな花火を打ち上げたものだから、こちらは朝っぱらからJアラートで大騒ぎだ。まったく迷惑な話である。
案の定、花火は失敗したらしい。なんでも残骸を南の国のお友達に回収されたくなかったから明後日の方向に打ち上げたというのに、失敗したおかげで回収されてしまったというおまけ付き。
それはともかく花火のおかげで、毎朝楽しみにしていた紙兎ロペが飛んじゃって、オレは激おこぷんぷん丸なのだった。
そしてオレ以上に激おこなのが、毎度おなじみ、左巻きおじさんである。
このおじさん、なんと早朝からJアラートが鳴り響いたのは、岸田バカ親子の醜聞を隠すためであって、それに乗っかって延々と臨時ニュースを流したマスコミも腐っていると断罪してみせたのである。
目まいがするではないか。頭は大丈夫なのか、いや、大丈夫なわけがない。アホも度を過ぎると笑えない。笑うけど。
左巻きおじさん、最近は何かスイッチが入ったのか、この調子でやたらと右派保守に毒づき回っている。 岸田バカ親子のバカっぷりは確かに度を超しているが、そんなものは更迭した時点で終わりだ。なのに立憲の猿発言のバカは放置か。
いやいや、大ブーメランを食らった蓮舫はどうなのだ。国会でグラビア撮影に応じた過去を忘れて岸田に噛みついたら、たちまち大反撃を食らって撃沈。自分は息子に見捨てられ、あげくに自民党員になられてしまったものだから、バカ息子という文脈での噛みつきは分が悪いと見たのだろう、すっかりカメの如しである。
左巻きおじさんは、岸田親子をくさすなら蓮舫にも目を剥かなければいけないよ。


2023.05.30

三愛ビルも解体だ


銀座の仮面強盗の間抜けぶりに呆れたと思ったら、長野の立てこもりでは、悪口を言われたというのが動機になっていることに目眩がする。仮面強盗もそうだが、悪口を言われてぶち切れたのが30過ぎた大人であることに、何とも幼稚なのだと思ってしまった。
尾道の放火では20過ぎた大人が、おじいちゃんが嫌いだったと言ってるし、昭島では警察署にロケット花火を打ち込んだヤツもいた。そういうのは中学で終わらせていたものだがなあ。
犯罪者ですら全体的に幼稚になっていて、日本はこんなところまで劣化したのかと脱力する。
今日は、三菱ふそうと日野自動車の経営統合というビッグニュースが飛び込んできた。日野自動車救済なのだろうが、弱者連合という見方もできる。M&Aはリストラの始まり。これから激しいリストラが始まるのだろう。
家電がダメになって半導体がダメになって、ついには自動車もダメになっていくのか。もはや日本が売れるものは、土地と季節しかない。
などと考えながら銀座の街を歩く。ここのところ急激に中国人が戻ってきたなあ。
本日の取材相手は、もと横綱の大乃国さん。巨体を揺らしながら、今の日本の社会と若者について嘆く。オレも同感だよ、大乃国さん。


2023.05.29

おはようの奇跡


見知らぬ女性から突然Twitter経由で連絡が来た。
「作詞作曲をされているタンゴさんですか。『おはよう』という曲が大好きなので、どこで売っているか教えてください」とある。
おりょ、突然のファンか。こりゃたまげた。
もっともオレには「おはよう」という楽曲をつくった記憶がまったくない。
何かの勘違いではございませんか?
そう返したら「これこれのこれこれに収録されていた、これこれぐらいの曲です」ときた。
へえ、そうなのか。首をかしげつつ書棚を探ってみたら、おお、見つけた、確かにそんな曲が収められたCDが。
なんと今から15年の前につくった、保育園の一日というシリーズで、朝に流す曲としてつくったものだった。これが保育雑誌のCDに収められて全国に流通したわけだ。
なんと、それが本当にどこかの保育園で毎朝流されていて、この女性さんは保育士として先日退職するまで毎朝を聴いていて、また聴きたくなったからとネットでオレを捜し当てたらしい。
驚くではないか、諸君。
オレも少しはお役に立てたということだ。
この曲は市販されていないので、よければファイルをメールしますねと、mp3をたくふぁいるしてあげた。
オレもすっかり忘れていた曲である。ボーカルはヨメで、歌ってるよとヨメに教えてあげたら「うそだ、そんな曲知らない」と否定していた。それほど記憶の彼方。自分の知らない遠くの保育園で毎朝自分の歌が流れていたというのはどんな気分だ、ヨメよ。
普段は消費され、流されていく原稿ばかりを作っているから、こうして形になって残り、しかもずっと好きでいてくれるコンテンツを作れたことが少し嬉しい。
遠い場所のまったく知らない人がオレを捜し当ててくれるなんて、ネット時代ならではだ。


2023.05.28

△○△○●●△○●●●△○●●16


J2のモンテディオ山形に藤田伊吹という選手がいる。ハードワークのできる、実に素晴らしい選手だ。
彼はJリーグファンに非常に人気がある。途中出場すると「キター!」「キター!」と実況中継掲示板が一気に盛り上がるほどだ。
人気の理由は、その頭髪にある。ハゲ一歩手前。その後退具合が実に絶妙で、そこが人気の秘密なのである。実況掲示板には「藤田せんしゅが交代したときにキターキターともりあがるのはよくないと思います」という書き込みもあったりして、大変な愛され方である。
同じ理由で柏レイソルの小屋松知哉も人気だ。こちらは山形の伊吹ほどではないが、額の両サイドの上がり具合が実にこれまた初期そのものという感じで、実に味わい深い。
他にも三門という逸材がいたのだが、現時点では藤田の後を継ぐのは小屋松で決まりと言われている。 だがオレは小屋松は応援しなかった。対戦相手の川崎を応援した。
一時は下位に低迷した川崎だったが、今日はさすがの試合運び。つーか、柏、弱すぎ。ちょっと酷いな。ぜひこのまま弱い状態をキープしてくれ。
なぜこんなふうに小屋松のはげ上がりぶりと柏の弱さを喜んでいるかというと、今日もまたアルビレックス新潟は負けたから、下位チームの負けを願う他力本願しかないからである。情けないが、これが現実なのだ。J2レベルの選手をそろえて、J1初体験の監督のもとで闘うしかない地方クラブのこれが現実。とほほ。
開始早々1分で、あり得ないようなミスで失点。一気にゲームプランが崩れる。前半終了間際に、のんびりちんたら走ってる間に失点。やる気のかけらも感じられない。後半もあり得ないようなミスで3失点目。 これだけミスが続けば勝てるわけもなく、きっとチームの雰囲気も悪いんだろうなあと思わせた。
これが実力なのだからあとは下位チームの負けを祈るだけである。とほほ。
せめて観るのが苦痛なゲームだけはやめてもらいたいのだがなあ。


2023.05.27

呆れる練馬区民


新しくできた選挙区の東京28区が騒ぎになって、練馬区が全国的に注目されて嬉しいでござる。
28区は今まで東京9区で、オレんちと道一本へだてた隣だ。つまりオレは今まで通り9区で、騒々しいのは隣の選挙区になる。
ごたごたしている理由は、散々報道されているとおり、公明党が28区を取りたいのに自民党が既に候補者を決めているので、公明党が「信頼関係は地に落ちた」とまで公言するほど激おこぷんぷん丸になったためである。
これがきっかけで自公の連立が崩壊しちゃうこともあり得ると言われるほどの騒ぎだ。ちょっとワクワクする。練馬区は公明党つまり学会が強いエリアなので、近隣に住む学会員が党と一緒に激おこぷんぷん丸なのだ。
高齢化が著しくて集票力が落ちてしまった公明党。中でも練馬区は劣化が酷く、先の区議会選挙でもあり得ないほど大量の候補者が落選してしまって党の幹部が激怒し、区の幹部が怒られちゃって、その下の学会員が怒鳴り散らかされてうんざりしているのである。
そんなゴタゴタの大恥状態だから、公明党としては何としても練馬区で勢力を挽回せねばならず、それが「新設の28区は絶対によこせ」といきり立つ理由だ。
それに対してなぜ自民党がこうも強硬に譲らないかというと、既に候補者を固めているからだと報道されている。
それを聞いた練馬区民は、うそだろーと首をかしげるのだ。
なぜかというと、その既に決まっているとされる候補者が、安藤高夫なのである。安藤高夫と書いても、きっと練馬区民以外は誰も知らないだろう。どんな大物を擁立したのかと思ったら、そんな小物なのである。こりゃおかしい。
安藤高夫は八王子の総合病院の理事長で、練馬区とには縁もゆかりもない人物だ。かつては民主党の公認を受けて出馬したこともあるほどで、要するに名誉欲だけが先走って、議員になれりゃなんでもいいという人間だと、練馬区民は見切っている。
選挙が近づくと地元の駅前でニコニコとチラシを配っているのだが、そのときは必ず白衣姿なのだ。要するに医者ということだけが唯一のアイデンティティで、医者が議員になって何をするというのだと誰もが冷たい視線をぶつけているのに、そんなことはお構いなくニコニコと笑っているのである。医者なら病院で患者を診ていた方がよほど世のためになるのに、名誉欲が抑えきれないのだ。
そんなふうに見切られているから、先の選挙で落選したのも当たり前である。しかも負けた相手が立憲の候補者。
つまりはそんな小物を擁立しているからと公明党を切るのは何かヘンだと、練馬区民は首をかしげているのである。長年にわたって公明党との連立を危うくしてまで自民党が擁立しなければならない候補とはとても思えない。
そこでささやかれるのが、自民党の萩生田の存在だ。大物である。
東京の選挙区調整はこの萩生田が担っているとのことで、どうやら萩生田先生が決めたのが安藤高夫だから、本人がかいに小物だろうと萩生田先生のメンツを潰すわけにはいかないということで、この騒動になったのではないかというのかせもっぱらの噂だ。
もっともこの萩生田先生、議員として見込みがあるから擁立するのではなくて、「議員になりたいんですぅ」とすり寄ってくるヤツに対して「よしよし、ワシに任せなさい、わっはっは」と恩を着せることで自分の子分を増やし、勢力を拡大していくのが得意の戦法。
とっとと安藤高夫なんて小物を見切ってしまえばいいのに萩生田も意地になっているのか、おかげでグダグダになってしまったという流れのようだ。
現状、公明党の激おこぷんぷん丸が凄すぎて、ちょっと落とし所が見当たらない状態だ。先に書いたように練馬区では公明党が大恥をかき、党勢の劣化を満天下にさらしてしまったのである。ここは絶対に譲れないだろう。
かといって萩生田が自分の影響力が削がれるような妥協をするとも思えない。
手打ちに至ることは無理で、決裂したまま選挙に突入すると見られていて、ちょっとワクワクする。
道一本隣の区ではあるが、全国的に注目されて気分がいい。早く選挙にならないかな。
「ケイコ 目を澄ませて」
岸井ゆきのという女優はあまり好きではなかったのだが、この作品を観てぶっ飛んだ。こんなに凄い役者だったのか。
生まれつき両耳の聞こえないプロボクサーという難しい役で、ボクサーとしての圧倒的なフィジカルと、手話でしかコミュニケーションできないという二つを完璧に演じている。仰天した。
脇役の三浦友和も実にいい演技をしていて、うまいなあと唸らされた。
全編16ミリのフィルム撮影。そのざらざらとした質感も作品のテーマによく合っている。
「ひとよ」
母親がDVの旦那を殺してしまい、残された3人の子どもが人殺しの子ととして辛酸をなめたという話である。うんざりするような話だ。五月晴れの日曜の午後に一人で観るような映画ではない。
それでも観たのは、芸達者がそろっていたからである。
夫を殺した母親が田中裕子で、子どもが佐藤健に鈴木亮平、そして松岡茉優。どうだ、芸達者ばかりだろう。それそれにさすがの存在感を見せていた。
特に田中裕子が絶品で、刑務所を出てきて子どもたちのもとに帰ってきたという難しい役どころを見事に演じている。驚いたことに、その演技にはどことなくユーモアさえ漂わせているのだ。こんな演技は田中裕子しかできはないなあ。沢田研二も殺されちゃうぞ。そんなことを思いながら観たのだった。


2023.05.26

犯人が出てくるのが最終盤とは


ここのところ忙しいのは確かだけれど、リモートが多いから、今週も電車に乗ったのはたった一回。楽ちんである。
電車の中でもノーマスクはだいぶ増えてきたから、いいことだと思う。
「おまえの罪を自白しろ」真保裕一・文春文庫。
3歳の女の子が誘拐されて、要求されたのが身代金ではなく、その祖父である政治家に過去の悪行を自白させろというものだった。確かにこれはかつてなかったシチュエーション。だが話の展開が、政界でのどろどろしたものが中心となり、誘拐ものならではのサスペンス色がまったくない。これはどうなんだろうなあ。真保裕一はハズレの少ない名手であるが、これは策に溺れた感じなのか。読み終えて、やっぱり誘拐ものはこうでなくちゃと、お口直しの意味で「大誘拐」を読み返す。もう30回ぐらいの読み返しだ。冒頭からグイグイ引き込まれる、最高の読書体験が味わえる。45年前に書かれたミステリーなのに。オレのオールタイムベストワン。


2023.05.25

五月晴れ


原稿を書くのに疲れてちょっと一休み。
息抜きにと思ってスマホでネットを見たら、なんと長野で立てこもりって、こりゃあ、大事件じゃないすか、山ちゃん。
慌ててテレビをつけたら、もう仕事には戻れない。困ったものである。いや、困るのはオレだ。
午前はふと思い立って娘の大学を見学に行く。
とってもきれいなキャンパスで、学舎も真新しい。そりゃあこんな快適な場所があるなら、家には帰ってきたくないわなあと納得する。
きれいな学食で定食を食べた後、娘をLINEで呼び出す。当たり前だが、娘は迷惑顔だ。わははは。キャンパスで友達と過ごしているところに親が現れたのだから、背筋が凍る思いだったろう。
広々としたキャンパスの奥の方に小さな囲いがあって、何かと思って近づいたら喫煙コーナーだった。ここで数名の学生が肩を寄せ合ってタバコを吸っている。
そりゃあ今時のキャンパスがきれいなわけだ。オレたちの時代でって教室でも平気で吸っていた。さすがに授業中は怒られたけれど、教室でも、学食でも、歩きながらでもどこでもタバコを吸って、そして灰皿もあちこちにやたらと用意されていたものだった。
今の時代からは想像もつかない。
今学生たちはとても意識が高くて聡明で、昭和のバカとは大違いだと改めて実感する。


2023.05.24

菓子杯


福岡のあまりの酷さに、こりゃあ大楽勝じゃんと思って舐めたプレーをしていたら、あっさりと逆転負けしてしまって、ホームなのに大恥かいたでござる。
まあ、ルヴァンカップだから負けてもいいんだが。
これで先日加入したSPOOXも心置きなく解約できる。と思ったら、次勝てばひょっとしたらひょっとするレベルで決勝トーナメント進出の可能性が残っているということで、まだ解約できないのか。ちっ。
まったくルヴァンカップなんて罰ゲーム以外の何ものでもないから、とっとと敗退してしまえばいいんだ。
なんて言ってるから勝てないんだよ、我が軍は。


2023.05.23

山葵


最近の私はふりかけにどハマりである。米飯は一日一食なのだが、朝ご飯の茶碗には大量のふりかけをかけ、わしわしと食べている。
きっかけは、義理の妹がくれた、わさびふりかけだった。
普段はそんなものは食べないのだが、ヨメが「もらってきた」というので、どれどれと食べてみたところ、これが実に美味。はじめは軽い塩気がきて、次にわさび特有のツーンという辛みが鼻の奥を刺激する。この塩気と辛みが、米の甘みと絶妙なハーモニーを奏でて、口の中で踊り出す。
おお、なんという美味な!
たちまち私はわさびふりかけのとりこになり、白い米の上に大量にかけて食べて、そしてすぐに袋を空けてしまったのである。

こんなに美味いなら妹からもっともらってこい。私は妻にそう命じた。
伊豆の手土産かもしれないが、ぜひ頼む、と。
ところがよく聞いたら、近所のオーケーで買ったものというではないか。オーケーとは安売りで有名なOKストアというスーパーであり、義理の妹の近所とは横浜のことである。
なんだ、横浜のスーパーで買ったふりかけか。
そう知った私は勇気づけられ、それから西友で、サミットで、さらにはセブン―イレブンで、はてはウエルシアやスギ薬局などのドラッグストアで、大量のわさびふりかけを買い込んでは毎朝喜々として食べるようになったのである。

その結果、わかってきたことがある。
永谷園のわさびふりかけはイマイチである。丸美屋のは、けっこう美味い。案外イケるのがスギ薬局のプライベートブランドである。
こうして我が家の冷蔵庫には何種類かのわさびふりかけが収められるようになった。
だがそれらのどれも、義理の妹からもらったオーケーのわさびふりかけには及ばないような気がする。
実は我が家の近くにもオーケーはあるのだが、いつも混んでいるので、あまり行きたくないのだ。
そこで私はとうとうAmazonで買うことにした。ふりかけをAmazonで買うというのもどうかと思ったが、いいのだ。
さすがにAmazon、わさびふりかけにもいろいろと種類がそろっている。その中で比較的安価で伊豆地方の業者が出品していたわさびふりかけを購入したのである。
これが美味い! 実に美味い。
大量に白米にのせても、そんなに辛くなくて、それでいてしっかりとわさびの味がして、これが白米と絶妙に混じり合うのだ。もちろんきちんと辛いのだが、品のある辛さというか、オラオラ辛いだろうという辛さではないのである。
ああ、美味い。メシが進むわ。
進んだところで白米は一日一杯だからたいして進まないのだが、それでもこの一杯で心が満たされるのだから、わさびふりかけは王様なのである。


2023.05.22

技術は進化しオレは劣化する


本日は朝8時から米国シカゴで働く人にリモートインタビューをし、昼には茨城県の病院に勤務する医者に話を聞き、そして夜6時からはオランダのアムステルダムで活躍する日本人にインタビューした。
練馬の片田舎に暮らしているというのに、昼にはヨメの作ってくれた焼きそばを食べつつ、ブラジルの大統領がゼレンスキーに無視されて完全にハブられて激おこぷんぷん丸というニュースをスマホで読みながら、テクノロジーのおかげで世界中の人にインタビューできちゃうのだ。なんという便利な時代だろう。おかげでとても楽ちんである。
しかも最近導入した新しいギアが絶好調だ。
何かというと、文字起こし機能付きICレコーダーだ。
インタビューを録音すると、こいつはその音声をオープンAI社のATの力で自動的にテキストにしてくれ、しかもデータは無期限でクラウドに預かってくれるのだ。とても楽ちんである。
このようにテクノロジーのおかげでライターの仕事もずいぶんと様変わりした。もっともテクノロジーがなかったらインタビューのためにオレはシカゴとアムステルダムに飛んでいたかもしれず、それはそれでもっと楽しかったはずだと思うと、ちょっと残念である。
もちろん冷静に考えればそんな予算があるわけがないのだが。


2023.05.21

これもミュージシャンの生きる道


五月晴れの気持ちいい日曜日だというのに、ヨメと娘と息子はそれぞれ別の用事で出かけてしまい、オレだけおうちでお留守番。家族みんなでお出かけしたいのに寂しいよーと叫んでも、誰も耳を貸さないのであった。
仕方ない、映画でも観るか。
今日観たのは阿部寛が主演の「異動辞令は音楽隊」だ。刑事一筋30年の阿部寛が、身内に敵を作りまくった結果、警察の音楽隊に左遷されてしまったという話である。
以前オレは自衛隊の音楽隊を取材したことがある。美しすぎる自衛官と話題になった人のインタビューだった。
話を聞いて驚いたのは、自衛隊の音楽隊は週に2、3日は演奏会があるということである。つまり年がら年中、演奏している。なるほど、こういう道を歩くミュージシャンもいるわけかと目を開いた。自衛隊だから待遇・給料は安定しているし、年がら年中、楽器を演奏できる。まあ、好きな音楽ができるかどうかは別として、音楽で食っていきたいと思ったら、こほど確実な道もないわけだ。
あのときのインタビューを思い出しながら阿部寛を観る。
まあ、予想通りのベタベタの展開で、日曜の午前中に観るならこういうベタの展開がちょうどいいのだった。


2023.05.20

△○△○●●△○●●●△○●16


タラップをすたすたと降りてきたゼレンスキーは、まさに“乗り込んできた”という表現がぴったりだった。ニコリともせず、たった1人。いつもの戦闘服パーカーを羽織ったその姿は、とんでもないメッセージ性に満ちていた。
インドのモディ首相と握手するかどうかが焦点だとメディアはあおっていたが、なんのことはない、ゼレンスキーは真っ先にモディ首相とサシで会い、そして2人で握手するツーショットを決めてみせたのだった。
ゼレンスキーのG7を踏み台にした電光石火の攻撃は見事だったし、同様にウクライナ紛争後のキーマンへと一気に駆け上がってみせたモディも見事だった。
なるほど、ヨーロッパを歴訪して首脳たちと会ったのも、岸田総理が隠密行動で無理矢理ウクライナまで出かけたのも、全部ここに回収される伏線だったのか。国内でのしょぼくれぶりと違って、外交の場での岸田総理のセンスはさすがだと唸らされる。原爆記念館前でそろって花束を掲げた映像は世界中で繰り返し放送されるだろう。
間違いなく今回のG7は歴史に残る会合となった。
ここに至るインテリジェンスの世界を想像すると、息を呑むほどの緊張感に包まれる。

それがため息に変わったのは、わずか3時間後。
ゼレンスキーの爪の垢でも呑んだらどうだといいたくなるほど情けない、我らが戦士たちの姿だった。アルビレックス新潟である。
今日の相手は鳥栖だ。鳥栖。
新潟に住む人々が鳥栖なんて地域を訪れることは生涯ないだろう。だからこそ貴重なアウエー。800人ものサポーターが広島を飛び越えて鳥栖まで駆けつけて、そしてしょぼくれて帰るはめになった。
なんで鳥栖なんかに負けるかなあ。
ここへ来て選手層の薄さがもろに響くようになり、チーム力のなさが明らかになってきた。
んなこたあ最初からわかってんだよ。わかってんだが、情けねえよ。

これまでさんざんバカにしてきた横浜FCが川崎を相手にまさかの勝ちを収めて上がってきた。無駄に戦力をそろえている分、噛み合い出すとやっかいだ。そして理想を捨ててなりふり構わず現実的な戦術に切り替えてきたことが奏功しつつあるので、非常にやっかいである。あんなにバカにしていたのに、追い越されてしまうかもしれない。
もう一方のバカにしていた柏も、なんと神戸に引き分けて復調の兆しを見せてきた。監督が井原に交代したものの、なんでもかんでもクロス一辺倒の脳筋サッカーしかできないと小馬鹿にしているのだが、要注意である。
さすがに最下位のガンバは、マリノスにしっかり負けた。というか、マリノスは先週アルビレックスに負けたから、いくら何でも続けて負けるわけにいかないから、順当な結果である。
そのガンバと来週当たるのが、我らがアルビレックス戦士たち。
こりゃあ負けるなあ。あらゆることが負けのフラグとなっている。
G7は成功に終わって歴史に名を刻み、アルビ戦士たちは降格におびえるのだった。
「座席ナンバー7Aの恐怖」セバスチャン・フィツェック・文春文庫
航空機サスペンスの傑作だ。「超音速漂流」や「シャドー81」など、航空機を舞台としたサスペンスというのはだいたいがめっぽう面白い。飛行機の中という絶対的な密室が舞台であり、最後は絶対に安全に着陸しないと物語は終結しないから、ハラハラしながらも絶対に大丈夫という安心感のもとで読み進められるからだ。これはドイツのベストセラー作家のミステリー。なかなかに凝った舞台設定に、アホみたいなストーリー展開で楽しませてくれる。んなわけねえだろという話の連続で、そこを含めて楽しめる。翻訳ミステリーであっても、とても読みやすい。


2023.05.19

サミットもあるし


銀座に行ったら、あまりの人出にびっくり。多くが中国人もしくは台湾人だ。
従ってうるさいうるさい。ベローチェでコーヒーを飲んでいても、店内は中国人の会話でうるさいうるさい。
家電がダメになって、半導体がダメになって、もうすぐ自動車もダメになる日本には、もう売れるものが土地と観光と大谷しかない。そこで大挙して中国人が押し寄せて、カネを落としてくれているのだ。

大勢の中国人から逃げ出し、家に帰ってきてJリーグの札幌対京都を見ながら、どうもサッカーの中継というのはわからないことが多いなあと考える。
「幅を取る」とか「規制をかける」とか、初めて耳にしたときはなんのこっちゃと思ったし、今もよくわからない。
最近ではインナーラップとアンダーラップ問題がある。
「××がアンダーラップしました」と初めて聞いたときは、なんのこっちゃ、インナーラップの言い間違いだろと首をかしげたものだが、オーバーラップの対語だからアンダーラップが正解で、むしろインナーラップが間違っているという説をネットで発見し、なるほどなあと納得した。
サッカーは奥が深いが、サッカー中継も奥が深いのだ。
「任侠シネマ」今野敏・中公文庫。
ここのところ本を読んでいない。いや、読んではいるのだ。カバンの中には常に文庫本を1、2冊しのばせているし、浅田次郎「流人道中記」は下巻の半分まで、門井慶喜「東京、はじまる」も半分以上読んだ。そして飽きてやめた。どうもオレは長い読書の集中力がなくなってきたのではないか。そんな危機感を抱き、どれ、こういうときは軽くてノリのいいやつに限ると、リハの狙いも兼ねて、今野敏の任侠シリーズを読んだのであった。
そして思った通りの軽さとテンポのよさで、銀座への行き帰りでほとんど読むことができた。
内容は、つぶれかけた映画館を小さなヤクザの組がたて直すというもの。とてもわかりやすい。ストーリーもご都合主義なのがちょうどいい。ヤクザが怖くて、事なかれ主義の刑事のキャラもとてもいい。 あははー、おもしれーと読み終わって、そのままブックオフ売却コーナーに直行である。


2023.05.18

ハリポ問題


仕事で豊島園に行った。
かつてあった「としまえん」という遊園地に行ったのではなく、「としまえん」という遊園地のあった豊島園という駅の近くにある会社へ行ったのである。
かつてあった「としまえん」という遊園地はすでになく、ハリーポッターのテーマパークに様変わりしようとしていいる。駅もそれに合わせてハリーポッター仕様になった。
どれどれと見学する。何しろ我が家から豊島園は車で10分。地元の元気なお母ちゃんたちは自転車で出かけるし、幼稚園の遠足も「としまえん」に現地集合だった。そんなに近いのに車ではなくてわざわざ電車で行ったのも、ハリポ仕様の駅を見るためだった。
見てがっかりした。というか、なにこれ、だった。というか、オレはそもそもハリポを知らない。読んだこともないし観たこともない。だからこれがハリポの世界を再現した駅ですよと言われても、はあ、そうすかとしか言えないのも当然なのだ。
たぶんこれが大方の人々の感想だろうなあ。ハリポの世界を知っている日本人がそんなにいるとは思えないし、知らない人の方が多いに決まってるし。
こりゃあきっと大コケだろうなあ。
しかし30度超えはきつい。何がきついって、エアコンだ。
居ぅも汗をダラダラ流して訪問したから、気を利かせてエアコンをがんがんかけてくれたのだけれど、今度は効きすぎて体が冷え切ってしまい、案の定、喉が痛くなる。
エアコンなしで夏は乗り切れないが、エアコンがあればいいってもんじゃないところも、悩ましいのである。


2023.05.17

ポケットティッシュも配られなくなったねえ


エリ×ールというブランドで知られる大×製紙の人に聞いたのは「スーパーの5箱ティッシュの卸値は200円ぐらい」ということだった。20年ほど前のことで、当時、5箱ティッシュは230円から240円ぐらいだったから、スーパーの粗利は30円程度だったということになる。
つまりスーパーにとって5箱ティッシュは、場所と手間を取る割にちっとも儲からない、面倒な商品だったわけだ。それでもティッシュの置いてないスーパーなんて絶対に許されないから、スーパーも仕方なく大量に仕入れて、広々としたスペースを与えて、売場に並べる。
どうせ儲からないんだから、いっそのこと利益度外視の客寄せパンダにしてしまえというので目立つところに堂々と置かれたティッシュは鼻息も荒く偉そうだ。それを苦々しく眺める店長。

そんな5箱ティッシュも、今や爆上がり。エリ×ールも380円ぐらいだ。あまりの高騰ぶりに腰を抜かす。
オレが聞いた話の通りならば、仕入れ値は350円で粗利は30円。相変わらずスーパーにとっては儲からないくせに場所だけ取って、しかも最近では値上がりのクレームを誘引してしまう始末で、まったく困ったもんである。
もちろん消費者にとっても頭が痛い。380円は高すぎる。
そこで最近オレは、箱無しティッシュを買っている。紙の箱はなくて、ビニールのケースに入れられているやつだ。これは安い。5箱セットで200円ちょっとぐらいで買えたりする。
以前は紙の量が半分ぐらいに減るとへなへなになってとてもみすぼらしく見えたのだが、最近のはだいぶ改良されたようで、かなりのところまでしっかりと持ちこたえてくれるようになった。みすぼらしい度合いもだいぶ下がっている。
サイズも従来の紙箱ティッシュにより一回り小さいのだが、まあ、本来ティッシュなんてこんなサイズで十分なんだろうと思う。
とはいえさすがにしょぼいので、リビングとか仕事部屋とか、常時目に入るところには従来の箱形ティッシュを置き、洗面所など目立たない場所には箱無しティッシュと使い分けている。
なんとセコい生活の知恵だろう。もちろんセコいというのは素晴らしいことなのだ。


2023.05.16

愚か者も素晴らしい


突然モダンチョキチョキズが聴きたくなって、YouTubeで探した。「天体観測」と「自転車に乗って、」を見る。
どちらも名曲で、あの頃、とてもよく聴いた。ライブのVHSも持っていたはずである。
モダンチョキチョキズは、分類すればファンクバンドということになるのだろうか。ウィキペディアには「ぼーいず」とも記されている。
誰でもメンバーに入れてしまったので一時期メンバーが200人を超えていたとか、公務員のメンバーは副業禁止なのでノーギャラで演奏していたとか、いろんな逸話が残っている。アナーキーというか、やっぱりファンクだ。
濱田マリのキャラが立ちまくっているのでコミックバンド的な扱われ方をしていた(本人たちもそれを喜んでいた)が、実はミュージシャンとしてとんでもない実力ぶりだったことがわかる。
濱田マリからして、あれだけ大暴れしながら歌っているのに、ちっとも音程がずれず、息も乱れていない。バックバンド、特にリズム隊も大変な実力者ぶりで、「自転車に乗って、」のベースラインは絶品だし、ブレーク後のスネアの一発はしびれるほどの鋭さだ。
そして何よりも、楽曲が素晴らしい。作詞作曲は長谷部信子。音こそファンキーだがメロディーは実にポップで心地よく、それに対して歌詞のぶっ飛び具合がこれまだ凄まじい。
「自転車に乗って、」の歌詞の世界観は、いったいどういうことだろう。30年前にこの歌詞を書いていたというのが驚きではないか。

そうか、オレはこういう音楽がやりたかったんだと、改めて思うのだった。


2023.05.15

目くそ鼻くそだぎゃあ


地方出身の学生って、どこに住んでいるんだろう。そう思って息子に聞いたら、だいたいが大学近くのアパートに暮らしているという。まあ、そうだろうな。無理すれば歩けなくもないくらいの距離も少なくないようだ。
そして案外多いのが、学生寮暮らしとのことである。
学生寮。いまどき。よく聞けば、新潟県人会の寮とか、そういう自治体単位の寮が案外多いそうだ。珍しいところでは、灘校の寮というのもあるらしい。
灘校の寮だと、どこの大学に通っているかで、寮内のカーストがえぐそうだなあ。
自治体の寮で面白いのは、愛知だそうだ。

愛知県人会の寮というものはなくて、尾張の寮と三河の寮があって、これが実にきっぱりと垣根があるらしい。
なるほど、尾張と三河。
松本と長野、大宮と浦和、静岡と浜松。どこの地域でも近親憎悪はあるわけだ。紛争は遠くの国ではなくて隣近所で起きるのだ。
尾張と三河でググってみたら、けっこういろいろと面白いネタがありそうだ。今は忙しいのでそんなことで盛り上がっている場合ではなく、スルーしたが、今度じっくりと眺めて遊んでみよう。
ちなみに尾張の寮は愛知県人すべてを受けて入れているのに、三河の寮は三河出身者しか受け入れないらしい。よって尾張の人たちは三河の人たちを、狭量で排他的でケチとののしるわけである。
Jリーグ30周年であるが、サポーター同士の確執というのもこういうところに根を発しているのかもね。


2023.05.14

△○△○●●△○●●●△○16


院生室に自分の机をもらった息子は、そこに大きなモニターを置いてノートパソコンをつなごうと考え、メルカリで中古モニターを安く手に入れることに成功し、本日、それをオレが大学まで運んでやったわけだが、ちょうど五月祭という学園祭の日だったので学内は大変な混雑で、よく見ればその半分は受験の下見を兼ねてやって来た高校生で、残り半分は在学生の父兄という様子だった。
その息子をピックアップして家に帰ったオレは、午後からアルビレックスのゲームを見る。今日の相手は横浜マリノス。去年のJ1優勝チームだ。当然、ボコボコにされるに決まってると覚悟してゲームに臨んだわけだ。
いいゲームだった。マリノス相手にまったく引かず、ガチンコで勝負した。それでも個の差はいかんともしがたく、球際の争いは完全に負けていた。伊藤、小島、藤原ぐらいだろう、互角に戦えていたのは。それ以外の選手は完全にマリノスに負けていた。
だが引かずにガチンコで戦ったのだ。個人のレベルで負けているなら、こっちはチームとしての戦術で上回ってやるという戦い方だった。
そして見事に勝ったのだから、こりゃあ驚きだった。
しかもPKやアクシデントがらみの勝ち逃げではなくて、真正面から勝負しても勝ち。それはそれは見事なゴールを2つも叩き込んで勝ってみせたのだ。
いやあ、素晴らしいゲームだなあ。
息子とオレは絶叫である。
川崎に勝ってマリノスにも勝った。1位の神戸とは引き分けだ。なんだ、強いじゃん。
いや、一方で横浜FCに負けて柏に引き分けている。強きをくじき、弱きを助ける正義の味方がアルビレックスなのだ。
こんなチーム、他からすれば不気味で理不尽だよなあ。プルプンテと呼ばれているのも納得である。


2023.05.13

ゲロゲーロ


「ぴえん」という言葉が流行ったとき、娘は女子高生だったから、お前たちもこんな言葉を使うのかと聞いた。娘は「友達は使っているけど自分は使わない」と、実に優等生的で満点の答えをした。はやりごとについて聞くならJKに限る。
今その娘は女子大生である。
女子大生はアホの象徴だから「蛙化現象」について質問してもちゃんと答えてくれるだろうか。いや、アホの象徴は女子大生ではない。例の銀座の白昼ロレックス強盗団こそアホそのもの。鵜飼いの鵜。犯罪史上に残るお笑い強盗。笑えないのは莫大な賠償を強いられる親か。
いや、娘の話だった。娘に、蛙化現象って知ってるか、お前たちも使うのかと聞いたら、「知ってるけど自分は使わない。友達は使っている」というこれまた完璧な答えだった。

蛙化現象とは何か。
好きだった人のデートに誘われたら行きたくなくなっちゃった。
両思いになった瞬間に相手が嫌いになった。
そんな状態のことを指す心理学用語らしい。要するにツンデレの逆のことか。つまりデレツン。
しょっちゅう蛙化現象を起こして「カレシが気持ちわるー」と口走る女子のことを蛙化女子と呼ぶのだそうである。
例えばカレシがフードコートで席を見つけられなくてうろうろしてたり、残高不足で改札を出られなかったりするだけで、蛙化現象を起こしちゃうのだそうだ。臨界点の低さも特徴なのだろうか。
もし自分がそんなふうに蛙化されちゃったと思ったときは、悲しそうにゲロゲーロと鳴くといい。ウソだけど。


2023.05.12

今日は西武柳沢


同世代の仲間が現場からリタイアしていくのは、寂しいものである。
あの人もあの人も、現場からいなくなってしまった。「リタイヤしました」と書かれた年賀状ももらった。
学校ならば同窓会や同級会があるけれども、仕事関係では稀だ。昔角突き合わせてやのあったあの人たちが今はどうしているか、気になるし、逢いたくなる。
せめてオレだけでもしつこく現場に残ってみせるか。
そんな気持ちで今日も現場に足を運ぶ。


2023.05.11

単位としての日暮里


未明の大きな地震の影響で、山手線が遅れているという。
マズい。今日は千葉のド田舎まで行かなくてはならないのだ。片道2時間。それで実際のインタビュー時間は15分だけという理不尽な仕事であるが、仕事であるからには粛々と向かわなくてはならない。遅刻なんて許されないのだ。
山手線の遅れは10分程度だという。
都心での移動ならば何の支障もない遅れだ。だが千葉のド田舎へ行くには、乗換駅の日暮里で一本逃すと到着時間に大きな遅れが出かねない。
そこでオレは、予定していたよりも早く家を出ることにしたのである。
これが幸いしたというか何というか、早く出たおかげで予定より早い電車に乗れ、日暮里でも想定前の電車に間に合い、結果的にド田舎駅には約束より30分も早く着いてしまったのである。
よくある話だ。間に合ってよかったではないか。
もっともインタビュー予定の学生は、電車の遅延で10分ほど遅れてしまった。これもよくあオチである。学生君は、大人との約束に遅れちゃいけないと考えたようで、駅から歩いて15分の道のりを走ってきたらしい。とても真面目ないい子なのである。
汗をだらだら流して息を切らせる学生君の話を聞きながら、ぜひ将来の夢をかなえてほしいものだとエールを送った。

ところで日暮里というのは「にっぽり」と読む。難読駅の一つだ。
普通に読めば「ひぐれさと」だろう。
日暮里には、その名を表すように近くの小学校に「夕焼け小焼け」の歌碑が建っている。やっぱりここは日の暮れる里だったわけだ。
ちなみにジャーナリストの日垣某は「受付の可愛いあの子が、実は日暮里に住んでいるとわかったときの衝撃の度合いを示す単位が1Nである」というしょうもない説を披露していた。日暮里に失礼ではないか。失礼でもいいのだが。

なお、先にオレが書いた「10分程度の山手線の遅れは都心では何の支障もない」という意味が、地方の人々にはよくわからないのだという。つまり地方では電車というのは1時間か2時間に1本来るものであって、1本逃すと次は1時間待たねばならないからだ。
都会の駅では、目の前の各駅停車を見送って次にやってくる急行電車を待つのは普通のことである。そのためにホームに電車が滑り込んできたのに、乗ろうともしないでただホームに突っ立っている人の姿もごく当たり前だ。こういうことも地方の人には理解できない。
あるいはコンビニで買い忘れがあっても慌てて戻らずに、次のコンビニで買えばいいやと考えるのも田舎の人には理解できない。なぜなら次のコンビニまでクルマで20分というのはごく当たり前であって、東京のように駅から自宅までの間に3つも4つもコンビニがあるというのは考えられないからだ。
電車でいえば、今日は落雷で東横線が止まっちゃって大騒ぎになったらしいが、だからといって中目黒駅前で大行列なんていうニュースを全国放送することに何の意味があるんだろう。

どうも今日は地方をディスる内容になってしまったが決してそんな意図はないと、慌ててエクスキューズする。環境が異なれば常識も違って当たり前という話なのだ。
そんなことを考えながら帰ってきて、夜原稿を書いていたら、客から言われたことにちょっとイラついて軽くキレて、びびらせてしまった。いかんいかんと反省する。反省しつつ、キレたオレは悪くないよなあと考える。


2023.05.10

畑が揺れる


隣で新しい保育園の建設工事が始まった。畑の中に重機が入って地面を掘り起こしているので、まあ、揺れること揺れること。
広大な畑なのだが、相続が発生したのだろう、一角を手放して保育園ができるという話のようだ。そのため隣にあった古い区立保育園が並行の憂き目に合う。
憂き目とは書いたが、おんぼろ園舎が取り壊されて真新しい3階建ての園舎に建て変わるだ。区立から民間へと経営者が変わるとはいうものの、保護者も園児も大喜びだろう。
それなのに反対派が騒ぐのである。
彼らは「長年親しまれてきた保育園を区は勝手に廃園にした。ひどいじゃあーりませんか、皆さん!」と駅前でビラを配り、反対の署名を募るのであった。もちろん誰も相手にしない。何だって反対することが目的の市民活動の皆さんであり、プロ市民であり、どっかの立憲みたいな党を支持する人たちが、勝手に騒いでいるだけなのである。
そんな反対運動なんかで状況が変わるわけもなく、反対運動の市民の皆さんもすぐにどこかに消え、隣の畑では工事が始まったというわけだ。座り込みをする根性もない。
騒音がするし、揺れもする。だが法律を守って進められている以上、それを止めるすべはない。もし力尽くで止めようとしたら、こっちが法律を破ることになる。オレたちは市民活動家ではないのだ。

そして未明。
突然に鳴り響く地震警報に驚いたオレは、家族全員をたたき起こした。スマホから、セコムから、J:Comから一斉に鳴り響く地震警報。なんでこんなに同時にハモり出すのだ。うるさくてかなわん。
すぐにNHKをつけたら千葉で震度5、東京で震度4。身構えて揺れを待ったが、しかし、我が家はまったく揺れなかった。まるで揺れなかった。
Twitterを見たら同じ区内で「揺れた」「揺れなかった」という声があって、どうにも奇妙なことになっている。局所的に揺れたり揺れなかったりしたということか。
まあ、ともかく我が家はまったく揺れなくて、とっとと二度寝することになったわけだ。
地震よりも工事の揺れのほうがひどいわとオレはぼやき、息子は「こんなことなら市民運動家になって反対運動をするんだった」と後悔するのであった。


2023.05.09

悩殺


起承転結を説明する際に持ち出されるのが次の戯れ歌だ。

京都三条の糸屋の娘
姉は十六、妹は十四
諸国諸大名は弓矢で殺す
糸屋の娘は目で殺す

実によくできた起承転結である。特に「糸谷の娘は目で殺す」という結びは文句のつけようがない。
文章作法の基本であるこの起承転結を習得するのにお勧めなのが、読売新聞の一面コラム「編集手帳」の書き写しである。400字ちょっとのコラムは、とてもきれいな起承転結で構成され、しかもへえーっと思わせるトリビアなども入っていて、書き写しをするのにちょうどよい。
15分あれば書き写せるし、一日たった15分の文章修行で、確実に文章は上手くなる。一週間も続ければ自分でも文章が上達したと実感できるほどだ。

なのでオレもよくやっていた。
だが途中でその弊害に気がついて、慌ててやめた。
起承転結がやたらとうまくなり、400字程度の文章ならさらさらと書けるようにはなったのだが、ふと気がつくと、どんな文章でも起承転結でしか書けなくなってしまったのである。
あわわわわ。
うろたえたね、オレは。

ビジネスの現場で好まれるのは、いわゆるPREP法というスタイルの文章だ。結論を先に述べ、その理由や例示を続けて、最後に再び結論でまとめるという形である。
この非常に論理的な構造で、それだけに説得力が高い。
起承転結の文章ばかり書いていると、このPREP法の文章が苦手になってしまうのである。
だから読売新聞の書き写しが効果的であるのは間違いないものの、効果的である分、やり過ぎると副作用も大きいというわけだ。
編集手帳の書き写しはそこそこにとどめ、時々、頭の中で「糸屋の娘」を思い出す程度でよいのかもしれない。


2023.05.08

すっぴん隠し


リモートミーティングで、カメラをオフにされるケースはたまにある。ほとんどが女性だ。
自宅なのですっぴんを晒したくない、そもそも知らないおっさんに顔を見られたくない、背景をぼかしていても自室を映されるのがイヤだ。
そんな理由だろうと思う。もちろんインタビューそのものは言葉が拾えれば十分だから、カメラがオフでもかまわない。
今日もそうだった。いつもと違ったのは若い男だったという点だった。
「すみません、ひどい格好で、とても映せないので」と謝っている。ああ、別にかまいませんよ、どっちでも。私も似たようなものですし。
そう言ったら「本当にこんな格好なんですよ」と、申し訳なさそうな顔でカメラをオンに切り替えてくれた。
なるほど。確かに髪はボサボサでヒゲは剃ってなくて、着ているものはジャージだ。でも、そんなもんだろう。自室での20代の男なんて。
いや、全然平気ですよー、私だって上はワイシャツですが、下はとても見せられたもんじゃないし、とオレ。
リモートインタビューの時はワイシャツをはおりはするが、ズボンは適当。今日はやっぱりジャージだ。 「あははは、そうなんですか」とお兄ちゃん。
オレも、そんなもんですよねーと笑い、インタビューは和やかに進行したのだった。

女性週刊誌が「愛子様が翔平と悲恋」と拍子にデカデカと載せている。
なんと愛子様と大谷翔平という予想外すぎるビッグカップルの誕生かと、ネットがざわつく。
どうやら愛子様は大谷を思う愛の短歌をお詠みになったそうなのだ。
大谷翔平を、頭は空っぽでおっぱいだけがデカいアメリカの姉ちゃん取られては国家的損失。ぜひ日本のために遺伝子を残させるべきだ。
幸い石川佳純という逸材に空きが出たではないか。いや、個人的には木美帆が一番いいと思うのだが、意表を突いて吉田沙保里もありだ。
とにかく最高のアスリートの遺伝子を、未来の日本のために残すのだ。
そう思ってはいるものの、まさかの愛子様とは。これではとてもかなわない。

息子に聞いたら、大学のキャンパスではもうマスク姿はほとんど見かけないそうだ。
もともと留学生ははなっからマスクなんかしていなかったし。
電車の中でも3割がノーマスクらしい。例によってオレは5月に入ってから一度も電車に乗っていないのでわからないが、もうそんなにノーマスクが広がっているのか。
コンビニもラーメン屋も、ノーマスクで入っても何も言われなくなった。さすがにドラッグストアは、病弱な客もいるだろうからということで、マスクをつけて入店するようにしているが。
やっと当たり前の日常が戻りかけてきたようだ。でもリモートワークは、今後も残るだろうなあ。


2023.05.07

△○△○●●△○●●●△13


前代未聞の大失態である。なんとVARが届かなかったのだ。
カードはアルビレックス対柏。当日の朝になってVARの配送の不備があったとかで、急遽、今日のゲームもVARなしということに決まったのである。
信じられない出来事だ。
例えば当日の朝になってテレビ中継の機材が届かないなんてことになったらとんでもない騒ぎになるから、そんなことは絶対に起きないように最大限の準備をするのが当然。VARも同様の取り扱いをすべきだから、Jリーグは許されない大チョンボだ。
Jリーグにはトトがあるのだから、試合結果に重大な影響を及ぼすリスクは排除しなくてはならず、賭けの対象となるJ1全試合でVARを中止するのが正しい対応だったはずだ。

案の定、ゲームでは疑惑のオフサイド判定と疑惑のハンド判定が発生した。
もしVARがあったらどうなっていたか。オフサイド判定が間違っていたら新潟のゴールが認められ、直前のハンドが認められていたら新潟にPKが与えられていはずだ。要するにVARなしで迷惑を被ったのは新潟なのである。

そもそもこれは本当に配送の不備が原因なのだろうか。
Jリーグが秋春制への移行を検討すると大々的に発表した直後、真っ向から反対を唱えたのが新潟の堀米と高木。現役選手が動画でリーグに反対を唱えるなんて、リーグとしては赤っ恥だから、こりゃもう新潟をJ3ぐらいに落としてしまえと思われても仕方ない。
反対を唱えた直後から新潟に不利な疑惑の判定が続出し、その挙げ句のVARなしの仕打ちである。他チームのサポーターすら「リーグにいじめられてる」と笑う始末だ。
どうだ、この陰謀論は。

もっとも今日のゲームだって何度も訪れたビッグチャンスにあっさり1点を決めていれば楽勝だったはずである。今日の柏のようなぽんこつチームに勝てないのは大問題だ。シュートが下手すぎる。
だから陰謀論どうのこうのというより、ぽんこつの柏以上に新潟がぽんこつだったということだ。
それでも新潟より下位のチームがそろって負けてくれたので、こちらは引き分け勝ち点1でも上積みできて一安心。下のチームがこのまま負け続けてくれれば、それでよい。あくまで目標は志も低く残留なのである。
そう考えながら来週のカードを見れば、なんとマリノスではないか。とほほ。ボコられ決定。


2023.05.06

やっぱり肉だよ肉


浦和対アルヒラルのACL決勝セカンドレグは予想通りのしびれる闘いであった。
普段は嫌われ疎まれバカにされているレッズサポであるが、この日ばかりはJリーグサポすべてがレッズの味方。先日の川崎戦では試合終了後に川崎サポが浦和に向けてエールの弾幕を貼り出して、てめえらのことは嫌いだがオレたちの代表として死ぬ気で闘え、オレたちもお前たちを死ぬ気で応援する、嫌いだが、という意味の感動的な応援をしていた。

ファーストレグで浦和がゴールを取っているから、レギュレーション上、0-0なら浦和の勝ち。守備的になるのは当然のことで、執念強い守りに西川の神がかり的なセーブは見事だった。
最後はかつて新潟でへなちょこだった荻原までもが出てきて、アジアナンバーワン決定の勝利の笛をピッチ上で聞くという僥倖。よかったなあ、荻原、腐らずに努力を続けて。お天道様がご褒美をくれたんだぞ。

この試合の前には札幌対東京のリーグ戦を見る。東京がボコボコだ。札幌の戦術ははまると面白い。
この試合も例の女審判、山下良美さんが主審として捌いていた。あちゃー、またお前かという感じ。頑張ってはいるのだろうが、技量がJ1ではない。女だからというだけで使われてるんじゃないか。逆差別だよな。

ACL決勝のあとは続けて名古屋対ガンバのリーグ戦を見る。ガンバが今はボロボロ。酷い。サポーターもキレてしまって、試合前は一切の声援を送らないという訳のわからない応援をした。
そして案の定、今日も負ける。負け方が酷くて、選手が明らかに守備をサボっている間に点を決められた。浦和の連中の鬼気迫る献身ぶりとは雲泥の差で、こんなものを見せられたら、そりゃあガンバサポもキレて当然だ。結果、最下位の横浜とは1ポイント差という実にハラハラする展開である。
もっともこちらも人ごととして笑っていられるわけではなく、これで降格圏は横浜ガンバ新潟の三つ巴なんて言われている。あながち外れてはいないから、まずいよまずいよ、これはまずいよ。

そんな具合に3試合もサッカーを観たらけっこう疲れちゃって、息子を連れて焼き肉屋に行った。
地元で60年もやっている焼き肉屋で、実に素晴らしい店である。最近は台湾料理や焼き肉屋に、地元にいい店を立て続けに見つけられてラッキーだ。お天道様はちゃんと見てくださっているのだ。
部活の試合の応援に高幡不動のあたりという僻地まで旅に出ていた息子に、腹一杯の焼き肉を食わせる。5人前をペロリだ。素晴らしいことに息子は酒をめったに飲まないから、オレはキムチをつまみに存分にビールを飲んで、帰りは息子に運転を頼むのである。
「やっぱり肉だよ肉」と、ハンドルを握りながら息子は満足そうに言うのだった。


2023.05.05

気分はセントラルパークなのだ


本日はオレのバンド、たんさいぼうのライブである。
珍しく児童館や保育園ではなく、野外だ。しかも代々木公園の野外ステージというメジャーな舞台である。
これはフェスと呼んでいいのではないか。フェスだ。フェスにしよう。ついにたんさいぼうもフェスデビューである。ぽんこつバンドも苦節10年、こつこつ続けていれば何ごとかを成し遂げられるのだ。いい話ではないか。

代々木公園の野外ステージでこどもの日に子供向けバンドが演奏するのである。これはもう、絶対にNHKが飛びつくネタではないか。
フェスデビューどころか、夜7時のNHKニュースで全国デビューすること間違いなしだ。
車の中で安藤君が「J:Conも来るんじゃないか」というから、J:Comなんて来なくていいよ、NHKがくるんだらJ:Comなんて要らねえんだよと毒づく。
そんな態度をお天道様がお許しになるはずもなく、結局NHKもJ:Comも取材に来なくて、オレたちの全国デビューは儚く消えてしまったのだった。


2023.05.04

青春の影とか


音楽制作は、99%を打ち込みで行っている。何を使って打ち込むかというと、ピアノやギターではなく、すべて楽譜だ。
ボーカルラインも鍵盤もギターも弦も管も、ドラムでさえ楽譜で打ち込んでいる。
キーボードで打ち込んだ方が圧倒的に速いのはよくわかっているのだが、あくまで楽譜なのだ。というのも楽譜そのものが大好きなので、どんなに手間がかかろうとも、楽譜をいじっているのは苦にならないからだ。

なんでこんなに楽譜が好きかというと、たぶん中学高校時代の歌本が理由だと思う。『明星』や『平凡』といった芸能雑誌の付録についてきた、ヒット曲の楽譜が載ったやつだ。
まともに楽譜の読めなかったオレは、頭の中で知っている曲を流しながら音符を追いかけることで、二次元の音符から三次元の音楽が立ち上がってくることの不思議にとらわれていったのである。
思い返せば当時の楽譜はけっこういい加減なものが多くて、間違いもあった。次第にオレは、もしかしてこの音符は間違いなんじゃないかなあと思うことも増えていった。田舎の中学生が東京で出版された本の間違いを見つけるなんて、それはとても気持ちのいいことであったけれど、もちろん間違っているのはオレかもしれないという恐れもあったら誰に自慢することもなかったが。

チューリップのベーシストは、この手の本に誤りが多いことに心を痛めており、自分たちの楽曲が正しく掲載されていないことへの悔しさもあって、正しい楽譜を提供するために空き時間には出版社の手伝いをしていたそうだ。
だがリーダーの某(バンドのギャラの半分を取り分にしていたらしい)はベーシストのその好意を「事務所に内緒でアルバイトをしている」と糾弾し、それがバンド内いじめにつながっていった。これはベーシスト本人がブログで明かしていたことである。
そんなネタはともかく、そういう具合にしてオレは楽譜が好きになっていって、いろんな楽譜を見ながら音楽を聴くのが趣味になっていった。
だから大学に合格して東京で暮らし始めて、例えば渋谷道玄坂のヤマハに行ったりすると、ずらりと並んだ楽譜コーナー前で幸福を隠せなかったものだ。
知っているミュージシャンの楽譜集を手当たり次第に棚から取り出して眺め、もちろん買えないから、気になった曲は立ち読みで必死に暗譜したりしたものだ。
どうしても欲しかったポール・サイモンのソロ楽譜集を1800円ぐらいで思い切って買ったときは嬉しかったなあ。

そんな具合に楽譜というものを偏愛してきたので、打ち込みもどんなに手がかかろうと楽譜で行っている。
ただ問題もあって、正しく楽譜の書き方を学んだわけではないので、いや、小学校度学んでいるはずなのだがすっかり忘れてしまって、自己流が過ぎるあまり、表記の仕方を自分の都合の良いように勝手に変えたりしているもんだから、あまり人様には見せられない。我流の困ったところだ。


2023.05.03

△○△○●●△○●●●12


サッカー記者の書いた予想スタメンを見た瞬間に、こりゃダメだと勝ちを諦めた。
その予感はドンピシャ。アルビレックスは最下位独走中の横浜FCにみっともなくも負けて、とうとうというか、やっぱりというか、降格候補組に巻き込まれてしまった。
想定内ではある。どうせJ2昇格組で補強なしのぽんこつチームだ。
面白くて楽しいサッカーはしても結局17位という播戸の予想は正しい。
序盤、ちょっと勝っちゃって調子に乗ったが、まあ、こんなものだろう。今年は残留できれば御の字である。
ただ今日のゲームは、試合後に珍しくブーイングが起きたように、酷い内容だった。必死に闘って力及ばずで負けたなら、次こそ頑張れと応援の拍手もするだろう。
だがスタメン11人中10人を入れ替えて先発させるという舐めたことをした結果がこの有り様だ。オレはブーイングしない主義だが、今日のゴール裏の気持ちはよくわかる。
ネットでは「これがプロの試合かよ」と笑われるみっともなさ。ゴールデンウィークの中盤にBSながら全国中継、しかも他の試合はなくてこの1試合だけの中継という状況でこんなみっともない試合をしたのが情けないわ。
カネはないし雪ばかりだけど、この魅力的なサッカーがやりたいというだけで集まってきた選手たちだ。そのサッカーができなくなったらたちまち抜けていくだろうなあ。
お先真っ暗である。とほほ。

その八つ当たりということで、今日は女審判について書く。
今日のレフェリーは山下良美さん。Jリーグ初の女性審判ということで話題になったあの人だ。3日前の名古屋のゲームで無茶苦茶なレフェリングをして叩かれたが、今日も酷かった。
初めてレフェリングを見たときは(アルビレックスの試合だった)、まあまあ、無難にこなしてるかなという感じで悪い印象はなかった。それは、今にして思えば、無意識に「女にしては」というエクスキューズをつけてのことだった。
今日の試合は、「女にしては」というよりも「やっぱり女は」というレフェリングだった。
走力が足りないから選手の動きに着いていけない。選手に追いつけないから、正しく対角線に立って動きを見ることができない。試合の流れが読めない。コントロールできない。
やっかいなのは「女だから走力がなくて」という言い方を、非常にしにくいことだ。ご時世的に。フェミがおっかない。
でもやっぱり、女だから走力が足りないと思わざるを得ず、選手もオレたちも「女だから」という目線がますます強くなっていく。ちょっと厳しいなあ、J1では。
今日も酷いレフェリングがあった。イエローとレットを出して当然のところ、あっさりスルー。女だから好きな選手には甘かったのよね、とかネットでからかわれていて、それはかわいそうではあるが、その一員は自分にもある。
やっぱ女審判は無理だよ。女は女の試合を裁いてほしいものだ。フェミの時代にはとにかく。
一方では、女審判がいるならゲイの審判も出せよーとかいう声も上がってきて、世も末である。
こんな八つ当たりも、アルビレックスがあんなみっともない試合さえしなければしないのだあがなあ。

あんなに調子が良くてこの世の春だと思ったのに、わずか1ヵ月であっという間の転落である。おかげで内部の雰囲気も最悪。バラバラ。壊れるときっていうのは早いもんだ。


2023.05.02

メシぐらい好きに食わせろ


とんかつ屋でスマホを見ていたところ、「料理ができましたので携帯をしまってください」と言われたというネタがあった。その店の壁には「食事しながらの携帯は禁止です」と切り紙してあったそうな。

確かに、ながら食事はお行儀が悪い。
だがオレは大好きである。
昔はスポーツ新聞を読みながらラーメンを食ってたし、油の染みた少年マガジンもお約束。今は当然のことながらスマホを見ながらソバを食う。飲み屋に一人で行っても、スマホを見ながらビールを飲むし、若い頃は文庫本でミステリーを読みながらホッピーを飲んでいた。
ながら食事が行儀悪いことは知りつつも、まあ、いいじゃんと思いながら見ていて、人によってはオレのことを苦々しく思っているだけうなあ。
でも、まあ、ほっといてくれ。と思うから、このとんかつ屋には行く気にならない。

そもそも理由が、せっかく心を込めて作った料理なんだからスマホなんか見ないでしっかり味わってくれということらしいから、そんなの知らんがなと思うわけだ。
そんなのは店の思い上がり。店は料理を作る対価としてカネをもらっているのだろうし、カネを払った以上は、失礼や侮辱に当たらない限り、どう食おうと客の勝手。残すのさえも勝手だと思う。
それともスマホは失礼や侮辱に当たるのだろうか。ならば仕方ないが。
家でも朝からオレは朝刊三紙を読みながらニュースを見つつ、ヨメの用意してくれた朝ご飯をいただく。


2023.05.01

オレのギャラも上げてくれえ


大学を卒業して入社したのは、新宿・明治通りに面したビルの一室に表札を出す、社員わずか6人のゴミような会社だった。人生で一度きりの貴重な新卒カードを、なぜそんなポンコツ会社のために使ったのかについてはちゃんと理由があるのだが、ここでは置いておく。
ゴミのようなポンコツ会社だったから入社直後の5月1日、窓の下を大勢の人たちが何やら叫びながら行進しているのを目にして、オレは心底仰天した。
平日の昼間っからこの人たちは何をやっているのだ。
シュプレヒコールを聞き、振り回しているのぼりの文字を遠目に読むと、どうやら「給料あげろー」と叫んでいるらしいということがわかった。オレはさらに仰天した。
給料を上げるには、一生懸命働いてこのポンコツ会社の売上を伸ばす以外にないだろう。それ以外の方法は皆目見当もつかなかった。

あれから42年後、令和5年の今、メーデーはまだある。
昼のニュースを見たら、国立競技場近く、ホープ軒前の公園にたくさんの人が集まって、演説なんかを聞いている様子が流れた。
インタビューされた人は、かつてとまったく同じく「給料を上げてほしい」「物価が上がって生活が苦しい」とまくしたてるのであった。
その映像を見ながらオレは、カネがほしければそんなところで遊んでないでバイトすればいいのに、旅館も飲食店も人手不足で困っていて隙間バイトでも大歓迎だというのに、と思ったのである。
いくら考えてもオレには、このメーデーというやつが理解できない。1ミリも合理性を見いだせない。
カネがほしければ働け。百歩譲ってシュプレヒコールするなら、こんなところじゃなくて自分ところの社長に言え。
それが真っ当だと思うのだがなあ。もし行進したり集会したり叫んだりすることで給料が上がるなら、5月1日だけじゃなくて毎月でも毎週でもやればいいのに。そうでないということは、ははあ、やっぱりこれは単なる様式。タイガー・ジェット・シンのサーベルと何ら変わらないということだ。
というわけで5月1日はサーベルの日に決定。ターバン巻いて、コブラクローで暴れちゃうぞ。


2023.04.30

レインズぶち切れの巻


テレビをつければ、どの局もトップはゴールデンウィークで各地が大賑わいというニュースだ。コロナ前に戻ったようで慶賀の至りである。
去年までは売上が減って青息吐息だった旅館が、今年は人手が足りなくて過労死寸前。かと思えば空港で、家族で6日間のフランス旅行に出かけるというガキが映っていて、いったい何百万かけて遊びに行くんだとこちらは目を白黒。
まあ、どのニュースもオレには関係ねえわとふてくされ、やさぐれた気持ちを晴らすためにACLの決勝での浦和の暴れっぷりを観る。

我が家のゴールデンウィークは何もないなあ。普通に仕事に勉強だ。
今日も息子と娘は部活で終日いないし、ヨメはごろごろしていたものの、オレは朝から一日中原稿を書き続けているし。
結局今日も一日で1万4000字くらい書いたので、えらく疲れてしまった。
この先も似たような日々を過ごす予定で、結局我が家のゴールデンウィークは何もありませんでしたが終わりそうである。
じゃあ来年になったら何かありそうかというとそんな気はまったくしないから、結局、ゴールデンウィークを家族で楽しむ幸せな時代はとうに過ぎ去ったということなのだろう。
夜、横浜の青葉台まで団体戦の応援に出かけて帰ってきた息子と「イッテQ!」を観ながらビールを飲む。まあ、この穏やかさこそ、宝物ということで。

あ、突然思い出した。近所の牛角の話だ。
近所の牛角は、以前、何度か行ったものの、あまりに対応が酷くて、常にストレスフルな思いで帰途についていたものだから、もう行かなくなっていた。
ネットを見ても呆れるほど酷い評判。5人に1人が星一つというのは、なかなかだろう。
コメント欄も「予約を入れたのに行ったら入っていなかった」「出てきた肉が全部黒かった」「皿が全部汚れていた」「テーブルが汚れていたから拭いてくれといったらムッとされた」「エアコンが壊れて蒸し風呂だった」「史上最低」「もう行かない」と、呆れるほどの酷評ぶりである。
オレも予約の電話を入れたら「6時過ぎの予約はできません」「少しでも遅れたらキャンセルです」と中国人にまくしたてられ、憮然としたことがある。

そんな史上最低の牛角だったが、あまりの評判の悪さにチェーン本部がブチ切れたそうで、運営会社との契約を解除し、店長以下スタッフを全部入れ替え、内装も全面的にリニューアルし、心機一転出直しをしたのだそうだ。それが今年3月。
そして今月に入ってレビューを見てみたらなんと星が4つ。「まったく変わった」「まるで違う」と評価も一変している。
どれどれ、本当かよ。本当に心を入れ替えたのかよ。これは確かめに行かなくては。なあ、息子よ。
というわけで、昨日、FC東京に負けた腹いせも兼ねて焼き肉をバカ食いしようと新装一新の牛角に電話をしてみたら、なんだかとても明るくて元気のいいお兄ちゃんが出て、申し訳なさそうに「105分待ちなんです」と答えるのだった。
ほほう、こりゃそごいや。どうやら牛角が心機一転したのは本当だったようだ。
もちろん105分も待つ気はないから、じゃあまたにするわごめんね、と電話を切り、次の突撃を待つことにしたのだった。
よし、これを今年のゴールデンウィークの目標にしようではないか。どうだろう、諸君。


2023.04.29

△○△○●●△○●●12


息子と一緒にアルビレックス新潟のユニフォーム姿で、石神井公園の駅前をやさぐれて歩いていたら、へんなおっさんにからまれた。
おっさんは言うのであった。「味スタ行ってきたんですか。私はレディース行ってました」と。
おお、同志よ。
しかもレディースとは、ホンモノかよ。
「どうでしたか」と聞くので、負けましたプッチが号泣してましたと答えたら「あちゃー」と、おっさんは悔しそうだったのだ。
いつだったか電車からアルビレックスのユニフォーム姿の兄ちゃんが降りてきたのを目撃したことがあるが、レディースまでいるとは驚いた。
アウエーには熱いサポがたくさんいるのだ。

その熱いサポが8000人も集まって飛田給という田舎のスタジアムまで応援に駆けつけたというのにアルビレックスは、あっさり負けた。とほほである。これで公式戦3連敗だ。
やるべきことをやって負けたのだから、これは完全に力負け。技術の差、スピードの差は圧倒的で、所詮こちらはJ2上がりの田舎チームという力関係がはっきりしたゲームだった。
急に勝てなくなったとは言われているけれど、そもそもはスタートダッシュでたまたま調子よかっただけで、他チームに対策されたらかなわないというだけの話だ。
昇格、J2優勝、スタートダッシュという調子に乗ってた幸せな時は終わったのだ。とほほ。

そもそもはリーグ開幕前に圧倒的な降格候補としてあげられていたチームである。定位置に戻った、いや、それでもよくやっていると言えるだろう。
今シーズンは横浜FCという超弩級のビリがいて、なんとまだ一度も勝ってなくて、今日も1-4で負けて得失点差が早くもマイナス19という、あり得ないよ早生を見せてくれている。
だからちょっと調子が悪い他のチームも、今年は横浜がいるから降格の心配はないねーと温く安心している。 オレたちアルビレックスのサポーターも同様だ。さすがに今年は横浜が降格枠を埋めてくれてるから、安心だねーと。
だが今日の我が軍の戦いを見よ。
負けが込んで、いずれ横浜との残留争いに巻き込まれること、必至である。勝ち点差はわずか9。3連敗・3連勝で並ばれる数字だ。
我が軍は公式戦3連敗だから、けっしてあり得ないことではない。案外ヤバいのだ。
だから今日のゲームでは、ハーフタイムに他球場の結果として横浜の負けが表示された際、味スタに笑い声が起きたりしたのだ。安堵の笑い。下には下がいる笑い。
そして次はその横浜とアウエーの試合。あのスタジアムでは分が悪いので、横浜に初勝利を献上する未来が既に見えるのであった。
これから暑くなって体調が落ちてくると選手層の薄さがもろに響いてくる。今日だって交代で出てくる選手が全部お笑いレベルだから、この先が思いやられるのだ。
まあそれでも、J2上がりの田舎チームが、J1の強豪相手によく頑張ってる。そう思うから腹も立たないわ。
温く見守るのだ。


2023.04.28

あの頃からLong Distanceの今なのだ


急にアラン・シリトーが読みたくなって、書棚の奥を探したら「集英社 世界の文学 シリトー」が出てきた。ピンポンである。
これはオレが大学に進学した年の春に買った一冊だ。箱入りの立派な文学全集の一巻である。
帯が丁寧に折りたたまれて挟まっていたので広げて見たら、定価1300円のところ、特別価格で980円とあった。文学全集シリーズがスタートするので、その最初に発行巻は記念に安くするから、みんな、続けて買ってよねというディアゴスティーニ商法のハシリだ。
オレはこれをどこで買ったのだろう。思い出せないが、当時住んでいた祐天寺のガード下の書店のような気がする。あるいは大学の売店だったかもしれない。

アラン・シリトーはイギリスの作家だ。怒れる世代と言われる。
読みたかったのは代表作「長距離走者の孤独」で、これは1959年の作品というから、オレが生まれた次の年に書かれたといいうことになる。もはや半世紀どころか60年以上も昔の作品だ。
原題は「The Loneliness of the Long Distance Runner」。これを見た同じクラスのミヤシタが「なんだ、原題のまんまの邦題じゃん」と言ったのをなぜか覚えている。
箱から本を取り出して、ページを広げて見る。昔の書体に昔の字組だ。
お目当ての「長距離走者の孤独は」この巻の後半に掲載されている。中編小説だ。

主人公は不良少年で、少年院に収監されている。足が速いという能力があるので特別扱いされ、毎週のように野山を自由に走ることを許されている。その代わりに鑑別所対抗のクロスカントリー大会で優勝しろと命令されている。
大絶賛反抗期の不良少年は、一見従順に従う素振りを見せて、そして本番では裏切ってビリになることを目論んでいる。
というような話だ。クライマックスのクロスカントリー大会でのゴール前のシーンがとても見事だ。また、不良少年が逮捕された回想シーンで、雨樋に隠しておいた札束が、雨が降ったために1枚1枚流れ出てくるシーンが実に映画的で話題になった。

そんなことを思い出しながら、読み始める。
途端に眠くなる。
小さい文字でびっちり組まれた文章が眠気を誘う。延々と一人称の語りが続く。
見開きページで改行が一度だけ。あとは会話文もなければ、延々と一人称の語りというページも少なくない。いや、そんなのばっかりだ。
書いてある内容はとても見事で、文章も素晴らしく洗練され、一文一文がじんわりと染み込んでくるのだが、いやあ、オレも年を取ったのか、普段から改行だらけの白いページばかり読むのに慣れてしまったか、読みながらついウトウトしてしまうのであった。
く、くやしい。くやしいではないか。
18歳だったオレはこれをすいすいと読んでいたわけだ。シリトーによってオレは、わが身の老いと劣化を突きつけられたのである。孤独なのは長距離走者じゃなくてオレだ。なんのこっちゃ。
そんなわけで途中で読むのをやめてページを閉じ、それでも素晴らしい小説というのは心を凜とさせてくれるから、しばらくは机の上に置いて、ときどきページを広げて眠くなるまでは読んでみようと思ったのだった。


2023.04.27

1年で一番いい季節だなあ


先日大手町であったミクリヤ氏は「8ヵ月ぶりに電車に乗ったら疲れちゃいましたよ−」と笑っていた。千葉に住んでいる彼は、仕事はずっとリモートワークで、普段の買い物なども車だから、本当に久しぶりに電車に乗ったというわけだ。
オレも先日、10日ぶりに電車に乗って仕事に出かけた。
ここのところずっとリモートインタビューばかりだったので、電車なんて久しぶりなのだ。
Suicaで改札を通ろうとしたらまったく反応せず、通せんぼを食らった。駅員に確かめてもらったらオレのSuicaが確かに反応していないという。ははあ、NFCが死んでるな。設定し直してNFCを生き返らせ、無事に通過する。
長い間電車に乗っていないとこういうことが起きるのか。どうなのか。
まあよい。

朝起きたら窓を開けて空気を入れ換えて、日中も気持ちいいのでそのままにして仕事ができる季節である。最高の時期だ。
この季節になると思い出すのがオレの実家のことで、五月の早朝、水を張った田んぼを走るひんやりした空気は最高のご馳走だ。あの空気を吸うため、そしてオレの両親に孫を見せるために関越道を走って帰った日々を思い出す。
あの空気を吸うためにこの季節にぜひまた行きたいのだが、今年はとてもそうもいかない。
何しろリモートインタビューでたまりにたまった原稿を片付けなければならない。それなのに連休の谷間の平日にはさらにぎっしりとリモートインタビューを詰め込まれてしまったので、書いても書いても終わらない状態。ありがたいことである。
ありがたいことではあるのだが、おかげでゴールデンウィークは缶詰状態で、とても実家まで空気を吸いに行く余裕はないのだった。
しかもこのゴールデンウィーク期間中にアルビレックスの試合が3つもあって、試合のある日は一日中何もできないほど興奮状態だから、実質的にこの3日間は仕事にならない。
そんなわけで今年のゴールデンウィークは大変に忙しいのだった。


2023.04.26

目標8000歩


本日は終日リモートインタビューである。
なんと8時間かけて総勢8人にインタビューだ。ぐったり疲れた。
問題は、インタビューした原稿をいつ書くのだということだ。
いや、愚痴を言ってる場合ではない。この仕事はオレが選んだ仕事なのだ。喜んで働くのだ。
とはいえ、一年で一番心地よい気候の時期に(今日は雨じゃん!)、中にこもっているのも切ないものだ。歩数計を見れば今日は1300歩しか歩いていない。困ったものだ。


2023.04.25

原作商法は甘くない


夜中にトイレに起きて、布団の中でマンガの原作を考えた。「拡販! マーケティング極道」というマンガだ。 こんな話だ。
主人公は新進の
若手ヤクザ。組織の拡大を模索していたところ、伝説の組長、小虎に出会う。これはマーケティングの大家、フィリップ・コトラー先生ね。
主人公は小虎組長の教えに従う。第一回は「シノギの第一歩は試し買いだ!」というタイトルで、シノギの定番であるおしぼりや観葉植物を売り込むのに、まずはお試し価格で、という作戦に出るのだ。
そして第二回は「組織は会員化で固めろ!」というタイトルで、組を支持してくれる店や会社に会員カードを発行して組織化を図り、ついでに会報なんかも発行しちゃうという展開だ。
書きながら思ったけれど、これってドラッカーが高校野球のなんちゃらとかいう話の二番煎じじゃないか。 ダメか、これでは。マンガの原作で一発当てて人生逆転という夢を描いたが、夢は夢で終わるのだ。しょせん寝ながら思いついた程度だからなあ。


2023.04.24

練馬の畑の隅っこで


我が家の向かいの土地でワンルームマンションの建設が始まった。以前はサーフショップだったところだ。
このサーフショップのご主人はとても気さくな人で、夏の暑い日には大きな犬にシャワーを浴びせながら弾けるような笑顔で挨拶してくれた。基本的にヒマなサーフショップで、客の来ないときは店の前のベンチで呑気に座っていた。
ところが話を聞いてみたらその世界ではけっこうな有名人らしく、特にオーストラリアあたりではかなり知られたサーファーだったらしい。そんな有名な人なのに、ちっとも飾らず、気のいい人だった。
過去形で書いたのは、ある日突然、この店が閉まってしまったからである。
あんなにも気のいい人だったのに挨拶もなく行ってしまったのかとちょっと驚いていたら、実は海で急死したということを知って二度びっくりした。とても残念なニュースだった。
残された犬は主人の死を理解できず、どんな気持ちなんだろうなあ。
サーフショップのベンチに笑顔で座っていたサーファーを思い出す。あの頃がこのあたりの一番平和でいい時代だった。

一方、我が家の隣の畑でも工事が始まった。こちらは私立の保育園ができるようである。
既にここには区立の保育園がある。それを壊して新たに私立保育園ができるという流れのようだ。そこに噛みついたのが共産系の市民運動の人たちで、区立保育園廃止反対とスピーカーで叫びながら駅前でビラを撒いていた。
知らんがな。おんぼろだった保育園を取り壊して、新しく建てるというのだから、喜べよ。何でもかんでも反対するんじゃないよ。
もちろんそんな市民運動の皆さんなんて誰も相手にしないから古い保育園は間もなく取り壊され、これから新しい3階建ての保育園の建設が始まる。
家の前ではワンルームマンション、隣では保育園。
一緒に工事が進んでいくから、まあ、にぎやかなことになるだろう。もし今も音楽の仕事を続けていたら、ボーカルの録音に難渋するところだった。
ある程度の騒音や振動は仕方ない。オレたちが今住んでいる家だって畑の中にあるのだ。建てるときはうるさいだの目障りだの邪魔だだの散々近隣にいわれていたに違いない。この家のない頃が一番よかったなあなんて、通りすがりの人が我が家を観ながら思っているかもしれないのだ。
地域の暮らしはお互い様。少しずつ、小さなことをガマンしながら、穏やかに暮らしたいものだ。


2023.04.23

△○△○●●△○●12


「化けの皮がはがれた」とか「いや、これが本来の実力」とか「ダサ(笑)」とか言われてもオレたちは何も言い返せず、ポッキリと心折れたまま、その通りでありますと肩を落とすのみである。すまんかった。調子に乗っていた。
伊藤涼太郎や太田修介がたまたま無理筋のゴールを決めて勝っていただけで、そこにチームとしての再現性はなかった。
それなのに調子の悪い鹿島相手に、適当にやっても勝てるべと鼻ホジの舐めプ。田上も新井も三戸も全部ダメだったが、一番ダメだったのはネスカウなんて投入した松橋監督ではなかったか。
いやいや、人のせいにしてはいけない。
赤いお猿さんと鹿島サポを小馬鹿にしすぎた私がよくなかった。そんなリスペクトに欠ける行為をお許しにはならなかったのだ。

鹿島はまったくプレスに来なかった。中央をきっちり固めて、勝手にボールを回させておけばよいという対策を打ってきた。
確かにその通りだ。サイドチェンジもクロスを上げることもできないアルビレックスは、何もできなかった。
そして個と個の闘いに持ち込まれたら、J2レベルの選手ぞろいが勝てるわけもない。結局も何もさせてもらえず、完敗である。今年一番のダメ試合。
こんな簡単な対策を打たれただけであっさり封じられてしまうのだから、確かにこれが本来の実力。こんなものなのだろう。
今までいい夢を見せてもらったと感謝する。バレてしまったからには、こからは各チームが同じような対策を打ってくるに違いない。いや、そう思わせるだけで疑心暗鬼になり、調子を落とし、勝手に順位も落ちていくに違いない。
とほほほ。

そもそも本来は残留が最大の目標だったのだ。終わってみれば17位で上等なのだ。これからは心を入れ替え、頭を低くして、すまねえですだ、J2上がりの田舎もんが通りますだとおとなしく片隅で生きていくしかない。
がっくりと肩を落とした私はやけ酒をあおりながら、イッテQ!で「RRR」のナチョダンスを観ながら笑い転げたのだった。
笑い転げたと言えば、アルビレックスに続いて観たガンバ対横浜FCのゲームも笑い転げたなあ。残留が目標の我々にとって最大の関心事は、まだ1勝もせずに最下位を独走中の翌浜FCの行方である。どうかこれからも負け続けてほしいと切に願うのみである。
従ってこのゲームでもガンバの勝利を祈ったのであるが、さすがお笑いチームのガンバさん。今日も散々笑わせてくれて、特にシュートがポスト4連発というのには腹を抱えて笑った。
それでも結局引き分けなのだから横浜FCは安定の最下位力。いや、ガンバさん、さすがにこれで勝てないのはマズいだろう。
それにしてもガンバの山見はなかなかいい選手だ。アルビレックスに来てくれないものか。来るわけないか。


2023.04.22

SixTONESと書いてストーンズと読むがオレは高橋海人ファンのキンプリ派


坂本龍一って、日本の税金が高いからってアメリカに暮らしていたくせに、病気になったらアメリカは医療費がバカ高いからって日本に帰ってきたんだよな。犯罪ではないが、人間性を疑うわ。お前が税金を払いたくないって逃げている間、こっちは汗水垂らして働いて税金を納めていたのだ。
まったくいい気なもんだ。
神宮外苑の再開発に反対って都知事に手紙を出したっていうのもバカかと。一宗教法人が自分の土地をどうしようと、正しい手続きで申請されたら行政は認めるしかないのに、一老人が自分の手紙で横紙破りをしようとしたって何も変わるわけはないのは当たり前だわなあ。
などということを大きな声で言うと怒られるので、小声で言うのだ。
若いときに東京で面白おかしく暮らしていて、年を取ったら田舎でのんびり暮らしたいなんて移住するのも、基本的には坂本龍一と同じ精神構造で、田舎の人たちがどんな感情で受け入れるかに想像が及ばないのだろう。だからオレも自分が年を取っても田舎に帰って暮らしちゃいけないと思っている。

などと考えながら神戸対横浜のゲームを観たら、これが今シーズンのJリーグでは最高のゲームではないかというぐらいに面白く、スリリングだった。いいゲームだった。
息子は友達と飲み会、娘はバイト、ヨメは東京ドームでジャニーズのコンサートということで、土曜の夜なのに家にはオレ一人。でかい音で存分にサッカーを楽しんだ。
それなのに翌日の日刊スポーツでは、このゲームのことはベタ記事扱いで、56歳のカズがポルトガルでデビューしたという記事のほうが写真付きでデカデカと載っている。
こういうセンスがイヤでイヤでしょうがない。久保を異常に持ち上げるのもそうだし、この国のリーグにスポットを当てないで名前だけで記事をつくるセンスがどうにもイヤだ。
ならば購読をやめればいいとは思うものの、ある理由があって惰性で読み続けている。惰性で払うカネとしてはもったいない額ではあるのだが。


2023.04.21

オレは落ちて息子は合格する


本日はリモートインタビューである。これからゴールデンウィークをはさんでリモートインタビューの嵐なのだ。
今週は一度も電車に乗っていないし、来週も二度しか乗る予定がない。
交通費がかからず、移動時間もいらないので楽ちんでよろしいのだ。
ともかくこれからリモートインタビューの嵐なのだ。
ところがTeamsをバージョンアップしたあたりからなんが挙動不審になっていて、落ち着かない。
今日もうまく会議に入れなかったことに加えて、途中でいきなり落ちてしまった。参った。
一度落ちると、今度はいつ落ちるんだろうとひやひやしてインタビューに集中できないのが困る。気が小さい男なのだ。

夜、部活の息子からLINEが来て、卓越に合格したとの知らせ。
東大を来年春に卒業するのだが、そのまま大学院に進学するつもりらしい。よくわからないのだが大学院には卓越というコースがあって、要するに普通は2年で修士号を取るところ、成績優秀だと1年で修士号が取れる制度だそうだ。その選考に通ったという。通ったのは学部でわずか2人だけだから、たいしたもんだ。
どうしてこんなに優秀なのだろう。きっとオレに似たのだ。
小心者のオレは息子の威を借るのだった。


2023.04.20

娘は自転車


今度の日曜日に区議会選挙があるので、駅前を中心に選挙活動がうるさいったらありゃしない。
国政選挙と違って区の選挙だから、当たり前だが地元にべったり張り付いて選挙活動をするわけだ。
夕方の帰宅時間ともなると駅前はさらに酷いことになっていて、こないだは4人の候補者がスピーカーでがなりたてていたから、何が何だかまっとく聞き取れず、要するに阿鼻叫喚。そこにビラ配りが大量に動員されているので、駅前ロータリーはカオスだ。
オレなんか息子を迎えるために車を停めて警官に囲まれて不審者扱いだ。別に爆弾は投げませんてば。

昨日は女性候補が「あたしはシングルマザーで子供を育てている。子育ては大変だ」と訴えていた。知らんがな。シングルなのはあんたであって、選挙ってのはシングルのためにやるんじゃないんだが。
あるいは「自民党の河野太郎です。河野太郎です」と聞こえたから河野太郎が来たのかと思ったら録音が繰り返し繰り返し「河野太郎です河野太郎です」と流れていた。この候補は一体何をしたいのか。
選挙はする方も見る方も大変なのだ。

では誰に投票するかというと、選挙のたびに我が家では家族会議を開いている。
選挙公報を開いて優先順位を確認し、それに沿って誰が最もふさわしいかを話し合うのだ。

そういや今日も息子を迎えに駅前で車を停めていたら、一台先に停まっていた都民ファーストの候補者がやたらちらちらとオレを見てきた。また不審者扱いか? と思ったのだが、どうやらオレの車の色が彼らの政党カラーと丸かぶりのようで、それで熱心な支持者が駆けつけてきたと思われたようだった。
早く選挙が終わってくれないと、おちおち息子を駅まで迎えにも行けない。


2023.04.19

猿vs猿以下


こんなにもアルビレックス新潟のサッカーを観るのが楽しいなんて、たぶんもう二度とないだろうなあと思ってしまうのが常に草刈り場にされてきたクラブのサポーターの悲しい性。どうせこの冬には主力が引き抜かれる。監督が引き抜かれる。いや、何だったらこの夏に主力がヨーロッパに行ってしまう。
かっこよくいえば地方プロビンチャの宿命であって、それを前提に応援しているから、今が楽しければいい今のサッカーを楽しもうという気持ちを受け入れてしまうのである。

今日はルヴァンカップ。いつものDAZNでは中継がない。
だが、こんなにも楽しくサッカーを観られるシーズンはもう二度とないだろうから、ルヴァンカップも見ておくべきだな。そう考えたオレは、禁断のSPOOXにも加入してしまった。
これでDAZNとSPOOXの二つ持ち。
まあ、ルヴァンカップに敗退したらすぐに解約するし、もし決勝トーナメントに進んで解約できなくなってもそれはそれで楽しめるからいいや。
というわけでSPOOX(スカパー!のサービスだ)に加入し、今日のルヴァンカップ、柏戦を見る。そしてあっさりと負ける。
がっくりだ。
どうやらオレは持っていないタイプの人間らしい。
まあ、ルヴァンカップは二軍のゲームだし、今日のアホみたいな失点だってトップチームの選手だったらあり得ないから、諦めもつく。若手よ、これを試練にもっと自分を磨け。
でもよく考えれば主力が冬に引き吹かれるから、来年はこの二軍チームで闘うしかないんだよなあ。そう思うと来年のショックを減らすための予防接種のようなものかもしれない。

せっかくSPOOXに入ったので、例の鹿島のゲームもついでに見る。いつものように鹿島は負けた。しかもロスタイムに決められた。
勝ったのは福岡。スタンドを見たら福岡のサポーターが、馬と鹿のでっかい仮面をかぶって、自分の頭をボコボコと殴っている。あまりのアホな行為にめまいがした。
よく考えたらこれは、馬と鹿、つまりバカな鹿島をボコボコにしてやりました、というパフォーマンスだったことに気がつく。あまりのことにさらに目がクラクラした。
鹿島のサポはお猿さんだが、こっちはお猿さん以下だったようだ。


2023.04.17

嫌われ赤の一生


インファイトは、鹿島アントラーズのサポーターチームだ。25年前、仕事で鹿嶋市を訪れた際にそのリーダーにインタビューしたことがある。ははあ、政治家になりたいんだなと思ったら、本当に市会議員なっていた。
まあ、別にそれは悪いことではないし、いや、むしろ素晴らしいことではある。
そのインファイトが、驚いたことに他のサポーターから解散署名運動を起こされていた。ちょっとびっくりだ。サポーターがサポーターのグループの解散を求めるなんて前代未聞。

署名運動はネットで行われている。
解散請求の理由は盛りだくさんで、どれも香ばしい。
・柏のスタンドで、コーナーキックの際、旗竿で柏の選手の頭をつつく(笑)
・自分たちでグッズを作ってサポーターに売りつけて活動資金にしている
・自分の子供が大病だというのでカンパを集めたのに、自分で使ってしまった
そんな悪行の数々が重なって、鹿島のサポーターは醜悪だと見なされるようになり、あげくに茨城県全体のイメージダウンにつながっている。これが解散請求の理由だ。
先日も選手が頑張ると言ってるのに「ねえーよ!」と暴言を吐いたし、そんなインファイトに対して一般サポがとうとう「もういらない」と突きつけたのだから、インファイトは自分たちが「ねえーよ!」と言われちゃったわけだ(笑)。
無能の監督を選手が小馬鹿にし、選手をサポーターが罵倒し、サポーターがサポーターチームに解散しろと突きつける。もう、笑っちゃうほどグダグダ。

こんなクラブだから、J2に降格したらたぶん這い上がれない気がする。一直線にヴェルディコースだ。
なしろカシマスタジアムの最寄り駅がどこかというと、東京駅なのである。東京駅から高速バスで行くのが最速なのだ。
そしてこのコースを利用するサポは地元民ではなくて、単に昔の栄光につられて勝ち馬に乗っただけのサポだから、弱くなったらすぐ離れていって、そのままフェードアウトだろう。

それにしても、サポーター幹部が自分たちのグッズを作って一般サポーターに売りつけるというのは、浦和でも行われている。これは実際に浦和のサポーターに聞いた話で、その人は、そんな行為がイヤでサポーターからは距離を置いて一般席で応援するようにしているという。さすが浦和は、とっくにバラバラだった。
グッズを一般サポに売りつけるというのは、まんまヤクザのみかじめ。うそかほんとか、浦和サポの幹部はそれで生活しているという。
確かに3000円のTシャツを1万枚売れば3000万だし、タオルだ、ステッカーだ、旗だと増やして毎年デザインを変えればいくらでも稼げるもんな。ひどい話だ。

鹿島も浦和も、北関東。どうも田舎のマイルドヤンキーに独特の徹底した地元主義、身内志向が、こうしたサポーターの立ち振る舞いに色濃く反映されているような気がする。


2023.04.16

イントロも長いと嫌われる


例のタイパの話につながわるわけだが、どうやら長すぎる映画っていうのは嫌われているようだ。
「RRR」の3時間はどうなのよという突っ込みはあるものの、確かにオレも2時間を超える映画はあんまり観たくなくなってきた。映画なんて90分ぐらいでちょうどいいんだよという気持ちである。
映画を倍速で観る人たちがちょっと前に話題になったけれど、オレの娘なんてとっくの昔からYouTubeを倍速で見て笑い転げている。お笑い芸人の映像を倍速で見ても何をしゃべっているかわからないだろうにと思うものの、娘にはしっかり聞き取れているようだ。
倍速で見られたのでは“間”も何もあったもんじゃないから、話芸に日々精進する芸人にとっては酷な話ではある。だがこれも時代ということなのだろう。
もちろん映画の価値っていうのは長さだけじゃないから、長くたって面白い映画はいくらでもある。それでも長いというだけで二の足を踏まれ、避けられるようになったわけだ。
いや、これは映画だけじゃないぞ。
オレの主戦場であるインタビュー仕事でも、インタビュー時間はだんだん短くなってきたような気がする。オレが年を取ってすぐに帰りたくなってきたのかもしれないが。
いかん、話がとっちらかってきた。
とにかく長い映画は避けられるようになったという話だ。
映画館じゃなくて家で寝転がって観られる時代だから、退屈なシーンは早送りし、トイレに行きたくなったら途中で止める。そんなことが当たり前になれば、そりゃあ2時間も3時間もじっと座って大画面を観るなんてことが嫌われるのも仕方ないか。


2023.04.16

人の振り見て我が振り直せ


前半0-2で負けていたところ、後半だけで3点取って逆転、しかもそのうち2点がロスタイムに入ってからで、さらにそれを決めたエースがハットトリックだったなんて、こんなゲーム、もう二度とリアルタイムで観るとはないだろうなあとしみじみしていたら、その直後の鹿島-神戸戦がこれまた香ばしいのだった。
神戸は首位。鹿島は下位に低迷。
鹿島のホームだというのに、神戸が無慈悲に5-1で圧勝というゲームだった。
事故のような負けではなくて、そりゃあ鹿島は絶対勝てないだろうというような一方的な内容であった。

当然、ホームで無様な負け方となると、赤いお猿さんたちが黙っているわけがない。いや、逆に黙っちゃったのだ。負けが決定した直後、スタジアムは異様な沈黙に包まれ、神戸サポの勝利の歌声だけが響くという冷え切った雰囲気になったのだ。
直後、鹿島の選手はサポータのもとへ挨拶に向かう。その途中、神戸のイニエスタが鹿島の鈴木優馬に近寄って「こんな日もある。心を強く持て」と肩を抱いたのが印象的だった。
そして選手たちがサポーターの前に立って、そこで仰天の一幕。
鹿島の鈴木優馬(北関東ヤンキー)が拡声器でサポーターに向かって「オレたちを信じてくれ、後押ししてくれ」と訴え、「ここから巻き返すから」と叫んだところ、なんとサポーターの代表(北関東ヤカラ)が「ねーよ!」と返したのである。
このシーンが延々とDAZNで流され、ついには「ねーよ!」がトレンド入りだ。
わははは。
選手が頑張ると言ってるのにサポーターがそれを真正面から否定するのである。ひでえ。ひでえよ。
サポーターが「まだいける」と言って選手が「無理無理」と言うならわからなくもないが、その逆で選手が頑張ると言ってるのにサポーターが思い切り否定しているのだから、このチームは世も末。Jリーグ中が大笑いだ。
オレだったらどんなに負けても自分のところの選手たちにブーイングする気にならないけどなあ。むしろ負けて苦しいときこそ、ぶつぶつ文句は言いつつも、頑張れと応援するけどなあ。

アルビレックスが2017年にJ1から降格したとき、スタジアムはブーイングに包まれるどころか、自然発生的に発生した応援のチャントに包まれたのだった。罵声を覚悟してピッチ脇に立っていた堀米は「こんなクラブ、他にない」と感激し、それで移籍せずに残って、自分の力でこのチームをJ1に帰してみせると決心したのである。美談だなあ。オレなんかもうこれだけで泣きながらご飯3杯は食える。
鹿島はそんなオレたちと対極だ。
もともとJリーグ創生期に成功を手にして持ち上げられたものだから、自意識とプライドだけが肥大したままここまできたクラブである。オレ様最高、オレ様エラい。
どこの業界にもある、過去の成功に酔っているうちに時代の変化に付いていけなくなったオールドモデルだ。

冷静に見れば他のクラブが地道に地力をつけてきたことに目も向けず、成功体験にずっとすがってジーコのコネだけで支えられてきたチームだ。そのコネが効かなくなり、資金もなくなったら、単なる地方クラブ。水戸や栃木と変わらない存在で、資金やインフラでは千葉より劣るのが鹿島なのだ。
JRの駅から歩いて10分という千葉のスタジアムと、東京から高速バスで2時間、帰りも渋滞で駐車場から出るだけで1時間というような鹿島のスタジアムでは、どちらが長期的に支持されるかと言えば、明らかだ。
だからもし鹿島がJ2に降格したら、かなり長い間昇格できないような気がする。そのことを潜在的に自覚しているから、サポーターも降格に異常なほどおびえ、選手に「ねーよ!」なんていう笑えない罵声を浴びせるのだろう。恐怖の裏返しで強がるというのは、まさにヤカラによくあるお笑いだ。
今年は横浜FCが弱すぎるから、さすがに鹿島の降格はないだろうが、最終的にこれからどんな成績で推移するのか、楽しみである。

そんなふうに上からあざ笑っていたら、なんと鹿島の次の対戦相手は新潟ではないか。うぬぬぬ。
過去の成功体験に酔って現実に目を向けていないと鹿島を笑ってやったが、それは考えてみれば明日の新潟の姿。去年から今年にかけてオレたちは天国にいるような幸福感に包まれているが、選手と監督を引き抜かれて来年には一気に地獄という可能性も十分にある。
明日はわが身。禍福はあざなえる縄の如し。年寄り笑うな行く道じゃ。
ハットトリックだ、ロスタイムに2点だとはしゃぐのもいいが、あまり人様をあしざまに笑うのはやめておこう。


2023.04.15

△○△○●●△○12


後半ロスタイムに入って92分に同点、94分に逆転。マンガかよ。
WBC準決勝のメキシコ戦を超える展開だった。アルビレックス新潟は侍ジャパンを超え、伊藤涼太郎は大谷翔平を超えたのである。
まさに神試合。
オレと息子はDAZNの前で吠えに吠えた。

驚いたのは、というか、感動したのは92分の同点である。
それまで福岡相手に1-2で推移してきて、やっとの思いで追いついたのだ。よく追いついたと誰もがホッと胸をなで下ろしたのである。
何しろ相手は3位のチームだ。同点引き分けに持ち込んで勝ち点1を手にすれば上出来。スタジアムもそんな気持ちで、このままあと2分、ボールを保持して引き分けに持ち込めばいいと思ったのである。
ところが劇的な同点弾だというのに決めて見せた伊藤はもちろんのこと、選手は誰も笑ってないし、ガッツポーズもしていない。それどころかベンチでも誰一人としてはしゃいでいない。
その様子にオレたちは愕然とした。げええ、こいつら、マジで逆転を狙っている。
そして2分後、その気持ちの通りに逆転してみせて、今度は感情が大爆発だ。誰もが吠えまくり走り回る。ベンチの選手も総ダッシュでピッチの仲間に駆け寄って、ダニーロなんて飲料の入ったバッグを派手に蹴っ飛ばしながら駆け寄って、歓喜の山だ。
いやあこの感情の振れ方には震えた。

素晴らしいのは監督のマネジメントである。
前半は福岡のめちゃくちゃな寄せに何もさせてもらえず、0-2と一方的。こりゃ今日はダメだあとオレは早くも諦めた。福岡、強すぎる。
だが後半に入って、どこをどう立て直したかと思ったら、選手は一人も替えていないのにまったく違うチームになっていて驚いた。
そして後半開始2分で伊藤の超絶技巧のフリーキックが決まって1-2。ここではっきりとスタジアムの空気が変わって、これは逆転できるんじゃないかと誰もが思ったのである。
ハーフタイムにいったいどんな魔法が使われたのだ。
監督の松橋は、名将すぎるだろう。何を話して、何を指示したのか。
どんな言葉が、ロスタイムの同点でもニコリともしないメンタルを作ったのだ。

8試合で勝ち点9は、想定外すぎる結果である。まさしく望外。
けれど選手もベンチもそんなふうにはまったく思っていないだろう。
オレたちはまだまだやれる。そんな心と姿勢が、観ているサポーターを撃つ。


2023.04.14

往復交通費2,942円


ジャックダニエルのコカコーラ割りの缶がすごく旨いとネットで評判なので、オレも一つ買って飲んでみた。確かに旨かった。
というか、コーラなんだから旨いに決まってるじゃんね。
オレが一番好きなのはドクターペッパーだから、ジャックダニエルのドクターペッパー割りが出たら嬉しい。ジャックダニエルでなくてもいいが。

最近は何を飲んでいるかというと、驚いたことにワインを飲んでいる。
白でも赤でも飲む。
買ってくるのはペットボトルに入っている500円ぐらいの安いヤツだ。コンビニやスーパーや酒の量販店で安いのを探して買ってくる。
オレにはワインはわからないから、安いペットボトルでも大変に美味しく飲めるのだ。しかもコスパ最高。すぐにベロベロである。
以前は缶チューハイが多かったのだが、やっぱり糖類や炭水化物の多さが気になる。その点ワインは体にいいのだ(川島なお美が早死にしたのが気になるが)。
問題はオレが飽きっぽくて、ワインもすぐに飽きそうなことだ。まあ、飽きたら飽きたで焼酎でも飲めばいいか。

本日は千葉の成田近くで仕事である。歩きを入れれば片道2時間近くだ。
これから自分の未来を開くために強い心と高いまなざしで勉強に立ち向かっている若者たちの姿はとても気持ちいい。頑張れよと声を掛けたくなる。
きっとオレがこの年齢の頃も、いろんな人がオレに声を掛けてくれていたんだろうなあ。


2023.04.13

巨顔


霞が関でウッチーと落ち合って、日比谷公園のオープンカフェで打ち合わせをした。快晴である。4月の青空と広い公園を渡る緑の風が気持ちいい。ついでに黄砂も大絶賛降下中だ。
昼休みの日比谷公園ではOLのお姉さんたちがお弁当を広げている。こちらも黄砂なんてへっちゃらなのだ。

日比谷公園に来ると、学生時代、野音に高中正義のコンサーを聴きに来たことを思い出す。あのときはダテ君もいたんだっけか。
サプライズゲストで登場したのが井上陽水。「なぜか上海」でギターを弾いていたのが高中正義だった縁からの出演だった。
井上陽水の顔があまりに巨大であることに驚愕したのを覚えている。
ウッチーはというと、フュージョンブームの頃にジャズのフェスを見に来たことがあるそうだ。
ウッチーとはもうかれこれ30年の付き合いになる。いくつになるまで仕事しようかねえ、お金がほしいねえと、語り合う。

夜、息子と一緒に地元の和風スナックに向かった。先日開拓した、なかなかユニークな店だ。オレと同年代のお姉さんたち三人が賑やかに立ち働くスナックである。
グラタンやピサなどの洋食がメインで、これが実に美味い。なんせ注文を受けてからソースを作るという手のかけ方だから、美味いに決まっているのだった。
よし、これからはここをひいきにしよう。
そう思ったら、なんと「来月で閉店するんですよ」とママ。マジか。なんてこった。
同世代の仲間がリタイヤするのは、とても残念で寂しいことだ。じゃまあ、体を大事にしてね、またいつかどこかでねと言いおいて店を出て、肩を落とす。
心残りになるから、もう来ることはない。


2023.04.12

あーあ、働かないで暮らしたいなあ


間もなく自動運転が普通のことになるから、この世の中からドライバーという職業がなくなる。
もはや自動車を運転するのは趣味とか物好きとか修行のレベル。登山のようなものだ。
カネを稼ぐために車を運転するなんて行為は消えていき、そんな危ないことはAIとロボットにやらせておけばいいという社会になる。もし自分で運転したいなら、専用のコースへ行って走れ。街なかで余計なことをするんじゃない。

こうしたことが社会の至るところで起きてくるだろう。
農作物を育てるのもAIとロボットにやらせればいい。人は出来上がった作物を食べるだけだ。学校教育もAIとロボットに任せたほうが、よほど正確で的確な教育ができるだろう。教師という仕事はなくなり、人に教えるのは趣味やボランティアの領域になる。

こんな具合にAIとロボットが人の仕事を奪っていくと、やがてオレたちは、人類史上初めて、労働しなくてすむ時代を迎えることになるのではないか。たぶん次の次の世代ぐらいの話だが。
生きるため、カネを稼ぐために働く必要がなくなるから、経済というものもなくなってしまうかもしれない。
労働がなくなれば、様々な価値をカネという尺度で測る必要がなくなるのだ。
ソフトウェアの世界にフリーウェアというものがあり、イラストの世界にはフリー素材というものがある。
「いいソフトができたから、みんな、使ってみて!」「いい絵がかけたから、よければ使ってみて!」そんな理由で発表され、流通される。
未来の仕事も、それに近いものなになっていくだろう。
「労働」というものがなくなる時代。それはきっと幸せな時代じゃないかな。


2023.04.11

トヨタ対三菱重工


名古屋が激怒している。激おこプンプンなのである。
「浦和レッズに対して」「浦和レッズサポーターが」と、公式文書であるにも関わらず、呼び捨てだ。このことだけでも怒りで手がブルブル震えている様子が浮かんでくる。

現場はこないだの日曜日、豊田スタジアムの名古屋対浦和。このゲーム、実は始まる前から火種がくすぶっていた。名古屋の運営の不手際によって浦和が迷惑を被ったのである。ややこしいので詳しい経緯は省略するが、試合前から浦和サポが名古屋運営に激怒し、名古屋運営は「ちっ、めんどくせえな」という態度だったのである。
そんな下地があったから、ゲームの開始前から浦和サポは好き放題。「相手がミスったらこちらは何をしても許される」という価値観の連中なので、傍若無人極まる。
2階の空席スペースに入り込んで椅子に赤い袋を被せて一帯をチームカラーに染め上げたり(金も払わずに座席を占拠。そもそもが違法侵入)、弾幕禁止の場所に垂れ幕を出したり、そのことを注意した警備員に頭突きして羽交い締めしたり(暴行)。
あまりの狼藉に激怒した名古屋が件の激怒文書を発表したものの、浦和は「はいはい、さーせんした」という態度の文書を発表。通常、法人がこうした謝罪文書を公表する場合は事前に法務担当者や広報担当者を交えて相手方と確認し、お互いに「これでいきましょう」と同意した後に公表に踏み切るものである。それが大人の社会というものだ。
トヨタという大企業のグループ会社であるにも関わらずそんな手間をすっ飛ばして激怒文書を発表したところに、名古瀬屋の激怒ぶりがうかがえる。

それなのに浦和が「さーせんした。でも実際に暴行があったか、わかんないし」と返したものだから、今度は暴行現場の動画がネットに流れた。確かに浦和サポが名古屋の警備員に暴行している。
今や豊田スタジアムほどになればスタジアム中に防犯カメラが張り巡らされている。誰かが暴れたらすぐに特定可能なのだ。浦和の「さーせんした」にさらにブチ切れた名古屋が、ならばこれはどうだとばかりに映像を流出させたことは容易に想像できる。
だがその映像を見ても浦和は「ちっ、頭突きしたかもしれないけど、たまたま当たっただけじゃないすかねえ」という態度なのである。さすが浦和である。サポがクズならクラブもクズだ。

驚くのは、というか呆れるのは浦和サポの態度だ。なんとツイッターの浦和サポのコメントの9割が「名古屋が先に不手際したのだから、オレたちは殴ったっていいんだ」という反応なのである。
もちろん大方のJリーグファンは浦和のサポとクラブに呆れ、これまでの幾多の無不始末の末での振る舞いに、もはや救いがないとしている。
Jリーグも浦和に対しては「今度なにかやらかしたら厳罰な!」と告知していたこともあり、無観客試合か勝ち点剥奪か罰金か、何らかの制裁がくだされることを楽しみにしている。

もうあのクラブは救い難く、埼玉スタジアムに行ったら何をされるかわからないから行くのをやめたという声が相次いでおり、深刻な観客減に悩む埼スタはますます閑古鳥が鳴くだろう。
いやいや、それよりも警備員への頭突きって立派な暴行罪。刑事事件じゃん。警察沙汰になっていいじゃないかなあ。

なお元NGT48でセンターだった荻野某というアイドルが浦和のユニフォームを着て、2階席に侵入して椅子に何かを貼る作業をしている様子が、SNSにアップされた。丁寧に本人の「楽しかった」というコメント付きである。
これに対して浦和サポは「これは、特殊詐欺の“かけ子”と同じだから本人に罪はない」と荻野某を擁護していた。浦和サポの精神性を見事に表しているコメントだと感心した。


2023.04.10

陽は西に沈むのだ


「相鉄線なんかと相互乗り入れになって大迷惑している!」とオザキが嘆く。オザキは東横沿線住民だ。
首都圏以外の人にとってはまったくどうでもいい、いや、首都圏でも東横沿線以外にはまったくどうでもいい話であるが、この春に新横浜線という新しい路線ができて、相鉄線と東横線が相互乗り入れになって、新横浜から小竹向原まで一本で行けちゃうようになったとか、新横浜が便利になったのでこれからいろんな企業がやって来て盛り上がるとか、横浜が地盤沈下してこれからは西谷の時代がくるとか、そもそも西谷なんてどこにあるんだとか、界隈は大騒ぎなのである。
そうした負の影響として東横線のダイヤが無茶苦茶になって、相鉄民があっかんべーをしているというわけだ。要するに目くそ鼻くそであるが。

東横線が副都心線直通になって、渋谷駅がターミナル駅から通過駅に格下げされてしまい、それが街としての渋谷の地盤沈下を招いてしまった。同じことがこれから横浜でも起きるということだ。
となると渋谷と横浜を結んで威張っていた東横線も地盤沈下するのは自明の理。もともと路線距離もたいしたことがなく、スピードも遅いというので小馬鹿にされていた路線である。渋谷と横浜をつなぐということに唯一にして最大の自意識を抱いていたのが東横線であったわけだが、街の地盤沈下と一緒に没落していくことに耐えられないのだろう。人口減から目を背けてきたここ30年の日本とかぶる。
東京南西部の覇権は、これから相鉄が握るのだ。

もっともことは東横線だけの問題ではなくて、京急線は早くから寂れており、西武線もだいぶ地盤沈下がヤバい。
京急線は沿線の高齢化がひどく、横須賀辺りの住民が現役を退いたことで大量の通勤客が消えてしまったために収益が急激に落下した。横須賀あたりは坂道だらけで高齢化した住民は家に引きこもるか、出かけるにしても車で近場へ行くだけだから、電車に乗る人はますます減っている。
同じことが西武線沿線にも起きている。
この点で上手なのが東武線で、早くから、それこそ90年代から大学を盛んに誘致してきたおかげで、通勤客の減少を若い通学客で補うことに成功した。北千住の再興なんて、その最たるケースだ。

大学誘致をサボってきた西武線は、代わりにエンタメに目を付ける。ご存じ西武ドームのライオンズだ。これは一成の成果を上げつつも、全体の押上にはなかなかつながらない。ならばということで次に目をつけたのが訪日客。秩父にムーミンの施設をつくり、今度はとしまえん跡地にハリーポッターの施設をつくって、エンタメ好きな訪日客を呼び込もうという作戦だ。
どう考えてもうまくいくとは思えないが。
そんなわけでオザキの嘆きもわからないではないが、人生では時に勝ち馬に乗ることも必要となる。オザキには東横線を見捨てて相鉄沿線に乗り換えることを提案したいものだ。


2023.04.09

△○△○●●△9


山本雄大という人物がいる。Jリーグの主審だ。
彼はJリーグファンの間ではなかなかの人気者である。なにしろ派手な誤審ばかりやっているからだ。
数年前には湘南のゴールを見逃して大騒動になり、「もう主審は辞めなければ」とまで思い詰めるほどの事態となった。基本的には好人物なのである。
彼は昨日もやらかした。秋田の明白なゴールを見逃して、ノーゴールにしてしまったのである。
ボールがゴールに入った瞬間はテレビの画面にもはっきりと映し出され、中継の解説とアナも「放送席からは微妙に見えましたが」と言っていた。こういうときはっきりと誤審だと指摘しないのも、問題ではあるのだが。
極めて低い点数で争われるのがサッカーだから、誰が見てもゴールなのを見逃すというのはは、競技性を頭から否定するほどの大問題。そんな山本雄大だから、今日の主審がユーダイだということになると、サポーターは誰もが警戒するのである。
だからまさかオレたちが山本雄大に助けられる日がやってこようとは、1ミリも予想していなかった。

それは0-0で推移したあげく、4分のアディショナルタイムが指示された後の94分。文字通りのラストプレーだった。
神戸の大迫が大きく蹴り出したボールに、あろうことか新潟のサイドバックとセンターバックが2人してチャレンジしたのである。当然のことながらかぶっちゃって、守備は破綻。そのボールをさらった神戸のパトリッキがしっかりと決めてみせたのだった。
守備の時は、1人が相手にチャレンジし、もう1人がそのこぼれ球に備える、チャレンジ&カバーが大原則だ。オレでも知っている。そんな簡単なことを忘れて2人でチャレンジしてしまった、大チョンボだった。
もっともそれまでは圧倒的不利を伝えられながら90分以上にわたってよく集中し、耐え忍んでいた。
何しろ相手の神戸は首位のチーム。こちらはJ2上がり。しかも相手はイニエスタに大迫に武藤に山口蛍に酒井高徳にと、目もくらむような選手ばかりの銀河集団。大迫1人の年俸でアルビレックスの選手とスタッフすべてがまかなえちゃうという、超格差対決だ。
中継のアナウンサーは試合中にもかかわらず新潟の選手について経歴を丁寧に紹介していたが、神戸のサポのために見たこともない新潟の選手を教えてやろうという配慮だったのだろう。

そんな厳しい戦いを0-0で94分もしのいだのだから、選手は間違いなくよくやったと思う。
最後の最後になって体がいうことをきかなくなったのかもしれず、失敗を責めるのは酷だろう。だがそれでもあり得ないミスだった。起きてはならないミスは、だいたい起きてはならないタイミングで起きるものである。マーフィーの法則かよ。

神戸のスタンドが揺れる。94分、文字通りのラストプレーで1点が入ったのだ。実にサッカーらしい、これ以上はないカタルシスである。
ネットでは「サヨナラゴールじゃないか」という言葉も飛び交ったそうだが、もちろんそんな言い方はない。日本人の心にはWBCメキシコ戦がしっかりと刻みつけられているようである。
オレたち新潟サポーターは悲鳴を上げ、肩を落とし、仕方ない、選手はよく頑張った、切り替えて明日からまた頑張ろうと慰め合うしかなかった。

J1ではゴールの際に必ずVARのチェックがある。このときもそうだった。主審が試合を止め、別室のVAR担当レフェリーがビデオをチェックしてゴールの妥当性を確認する。もちろん当たり前のゴールを当たり前にゴールと再確認するだけで終わると思っていた。
ところがこの確認時間が異常に長かった。スタジアムがちょっとざわめく。
そしてこの別室でVARを担当していたのが例の山本雄大だったのである。
チェックの時間は1分以上に及び、あまりの長さにひょっとしてこれはという空気が漂った中、ユーダイが下したのは「神戸のオフサイド!」という判定だった。
おお、なんということだ。神よ。まさかユーダイに助けられ、救われ、感謝する日が訪れようとは。
オレと息子は手を取り合って「奇跡だ!」と叫び、ユーダイ様にひれ伏したのであった。

さてその数時間後。本日最も注目のゲームが行われた。柏対鹿島である。
どちらも絶不調。どちらも前の試合後にサポーターがブチ切れて暴れている。しかもどちらも大変に仲が悪い。今日の試合はどんな結果になろうとも、黄色いお猿さんと赤いお猿さんが大暴れして、間違いなく何かが起こる。犬猿の仲。さるかに合戦。猿もおだてりゃ居残る。
そんな期待に胸をわくわくさせて、他チームのサポーターも見学のために駆けつけた試合であった。
結果、柏は去年のお盆以来、つまり8ヵ月ぶりの勝利を手にした。黄色いお猿さんたちは客席で号泣である。そりゃ嬉しかろう。
端から見れば、解任すべき監督がこれで延命しちゃったからかえってお気の毒なのだが、黄色いお猿さんたちは、にっくき赤いお猿さんたちに勝ったということもあって後先考えずに泣いているのである。

一方の鹿島は、これがまあ酷いゲームで、目も当てられない闘いぶり。あげくに最弱柏に負けたというので、赤いお猿さんたちが大激怒してしまったのである。おお、始まった始まったと、他の野次馬サポはワクワクして胸を高鳴らせた。
赤いお猿さんたちは選手たちに罵声とブーイングを浴びせながら「監督を出せ!」と絶叫し、スタンドに居残る。基本的に居残りやバス囲みなどは大変な迷惑だから、アウエーのスタジアムでやってはならない。暴れるならホームで、というのが常識である。もちろんそんな常識が通じるわけがない。なぜならお猿さんだからである。
結局「スタジアムをもう閉めちゃうから」と追い出されるまで暴れた赤いお猿さんたちは、今度は選手を乗せたバスを取り囲むべくバス出口に向かったようである。その先のことはオレも知らない。
ここのスタジアムはオレも行ったことがあるが、柏駅の住宅街の中にあるので、暴れるのは大変に迷惑なのである。赤いお猿さんたちはそんな迷惑なんて知ったことかとばかりに大暴れを続けたのだった。
こうして赤いお猿さんたちが暴れている間、インタビューに応じていた監督の岩政は「選手たちは移動で疲れたのかもしれないが、言い訳はしてはならない」という、どれだけ突っ込みどころ満載なんだという迷コメントを発した。
い、移動? 鹿島から柏への移動で疲れたというのか? 
新潟や山形、秋田などの日本海チームや琉球、鹿児島、熊本などの沖縄九州チームのサポが呆れたのは言うまでもなく、次は岩政に岩手の監督をやらせようという声も上がったのだった。


2023.04.08

GPTかGTPか


東大がチャットGPTを引き合いに出して「人類はこの数ヵ月でルビコン川を渡ってしまったのかも」と述べたのに対し、ネットでは単に「ルビコン川」という言葉を使いたかったからではないかという指摘がある。
そもそもルビコン川とは何か。どうやらイタリアにある川らしく、たいした障害もない小さな川のようだ。それなのにどうしてこんなしょぼい川が、どえらいことの例えのように使われているのだろうか。
だいいちルビコン川を渡るといいことがあるのか。それとも悪いことが起きるのか。
昔、JR東海がリニア新幹線を自前で作ると発表したとき、取材にやって来た記者が「ルビコン川を渡るということか」と追求していたが、これも要するにルビコン川という言葉を使いたかっただけかもしれない。
ルビコン川を渡るとは、背水の陣を敷くとか一線を越えるとか、要するにもう後戻りのきかない状況へと踏み出すことを意味するようだ。これはいいことなのだろうか、あんまりよくないことなのだろうか。たぶんよくないことのような気がする。
とするとチャットGPTの登場というのは、人類にとってよくないことになるのか。東大的には。

チャットGPTは、例えば「ルビコン川についての地理的考察を書け」などと命じると勝手にそれらしい論文を書いてくれるらしい。ウソもけっこう含まれているとのことだが、そこそこの文章には仕上がるそうだ。
となるとしわ寄せが来るのは、オレのような文筆業。ヤバいではないか。
とは言うものの、例えば企業のトップの挨拶文が、実はチャットGTPが書いたものでした、なんてことになったらその企業はあんまり人から信用されないだろうし、軽く扱われるだろうから、いきなりそういうことにはならないような気がする。やっぱりちゃんとしたプロのライターがインタビューして書きました、という体裁でなければならないのではないか。未来永劫そうであるかは別として。
だから息子も「チャットGPTの影響はあるだろうけど、ギリギリ逃げ切れるんじゃね」と、オレの仕事の行く末を占うのである。それよりもオレはGTPの値を心配した方がいいかもしれない。飲み過ぎ注意。

確か以前にもこういうことがあったなあと思い出せば、それは今から20数年前のことだ。世の中にブログというものが誕生して、あっという間に広まったときである。あのときもびびった。何しろどんな素人でも社会に対して発信できるようになってしまったのだから。
文章は上手だけれど中身のない記事と、文章は下手くそだけどすごく面白いネタ我を扱っている記事だと、絶対に後者の方に価値があるに決まっている。ある分野の専門家による気楽な立ち話に耳を傾けるようなものが、ブログなのだから。
そんなものが無数に発信されるなんて、オレたち文筆業の仕事はなくなってしまうのではないか。本気でそんなことも論じられたほどだった。
それから25年たってもオレは相変わらず書く仕事をしているし、ブログなんてむしろ真偽の程がはっきりしないフェイク情報の代表格扱いだ。

もちろんテクノロジーが仕事のありように大きな影響を与えているのは間違いなくて、例えば編集や広告制作の界隈ではテープ起こしという職業が窮地に立たされている。何しろ音声データからテキストデータを書き起こしてくれるソフトが、無料もしくは極安で使えるからだ。Googleを使えば無料だし、ちょっと精度の高いソフトでも月に2000円ぐらいで使える。
数年前には数万円も払って買ったようなソフト以上の精度が、無料もしくは極安で使えるわけだ。まったくテクノロジーの進化とは恐ろしい。
おかげで従来から必要不可欠とされてきたテープ起こしの人たちの仕事は激減している。生き残っているのは付加価値の高いアウトプットのできる人、例えば専門用語が山盛りの内容であっても誤字脱字なくちゃんとテキストにしてくれるばかりか、丁寧にその言葉の解説まで補ってくれるような仕事のできる人だ。
ここまでくるとテープ起こしというよりもはや編集もしくはライターに近い。

話をチャットGPTに戻すと、そんなわけでオレとしての見解は今は様子見だけれど、そんなに驚くほどの影響はないのではないかといったところだ。
例えば「サザエさん」では声優さんたちが亡くなって交代しており、サザエさんご本人もいずれ、というところにある。しかしあんな程度の会話しか交わされないアニメなのだから、これまでの音声データを加工すればいくらでもセリフは作り出せるはずだ。たいした作業ではない。
実はそんなことはとっくに実証済みで、アニメのセリフなんて簡単にAIが代行できるけど、それをやっちゃうと声優さんたちが一斉に仕事を失っちゃうので、あえてやらないのだという説がある。これは説得力がある。
そんなことになったらそれこそルビコン川を渡ってしまって、もう引き返せなくなってしまうだろう。

なお東大ではチャットGPTの登場によって教員のレポート確認作業が大変になるとしている。本当に学生本人が書いた論文なのか、吟味しなければならないからだ。
テクノロジーの進化で人間が余計な労働を強いられるようになるというのは、人間がAIの手下として顎で使われるような感じがして、あんまりいい気はしない。


2023.04.07

フェイクイヤホン


銀座での仕事に向かうために乗り込んだ朝の丸ノ内線は、混んでいた。
それでも本郷三丁目駅を過ぎる頃にはだいぶゆったりしてきたので、オレは文庫本を開いた。
そして銀座駅について降車の準備をしようとしたオレは、ぎょっとする。何気なく隣に目をやったら、吊革につかまっている人のほとんど、具体的には一人をのぞいて全員がイヤホンを耳に刺していたのである。
いや、これはぎょっとするオレの方がおかしい。きっと以前から当たり前のことだったのだ。電車の中で人がイヤホンを耳にするのは。移動中に音楽を聴く習慣がないから意識してこなかっただけのことなのだ。

それにしても世の中ではこんなにも大勢の人たちが電車の中で音楽を聴いているのか。いや、音楽とは限らない。英会話の勉強かもしれないしAudibleで読書しているのかもしれないし、radikoでラジオを聴いているのかもしれない。
いずれにせよイヤホンで何らかの音を聴いている人がもこんなにもたくさんいるのだ。改めてそのことに驚く。
こうなると何も聴いていないオレは、ひょっとして自分だけ乗り遅れているのではないかと不安になる。
確かにスマホのサッカーサイトを見て柏や清水のうろたえぶりを笑っているよりも、落語でも聞いてうまい日本語の使い方でも学んだ方がよほどいいような気がする。
次からはオレもイヤホンを耳に挿して乗らなければという気にもなる。面倒だから挿すだけで何も聴かなくてもいいや。フェイクで。

夜、NHKのチコちゃんで、ノイズキャンセリングについて取り上げていた。周囲の音がまったく聞こえないというイヤホン、ヘッドホンの仕組みについてである。音楽関係者にはごく常識的なことで、オレも鼻でフンと笑って正解を当ててみせた。
ノイズキャンセリングについては、一緒に仕事をしたエンジニアの飯島さんが「あんなの恐ろしくて使えない」と言っていたように、プロは絶対に使わない。車のクラクションも聞こえないなんて、危険すぎるからだ。オレもあれはよくないように思う。

それにしてもこのチコちゃんという番組は、ほーら面白いだろ、という物言いが非常に鼻についてとても不愉快だ。エンディングのサザエさんのパクリも、ほらほら面白いだろ、という態度が見え見えでシラけるばかりである。


2023.04.06

GoogleKeepはラベリングもお忘れなく


新聞や雑誌を読んでいて、これはと思うところがあるとスマホで撮影し、写真をGoogleKeepに放り込んでおく。昔ならばハサミで切り取ってノートに貼ってたわけだから、まったくテクノロジーとはありがたいものだ。
これだって立派なDXである。

放り込む先はGoogleKeepでもEvernoteでもなんでもいいのだが、オレはずっとGoogleKeepだ。何も考えずただ放り込んでおける簡単さがいい。
一時はEvernoteも使ってみたものの、案外使い勝手がよろしくない。しかも有料だし。同じ機能ならMicrosoftのOneNoteで十分だろう。いずれにせよオレにはオーバースペックなのでGoogleKeepにしている。

先日、同じようにして撮影して放り込んだのが週刊新潮の記事だった。上岡龍太郎の言葉である。
上岡龍太郎は人生を登山に例えて「苦しいときは登っているとき。すいすいと調子よいときは下っているときだから、気をつけろ。足元をすくわれる」と言ったのだった。
なるほどとオレは感じ入る。

ここ数年、ようやくオレも自分のインタビューなどに自信を持てるようになってきた。人様からも「タンゴさんはインタビューが上手いのでお願いしたい」と言われる。これは大変に気分がいい。オレも成長したもんだと胸を張りたくなる。
だがそんなときこそ、気をつけろと上岡龍太郎は言うのである。
調子がいいと感じるのは下り坂だからなのだ。それなのに胸を張ってふんぞり返っていては足元を見失い、いつ転んでもおかしくない。
オレははっと立ち止まり、いかんいかん、上を見てしっかり歩かなくてはと自戒するのであった。
そっくりかえるなんてとんでもない。頭を垂れて、すべての人に教えを請わなくては。


2023.04.05

グループ首位!


今日はルヴァンカップである。昔のヤマザキナビスコ杯だ。専門用語では菓子杯という。
我らがアルビレックス新潟は、ホームに柏レイソルを迎えた。
ルヴァンカップの難しいところは、DAZNでは観られないということである。スカパー!でなければ中継はない。我が家はスカパー!に加入していないので、残念ながら試合を観られないのだ。
AmazonPrime経由で観るなど、方法はそれなりにあるのだが、いずれにせよカネがかかる。月額3000円近い。これは高い。1試合いくらかでバラ売りしてくるペイパービューなら買いやすいのだが。
何度も加入しようとアクセスして、クレジットカード情報などを入力する段になってカネが惜しくなり、また今度などと言いながらやめている。貧乏が悔しい。
仕方ないので菓子杯については、テキスト中継を読みながら、おおっ、いけっ、などと盛り上がっている。冴えないなあ。

もっと冴えないのは対戦相手の柏だ。清水エスパルス同様、こちらも昨年の夏から公式戦で一度も勝っていない。未勝利地獄である。
そして今日もアルビレックス相手にあっさりと負けてしまった。試合後にインタビューに応じた戸嶋祥郎(元新潟だ)によれば、選手の主体性に任せた決め事のないサッカーをしているのだそうだ。要するにアドリブサッカー。ブラジルの路地裏かよ。
守備の約束事もなければ攻撃のパターンもないわけで、そりゃあぐだぐだの状態で一方的に攻められて負けるのも当たり前。なにしろ菓子杯なのでアルビレックスのメンバーは若手主体。つまり2軍だ。
J2あがりの、しかも2軍メンバーが相手だというので、今日こそは半年ぶりに勝利間違いなし。そう確信して平日の夜だというのに泊まり前提で柏からわざわざ新潟まで応援に駆けつけたサポーターたちが、そんな無様なチームを目撃して怒るのも当たり前だ。

2-0でアルビレックスが勝った瞬間、柏サポーターはものすごいブーイングの嵐。アルビレックスの選手たちが思わず引いてしまい、アルビサポの感性も止まってスタジアム全体が静寂に包まれたほどだった。←このあたりはYouTubeで見た。
スタンドには「勝利か?ネルシーニョか?」というポルトガル語の弾幕。つまりブラジル人のネルシーニョ監督が読めるよう「勝ちたいなら監督を首にせよ」というメッセージが堂々と掲げられたのである。
こを目にしたネルシーニョ監督がぶち切れて、客席前でサポーターに指を突きつけて激怒していた。ひゃあ、サポーターと監督のケンカだよ、おいおい。
末期である。もはや末期。だが柏は監督を首にするなら膨大な違約金を払わなくてはならないという契約のため、解任できない。そもそも井原正巳をはじめコーチ陣もすべてネルシーニョの息がかかっているため、監督を首にしたらコーチ陣も一斉に退陣し、当然ながらスタッフ一同まるごと入れ替えなんて今さらメンツも集められない。
だから柏としてはネルシーニョ監督が自ら身を引くのを待つしかないわけだ。
いやあ、いろいろとお察しします。

もともとネルシーニョ監督は名監督だった。一時期は日本代表監督の本命に上がったこともあるし、柏をJ2から昇格させた年にJ1でも優勝させたというレジェンドである。一時はそんな蜜月にあった監督とサポーターがこれほどまでいがみ合うとは、人ごとながらとても悲しいことだ。柏のサポも監督も、お察しします。
こんな不幸なことになる前になんとか手を打てなかったのかと、チームの経営陣の見識を疑うところだ。
よそのチームのもめ事は他のチームにとって追い風だからありがたい話だ。

とはいえ、柏に横浜FC、さらには清水エスパルスと、まったく勝てずに沼に沈み込んでいるチームを相手にするときは、時限爆弾が爆発するんじゃないかという恐怖に駆られるのも事実。ああ、恐ろしい。
アルビレックスも今夜はそんな恐怖と闘いながら、なんとか柏に勝った。次のチームに爆弾は手渡すのである。
その次のチームはというと、おお、今度の日曜、鹿島アントラーズと対戦ではないか。アントラーズもチーム状況は最悪で、サポーターは大暴れし、監督は解任の恐怖に青息吐息だ、これは柏と鹿島、どっちが勝っても大騒ぎ必須。解任待ったなしだろう。
対岸の火事とはまさにことのことで、ちょっとワクワクする。


2023.04.04

教授


坂本龍一には特に思い入れはない。「戦場のメリークリスマス」は確かにとんでもない名曲だったが、要するにドビッシーではないか、あの人は。パクリと言ったら言い過ぎだが。
だいぶ前のことだが、MacintoshのCMに出ていたかと思ったら、ある日突然MicrosoftのCMに乗り換えてて、なんと節奏のないヤツなんだと呆れたことを覚えている。
それでいて今度は原発反対。電気を使って音楽しているくせにという突っ込みに対しては「自分はちゃんと電気の産地を調べて再エネを使っている」と威張っていた。
極左的思考がどうにも気持ち悪いが、思想信条と音楽は無関係であるから、純粋に音楽家として惜しい人を亡くしたのは間違いない。
つーか、音楽家というより最近はアイコンというほうが適しているかも。
などと考えながら、久しぶりに駅前の「かぶらや」へ。安くて早くて簡単というので最近はここが多いが、けっこう飽きてきた。今日も帰りには、しばらくはもういいかなという気になった。
飽きっぽいのはオレの悪いクセである。
そろそろ違う店でも開拓するか。


2023.04.03

名優、ひろ子丸


とんでもなく間抜けなミスのある原稿を、書いた本人のオレが推敲したにもかかわらず見逃して、制作会社のディレクターと営業も見逃して、あろうことかクライアントの担当者も広報部も見逃して、最終的に世の中に出て読者からの指摘で発覚するという大チョンボ。
全員が頭を抱え、張本人のオレはもはや何を口走ろうとも再起不能状態。
やらかすときは、こんもんさ。
どんな間抜けなミスだったかについては、あまりに間抜けすぎるのでここには書きたくない。

「とんび」
よくできた朝ドラの総集編のような映画だった。原作は重松清。まあ、重松清の小説を映画にしたらこうなるよねという感じだ。いい意味である。
絵作りはちゃんとしているし、カメラもしっかりしている。話もテンポがよくて。飽きさせない。本当によくできた朝ドラだ。
阿部寛と北村匠海が親子を演じているが、一瞬観た息子が「全然似てねえ」と言ったように、まったく似ていない親子なのはご愛敬。
この映画は昭和から令和まで自制が行ったり来たりするので、ちょっとわかりづらいところがある。おかしいのは、この間、阿部寛がまったく変わらないことだ。服装も含めて。もうちょっとちゃんとふけるとか、年齢に配慮した演出をしてくれないとなあ。
北村匠海は他のドラマでもそうなんだが、目力が強すぎる。だからこういう穏やかな役ではなくて、陰険なヒールをやったら絶対に似合うと思うんだがなあ。
嫁ぎ先でのいじめに耐えかねて、生まれたばかりの娘を捨てるようにして逃げ出したという過去を持つのが薬師丸ひろ子。今は小料理屋の女将である。そのもとへ、かつて捨てた娘が成人して訪ねてきた。結婚することになったので生みの母親に一目会いたいと、ようやく探し当ててやって来たのである。さあ、薬師丸ひろ子、どんな反応をするかと思って観ていたところ、薬師丸はこの難しい演技を見事にこなしてみせた。さすがだった。


2023.04.02

一日一歩三日で三歩


読売新聞に地味ないい記事が載っていた。
週に1〜2日、8000歩を歩くと死亡リスクが大幅に減るというのである。京都大学とカリフォルニア大学の共同研究の結果だ。
ほほう、8000歩でいいのか。

注目したいのは、週に1日か2日で十分という点である。毎日1万歩、週に7日と結果はまったく変わらなかったというのだ。
ほほう、毎日1万歩を歩かなくてはならないというのは、根拠のない幻想だったというわけだ。
週に1日、8000歩なんて、えっ、それでいいのか、という感じだよな。
これなら簡単。すぐにできる。よーし、明日から頑張るぞと決意して、オレは酒を飲むのであった。

その酒だが、今日は思い立ってワインにしてみた。
なぜワインかというと、チリワインのある銘柄がすごく旨いという書き込みを見つけたからである。チリワインって、もともとチリの人件費が極安なのに加えて、日本との貿易の関税が撤廃されているらしく、もの凄く安い。
それに加えて旨いというのなら、言うことなしではないか。
早速家の近くのディスカウント酒屋に歩いて行って、手に入れる。ちょっと目立つところに置いてあったから、割と人気なのかもしれない。
1.5リットル700円だから確かに激安だ。しかもペットボトルなので開け閉めが簡単だし、飲み残しても取っておけるし、捨てるのも簡単。いいこと尽くめではないか。

晩ご飯で飲んでみたら、これが案外美味しい。つーか、オレはワインなんてまったくわからないから何を飲んでも旨いのだが、思っていたより旨い。
こりゃあいいや。これで1.5リットルで700円だから氷結あたりの9度缶チューハイよりよほどコスパがいいではないか。しかも赤ワインには血糖値を下げる効果もあるということで、健康にもいい。
こりゃあしばらくチリワインだな。
3分の1ほど飲んでいい気分で酔っ払い、残りを冷蔵庫に入れておいたら、息子がアイスコーヒーと間違えて飲もうとしたので、ちょっとずっこけた。

「さかなのこ」
おさかなくんの自伝的映画。主役を演じたのが、能年玲奈つまり、のん。のんの好演が評判の映画である。だけどけっこう退屈だったなあ。特に起伏のないストーリーでこれで2時間半は苦痛。ところどころ映像的に面白い表現があったけれど。柳楽優弥がなかなかの存在感。


2023.04.01

△○△○●●8


桜とともにアルビレックスは散っていった。
いや、今日はホームゲームだ。新潟は今日が桜が満開である。ならば、桜より一足早くアルビレックスは散ってしまった、が正しい。

川崎に勝って、浦和には負けちゃったけど、鹿島にもしっかり勝ったときには楽しかったよ。
ありがとう、アルビレックスの選手たち。J1という、こんなに素晴らしい舞台にオレたちを連れてきてくれて。
感謝の気持ちで一杯で、恨みがましいことは一つもない。
だから多くは望まない。残留でいい。残留で。

暫定とは言え、2位にその名を見つけたときは、驚きのあまり目を剥いてしまった。いい夢を見せてもらった。
あとは残留してくれればいい。残留して来年もこの素晴らしい舞台でサッカーを楽しめればいい。
そけほどまでにオレたちは今日の負けにメンタルをやられてしまった。ありえねー。
だが冷静に考えてみようではないか。今日の負けは、絶対に再現性のない負けなのだ。
要するに、二度とありえねー。
ならば悲観することはない。自虐することもない。

周囲を見回してみようじゃないか。
94分、まさにレフェリーが試合終了の笛を口元に持っていった瞬間に、守護神スウォビクのとんでもないミスで失点してしまったFC東京(決めたのは大宮から移籍したばかりの元新潟の河田だ)や、85分まで1-0とリードしていたのにその後立て続けに2失点してあれよあれよという間に負けてしまった鹿島(しかもホームゲームだったのでサポの怒ること怒ること、選手のバス囲みまでやっていた)など、もっと悲惨なチームは多いではないか。しかも再現性たっぷりの負け方だ。
それを思えばアルビレックス、まだまだイケるのではないか。新潟の桜はまだまだ咲き続けるのだ。

「コーダ あいのうた」
いろいろ評判が高く、レビューでも★4つ以上が目立つから、いつか観なきゃと思っていた映画だった。だがオレとしては期待外れ。こんなもんかよ。
聾唖の一家に生まれ育った女子高校生が、家族の犠牲になりつつ、新しい生き方を見つけていく物語、家族もそんな彼女を後押しする。そういうハートウォーミングな話だ。それはいいのだけれど、ちょこちょこ入る下ネタがエグすぎてシラける。
例えば女子高校生の部屋にボーイフレンドが遊びに来ているというのに、両親がベッドでおっぱじめちゃって家中にその声が響き渡り、いたたまれなくなったボーイフレンドが帰ってしまうというエピソードがある。
ボーイフレンドは翌日、これを「家族が仲のいい証拠」と絶賛してしまうのだ。ありえねえだろ。こんなエピソードが挿入されては、観ているこちらがシラけてしまう。
役者たちは好演。豊かな自然に包まれた画面は美しく、テンポもいい。だからこそもっと美しい物語に仕上げてほしかった。アメリカ人はバカなのか。


2023.03.31

お猿さんの闘い


Jリーグの3大バカサポが、おなじみの浦和に鹿島にガンバである。これに松本と柏を加えると、香ばしい5大バカサポがそろい踏みとなる。
今日はそのなかの赤いお猿さんと黄色いお猿さん、つまり浦和対柏のゲームがあった。フライデーナイトJリーグといって、毎週金曜の夜に1試合だけ行われるゲームである。

なんでこれが注目かというと、柏がボロボロだからである。なんと去年の8月から勝っていないのだ。公式戦15試合だったか18試合だったか、とにかく半年以上、勝っていないのだ。
当然黄色いお猿さんたちのフラストレーションはマックスであり、大暴れが期待された。
柏の黄色いお猿さんたちは過去にもいろいろやらかしている。
例えば2003年にはサポーターがピッチに乱入して大暴れ。2015年にはサポーター同士が乱闘して逮捕にまで発展している。
今期の柏は補強にかなりのカネを使い、優勝を狙うと宣言していた。それなのに半年間も勝てないという体たらく。順位こそ、横浜FCというスーパー落ちこぼれクラブがいるから最下位ではないが、結果がまったく伴わないことで黄色いお猿さんたちも、いっそ降格しろとやけになっている。

ちなみに今年のJ1リーグのレギュレーションでは、降格チームはわずかに1。つまり最下位だけがJ2に降格するという決まりである。
我らがアルビレックスの今年の最大の目標は残留であるので、とにかく最下位にさえならなければ大満足だ。
むろんこれは他のチームにとっても同じであり、よって各チームの暗黙の了解として、弱いチームはとにかく全員で叩いて沈めてしまえば最下位枠は埋まるので安心だ、という流れになる。
ほとんどいじめの構図ですな。なんという殺伐としたリーグなのだろう。

そんなわけで柏と横浜はどれだけ叩いてもいいという空気ができあがっていて、この中で金曜の夜、しかも年度末だというのにスタジアムに駆けつけた黄色いお猿さんたちの心中は察するに余りある。
もちろんサポーターのそんな事情、心情、感情など知ってか知らずか、柏はあっさり負けた。0-3という完敗である。
年度末のくっそ忙しい中、必死になって仕事を年度内に片付け、送別会、打ち上げその他諸々を振り切ってスタジアムに駆けつけたのも、ここが黄色いお猿さんたちの愛するホームだからだ。ああ、それなのにそのホームであっさり0-3と、手も足も出ない負けっぷり。
ゲームセットの瞬間、さあ、あの黄色い猿どもが暴れるぞ、また逮捕者が出るぞとオレはDAZNの画面をワクワクしながら眺めたのだが、なんだかそんな空気はまったくなくて、全体にしらーっとした雰囲気が漂うだけだった。もはや怒りの段階はとうに超えてしまったらしい。

その代わりにスタジアムに響いたのが、なんと浦和から遠路やって来た赤いお猿さんたちの合唱だった。
赤いお猿さんたちはこう歌ったのだ。
「J2柏っ、J2柏っ!」
暴れ猿数頭が絶叫したのではない。赤いお猿さんたち全員が声を合わせたかのような大きな歌声だった。
ひゃーっ、なんという民度。赤いお猿さんたちこそ年度末のくっそ忙しい中、浦和からわざわざ柏なんて辺境の地まで駆けつけたのだから、さぞや嬉しかったのだろう。まさに勝利の雄叫びとして、黄色いお猿さんたちの目の前でリスペクトのカケラもない合唱をしてみせたのである。

いやあ、本当にリスペクトに欠ける行為だったなあ、あれは。さすがにちょっと引いたわ。WBCとえらい違いだ。
もっとも黄色いお猿さんたちだってかつて札幌の目の前で「J2札幌、J2札幌!」と合唱したことがあったから、自業自得というか因果応報というか。
人様のスタジアムの出来事ではあるが、こんな礼節や安穏に欠けるスタジアムには、子供連れなんてとんでもないと思われるから、やっぱりこういうのはよくないと思うのだった。


2023.03.30

美女3人


前から気になっていた店に、意を決して突入してみた。石神井公園駅から徒歩5分。なんと和風スナックである。
店構えはとにかく昭和だ。磨りガラスで店内も見えない。だがとにかく料理がうまいと評判なのである。
引き戸を開けて中に一歩踏み入れて、びっくり。カウンターに妙齢の女性が3人も立って、一斉に「いらっしゃーい」と声をあげた。うわ、網を投げられた気分である。
あとでわかったがママはオレと同い年で、一緒にいる他の女性は親戚とか、そういう身内らしかった。

網に捕まったオレは逃げられず、とりあえず瓶ビールを飲む。生はない。
メニューに三方寺池サワーというのがあったのでそれは何だと問うと、おーいお茶に抹茶を大量に投じて焼酎を注いだものだという。
「三方寺池ってどろどろに濁っているじゃない?」とのことである。くだらん。実にくだらん店だ。
だが確かに食い物はうまかった。
ピザは生地から自家製。持ち帰りを注文したら具の野菜やベーコンなどを刻んで炒め、その上で焼いてくれた。
スパゲティナポリタンを頼んだら、お湯を沸かして、袋から取り出したパスタをパラパラとナベに投じるところから作り始める。どうやらこの和風スナックは、なんでも頼まれてから作り始めるようだ。
注文すると3人のおばちゃんが一斉にテキパキと動いて料理を作り始める。つまりほとんど家でメシを食ってる気分。
いやあ、この店はすげえな。いろんな意味で。
ぜひダテ君とイサワ君にも食べさせてやりたいものだ。なんというか、同世代のおばちゃんたちが作ってくれると言うだけで、親近感がわいてくる。不思議な店だ。


2023.03.29

コロンビアにぶつかって転んビア


一文一義はいい文章の基本とされる。そこでよく例に出されるのが、夏目漱石だ。
「吾輩は猫である。名前はまだない。」
ほーらね、締まるでしょ。文は短く、一文一義。夏目先生を見習いなさい。
だが夏目漱石はこうも書いている。
「親譲りの無鉄砲で、子供の時から損ばかりしている。」
これも短文ではあるが、一文一義ではないではないか。どういうわけだ。

などとツッコミを入れながら、珍しく雑誌PRESIDENTを読んだ。特集が「頭がいい文章、バカな文章」だったからだ。どうなんだ、この特集タイトル。馬鹿な文章とは、なんとも知性の感じられないタイトルではないか。まあともかく、「坊ちゃん」は日本を代表するハードボイルドなのだ。
いや、それはどうでもいい。今日のテーマはあれだ、昨日の代表のゲームだ。コロンビア戦。

見どころは2つあった。一つは森保のメモである。
後半に浅野を入れるとき、森保が手書きしたメモを渡したのである。いやあ、たまげた。目を疑った。非常に珍しいと言うか、初めて見たわ、あんなの。
メモを持ってピッチに入った浅野はおどおどとメモを遠藤に渡し、みんなで頭を寄せ合って相談。口で言っても浅野の頭では覚えられないと判断したのだろうか。
客席はざわつく。このメモは遠くからカメラに捉えられたようで、画像がネットに出回った。見てみれば文字が書かれあって、真ん中に「タケ」とある。ははあ、久保をトップ下に置く布陣なのだろう。
コミュニケーション不全なのだろうか。我らが代表チームは。

このメモは名波くんの発案という説がある。ひょっとして名波くん、突然あのNボックスを思い出しちゃって、やってみたくなったのではないかと。とするとあのメモは名波の字なのか。「ぼくのかんがえたせんじゅつ」である。
そもそもこのゲームでは名波くんが数日前に「ぼくのかんがえたせんじゅつ」として発案した偽サイドバックをやろうとしたようなのだ。どうやら偽サイドバックを最新の戦術だと思っているようなのである。何周遅れだよ。
森保に名波に前田。ワールドカップにも出ていないこんな監督やコーチの話を、今のヨーロッパで活躍中の選手がまともに聞くとは思えない。堂安なんてあからさまに小馬鹿にしているし。
そんなわけで口で言っても言うことを聞かないから、ぶっつけ本番、メモで伝えたのだろう。選手も気の毒なことである。

もう一つの見どころは、久保だ。
コロンビアの選手にひっかけられて転んだ久保は激昂。なんと突っ立っている相手に突進していき、そして相手が何もしていないのにぶつかって転んで、のたうち回ったのである。これには地球の裏側で試合を見ていたコロンビアのサポーターも大笑い。スタン・ハンセンに突進して跳ね返された池乃めだかみたいなお笑いだった。
恥ずかしいなあ、久保。オリンピックで負けてピッチに座り込んで号泣したのもどうかと思ったし、この人、まったく好きになれない。


2023.03.28

ひどすぎるよね 許してなんて言えないよね


なんとも香ばしい爆弾が破裂したではないか。スタジオジブリの鈴木プロデューサーの醜聞である。ぶっ放したのは週刊女性。

概略。ジブリの生みの親である鈴木プロデューサーが2013年ごろにタイ人に一目惚れ。シングルマザーの彼女に対して、店を開店させるなどいろんな援助をしてきた。
ポケットマネーで済めばよかったが次第に公私混同が酷くなり、なんとジブリ美術館の公式写真集にカメラマンとして起用するほど。もちろんカメラ経験などまったくない素人さんだ。
まさしくボケ老人の老いらくの恋。凄まじいばかりの公私混同ぶりにジブリはもはやこれまでとさえ言われている。晩節を汚すとはことのことだ。

シングルマザーで、鈴木から金を引っ張って店を出しては潰し、出しては潰しを繰り返しているこのタイ人は、名前をカンダタという。
節子、それちゃうで。カンダタはドラクエのモンスターやで。裸で斧を振り回すデブ。見かけ倒しのこけおどし。
このタイ人の名前はカンヤダだ。

今日になって突然明らかになったような報道のされ方だが、どうやら界隈ではカンヤダ案件は昔から有名だったらしく、検索すれば出るわ出るわ、鈴木じじいとカンヤダの醜聞が。
実に香ばしい。香ばしすぎるスキャンダルだ。
アニメージュとジブリ展のビジュアルもカンヤダの手によるものらしく、なんと下手くそな猫バスまで堂々と描いている。ジブリ、終わったな。トトロもこれで終わりだ。

しかし数年前から界隈では有名だった醜聞がなぜ今になって突然噴出したのか。
こうなると例の陰謀論好きおじさんが、都合の悪い情報を隠すために自民党がリークしたのだと騒ぎ出すのではないか。中学生かよ、いい年して。この人の手にかかると官僚はすべて利権狙いで、この世界はすべて電通が仕切っていて、あらゆることが自民党の陰謀ということになってしまう。一番香ばしいのはこの陰謀おじさんなのだ。
本人としては裏事情に通じたつもりのようだが、頭が中学生なので実にシンプルにバカということがわかる。
数年前にテレビ朝日のアナウンサー田中萌のことが大好きになり、テレビ画面の写真をFacebookに上げるほど(キモッ!)夢中になったのに、妻子あるプロデューサーとの不倫が発覚したら一気に意気消沈。一切触れなくなってしまった。なんとわかりやすいのだろう。ほほえましいくらいだ。
いやいや、話題はそこではない。常に自民党支持者を罵倒するので、オレも怒りの余り、書き出すと止まらなくなってしまった。問題はカンヤダである。

ジブリというのは大作主義だから、常にいつ潰れてもおかしくないとされてきた。実際に今まで何度も経営危機があって、そのつど、パヤオのつくった大作でしのいできた。綱渡り経営なのである。ポートフォリオもクソもあったものではない。
パヤオが老いて、この夏に公開の「君たちはどう生きるか」が遺作ではないかと噂される中、もはや収益源は過去の作品とキャラクターグッズなどのライツ商売しかない。じり貧だ。
そんな厳しい状況の中でのカンヤダ案件なのだから、社長がブチ切れるのも当たり前。ところが鈴木プロデューサーは、あろうことか、耳が痛いというのでこの社長をクビにしてしまったのだという。ご乱心、ここに極まった。

こう書きながら、やっぱりオレもジブリは終わったなと思う。いずれ急場をしのぐためにAmazonかDisney+に版権を売るだろう。焼け石に水だと思うが。
オレが一番好きなのは「風の谷のナウシカ」である(ジブリではないが)。次が「天空の城ラピュタ」だ。このあたりをいつでも好きなときに楽しみたいので、とっととネットで観られるようにしてほしいものだが、どうして頑としてやらないのだろう。石頭なのだろうな、きっと。
カンヤダのおかげで凋落に弾みがつき、想定より早く版権がDisney+に売り飛ばされれば、オレもいつでもラピュタのシータ奪回シーンやナウシカの空中戦が楽しめるわけだ。
カンヤダが金をねだればナウシカがネットで観られる。風と桶屋かよ。
ちなみにこのイラストは田中某という漫画家がこっそり描いた酒乱のナウシカだ。あまりにも笑えるのでネットで今も流通している。すげえおかしい。


2023.03.27

家内安全商売繁盛


六本木一丁目から飯田橋へ移動した。今日はインタビュー仕事の掛け持ちである。なかなか効率がよい。
いや、飯田橋で次の仕事が始まるまでの空き時間が3時間もある。これでは効率がいいとは言えないだろう。
飯田橋で3時間をつぶすのは、なかなかハードルが高い。

昼時だったので、食事で30分を消費する。久しぶりに鳥よしでも行ってランチを食べるか。ここのランチの満足度はかなり高い。
だがコロナになってから一度も行ってないし、ちょっと敷居が高い。いや、店はそんなことは何も思っていないのはわかるのだが、なんとなくのれんをくぐりにくい。
そこでぶらぶらと飯田橋の街を歩き、地下の居酒屋のランチを見つけたので飛び込んだ。鯖の塩焼き定食に納豆付きという、居酒屋ランチのド定番である。
いらっしゃいも何もない無愛想な店だ。昔からある焼き鳥屋で、日本酒もそろっており、夜に一人酒するにはなかなか居心地がよさそうだ。地下ということをのぞけばだが。飲み屋は路面店に限る。

近所の商店街の老いた店主たちらしき4人グループが定食を食べながら楽しそうに話しているのを眺めて、店を出て、カフェクリでコーヒーを飲む。正確にはカフェ・ド・クリエだ。カフェ・ド・クリエはC-Unitedに買収されてグループ入りしてから明らかに店の空気が変わった。かなり居心地がよくなった。
ランチ時で混んでいるカフェクリで午前中のインタビューのまとめなどをして、それでもまだ1時間半以上も残っている。
そこでふと思いついて東京大神宮に行ってみることにした。

東京に暮らしていろんな街に足を運んできたわけだが、住む街以外で、とりわけよく行った街の一つが飯田橋だ。平成時代はずっと通っていた気がする。回数だけで言えば渋谷や新宿より多いかもしれない。
そんな飯田橋にあるのに、東京大神宮には一度も行ったことがなかったのだ。
そのことに気がついて、なるほど、こういう空き時間を無駄に潰すにはちょうどいいと思い立ったのである。

初めて行った東京大神宮は想像よりもこぢんまりとして、こぎれいな場所だった。恋愛成就の神様として知られているためか、平日のぼけっとした昼間だというのに、女子でけっこうなにぎわいである。春だから盛りのついたメス猫たちがわらわらと沸いてきて、なんて思ってはいけないのだ。その中におっさん(オレのことね)が混じって、参拝する。
お賽銭は100円。家内安全商売繁盛と100万回唱えて、ヘッドダウンだ。
風邪が肌寒く、曇天。だが穏やかな空気が流れている。
桜が満開だ。
川沿いの桜並木の散歩道をゆっくりと歩き、1年一度の贅沢を味わう。


2023.03.26

今日は秋山


鹿島サポーターの書き込みを見て噴いた。
「アルビレックスのキーパーたちが試合後、すぐに雨の中で反省会をしているのがすごい」。
おいおい鹿島さん、それ反省会ちゃうで。パフォーマンスの打ち合わせやで。

今日はキーパーの阿部が「野球やるよ、野球!」と叫び、チームの仲間たちに段取りを指示。ピッチャーの投げたボールがデッドボールになって、怒ったバッターがピッチャーに詰め寄ってと、身振り手振りで説明していた。
真剣な表情もあって、その動きが本気の反省会に見えたのだろう。
鹿島サポさん、冷たい雨の日曜日に遠くからわざわざお運びくださり、ありがとうございます。WBCに乗っかった選手たちのお笑いパフォーマンス、お土産に楽しんでいただけましたか。

今日はJリーグではなく、ルヴァンカップである。サッカーに興味のない人にはリーグとカップ戦の違いが今ひとつ飲み込めないようだ。
ルヴァンカップは若手や控え選手のトレーニングの場であり、レギュラー選手は休ませることが普通である。それなのに驚いたことに鹿島は、いつもどおりのスタメンで来たのだ。ガチのスタメン、つまりガチメンである。
それに対してアルビレックス新潟はレギュラーを休ませて、控え選手中心のメンバー。つまりガチメンの鹿島に対して二軍の新潟という戦いになったのであった。
当然誰もが虐殺を覚悟した。あの鹿島のレギュラーが相手で、こちらは昇格組の二軍である。勝てるわけがない。

ところが選手たちがやってくれた。なんと鹿島に1-0の完勝だ。
決めたのは秋山。あふれるばかりの才能の持ち主なのに守備がへなちょこだったりして今までくすぶっていたのだが、今年になってフィジカルが見違えるように強くなり、従来の卓越したパスセンスにはますます磨きがかかって、今年いよいよブレークの予感だ。
試合の結果には、例によってサポが仰天し、選手たちは当然だとばかりに胸を張る。「誰が出ても結果は同じ、去年から全員で積み上げてきた」という松橋監督の言葉の正しさは、今日も証明されたのだった。素晴らしいゲームだった。

「バーフバリ 伝説誕生」
そのアルビレックスのゲームだが、Jリーグではなくてルヴァンカップなので、いつものダゾーンでは中継がない。見るためにはスカパーに加入しなくてはならず、そのために月3000円近くはいかにも惜しい。まだグループリーグだし。そこでオレはネットの文字中継を負いながら、頭の中でエアゲームを再現し、一人ハラハラしていたのである。
そんな状況で同時に見ていたのがこれだ。インドでは3人に1人が見たという映画である。Amazonのキャンペーンで100円だったので気軽に見られた。
いやはや、先日の「RRR」もすごかったが、こちらもなかなかだ。滝のシーンや、本当に10万人のエキストラを集めたんじゃないかという戦闘のシーンなど、すごいという言葉しか出てこない。
やたらとを人を殺しまくるし、あまりに殺しまくるのでR15指定だ。オレは口を開けて呆然と見入るのみだ。
話は単純で、正義と悪がはっきり分かれている。たぶんインド人ならいろいろ
と散りばめられた伏線にニヤッとするのだろうが、そんな知識がなくても楽しめる映画だった。
2時間半もあって見終わってぐったりするも、物語は途中でばっさり終わってしまって、あれれれ、結末はどうなったんだと思ったら、これはシリーズものだったのね。というわけでいつかそのうちシリーズ2を見なければ。


2023.03.25

謎の+13


今週はJリーグがない。お休みである。なぜなら代表の試合がある、代表ウィークだからだ。
あれえ、おかしいですねえ、去年はお休みじゃなかったような。
そう気がついたあなた。あなたは正しい。
正確に言おう、J1がお休みであると。J2は代表ウィークなんか関係ない。代表に行く選手とは無関係の場所だから、お休みがないのだ。J2は。
ふふふ。気分がいい。やっぱりJ1は気分がいいなあ。
だが週末にサッカーが観られないのはやはり物足りない。そこでJ2を診る。うーん、懐かしいなあ。なんとなく実家に帰ってきたような落ち着きを感じる。帰ってきちゃダメなんだが。

観たのはヴェルディ対熊本の試合だ。
これがびっくり。ヴェルディが実にいいサッカーをしている。プレス強度が終盤まで落ちず、驚異の4試合連続クリーンスコア。これは強いわ。
ヴェルディ、このまま昇格じゃないか。と思って順位表を見た暫定ではあるが1位だった。間違いなくJ1下位のチームより強い。
監督は今年から城福だ。守備の構築に手腕を発揮する城福が仕込むと、こんなにも強いチームに仕上がるということか。もともと選手は粒ぞろいだし。
今年のヴェルディは要注目である。このチームなら応援したくなる。

「止められるか、俺たちを」
1960年代から70年代にかけて活躍した伝説の映画監督、若松孝二を描いた作品。オレもかつてはこの監督の作品は何本か観たはずだ。あまり覚えてないけど、とにかく過激だった印象はある。
その無茶苦茶な人間性と、同時代の人々、そして昭和という時代を、助監督役の門脇麦の目を通して描いている。門脇麦はいい役者だ。
昭和の街の中の設定なのにQB HOUSEやヤマダデンキが映り込んでくるのはお愛嬌。そこに学生のデモがかぶっちゃったりして。
まあ、そんなのはどうでもいいのだが、基本的に退屈でうんざりするような映画だった。500円も払ったというのに。
全員がのべつ幕なしにタバコを吸うのにも呆れたが、昭和というのはそういう時代だったのかも。
若松孝二を演じたのは井浦新。とてもいい役者で大好きだ。しかしここでの井浦新はやたら高いトーンで吠えまくり、怒鳴りまくる。ちょっとこれはいただけない。役を失敗したな。
井浦新は「ピンポン」のスマイル役が一番の当たり役で、それ以外にも物静かで知的でシニカルな佇まいがよく似合う。「かぞくのくに」で、北朝鮮に渡って25年ぶりに一時的に日本に帰国する在日コリアン役を演じたのは、井浦新にしかできない演技だと思った。それに比べて今回の映画は、たぶん晩年の若松作品に多数出演していて、葬式でも弔事を読んだという関係から受けたのだと思うが、ちょっとハズレだと思った。
それにしてもエロ満載で教育上どうかと思う描写だらけのこの映画と、次の「春を背負って」がどちらも+13、つまり中学生が観てもいいというのは、どういう判断基準なんだろう。

「春を背負って」
笹本稜平の原作は読んだことがある。その映画化だ。
立山連峰の山小屋を舞台にした作品で、とにかく山々の自然が圧倒的なスケールと美しさで迫ってくる。よくぞ撮影したなあ。
それに比べて役者たちがしょぼくて、松山ケンイチとか、どうしてこんなに下手なんだとがっくりしてしまう。豊川悦司に人生を語られちゃっても困るし。檀ふみも下手だし。一番上手かったのが新井浩文というのもなんという皮肉か。
山小屋はセットかと思ったらロケだったようで、とにかく撮影班の仕事ぶりは見事。


2023.03.24

絶望の世界王者


今日は月に一度の定期検診である。
主治医のナカムラは、オレが鼻水をだらだら流しているのを見て「花粉症だね」と言う。
ち゛がう゛、お゛れ゛はがふんじょううじゃな゛い゛。
そう言い張る俺を無視してナカムラは「薬を出しておくから」と言う。続けて「目もかゆいだろ、花粉症だね」と言う。
オレはさらに口調を強めて、ち゛がう゛、お゛れ゛はがふんじょううじゃな゛い゛と主張する。
無視してナカムラは「目薬も出しておくから」と言う。こうしてナカムラは患者の意思を無視して薬漬けにするのだ。まったくひどい話である。
医者が医者なら看護師も看護師で、「今朝の食事を教えてください」というから、例によってメカブともずくの混ぜあわせを教えてやると「うひゃひゃひゃ、メカブともずくを一緒に食べるんですか、うひゃひゃ、おいしそうですねえ」と腹を抱えるのである。
まったく困った話である。

もっと困ったのは、三戸だ、三戸。
アルビレックス新潟の三戸ちゃん。
U22の日本代表に選ばれて海外遠征したのはいいが、なんと怪我で途中帰国になってしまったというのだ。詳細は不明であるが、途中帰国ということはかなりの怪我で、完治まで数ヵ月というところではないか。筋肉系の可能性もある。
参ったなあ、やっぱりアルビレックス新潟はこれからたちまち降格圏まっしぐらで、目標はやっぱり残留ということになるのだろう。
だから代表なんかに呼ばれてもいいことは一つもないんだって。
前回も怪我で途中帰国だし、もう日本代表はアルビレックス新潟に手を突っ込まないでほしい。
本当にいい迷惑だ。

と思ったら、今日は代表の試合があったんじゃん。
どうする? と、朝、息子と話す。「いいんじゃね?」と息子。もう最初から代表の練習試合なんて見る気がしないのだ。
そりゃあ森保だしなあ。名波がコーチだなんて舐めすぎにも程があるし。こんなチーム、いったい何を見ればいいってんだ。
そもそもクロアチア戦の、あの醜悪なPK戦の総括をしていない時点でこのチームには愛想が尽きたし、あのときの監督がそのまま監督をしているチームがとてもまともとは思えない。
だからまったく見る気がしなかった。
ヨメはチコちゃんが好きだから、今夜はヨメにチコちゃんを楽しんでもらおう。サッカーは別にいいや。

と思ったら、ヨメはチコちゃんじゃなくて、スケートを見ていた。そうだった、今夜はスケートの決勝だった。
ヨメはスケートが大好きなので、チコちゃんなんかどうでもよくて、スケートを見ていたのである。
せっかくなので息子とオレも一緒にスケートを見ることにする。
韓国人が高得点を叩き出して首位に躍り出て、最後に滑る坂本花織がピンチに陥る。大丈夫か、坂本花織。
その坂本花織は大きなミスをしてしまい、滑り終わった直後には両手で顔を覆って絶望する。だが最終得点では韓国人を大きく上回り、優勝を決めた。
2年連続で世界王者だ。ロシアがいないとはいえ、掛け値なしに偉業だろう。

野球もスケートもよくやった。どちらも世界王者だ。
なのにサッカーは何をしてるんだ。今の代表にはまったく魅力がなくて、見たいとも思わない。変な具合に持ち上げられて、熱も失われてしまっている。


2023.03.23

カスペルおじさんは頑固者


オレはインターネットを始めて以来、プロバイダはずっとソネットを使っている。今はサービスが統合されてNUROになった。
このNUROにはいろいろと言いたいことがあるのだが、まあ、今はいい。問題はカスペルスキーだ。
ご存じのようにカスペルスキーはセキュリティソフトで、NUROの会員は無料で利用できる。これは便利で大変によかった。
ところが今年になってNUROは、このカスペルスキーのサービスをやめると一方的に通告してきたのだ。面倒なことである。

理由は、どうやらウクライナらしい。
カスペルスキーは名前からわかるようにロシア生まれのサービスだ。ウクライナへの侵攻が長引く中、今後、サポートなどがまともに受けられるかどうかが見通せなくなってきたことが、サービス中止の理由のようだ。 なるほど、それならわからないでもない。石油も小麦もみんな止まったのだから、セキュリティだって止まるのだ。
カスペルスキーがなくなって、代わりに始まるのがNURO光Safeという名前のセキュリティサービスだ。これは実はフィンランドのF-Secureというサービスのようだ。

このセキュリティサービスはどうやら仕様がしょぼいらしくて、例えばWebカメラを使った侵入などに対応していない。覗きがし放題ということなのか。酷いな。
なので、ちゃんとセキュリティしたい人はこんなものは利用しないで、別にカネを払ってノートンなどを利用した方がいいらしい。
もっともオレはこんな程度のサービスで十分なので、そのままNURO光Safeに乗り換えることにしたのである。そしてここで問題発生だ。
オレがメインで使っているマシンは、何の問題もなくスムーズに乗り換えられた。

乗り換えられなかったのはサブマシンである。1契約で7つのデバイスまで利用できるので問題ないはずなのだが、どうもサブマシンのほうはカスペルスキーの削除がうまくいかないのだ。
何度アンインストールしてもカスペルスキーが削除できない。専用の削除ソフトをダウンロードして使っても削除できない。
頑固すぎるのだ。カスペルおじさん。
もはやロシアのスパイだったのではないかと疑われるレベルである。
結局諦めて、サブマシンはそのままほったらかしだ。サブだから使うことはないのだが、やっぱりセキュリティだけはちゃんとしておかなくちゃならないから、近々またトライする。手間を考えただけでうんざりだ。


2023.03.22



届いた夕刊を開いたら「痔 世界一」とでっかく載っていた。そんなもんが世界一になるなんて大事件じゃないか。
焦って読み返したら「侍」だった。ホッと胸をなで下ろす。

今日のインタビュー仕事は朝9時半スタートだ。現れたのは20代半ばの若者たち3名。
WBC見てますかと聞いたら全員が「見てます!」との答え。
今決勝やってますけど、見たいですかと聞いたら「見たいです!」との答え。
そうですか、残念ですね、このインタビューが終わる頃には結果が出てるでしょうと諭してあげたら「うううっ」と悔しそうな顔だった。
ニュースでは日本中の人が野球を見ていたかのように報じられているが、そんなことはなくて野球なんか見ないで仕事をしていた人の方が圧倒的に多いのだから、我慢したまえ、若者たち。

戦国武将が「やあやあ我こそは」と名乗りを上げて一騎打ちに向かう様を思わせるから、日本人は野球が好きだという説がある。
「打てないデブはただのデブだ」と言われたデブがホームランを打ち、最後は大谷で締めるなど、まずはめでたい結果でよかった。
ここのところの日本の世相は暗く、うんざりするような事件も頻発していたから、久々の明るい話題にみんな笑顔になれたのはよかった。
こんなに野球が楽しいなら日本のプロ野球でも観に行こうかなと、球場に足を運ぶ人が増えるといいね。


2023.03.21

3割うまい!


イチローの奥さんは栗山監督の元婚約者で、栗山監督の浮気が原因で破談となって傷ついてしまった元婚約者の心を慰めたのがきっかけでイチローが結婚することになったという事情から、イチローに栗山監督の話題はタブーだそうで、こんなにもWBCが盛り上がっているのに不自然なまでにイチローの存在が消えているのはこうした理由のためなのだそうだ。実にわかりづらい文章だ。やはり一文一義でなくちゃ。
知らないこととはいえ、世の中にはいろんな事情があるものである。

本日はお彼岸だ。我が家では車に乗ってお墓参りにでかけた。
車中、テレビの音声だけでメキシコ戦を聞き、墓参り後に嫁の実家で9回表まで中継を見て、そろそろ腹減ったから飯でも食いに出ようか、どうせ試合は負けるに決まってると言いおいて近所の満州に向かった。
満州は安くて旨くて最高である。「3割うまい、ぎょうざの満州」は埼玉県民にはおなじみなのだ。原稿仕事が残っていたから我慢したが、ビールを飲みながら餃子や野菜炒めを味わうのは至福の時間である。

満州で席に座ってすぐに息子が「あれ、逆転サヨナラだって」と声を上げる。んなアホな。
だが本当だった。それまで不振を極めていた村上がここで大仕事。そんな都合のよすぎる話があるか。少年漫画だって都合が良すぎると没になるレベルだろう。
かつて不振にあえぐイチローがここぞという場面でヒットを決めたシーンを思い出すわ。ところでイチローの奥さんはというわけで話は冒頭に戻るのであった。

息子たち世代は野球にまったく関心がなくて、友達の間でもまるで話題に上らないそうだ。
だが息子に言わせると、統計学的に見れば野球というのは実に興味深いスポーツなのだそうだ。なるほど、すべてデータで切り取って成立させられそうだ。戦略だってAIに任せてしまえばいい。
そう気づいた息子はWikipediaの野球のルールに関する項目を何日かかけて読破し、完全にルールを習得したのだそうである。なんだよ、それ。まったく頭のいいやつの行動は理解できない。
ちなみにサッカーのPKは統計学的に見れば、成功の確率はどこに蹴っても結局は同じことらしい。
なんと味気ないことだ。


2023.03.20

下には下がある


アルビレックス新潟のサッカーが想定以上にJ1でも通用し、けっこうな話題になっているのは幸甚の限りである。開幕前、大方の評論家やメディアが断トツの最下位候補、降格候補に挙げたことを思えば、ざまあみろどんなもんだという気持ちにもなる。
だが解説者の播戸は言う。
「アルビレックスのサッカーは素晴らしい。でも最終的には17位」と。
うーん、バンドちゃん、わかってるねー。

素晴らしいサッカーをやっているのは確かだが、しかし通用するのは最初だけ。どうせ対策された夏以降はまったく勝てなくなって降格争いに巻き込まれると、サポーターも覚悟している。
最終的に17位なら問題ない。18位が降格するから、降格さえしなければよいのだ。残留が最大のミッションなのだ。

J1開幕から4試合こそ負けナシで順調に思えたけれど、先日の浦和戦に負けたことで、サポーターは早くもこの世の終わりの予感。
なにしろ次から名古屋、神戸と競合が続き、こりゃあ3連敗も十分にあり得るからだ。3連敗すれば、たちまち降格圏に巻き込まれるのが今のJ1。
一番よくないのは、サポーターが図に乗ってしまったことだ。
例えば浦和戦では試合前に「蹴散らせ」というチャントを歌っていた。
「けっちらっせー、けっちらっせー、手がつけられない」というような応援歌で、これは相手に3点差以上をつけて優位に立ったときに限って歌うというのがお約束だった。つまり年に一、二度しか歌わないチャントなのである。
それを浦和相手に試合前に歌うとか、舐めきっていたと思われても仕方ない。調子に乗るなよとサッカーの神様を怒らせてしまった。

あるいは浦和戦の途中でアルビレックスがパスを回していたときである。小気味よくボールが回り始め、いつつものポゼショナルサッカーの発動と思ったらば、なんとサポーター席からパスに合わせて「オイ!」「オイ!」の声。ご丁寧に太鼓も一緒に「ドン!」と鳴り響いた。
これは実にみっともない応援である。
案の定、浦和サポには「あれをやって勝ったチームを見たことがない」と嘲笑され、その言葉通りにアルビレックス新潟は逆転負けを喫してしまう。
これも調子に乗ってみっともない応援をしたことで、神様を怒らせてしまったのだ。

こんな具合に1つ負けただけでオレたちはこの世の終わりを味わってしまう。
もうだめだ、通用しない。先週まで3位だったのに、今週は7位と急降下だ。きっと来週は12位で再来週は17位に違いない。
オレたちは早くも絶望する。

だがそんなオレたちを支えてくれるのが、下には下があるという底辺チームの存在だ。
最下位の横浜FCは5試合たってまだ一つも勝ってなくて泥沼。さらに泥沼なのが17位の柏レイソルで、なんと去年から15試合勝ちなしが続いているのである。
この底辺2チームの存在が、オレたちの心を癒やしてくれる。まだ下には下があると。
もちろんこんな態度が表に出たらサッカーの神様に怒られてしまうので、注意しなければならないのだが。


2023.03.19

額フェチ


昼に石神井公園駅近くの店で、オレはトンカツ、息子はカレーを食べた。dポイントを使ったら安く済んだのでラッキーだった。

店を出て駐車場に向かう途中、道端におっさんが倒れていた。 ぐだーっと倒れ込んで、ピクリとも動かない。
その隣では別のおっさん2人が何ごともないかのようにしゃべっている。
放っとくか。放ってもいいだろう。
だが万一、重篤な状況だったりしたら、こちらの目覚めが悪い。 仕方なく駅前交番に知らせることにする。善良な市民の務めだ。

ところが訪れた駅前交番の態度がたいへんによろしくない。
男の人が倒れていますよと伝えたのに「ふん」という態度で「何歳ぐらいだ」「服装は」「ホームレスじゃないのか」と畳みかけてくる。まるでオレが尋問されているみたいだ。
さすがに気分が悪くなったので、オレと息子はムッとして立ち去った。
どうも石神井警察はあちこちでいい評判を聞かないが、確かに駅前交番がこんな有り様じゃ推して知るべし。もう二度と教えてやるもんかという気分になる。

「グループサウンズ」近田春夫・文春新書。
グループサウンズとは何だったかを振り返った一冊。なかなか面白かった。
GSでオレが好きだったのはタイガース。小学校4年生か5年生だったと思うが、「シーサイドバウンド」が流行って、えらくかっこいい曲だなと思ったものだった。
あの曲が実は沖縄ペンタで作られていたと書かれてあって、ちょっとびっくりした。
興味深いのはピーこと瞳みのるのインタビュー。渡辺プロはタイガースのメンバーと個別に契約していて、沢田研二だけが突出して高い給料をもらっており、それがメンバー間に疑心暗鬼を生むきっかけとなったそうだ。
2008年にメンバーが再会する際のエピソードはなかなか感動的だ。慶応高校の教師として一切の連絡を絶っていたピーが道玄坂の日本料理屋で旧友たちと再会したときは、何かに利用されるんじゃないかと警戒していたそうだ。
そして2011年にオリジナルメンバーが東京ドームでコンサートをすることになったときは、加橋かつみが最後まで「うん」と言わず、結局沢田研二が執念で首を縦に振らせたという。
オレがタイガースで好きだった曲は「シーサイドバウンド」「青い鳥」「花の首飾り」「廃墟の鳩」といったところか。
高校生の頃、オレは沢田研二のコピーバンドを作って、タイガースのナンバーも演奏していた。「君だけに愛を」ではボーカルの阿久津君が「君だけーにっ」と絶叫して指さすのであった。

「君たちはまだ長いトンネルの中」
加藤小夏を鑑賞するための映画である。
経済学をテーマにした映画なんてなかなか興味深いと思ったから、500円も払ってAmazonPrimeで観た。アベノミクスがなぜダメか、現代貨幣理論(MMT)がなぜ素晴らしいか、財務省がどれだけ悪どいかなどを、女子高校生の加藤小夏が熱弁するのである。
完全に左の人が作った映画だろう、これは。
「MTTは素晴らしい」「じゃなくて、MMT」「MTTじゃ通信会社だね」なんていう寒いギャグもあって、全編、この調子の安い映画だった。映画としてはまったく見るべきところがない。ただ経済学をエンタメ化しようとした志には敬意を表する。息子はちらっと見て、その薄っぺらさに呆れていたが。
もっとも加藤小夏を鑑賞する映画と割り切れば、全編にわたって加藤小夏の額が鑑賞できるので、実に極上である。制服姿で女子高生を演じた加藤小夏はかわええ。素晴らしい額である。前髪なんてうるさいだけだ。額がいいのだ、額が。


2023.03.18

△○△○●8


蛇とマングース、いやいや、蛇に睨まれたカエルか。アルビレックス新潟にとって浦和レッズは天敵だ。
なにしろJリーグでは一度しか勝っていない。あとはずーっと負け。せいぜい引き分け。
数年前、アウエーで浦和と闘って引き分けた際、レオ・シルバが「どうだ、やったぜオレたち」とサポーターに向かって胸を張ってみせた。引き分けなのに。いや、引き分けでも誇らしく思えるほど、浦和は天敵なのだ。
今期ここまで負けなしのアルビレックスは、しかし、そんな過去などにとらわれることなく、自信満々で敵地に乗り込む。オレたちのスタイルはJ1でも通用する。それどころかセンセーションを巻き起こしかけてさえいる。
いずれ対策されて失速するのは目に見えているから、相手が油断している今のうちに勝ち点を稼いで、なんとか残留するんだ。

そんな思いで乗り込んだ雨の駒場スタジアム。
そうである。今日は埼玉スタジアムが工事で使えず、しょぼくてボロくて不便な駒場スタジアムでゲームなのだった。こんなしょぼくてボロくて不便なスタジアムであっても、レッズのサポどもには聖地なのだという。
まったく田舎者には困ったもんだ。
レッズは陰険だから、アウエーのサポに席を売らない。最小限しか解放しない。おかげで駒場スタジアムのアウエー席はたった500しかなく、チケットは凄まじい争奪戦になる。
なにしろ12時発売というのに3秒後には売り切れだ。オレも12時ジャストにアクセスしたというのに買えなかった。まったく田舎者の嫌がらせには困ったものである。
もっとも試合開始時間になったというのにホーム側の席はたっぷりと売れ残っており、試合中も空席が目についた。レッズの人気凋落ぶりは深刻である。なにしろスタジアムに人が来ない。
その理由というのが、コアサポがイヤだからというのだから、根は深い。サポーターが新規サポーターを寄せ付けない理由になっているわけだ。世も末だな。

さてゲームであるが、要するにこれが相性というか、天敵ということなのだろう。
アルビレックスはきっちりとゲーム内容で圧倒するものの、セットプレーからのもったいないミスで失点してしまい、今期初の負けを喫してしまった。本当にもったいない失点だったのだ。あれさえなければ勝ってたのに。
選手も監督も思いは同じで、本当に悔しがっていた。
だが負けは負け。
それに後半はレッズに試合を塩漬けにされてしまったのは、よくなかった。このあたりはさすがレッズの試合巧者ぶりだ。

例えば興梠だ。興梠はディフェンスとボランチの間を巧みにかき回して、ボランチの島田を意図的に食いつかせる。結果、島田と伊藤のホットラインが断絶され、伊藤がまったく生きなかった。
得点源の伊藤を殺すために島田に撒き餌を撒いた、さすが興梠の頭脳プレーだった。
もっとも有名プレイヤーぞろいのレッズに対して、こちらは無名選手ばかり。J1をクビになった選手だらけで、誰もがイマイチである。
そんな落ちこぼれの劣等生たちが、仲間と力を合わせて戦術を覚えて闘って、互角の勝負をしている。そこが嬉しいのだよ、サポーターは。
悔しい負けだが、仕方ない。これを糧にして、また勝てばいい。


2023.03.17

ヒューマン・ルネッサンスは名盤だ


荒井由実やYMOを世に送り出したプロデューサー的な仕事が高く評価されがちな村井邦彦であるけれど、オレは作曲家として筒美京平並みに賞賛されていいと思う。
代表作は「エメラルドの伝説」「翼をください」「虹と雪のバラード」など。赤い鳥の「窓に明かりが灯る時」「美しい星」もそうだ。
名曲ばかりではないか。

先月、日経新聞の「私の履歴書」で村井邦彦が半生を振り返っているのがなかなか面白かった。
タイガース「廃墟の鳩」がヒットしたときは、ナベプロの社長に「あなたがグループサウンズを終わらせたんだ」と文句を言われたらしい。こういうエピソードにはニヤッとしてしまう。
個人的には「美しい星」は計算されすぎというか、狙って作り込みすぎた感じがして、あまり好きではない。
でも「ざんげの値打ちもない」も村井邦彦の作品だと聞くと、なんという振り幅の作曲家なんだと驚いてしまう。
なお「ざんげの値打ちもない」と「石狩挽歌」の2曲を持ち歌にできた北原ミレイは、歌手として実に幸せ者なのではないか。

村井邦彦は「マイウェイ」「フィーリング」の版権を買って大ヒットさせるなど、ビジネスのセンスにも長けていた。このあたりの感性は、六本木のいわゆるキャンティ人脈に共通のものだろう。
田舎者のオレにはとてもまぶしい、しゃれたセンスの持ち主で、ただ仰ぎ見るだけである。


2023.03.16

大手町はラビリンス


オレがインタビューするときは、99%が初対面だ。だからお互いにそれなりに緊張している。
緊張の度合いは、お互いの関係やインタビューに至る経緯、その場のファシリティなどで様々である。
例えばメガバンクの本社高層ビル最上階の役員特別会議室なんていうところでインタビューするとなると、インタビューされる側も自分の会社なのにそんな部屋に入ったことはないから、かなり緊張するわけだ。

今日もこれだった。メガバンク本店最上階の特別会議室。皇居を見下ろし、大手町を見下ろす会議室だ。
さすがにオレは場数を踏んでいるし、年齢も重ねたので、ほとんど緊張することはない。いや、今日は緊張というよりも焦りだった。
そもそも時間ギリギリの到着予定だったことに加え、場所が思っていたのと違ったから、あたふたしたのだ。大手町で軽く迷子である。
とにかく大手町の再開発は凄まじく、地下に入ろうものなら途端に方向感覚を失う。自分が今皇居に向かって歩いているのか、東京駅に向かっているのか、さっぱり見当がつかないのだ。そりゃあ迷子にもなるべ。
焦って地下を歩き回ってなんとか現場へ到着したら、開始時間が遅れたと聞いて事なきを得る。天は常にオレの味方なのだ。

いや、言いたいのはそんなことではない。緊張しているという話である。
初対面でのインタビュー、しかもギャラリーが10人もいる特別会議室だ。なんで10人も立ち会うのかよくわからないが、立ち会う人が多ければ多いほどありがたさも増す場というのもあるのだろう。
場数と年齢を重ねたオレは、ちっとも気にならない。何しろ昨日は若いお母さんとその子供たち40人ぐらいを前にギターを弾いて踊っているのだ。あの容赦ない視線と傍若無人の暴れっぷりを目にすれば、特別会議室のギャラリー10人なんてどうってことはない。

いやいや、話がどうにも矮小化してしまうなあ。オレが言いたいのは一般論なのだ。
初対面同士の緊張の場で、柔らかな空気をつくるのもインタビュアーであるオレの仕事である。オレはそれを、アレンジャー時代に学んだ。
レコーディングスタジオはだいたいが張り詰めているものだけれど、その中で制空権を握らなければならないのがアレンジャーなのだ。制空権を握るには先手必勝。誰よりも先に発言し、誰よりも先に笑いを取り、誰よりも腰を低くする。
制空権を握れないレコーディング失敗するし、制空権を握れないインタビューも同様だ。

そんなふうに空気をつくろうと企むときにありがたいのが、例えば今やっているWBCである。
今なら、WBC見てますかと問えば10人が10人、「見てます見てます」と乗ってくる。ヌートバーいいですねえと重ねると「いいですいいです」と返ってくる。これで空気は一気に暖まり、2人は旧知の間柄のように距離を縮めるのだ。
もちろんWBCだけではない。サッカーのワールドカップも同様だし、ちょっと前ならオリンピックが格好のネタになった。
オリンピック見てますかと投げかければ、「見てます見てますスケボーの女の子が」と話は勝手に広がっていくのだ。

こういう具合に制空権を握るための武器となるようなイベントが、普段から開催されていれば助かるのだが。 それはともかくとして、WBCは盛り上がってますねえ。日本、おめでとうございます。オレはちらちらとしか見てないけど。長いんだもん。だはは。


2023.03.15

ショート? ロングだろう


最近なんだかよく眠れないんだよね。
クルマを運転しながらオレは、助手席のアンドーくんに話しかける。今日はアンドーくんと一緒に朝からバンドの演奏なのだ。さいたま市の児童センターで、乳幼児の親子向けのコンサートがある。

アンドーくんはオレの言葉に、「ふーん」と気のない返事をする。ショートスリーパーだから、よく眠れないという感覚がわからないのかもしれない。
アンドーくんは依然として4時間とか5時間しか寝てないのか、とオレは問う。
「そうだよ。最近は2時間や3時間ということもあるよ」とアンドーくん。
げ、2時間? 3時間? マジかよ、ありえないだろ。
「そんなことないよ。だいたいそんなもんだよ」
じゃあ、アンドーくん、夕べは何時に寝たんだ。
「11時とか11時半ぐらいだったかな」
で、何時に起きたんだよ。
「えーと、2時頃だったかな」
げえ、そのままずっと朝まで起きてたのかよ。
「うん、寝てないよ。意識は失ったけど」とアンドーくん。
は?
「目が覚めて何時だよと思って時計を見たら2時で、それから意識を失った。でも寝てないよ」
何を言っているのだ、君は。それを、「寝た」と言うのだよ。
「いいや、寝てないよ」
それからどうしたんだよ。
「次に目が覚めたら4時で、まだ4時かよと思ったら意識を失った。でも寝てないよ」
いやいや、だからそれを「寝た」と言うんだって。
「いや、寝てないよ、意識を失っただけだよ」
アンドーくんはかたくなにそう言い張るのである。以前からショートスリーパーだと言い張っていたが、その真実はこれだったのか。あまりのことにオレは呆れてしまった。

家に帰って早速ヨメにそのことを伝えたら、「そうか、これからは居眠りしても、寝てたんじゃなくて意識を失ってただけって言えばいいんだ」と開眼した様子だった。


2023.03.14

かすみさん


「日本の電機産業はなぜ凋落したのか」桂幹・集英社新書。
日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」が人気なように、人の失敗した話というのは誰もが好きである。
これは東芝やシャープやパナソニックといった電機産業がどうしてダメになってしまったかを分析した本。たいへんに興味深いのは経済学者や評論家ではなく、凋落させた張本人の一人であることを自覚した経済人が、自戒の念を込めて書いていることだ。つまり著者はグローバル企業の事業責任者だった人。
よって非常にリアルで面白い。
例えばこんなくだりだ。
事業計画を確定させていく重要な会議で、台湾市場で安い光ディスクが出回り始めて困っているという営業責任者の指摘に、製造責任者は「台湾? 心配いらないよ。やつらにはちゃんとした品質のモノなんてつくれないよ」と余裕の笑みで答えたのだった。
もちろんその数年後に台湾製品に市場は席巻され、このグローバルメーカーは当該事業からの撤退を余儀なくされる。
その会議の場に実際にいた著者だけに、この迫真の描写にはドキドキしてしまう。なんというアホなことをしてたいんだ。
著者はその一件に企業の慢心を見る。デジタル化の本質が何かということを見誤り、アジアで努力する新興メーカーを小馬鹿にした態度が、数年後の凋落を招いたのだ。
そして「台湾メーカーはちゃんとやるべきことをやっていた。日本はちゃんとやるべきことをやっていなかった」という女性研究者の発言を紹介している。なんという皮肉だろう。

こうした調子で日本の電機産業が凋落していった原因を整理し、糾弾する。あるいは猛省する。「誤認」「慢心」「困窮」「半端」「欠落」など、その原因をまとめた単語はなかなか辛辣だ。
そして著者は「平成に働き盛りを迎えた私たちは、昭和の時代から絶好の形でバトンを受けながら、うまく令和に渡すことができなかった」と悔いる。これはそのまんま、オレたち世代の反省の弁。オレ自身の悔恨でもある。
平成元年には世界のトップ50社のうち日本企業が32社もあったのに、平成の終わりには1社しか残っていなかった。その事実がオレたち世代を厳しく追い詰める。
経済学者でも評論家でもない、現場で働いていたビジネスマンが述べたリアルな敗戦の弁だ。非常に含蓄に富んでいる。

「ちひろさん」
有村架純主演の映画だ。Netflixで観た。有村架純が元風俗嬢で今は弁当屋でバイトするお姉さんを演じているので話題になっている。
感想はというと、非常に退屈だった。物語は少しも動かず、何の事件も起きない。ただ淡々とした日常が描かれているだけだ。あまりに退屈だからよっぽど投げ出そうかと思ったが、とうとう最後まで観てしまったのは、ひたすら有村架純を鑑賞したかったからだ。

有村架純は、ちょっと前までは可愛いだけで売っていた女優だった。本人もそれを自覚し、なんとか演技派へ脱却しようともがいているのだろう。例えば「前科者」でも好演だったように、演技力は素晴らしくついたと思う。けれど何を演じても有村架純ちゃんになっちゃうんだよねえ。その点ではとても不思議な女優だと思う。 壁を破ろうと本人は濡れ場にも積極的に挑戦している。
「花束のような恋をした」では菅田将暉と一緒に風呂に入ってイチャイチャするシーンがあったし、「前科者」でもきわどいシーンがあり、「ちひろさん」ではより直接的なベッドシーンまであった。なんたるサービス精神。オレは口笛を吹きながら有村架純の濡れ場を楽しんだのである。
退屈極まりない映画ではあったが、カメラワークはとてもよかった。オレはこういう落ち着いたカメラが好きだ。手持ちカメラは嫌い。


2023.03.13

霊能者デビュー


赤坂で飲んだ。
港区である。それだけで恐ろしい。
会計の金額を見て、腰を抜かす。もちろん奢りだ。オレが払える限界を遙かに超えている。
ありがたくご馳走になる。

一行は2軒目に向かう。恐ろしい。赤坂で2軒目だぞ。
もちろんオレは帰ろうとしたのだが、強引に拉致られてしまう。やばい。これはやばい。
2軒目はお前が払えと言われたら言い逃れができないではないか。家族にひもじい思いをさせてしまう。
おとなしく2軒目に連れていかれるふりをしたオレは、バーの入り口に足を踏み入れた瞬間、だ、だめだ、ここはだめだ、とても入れない、お、恐ろしいと、店内にとりついた霊の姿を目撃した振りをし、一行が凍り付いている間に逃げ出した。じゃあねっ。
作戦は成功し、オレは赤坂で2軒目という破滅の道から引き返すことができた。恐ろしい体験だった。

赤坂見附の駅からよれよれと地下道を歩いてオレは永田町駅の改札までたどり着き、そして電車の中で息子にLINEをして駅まで迎えに来てもらったのだった。


2023.03.12

勝利を祝してサッポロビール


穏やかな日曜だ。
午前は息子と一緒に、昨日のアルビレックスのゲームを見返す。
午後は他のJ1とJ2のゲームをDAZNで見て過ごす。
札幌がマリノスに何もさせないで圧勝したのには驚いた。オールコートマンマークの極端な戦術が、こんなにも効くなんて。もしかして今年の札幌は強いのかも。
昼は新しくできたちゃんぽん屋に行った。けっこううまいので気に入っている。アルバイト店員は全員大学生。きぴきぴ動き、ニコニコと元気がいいので、とても気持ちがいい。

息子に教えられてマイナポイントのキャンペーンに乗っかったところ、PayPayに1万5000円も振り込まれていた。税金がこんなことに使われているのか。
ありがたく頂戴し、ちゃんぽん屋で支払う。
帰りにスーパーのサミットに寄って、ここもマイナポイントのPayPayで支払う。
続けてウエルシアに寄って、洗剤やトイレットペパーを買う。こちらもマイナポイントのPayPayだ。今日は全部マイナポイントのPayPayで支払ったので、懐がまったく痛まなかった。

ウエルシアのレジで精算が終わったら、ヨメが「今の子が」と目配せしてきた。
ああ、今レジに立っていた女の子がそうなのかと、オレもすぐに思い至る。
うちの近所に住んでいて、ママ友で、子どもの幼稚園も一緒だったお母さんの娘さんだ。このお母さんは、数年前に若くしてがんで亡くなってしまった。息子さんがうちの息子と同い年で、ちょうど高校受験の時だった。
ヨメはお葬式に行ってきたけれど、息子さんが気丈に振る舞っているのが痛々しくて、何の言葉もかけられなかったそうだ。
あのとき、中学生だった娘さんが大きくなって、今こうしてウエルシアでアルバイトをしている。
お母さんは無念だったろうなあ。大きくなって、こうして働く姿を見たかったろうなあ。
娘さんも息子さんも、お母さんを亡くした後、頑張って乗り越えてきたんだろう。
そんな思いが一度にわいてきて、なんだかとても切なくなる。

夜、静岡まで出かけていた娘が、帰ってきた。新幹線の切符も、ちゃんと浜松駅で買えたと嬉しそうだった。
「いつもいただいてばかりなので」と娘は、お土産に買ってきたうなぎパイを隣のワタナベさんちに届ける。
ヨメがつくってくれた、娘の大好物のハンバーグを食べながら、オレはサッポロビール(アルビレックスのスポンサーだ)を飲んで、こうして穏やかな日曜の食卓を家族で囲めることに感謝する。


2023.03.11

△○△○8


去年、アルビレックス新潟がJ1昇格を決めた試合は、ホームのビッグスワンで観戦した。こんな特別な日には現地にいなくてはならないと思ったのだ。
見事に昇格を決めてからJ2優勝を決めるまでの3試合、多分今が幸福感の絶頂にあると思っていた。J1に上がったらどうせボコられる。

J1のスケジュールが決まってその思いは確信に変わり、開幕5試合で勝ち点ゼロ。初の勝ち点は7試合目の福岡だろうなあ、せいぜい。そんなことになっても恨むまい。J1の舞台に連れてきてくれた監督と選手に感謝するのだ。
でもきっと心の中では、J2のほうが楽しかったと思うんだろうなあ、と覚悟していたのである。

それがどうだ。
驚くではないか。
なんと開幕4試合で負けナシの勝ち点8。
しかも暫定とは言え2位。
しかもしかも今日はあの川崎に勝ってしまったのだ。
それも相手のミスによって偶然入った1点を守り切ったとか、PKで得た1点を、とことこドン引きして守り抜いたとか、そういう試合ではない。堂々と正面から渡り合って、内容で圧倒して勝ったのだ。
ほとんど世間的には知られていない選手ばかりのアルビレックスが、有名選手ばかりの川崎を圧倒したのである。
オレは仰天した。

MVPは両サイドの藤原と渡邊である。
藤原はアルビレックスで人気No.1の右サイドバックだ。オレもこのプレースタイルは大好きだ。
J3でキャリアをスタートさせて、上のカテゴリーに引き抜かれたのではなくて、自力でチームを昇格させてつかんだJ1の舞台である。ここで藤原は川崎のマルティネスや佐々木に完全に勝ってみせた。個人として圧勝したのである。
伊藤と小島に続き、藤原も見つかってしまったようだ。

左サイドバックの渡邊もMVPだ。
かつてあまりのへっぴり腰でびびりゆえに、半ば懲罰的に金沢へレンタル移籍させられた渡邊は、戻ってきてからもしょぼいプレーの連続でサポから叩かれ続けた。オレはわりと好きな選手だから応援していたが、それでも、もうちょっとなんとかならんかと思っていた。
それがゴメスの怪我による代役出場とはいえ、あの家長とマッチアップすることになったのである。オレはそのことだけでも満足し、少しでも成長の糧にしてくれればと思ったものだった。

それがなんということだ、どんなマジックがあったのか、家長と堂々と渡り合って、しかも得点では家長からのパスを潰してアシストにつなげているではないか。
オレは心底驚いた。いったい何があったのだ。田中達也が魔法をかけたのか。
かつてのびびりはどこへやら、渡邊はまったく恐れることなく家長と対峙し、勝ってみせたのである。
いやはや、恐れ入りました。

新聞各紙を見ると、アルビレックス新潟が勝ったというより川崎が負けたという論調が主だ。仕方ないだろう。だがこれからはその論調をひっくり返してみせるぜ。
いやいや、まだ4節。図に乗ってはいけない。調子に乗るんじゃない。
そうは思うものの、今踊らなくていつ踊るのさと、やっぱりニヤニヤしてしまう。
なんということだ、去年の昇格が幸せの絶頂と思っていたら、それ以上の幸せが待っていたとは。
さあ、次は浦和だ。

夜、WBCの中継で映ったスタンドの中に、「亀田製菓」の文字が。なんとアルビレックス新潟のサポーターが、ユニフォームを着て侍ジャパンを応援していたのである。
新宿で川崎戦のパブリックビューイングがあったそうで、勝利の嬉しさのあまり、そのまま駆けつけたということだろう。
アルビレックスユニフォームが一瞬バズり、そして亀田製菓は大喜びだ。


2023.03.10

ナイスガイ登場


一週間前まではほとんどの日本人が知らなかったのに、今やトレンドトップに来るほどに有名になったヌートバーについては、ルフィーと並んで早くも今年の流行語大賞確定という説まで出ているという。
確かにかっこええなあ。欠点ないだろ。完璧すぎる。「日本人に好かれる要素を全部持っている」と息子が言うとおりだ。
センターライナーをダイビングキャッチしたのにもしびれたが、デッドボール食らって鬼の形相で睨みつけ相手をびびらせたのは最高だった。こりゃネトウヨが大喜びなのも当たり前だ。

というわけでヌートバーがナイスガイだったのはいいとして、やっばり野球は長い。長すぎる。
オレは我慢して7回ぐらいまで見たが、とうとう辛抱できず寝てしまった。サッカーなら優に2試合はできる時間だ。
時間短縮のためにいろいろと工夫はしているようだが、それがかえって仕掛けの趣を削いでしまうようなところもあって、微妙だ。この長時間化をなんとかしないと、ファンは増えないだろうなあ。

息子や娘の世代では、野球はほとんど見ないらしい。「ルールを知らないヤツも多い」とは息子の言葉で「野球の話題なんてさっぱり出ない」とは娘の弁。ルールを知らないヤツには、娘も含まれている。
もっとサクッと、せめて2時間以内に終わるようにしてほしいものだ。


2023.03.09

サッカーは国を滅ぼす


かつて日本にはプロスポーツと言えば大相撲とプロ野球しかなく(プロボクシングはイベントでプロレスは芸能だった)、オレたち昭和の子どもは風呂場にまでラジオを持ち込んで実況中継に耳を傾けるなど、実に真剣にプロ野球に夢中になったものだった。
時はV9。読売巨人軍は圧倒的な大正義で、「巨人の星」がそれを後押しし、民放チャンネルが1つしかない地方では巨人以外はプロ野球にあらずだった。

オレが初めてプロ野球を生で見たのは、中学校に進学する年の春休み、東京の親戚を訪ね歩いた際に後楽園球場へ連れて行ってもらったときだった。カードは巨人-南海のオープン戦。
叔父の発案だったか、父の頼みだったか、定かではないが、プロのアスリートといえばジャイアンツの選手だった時代に、子どもたちに最高のエンタを見せてやろうという配慮だったのだろう。

そんな子供時代だったから、大学進学で東京に出てきて、青年コミック誌である「ビックコミックオリジナル」で「あぶさん」を目にしたときは、こんな漫画が成立するのかと衝撃を受けたものだった。昭和にも巨人以外のコンテンツがあったのである。
そのインパクトもあり、巨人を応援するなんてガキだというひねた感情もあって、オレは日本ハムを応援することに決めたのである。ファイターズのファンクラブにも入った。
親友のヤマグチ君は、お父さんが近鉄電車に勤めていることもあって当然のことながら近鉄バッファローのファンだったから、オレが同じパ・リーグのチームを応援するというのは案配がよかった。当時の近鉄は西本幸雄監督の全盛期。その強敵に挑む3番手チームという日ハムの立ち位置も、なかなかバランスよかった。
そんなヤマグチ君とオレを見て、宮城県出身のコンノ君が「パ・リーグなんか見て面白いのかよ」と鼻で笑っていたのを思い出す。コンノ君はとことんスノッブで、骨の髄から保守だったのだ。

当時の日ハムは新人の木田勇介とアンダースローの高橋直樹が快刀乱麻。ばったばったと三振の山を築き、ソレイタとクルーズという大砲が豪快にホームランをかっ飛ばしていた。
オレはちびっ子トリオと呼ばれていた高代と島田と、もう一人誰だったか忘れたけれど、要するに小さくて俊敏に動く守備の達人たちが気に入っていた。
青とオレンジの帽子をかぶって後楽園球場にもよく通ったものである。チケットは場外でうろうろしていたダフ屋から調達した。800円の自由席が300円で売られていたのである。要するに大量にばらまかれたタダ券を仕入れて、格安で売っていたわけだ。

先日オレは少年野球のコーチを長年務めているという人にインタビューした。
コーチは、おそらくサッカーを念頭に置きつつ、野球というスポーツがいかに教育上素晴らしいかと語ってくれた。
野球ほど細かくルールが定められたスポーツはないので、試合をしながら子どもたちはルールを守ることの大切さを学んでいく。ルールが厳格に定められているので、その中で勝っていくには、頭を使わなくてはならない。ルールで接触が厳しく制限されているから、相手を怪我させることもなく、正々堂々と闘うことを覚える。 うーん、やっぱりサッカーをディスりながらしゃべっていたんだ。
確かにサッカーの強い国は治安が悪い。サッカーが教育上よろしくないのは確かなようである。亡国の競技であるのかもしれない。

昭和の時代に後楽園教場に通い、日ハムに声援を送ったオレとしては、まったく野球なんて見なくなった今も、応援するなら日ハムという思いがどこかにある。だからダルビッシュ有や大谷翔平なんて怪物が活躍するのを見ると、我がチームもたいしたもんだと少し誇らしくなる。

それにしてもWBC初戦は、くっそつまらんかったな!
中国がフォアボールを連発したかと思ったら日本はノーアウト満塁で1点しか取れず、2回も満塁でスリーアウト。野球のつまらんところばかり凝縮したような退屈なゲームだった。
一応大谷翔平は見ておくかと思って我慢して見てたので、投手が交代した瞬間にチャンネルを切り替えたぜ。 なんつー塩ゲームだったんだ。


2023.03.08

ウルトラQは日曜夜のお楽しみなのだ


アルビレックスにとって大きな悩みの種が「ゴメス問題」である。
ゴメスとは、キャプテンの堀米雄斗のニックネームだ。堀米雄斗とは、東京オリンピックのスノーボードの選手と同姓同名ということで、J2のサッカー選手なのにインスタのフォロワーが一気に何倍も増えたというエピソードの持ち主である。エピソードというか、もらい事故だな。

その堀米雄斗は、サイドバックとしての卓越したスキルと戦術眼に加え、熱いキャプテンシーでサポーターから圧倒的な支持を得ている。ゴメスというニックネームは前所属の札幌時代からの呼び名で、ゴメス自身、移籍した当初から「ゴメスと呼んで」と言っていたものだ。
ではこのゴメスの何が問題なのかというと、今シーズン、新しく加入したブラジル人選手がダニーロ・ゴメスという名前なのである。こちらはもちろん本名。
まずい、これではゴメスが2人になるではないか。
堀米のほうのゴメスは「ゴメスの名は渡さない」と牙を剥き、ブラジルのゴメスは何が何だか訳がわからないという顔をして笑っている。
幸いなことにブラジル人ゴメスはどうも実力がよくわからず、練習を見る限りハズレではないかと噂されていた。サポーターは「ダニー」とか「ダニーロ」と呼んでいて、我が家では「ダニゴメ」だ。これなら本家ゴメスの名前も安泰ではないか。

ところが今日のルヴァンカップの福岡戦、途中からダニーロ・ゴメス、略してダニゴメが出場したのである。 幻のブラジル人の初のお目見えである。
どうせハズレだろうとさして期待もせずに眺めたのだが、ところがどっこい、これが大当たりではないか。足は速いし、シュートはうまいし、サボらずにちゃんと守備するし。これで23歳。
オレたちはちょっとびっくりしたのである。
ダニゴメ、イケるんじゃね?
本家ゴメスは名前を奪われてしまうかもしれない。ピンチである。

ところでゴメスと聞いて甦る古い記憶がある。そうである。ウルトラQだ。
視たのは小学校2、3年生の頃だったと思う。
ウルトラQの記念すべき第一回に登場した怪獣がゴメス。田舎の洟垂れ小僧だったオレにとって怪獣ゴメスはとても恐ろしい存在で、2歳下の弟に、もう二度とウルトラQなんて番組を視てはいけないと命じたものだった。
だが続く第二回の放送が「五郎とゴロー」というタイトルで、こりゃお笑いに違いないと思ったオレは、やっぱり視ていいと弟に許可を出し、そしてその後も続けて一緒にウルトラQを視るようになったのである。
怖かったなあ「悪魔ッ子」。

なお肝心のゲームだが、一部の選手のパフォーマンスが酷くて福岡にあっさりと0-1負け。新井とか渡辺巧とか。どうすんだ、一体。
まあ、カップ戦だからこんな程度のゲームでもしょうがねえと諦めるが、ダニゴメは大きな収穫だ。


2023.03.07

ゼリヤこそ大正義


今日は珍しく昼から家族がそろったので、昼飯にサイゼリヤに行った。
毎度のことながら、サイゼリヤのコスパは衝撃的である。大人4人で食事して3150円。
ランチのセットではなくて、全部単品の注文だ。しかも店員が「隣のテーブルくっつけましょうか」と聞いてきたほど、テーブル一面に並ぶ大量の注文である。
それで1人800円弱というのだから、一体どうなっているのだと心配になるほどである。

サイゼリヤの隣りにあるのが回転寿司の銚子丸である。銚子丸はお高めであるが、美味い。たいへんに美味い。今日もサイゼリヤにするか銚子丸にするか、迷って結局サイゼリヤにした。
最近、銚子丸は「もう回しません」と宣言して話題になった。もともと銚子丸はオーダーして握ってもらうことがほとんどなので、状況が大きく変わることはないだろう。それでも回転寿司が回転しないというのは、ちょっと寂しい。
美味しいお寿司をいっぱい食べて、そろそろ帰ろうか、いや、もう一つつまみたいなあと逡巡したとき、向こうからアジが流れてきたりすると、おおアジだとつい手が伸びる。これが楽しいのに、残念だ。
銚子丸はカウンターに板前がずらりと並んでいるので、いたずらはしづらいはずだ。それがこうまで大胆にシステムを変えるということは、以前からタイミングを測っていたのだろう。
今や注文して握るほうが主流て、かつフードロス対策によるコストダウンを考えれば、確かに回転しないでオーダー方式に切り替えるのもアリだと思う。

夕方、息子が「タリーズで勉強してくる」と言うのにあわせ、オレも駅前へ行った。オレはやきとん屋の「かぶら屋」である。優秀な息子とアホな父親の見事な対比。
「かぶら屋」はだいたい週イチだ。ここも安い。そこそこ飲んで食って、一人2500円。カウンター客の中には1500円ぐらいでさっさと立ち去る人もいる。
気楽なのもいい。ほとんど立ち食いそば感覚だ。
今日もカウンターに座り、買ったばかりの「Gスピリッツ」のアントニオ猪木追悼特集を読みながらビールを飲む。この雑誌も一時の勢いがなくなった。古い記者や関係者に声をかけて「あのとき実は」みたいな話をさせるのだけれど、昔話ばかりでうんざりしてくる。かといって新しいプロレスの話をされてもちんぷんかんぷんなのだが。わはは。
タリーズで勉強中の息子の姿を眺めながら千鳥足で帰り、そして風呂に入って極楽気分のオレなのだった。


2023.03.06

パンツ問題


NHKの朝ドラ(まいんちゃんも立派に育ったものだなあ)の後が「朝イチ」である。博多大吉や博多華丸や鈴木菜穗子なんかが出ている番組だ。
今日のテーマが、台所の布巾。
布巾がいかに雑菌まみれで不衛生か、どうやったらちゃんと清潔に保てるかという内容で、平日の朝にふさわしい穏やかな情報番組だった。
途中、布巾はどうやって洗うかという話になり、洗濯機に入れる際は「旦那のパンツからなるべく離してる」「でも一緒に入れたら結局は同じですよね」「ぎゃははは」という展開になった。

これを見たネットがちょっとざわついて「わかるー」「ウチも別に洗ってる」「全然気にしない」と意見は様々だった。
驚いたのが、上着、下着、タオル、体操着など細かく仕分けして、だいたい7回から8回に分けて洗濯しているという人がいたことだ。おいおい、一日中洗濯機回してるのかよ。ここまでくると強迫神経症じゃないかと疑ってしまう。
ではオレんちはというと、何でもかんでもまとめて洗濯機にぶっ込んでいるので関係なし。水と電気と時間がもったいないのでできるだけ回数を減らそうと詰め込みすぎて、洗濯機はいつもがったんがったんと大きな音を立てながら暴れ回っている。
先日はどういう具合か知らんが、水があふれてしまった。

高校生の娘が旦那のパンツと一緒に洗濯しないでくれと言うので困っている、というような話は昔からよくあった。幸い我が家はそんなことはまったくない。
そもそも布巾ごときのために洗濯物を仕分けるなんて面倒くさいよなあ。


2023.03.05

踊るインド人


ここのところ、鼻水がひどい。鼻ばかりかんでいる。一日にボックスティッシュ一箱を消費する勢いだ。
つらいのは寝ているときである。鼻が詰まって目が覚めて、大量に鼻をかんで布団に潜るも、うとうとしかけた頃にまた鼻水が出るという状態だ。
時々、大きなくしゃみも出る。連続して出る。
もちろんオレは花粉症などではない。風邪だ。風邪なのだ。あるいはコロナなのだ。
今日もボックスティッシュを抱えながら過ごし、鼻にスプレー薬を突っ込んでプシューッとやって過ごすしかない。

「きっと、またあえる」
インド映画だ。何の事前情報もなく、Amazonでぼけっとして観た。格別に面白い映画とは思わなかったが、なぜだか最後まで観てしまった。インド映画ってそんな不思議な魅力がある。
大学の寮で仲良しだった仲間たちが、仲間の子どもを救うために数十年後に再会し、青春時代を振り返るという話だ。
学歴社会で階級社会でもあるインドは自殺大国でもある。受験に失敗すると未来を否定されたような気がして、自殺するケースが多い。コメディでもあるこの映画でもそんなシーンが描かれているし「きっとうまくいく」でもそうだった。このあたりの死の描かれ方の軽さもインド映画の特徴。
話のテンポが良く、ギャグも効いていて、2時間半の映画なのにだれることなくさくっと観られる。見所は学生時代と中年時代の演じ分け。それぞれ違う役者が演じているのだが、これが実によく似ていて、よくもこんなに似ている2人を探してきたものだなあと感心する。
もちろん物語はハッピーエンドに終わり、最後はお約束の全員でのダンスでフィナーレ。インド人はこのダンスシーンがなければ我慢できないのだろう。
邦題はあの「きっとうまくいく」にひっかけたのだろう。確かに似たようなテイストの映画だ。もっとも中身は「きっとうまくいく」の圧勝だ。


2023.03.04

△○△5


J1昇格組が残留できるかどうかの目安は、開幕5試合で勝ち点5とされている。
だからアルビレックスが3試合で勝ち点5というのは、上出来なのだ。実際、開幕5連敗も覚悟していたから、望外の喜びである。
だが毎試合20以上シュートを撃たれ、3試合で合計60本ものシュートを浴びているというのは、まったく笑えない。もちろんリーグ断トツでワーストの数字だ。

それでもマリノスなどと並んで無敗4チームの一角にいられるのは、ひとえに神キーパー・小島おかげである。文字通りの守護神だ。
今日も小島でなければ、2-5で負けていただろう。それぐらい相手に圧倒されている。前節の広島戦の後半からこの悪い流れが続いており、もはやサンドバッグ状態。それでも息絶え絶えながら勝ち点を挙げられているのは、ひとえに神キーパー以下同文。
理由はわかる。アルビ潰すにはマンマークすればいいのだから、今日の札幌のように肉弾戦を挑めば簡単に剥がせるし、奪えるのだ。それに他チームが気づいてしまったので、去年秋田に苦戦したのと同じで、フィジカル勝負を挑まれて負けてしまっているのだ。
力蔵監督は「力には技で対抗すればいいんだ」と言っていたが、今日の試合後は「そんなに甘いものではなかった」と反省を口にしている。
マンマークでフィジカル勝負を挑まれているから、キーパーからのビルドアップも簡単にできず、前線でキープできないからボランチと守備が疲弊して緩くなってしまう。それでもなんとか踏みとどまっていたのは、ひとえに神キーパー以下同文。

まあしかし、選手個々ではJ2中盤クラスだ。それなのに優勝してJ1に復帰できたのは、世界第2位のパスサッカーのおかげ。広島の応援に行った初心者女子サポが帰りには「アルビファンになっちゃった」と言い、川崎のラーメン屋でサッカー談義していた川崎サポが「新潟のサッカーはおもしれえ」と褒めていたのも、独特のポゼショナルサッカーのおかげだ。
見ていて楽しいサッカーなのである。正しいサッカーなのである。だから肉弾戦で弾き飛ばされてボロボロになろうとも、このサッカーを磨き続けていくしかないのだ。
ちなみに件の川崎サポは、新潟のサッカーを褒めちぎったその後に、浦和の悪口で盛り上がっていたそうである。

今年のJ1降格は1チームだけ。だから最下位にさえならなければなんとか残留はできる。その意味で3試合5点はまったく悪くない。実によくやっていると思う。
それでも今日のような試合を見ると、先行き真っ暗。ちっとも希望が持てなくなる。
どうすりゃいいんだ。


2023.03.03

猿か、SARUか


「タンゴくんはギターが弾けるんだから、タイプもすぐにできるよ」。ヤスコはそう言うのであった。
ヤスコはキャリアウーマン志望だったから、経済学部だったにも関わらず英文タイプの授業を履修していた。
将来のことなど何も考えていないオレは、英米文学科だったにも関わらず英文タイプなんて頭にのもなくて、ヤスコの言葉に「そうか、だったらいつでもできるようになるじゃん」と得心した。例の、オレはまだ本気を出していないだけ理論を地で行ったわけである。
あのときヤスコの言葉に従ってちゃんと英文タイプの授業を履修しておけば、今もってこんなにタイピングに苦労することもなかったのになあと後悔するオレであった。

社会人としてのキャリアのほとんど、40年ほどを、ワープロやパソコンのキーボードを叩くことで過ごしてきたというのに、オレはいまだにブラインドタッチができない。
それどころか人差し指と薬指の二本指打法だ。よくもこれで文章を書いて禄を食んできました、てへっ、と言えたもんだと我ながら呆れる。
小指なんてめったに使うことがなく、だってギターも右手の小指は使わないじゃんね、と開き直る始末である。
ブラインドタッチはできないから目は常にモニターとキーボードを行ったり来たり。おかげでタイプミスはするわ、それを見逃すわ、疲れるわ、サボりたくなるわで大変である。

もっとも学生時代に英文タイプを習っていたら、オレは間違いなくローマ字入力になっていたはずだ。
実際には、ずっと一貫してひらがな入力である。
日本語で考えて、日本語で書くのだから、日本語で入力するのが当然じゃんという理屈である。これはこれで筋が通っているだろう。
相手に向かって「この猿!」」と毒づくとき、頭の中はSARUではなく「さる」という言葉が浮かんでいるのだから、やはりひらがな入力が自然ではないか。
そんなの慣れの問題だと言われそうであるが、日本語で書く仕事をしていると、やはりひらかな入力がノーストレスである。
そして今もこの文章を、左右計4本の指をえっちらおっちら使って、書いている。

オレに英文タイプを勧めたヤスコは、大学を卒業して、どこかの化粧品会社だったかのコピーライターになった。ヤスコもやっぱりローマ字入力だったのか。日本語書くなら日本語で入力したほうがいいんじゃね、と聞いてみたい気分である。


2023.03.02

東男に京女


今日は朝から新幹線に乗って京都日帰りである。
京都まで行ったのに日帰りなんてもったいないと思う人は多いようであるが、オレはまったくそうは思わない。
京都なんて用が済んだらとっとと帰りたい。一秒たりとも長居をしたくない。どうしても泊まらなくてはならないのなら奈良まで行く。いや、奈良まで行くくらいなら浜松あたりまで戻った方がいい。

京都は観光で食っているくせに観光客を小馬鹿為して見下している。そういう態度が気に入らないのだ。観光客の落とす金にあぐらをかいて、財政破綻寸前だそうであるから、いい気味である。
閉鎖的で高慢というイメージはまったくその通りであり、いけず石はその象徴である。
京都駅について在来線で1駅。目的地に降り立ったら、寒いのなんの。底冷えがする。ますます京都が嫌いになった。とっとと仕事を片付けて一刻も早く立ち去りたいものである。空気を吸うのもイヤだ。

社会人1年目の女子にインタビューする。もちろん京都の女だ。
名刺を交換したら、この女子が「えーっ」と目を丸くした。どうしたどうした。東京人が珍しいか、この田舎もんが。
「私の実家、京丹後なんです」と女子は言う。
えっ、どすえって言わないのか。君は。
いやいや、そこではない。なんと京丹後の出身だったのか。

「だからお名刺を見て驚きました。タンゴっていう名字の方がいらっしゃるんですね」
なんでも昔は丹後町というのがあって、それが合併して京丹後になったという。いま丹後町と入力したら単語帳に変換されて、軽くずっこけた。
そそ、そうなのか。おじさんは新潟の出身なんですよ。
「へえー、じゃあ祖先は日本海を船で北上していったんでしょうねえ」と京女。
そうなんだよなあ。確かにそういう話もあるんだよなあ。ということは、オレの中にはわずかながらも京都の血が流れているということなのかなあ。
「両親が還暦なので、今度家族で食事に行くんですよ」
や、やっぱり君の両親はオレの年下だったか。珍しいことではないが、これにはいつもがっくりしてしまう。とほほ。
オレは仕事をさっさと片付けて、そそくさと帰るのだった。


2023.03.01

確定深刻な日々


驚くべきことにと言っていいのか、奇妙なことにと言うべきか、いやいやそこはありがたいことと感謝すべきだろうが、ここ6、7年、年間の売上高がほとんど変わらない。
今年も、というか確定申告に備えて2022年度の売上も固まった。それを見るとやはり去年、一昨年と大きく変わっていないのである。多少の増減はあるものの、誤差とまでは言わないがたいしたことのない数字だ。

これだけ売上が一定していると、なんだか神の意志でも働いているのかと思ってしまう。No God but God。すべては神の思し召し。
いやいや、神は苦痛の度合いを測るコンセプトに過ぎないのだとジョン・レノンも歌っているではないか。神は祈るものに対して圧力を掛けたと、ポール・サイモンも歌っているではないか。

オレのような請負仕事をフリーでやっているものが、毎年ほとんど一定の売上を維持しているというのは、実に信じられないことである。なぜなら完全に受け身での仕事だからだ。今年は頑張ろうと決めても客が「しらねーよ」とそっぽを向けば仕事は発生しない。
もちろんこれでいいと思っているわけでは断じてない。
毎年売上の大幅アップを狙っているし、何だったら2倍、3倍になってくんねえかなとも思っている。忙しすぎてもう仕事なんていらないなんて、一度でいいからニヤニヤしながら嘆いてみたいものだ。
それなのに今年はもっと頑張ろうと初詣で固く誓った年でも前年とほとんど変わらない結果に終わってしまうのである。
嘆くのではなくて、ここはやはりありがたく感謝すべきところだろう。

ここまではなんだか自慢話に聞こえるかもしれない。もしルフィーに見つかったら、ちょっとマズいことになるかもしれない。
だがちょっと待て。ちょっと待てルフィー。先を読めばとても我が家に押し入ろうなどとは思わないはずである。
なぜならば売上が毎年一定しているというのに、可処分所得、つまり実入り、要するに手取金額は毎年どんどん減っているのである。そりゃもう凄まじい勢いで減っているのだ。
要するに税金や保険などの社会保障費の負担がとんでもないことになっているのである。
今では売上の半分近くが社会保障費で、要するに売上が変わらなくて社会保障費が増えていって、さらに子どもたちが成長して学費も膨大な額になり、加えてここのところの値上げラッシュだから、もう家計はとんでもないことになっているのである。

この惨状にオレは我が手をじっと眺め、ここは共産国家か、ソ連かとつぶやくのである。
神にでもすがりたくなろうというものだ。


2023.02.28

国粋主義者はそばを食わない


立ち食いそばが好きだ。今は月に2、3度というところだが、独身時代はそれこそ毎日のように食べていた。 好きなチェーンはゆで太郎、小諸そばだな。
「入場料を払って入る場所にある飯屋に当たりナシ」と言ったのは浅田次郎だったか、定かではないが、確かに駅の改札内にあるそば屋より、改札外のほうが美味しく感じる。
もっとも京急品川駅構内にあった立ち食いそば屋は例外で、改札の中にあるにもかかわらず、実に旨かった。天ぷら類が絶品であった。残念ながら去年、駅構内改良工事に伴って閉店してしまったが。

世に立ち食いそばファンはけっこう多く、ネットには立ち食いそばマニアのスレッドまである。のぞいてみると、実にどこの店も旨そうだ。
都内の一番人気はどうやら日暮里にある立ち食いそば屋らしく、げそ天そばが絶品らしい。この店は立ち食いそば屋であるにもかかわらず開店時から行列が途切れることはないとのこと。客の回転が速いからそんなに待たされることはないだろう。
それでも行列してまで食べたくなる立ち食いそばとは、なかなかそそられる。並ぶ気はないが。

さて、そんな立ち食いそば屋での話である。
場所は池袋。丸ノ内線改札前にある大江戸そばでの、先日の出来事だった。
その日オレは移動中にサクッと昼飯を済ませようと、この立ち食いそば屋に向かっていた。この店は、つゆは旨いが、麺はイマイチ。息子によれば「ご飯ものは酷い」ということになるらしい。
そばだけそそくさと食べて昼飯を済ませる分には、可もなく不可もなくというところだろう。

店の駅前でオレは食券を買おうとした。かき揚げそばにコロッケ、というのがオレの黄金定番である。
ところが券売機の前には見知らぬオッサンが憤然としてたたずんでいた。なんだかぷんすか怒っているふうである。
そのおっさんの後ろにオレは立ち、順番を待つ。すると突然そのおっさんが振り返ってオレに食ってかかる。 「どうしてここに日本語がないんだ」

へ? なんだって?
ちょっとびっくりしたオレは、おっさんの指さす券売機を眺め、そして言わんとしていることを理解した。券売機のパネルには「English」「中国語」「韓国語」という表示があって、表示されている言語を切り替えることができるのである。
さすがダイバーシティとかインバウンドとかバリアフリーとか。

おっさんは、このパネル表示に日本語がないということに憤っていたのである。もしかして国粋主義者なのか。
でも、おっさん、パネルの表示はデフォルトが日本語だから、日本語の切り替えボタンがないのも当然では。 オレがそう答えたら、おっさんは「あっ」と言って固まり、そしてばつが悪そうにそそくさと立ち去ったのである。なんだ、そば、食べないのかよ。

オレはスマホをかざしてSuicaで食券を買い、そして可もなく不可もないそばを食べて、取材先へと向かったのであった。


2023.02.27

しーすーまいうー


今日は30代後半のITエンジニア2人にインタビューした。2人とも今年に入って会社に出てきた回数は2回。つまり「出勤するのはせいぜい月に1回ですね」というわけで、後は在宅勤務である。
もちろんそれで何の問題もなく仕事はまわり、そして大手町の高層ビルにある広々としたオフィスは常にガラガラだ。月の家賃は億を下らないだろうなあ。

家賃もそうだが、出勤が月に1度となって変化した一つが、名刺を使わなくなったということだ。初めて会うのもリモート。そりゃ名刺交換なんてするわけがない。
そうした行動様式の変化が浸透してきたのだろう、リアルの対面でも名刺交換は一気に減ってきた。
昔だったら初回会合となったら、全員が一斉にわいわいがやがやと名刺交換したものだ。儀式だな。
今やこんなことはめったにない。キーマン同士が名刺交換して、あとは口頭で名乗って終わりである。ずいぶんすっきりする。
もちろんこれで何の不都合もないから、これでよいのだ。
名刺屋が商売あがったりでかわいそうであるが、まあそういう時代だ。

大手町からの帰り、池袋で息子と待ち合わせて寿司屋に行く。以前イームラくんに連れていってもらった、昭和の寿司屋だ。
ちゃんとした職人かちゃんとした寿司を握る。時代が変わってもこういう店はなくなってほしくない。


2023.02.26

△○4


久しぶりに息子と一緒に銭湯に行った。数年ぶりじゃないかな。
まだ陽のある夕刻である。街はすっかり春めいてきたので、車で行くならもうコートはいらない。
銭湯は今いくらかと思ったら500円もする。学生時代には150円ぐらいだった記憶がある。500円「も」と書いたが、水道代や燃料代がとんでもないことになっているらしいので、経営は厳しいだろうなあ。この銭湯が頑張って続けられているのも、地主としてアパートをいくつか経営しているからだろう。
大きい湯船はやっぱり気持ちがいい。熱いお湯も気持ちがいい。
家の風呂はささっと上がるが、銭湯だとじっくり湯に浸かるので、体のぽかぽか具合がたまらなく気持ちいい。やっぱりたまには銭湯だねえと、息子と話す。

なんで思い立って銭湯に来たかというと、勝利のお祝いである。祝杯だ。祝湯だ。
J1に昇格して2試合目。今日の相手は昨年3位の広島だ。この強豪を相手にアルビレックスは見事に勝ちきって見せたのである。
仰天した。腰を抜かした。終了の瞬間、オレも息子も「勝ったどー!!」と吠えた。
断トツの最下位候補に挙げられてのシーズン突入のアルビレックス。それがどうだ、セレッソ、広島という競合に1分1勝だ。
アルビレックスのサッカーは実に独特である。1試合のパスの本数は、あのマンチェスターシティに続いて世界2位だ。
1位 マンチェスター・C(イングランド) 754本
2位 アルビレックス新潟(日本2部) 713本
3位 ベンフィカ(ポルトガル) 708本
4位 パリ・サンジェルマン(フランス) 693本
5位 マッカビ・テルアビブ(イスラエル) 682本
6位 リヴァプール(イングランド) 675本
:
18位 横浜F・マリノス(日本) 631本
20位 川崎フロンターレ(日本) 630本
この数字の通り、今日もアルビレックスはパスを鬼のようにつないで相手を混乱させる。アナウンサーは「こんなサッカーは観たことがない」というぐらいに驚き、広島の選手も戸惑っている。
そんな前半にきっちり2点を決めて、後半は逃げ切ったのだ。

正直に言ってオレは、第6節まで6連敗もありうると思っていた。7節の福岡戦でようやく勝ち点が取れるのではないか、と。6戦で勝ち点6が取れているというのが考えられる最高のシナリオだと思っていたのである。
それが2試合だけで勝ち点4。6連敗なんてとんでもない。
選手は「このサッカーがやりたい」といって移籍せずに残ってくれた。監督は去年から「オレたちはJ1に残るためのサッカーをしている」と言い続けた。
選手も監督も自分たちを信じて、自分たちのやり方を貫こうと決めていたのに、サポーターが一番それを信じていなかったのだ。すまんかった。選手たち。申し訳なかった。オレたちが節穴でした。
選手1人ひとりをみればJ2中位クラスとさえいわれている。それが組織の力で堂々とJ1の5位に分けて3位に勝った。素晴らしいことではないか、皆の衆。
オレは吠え、そして感動する。
今日の結果を受けて順位は6位だ。断トツの最下位候補が6位だぞ。わはははは、この世の春。

もちろん課題は多い。
今日の後半のように相手が守備を捨てて前掛かりになり、右から左からとクロスを叩き込んできたときに、ひたすら耐え忍ぶしかないというのは大きな課題だ。ここで一発、ロングカウンターを決められればなあ。
ただ息子はこう見ている。ビルドアップを捨てて防戦一方の道を選び、耐えきってみせたと。
つまりこれによって前半は自分たちの得意なポゼショナルで点を上げ、後半は相手に合わせてロングフィード主体のサッカーに切り替えるという、勝ちパターンがつくれたというわけだ。おお、なんという気分のよさ。監督の松橋力蔵は名将ではないか。
というわけで貧乏クラブのアルビレックスとしては、本気で選手と監督が引き抜かれることを心配しなくてはならなくなった。松橋力蔵と伊藤涼太郎をセットでマリノスに抜かれたらオレたちは終わりだ。松橋に至っては代表監督にという声さえある。
まあ、代表に呼ばれたらしたかない。諦める。だが同じJリーグのクラブだけは勘弁してくれえ。
と、そんな自虐ギャグを言えるのも気持ちよく勝ったからだ。幸せなことだ。
これでオレは今週も一週間、頑張れる。
次はいよいよホームだ。


2023.02.25

劉さん「中国に来てくだチャイナ」
王さん「私は台湾に行きたいわん」


サッカー場の半分ぐらいの広さの畑が、いつの間にか住宅地になっていた。
この辺では珍しいことではない。なにしろ練馬区。畑はたくさん残っているし、相続で巨額の相続税が払えずに打ってしまったという話はごろごろしている。我が家自体が、同じ流れで売却された畑の一部に建てられた建売住宅だ。
今回の土地も同様だろう。ブドウの木などが植えられていた広い畑だった。
強い春風の季節には土埃で閉口させられたにもかかわらず、なくなったらなくなったで「畑がなくなるのもさびしいねえ」という声もある。今回も似たようなものだったろう。

だが土地が売られて畑が整地され、真新しい建売住宅が20軒ほど完成し、新しい住民が暮らし始めた頃になって、近隣の人々は仰天した。なぜならその建売住宅に掲げられた表札のほとんどが「劉」や「王」だったからである。つまり突如として中国人村が出現したのだ。
いったいどういう背景で中国人ばかりが暮らす建売住宅が出現したのか、さっぱりわからない。中国系の不動産デベロッパーが土地を買って中国人向けに商売したということなのか。

もちろん違法ではないし、中国人だからといって犯罪者集団でもない。そんなことはまったくない。それでもやはりちょっと不気味さは残る。なにしろ沖縄で中国人が島を買ったとか、北海道や新潟で中国人が土地を買い占めているとか、そんなニュースが流れる時代だ。
もともと練馬区のこの一帯では外国人はほとんど見かけない。都心から外れた田舎であり、特に便利でも派手でもないからだろう。だから唐突に中国人村が出現したことには大いに違和感があるし、ちょっとびびる。
近くには息子と娘が卒業した小学校があるので、ここに大勢の劉くんや王さんが入学するのだろう。先生方も身構えているかもしれない。

1人ひとりの中国人はいいやつが多い。オレも仕事で接する中国人はみんな常識人で、いいやつだ。何だったら関西人のほうが鬱陶しいくらいである。
だが国となると途端に威圧的で周囲を不愉快にさせるのがあの国。1人ひとりはいいやつとわかっていても、その背後についあの国の姿を浮かべ、こちらも身を固くしてしまう。
完全に合法的に出現した中国人村に対して排他的な視線や行動は許されることではない。それでも近隣の人たちは「ぎょっ」と驚いている。龍角散も買い占められちゃうし。


2023.02.24

春は揚げ物


久しぶりに銀座で仕事だ。 銀座がいいのは夏の早朝で、次が早春の午後。今日はだいぶ春めいていたので、街全体がぼんやりとしていて、なかなかいい感じだった。この緩い空気は大好きである。
おかげでオレの頭もすっかり緩くなり、帰ってきて仕事をする予定が、つい昼寝をしてしまった。
いかんなあ。
でも昼寝は気持ちいい。かといって起きたらバリバリと仕事にかかるかというとそんなことはにくて、しばらくゴロゴロするのだった。


2023.02.23

朝から生姜焼き


今日は大阪日帰りである。
せっかくの祝日だというのに、早朝から新幹線だ。
混んでいる。祝日というのに、いや、祝日だからか、混んでいる。いいことだ。新幹線が空いていると日本も元気がなくなる。

早く着いたので八重洲地下街で朝食にする。
豪華かつ美味な朝食を食べさせるので有名な店があるのだ。「初藤」という居酒屋である。
7時の開店と同時に行ったら既に10人ほど行列していた。だが店内が広いのでサクサクと進み、ほとんど待つことなく席に着く。食券式だ。
ハムエッグ定食か、鮭定食か迷い、せっかくなら朝から豪勢にいこうかと考えて生姜焼き定食にする。850円だ。
そうである。朝から生姜焼き定食がちゃんとあるのである。味噌汁、小鉢2つつき。ライスは大盛り無料。
オプションで納豆や冷や奴も頼めるが、やめた。ライスも半ライスである。
店のおばちゃんたちがとにかく元気である。朝から元気である。朝飯屋はこうでなくちゃ。

木曜日の祝日ということで金曜日に有給を取れば4連休になるからか、今日の東京駅はスノーボードをしょったグループがやたらと目に付いた。この朝飯の店にも団体客が多く、「12人で」という客も来たのだが、おばちゃんたちは「あいよっ、12名様っ」と元気に明るく捌いていく。
一方で丸の内に休日出勤のOLふうが1人で静かに鮭定食を食べていたり、遠出するふうの熟年夫婦が豚汁定食を食べていたり。
この店、東京駅で朝飯を食べるなら絶対のオススメである。
難点は7時開店なので早朝の出張の時には間に合わないということだな。

大満足の朝食を堪能し、新幹線に乗って新大阪。エクスプレス予約を使っているので、朝食が終わった時点ですぐに乗れる新幹線に予約を変更する。これは超便利だ。
新大阪から京都線で岸辺という街へ行く。さっぱりわからない。ここがどういう街なのか。大阪の北側なのでコテコテというよりあっさりの大阪なのだと思うが、それでもド関西。毒気に当てられてぐったりと疲れて16時。帰ることにする。

新大阪に向かう電車の中で再びエクスプレス予約で、今から乗れる一番早い新幹線に予約を変更。新大阪駅のホームは、東京に帰る修学旅行生であふれていた。
元気な高校生たちの姿に、ようやく修学旅行ができるようになってよかったなあと思う。京都、奈良を巡って、新大阪から帰るのか。
オレの娘は結局修学旅行に行けなかった。体育祭も文化祭も一度きりである。
オレの娘だけでなく世界中がそんなだったから恨みも嘆きもなくて、ただひたすら残念と思うだけだ。こうして今の高校生たちが修学旅行を楽しめるようになって、何よりである。
先行き短い高齢者の命を守るために、経済を回す健康な若者たちに行動制限を強いたという側面があったのは確かで、やっぱり大変によくないことだったと思う。

品川で降りて山手線に乗り換え、池袋で西武線に乗り換える。急行なのにガラガラだ。祝日だから空いていたのか。いや、祝日なのに空いているのか。よくわからない。
駅を降りて、駅前の焼き鳥屋に寄る。安くて簡単な「かぶら屋」だ。最近はここばかりである。立ち食いそばみたいな簡単さがいい。
居酒屋と言えば、先日の虎ノ門の官僚居酒屋はよかったなあ。時々思い出して、また行きたいなあと振り返っている。オザキ、また連れてってくれ。というかオレが勝手に行けばいいのだけれど。
サクッと飲んでサクッと焼き鳥食って、サクッと帰る。今日の大阪での取材そのものはちっとも難しくなくて、原稿の大枠は既にできているところに加えて確認のコメントを取りに行くようなものだったから簡単だったのだが、やっぱり移動は疲れるので、ちょっとぐったりする。
風呂に入っている間に息子と娘が帰ってきたので、お互いにどっちも「おかえりー」と言いながら、オレは布団に直行だ。

「ひこばえ」(上・下)重松清・朝日文庫。家族小説というジャンルを確立した重松清の作品だ。この作家を読むのは久々だ。
以前はしょっちゅう読んでいたが、だんだんと「どうだ、うまいだろ」という匂いが鼻につくようになって読むのをやめた。例えばNHKの「チコちゃん」が「どうだ、面白いだろ」とぐいぐい押しつけてくるのに似た感じである。
重松清は短編が多い。だいたい起承転結のワンパターンで、話の展開がわかりやすい。例えばこんな具合。
【起】回転寿司しか連れて行けないさえないお父さんが、一念発起、奥さんを銀座の寿司屋に連れていった(久兵衛か?)
【承】慣れない高級店で、店の大将にも常連客にも小馬鹿にされる(やっぱり久兵衛だ)
【転】実は奥さんは丸の内で秘書をやっていたので、やって来たお偉いさんのこともよく知っており、そのことに気づいた店が急にぺこぺこする
【結】客を見て態度を変えるのは最低と啖呵を切って高級店を後にし、仕切り直しで地元の回転寿司に立ち寄って「やっぱりここでパパと一緒に食べるお寿司が一番」と笑ってハッピーエンド
という感じだ。適当に思いだして創作したので、この通りの筋書きではないが、まあ、こんな感じだ。こういう形を持っているから安心して読めるのは確かである。
この長編は、人の「老い」について真正面から切り込んだ作品だ。親が老いていくこと、自分が老いていくこと、仲間が老いていくことなどを取り上げ、老いることと人生を改めて考えさせる内容である。朝日新聞の連載というから、ははあ、なるほど、朝日らしい内容だ。
起承転結の起はよかったのだが、物語が転がり始めてから、ちょっといろいろと鼻につくようになる。なにしろ登場人物が全部好人物で、無償でいろいろと尽くしてくれ、クセのある人間は心を入れ替え、そしてすぐに感動するのである。こんな調子のいい人間ばかりじゃねえよ世の中はと思っちゃうわけで、こうなるともう物語には入っていけなくなってしまう。こういうところがこの作家の持ち味と言えば持ち味なのか。オレはもう重松清はいいかなあと思ってしまった。


2023.02.22

君とか子とか


先輩に対して「くん」という呼び方をするのは、SMAPの香取慎吾がスマスマで木村拓哉のことを「木村くん」と呼んでいた影響だというのが定説である。
その説が本当かどうかは知らないが、サッカーの世界では既に当たり前。ピッチを離れたときのコミュニケーションは「くんづけ」で先輩を呼ぶのが普通になっている。
ピッチでプレーしているときは、どう呼んでいるのだろう。

かつて中田英寿はカズだろうがゴンだろうが、ピッチでは呼び捨てにしていた。プレーする上で年上年下とか先輩後輩とかはまったく関係ないからだ。
「日本の社会で先輩を呼び捨てにするなんて許されませんよね。ましてやスポーツの世界で」と中田はニヤッと笑ったそうだが、このあたりは偽悪者らしい振る舞いだ。でもピッチで先輩後輩は関係ないというのはまったく正しい。
本田圭佑がワールドカップの解説で「三笘さん」「田中さん」と若い選手を「さんづけ」したのが新鮮だったけれど、「親しい間柄でない相手を“さんづけ”するのは社会人として極めて当たり前」という本田の言い分は実にごもっともだ。

もっともビジネスの現場では、先輩への「くんづけ」はほとんと聞かれない。まだまだ「さんづけ」が当たり前で、「くんづけ」で呼ぼうものなら常識知らずの無礼者と叩かれる。
代わりに気になるのが「子」という言い方である。主に後輩、それも若手に対してよく使われる。学生などに対してもだ。
例えば「あの子たちをどう教育していきますか」「どんな子に部下になってほしいですか」という感じだ。
ごく当たり前のように使われているけれど、オレはやっぱりちょっと違和感を抱いてしまう。学生だろうと新人だろうと、立派な大人に対して「子」はないよなあ、と。オレの頭は古いのだろうか。

この流れで突然思い出したのだけれど、ある会社の社長にインタビューした際、「どんな人材を求めますか」と聞いたら部屋の空気が変わったことがあった。そしてその社長は突然キレたように「社員は材料なんかではない」と口走り、それについての自説を蕩々と語り始めたのである。
この社長はアメリカ人であった。
ははあ、めんどくせえ外人と思った。
誰もお宅の社員が材料だなんて思っていないし、単なる記号じゃねえか、人材という言葉は。中途半端に日本語の意味をとらえて面倒な話に引き込むんじゃねえよ。オレは仕事で聞いているんだ。
もちろん大人であるオレはお説ごもっともと拝聴し、とっとと答えろよと腹の中で毒づきながら、どんな方を求めますかと言い直して話を元に戻したのであった。


2023.02.21

永遠のダスティ・ローデス


そば殻枕に変えた。とても快適である。
オレは硬くて高い枕が好きなので、低反発の低い枕はあんまり合わなかった。よく眠れるからというサイトの声を信じて8000円もする低反発枕を使っていたのだけれど、2000円の安いそば殻枕のほうがずっとよく眠れる。

枕は高ければいいというものではないようだ。この場合の高さとは、もちろん価格のことである。
睡眠障害なのかどうかわからないが、ここのところ眠りがあんまり上手にできない。
どういうことかというと、寝て4時間くらいしてトイレに起きた瞬間、実にすっきりしてお目々ぱっちりなのだ。再び寝ようとしても寝付けず、そのまま朝を迎えてしまうことも多い。
熟睡できているなら短時間でもかまわないだろう。
そうは思うものの、4時間睡眠だとさすがに日中、眠くなる。やはり最低でも6時間は寝ておきたいと思うのだ。
なんでこんなことになるかというと、やはりCPAPのおかげで熟睡しているからだろう。一方で睡眠が下手になってきたから寝付けないのではないか。加齢か。加齢による睡眠障害なのか。

もちろん夢も見る。
今日の夢は、プロレスラーのダスティ・ローデスと一緒にトレーニングすることになり、「ロー!」「デス!」「ロー!」「デス!」という掛け声とともにランニングしたというものだった。
あんまりな夢に、目覚めてしばらくオレは布団の中で呆然とする。言葉も出ない。

睡眠障害はうつ病の第一歩と聞いたことがある。嬉しくない。
だからちゃんと寝なければと思って、枕を変えてみたのだ。硬くて高い、オレ好みのやつに。これが快適でよかった。この場合の高いは、もちろん物理的な高低差のことである。
あとは睡眠の質を高めるとかなんとか宣伝している乳酸菌飲料を寝る前に飲むようにした。これは案外いいかもしれない。ぐっすり眠れるようになった気がする。スパシーボ効果かもしれないが。いや、それはロシアだ。プーチンだ。正しくはプラシーボだ。
たまに朝まで目が覚めないでぐっすり眠ることがある。これは実に快適だ。甘美さ、この上ない。毎日こうだとありがたいのだが。


2023.02.20

あの人はもう思い出だけど


練馬区在住で一番有名な人が松本零士だった。
というか隣町に暮らしていたから、オレたちにとっては地元のちょっと有名なおじさんという感じだった。
神社の小さな縁日でもよく目撃されていたし、大泉学園駅(発車メロディーはスリーナイン!)前の喫茶店の常連だったりと、日常的に地元になじんでいた人だった。

地域のイベントにも気安く参加して、名前も貸してくれたようである。
電気自動車関係のイベントではオレの娘がメーテル役の衣装で参加し、松本零士と一緒にステージに立った。似たようなイベントが他にもあって息子も松本零士と一緒に参加していて、これを引き合いにしてヨメは「ウチの子供たちは松本零士と2回共演したざますよ」とえばっている。共演と言えるのだろうか。まあいいや。
そんな具合に割と地元になじんでいて、まったく気取りもなく、普通の穏やかなおじさんという感じだった。
あの好々爺とした姿を知っているだけに、例の槇原敬之との盗作裁判の好戦ぶりがちょっと結びつかなかった。まあ、いろいろと腹に据えかねるところがあったのだろう。

松本零士と言えば「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」だが、オレにとっては「男おいどん」だ。高校時代に漫画を読んで、その不思議な世界観に惹かれたものである。いま調べたら、最初のヒット作だったらしい。
サルマタケとかのアホらしいギャグ路線が当たったというのに、「銀河鉄道」に一気に路線変更したわけだから、たいしたもんだ。
あとは学生時代にビッグコミックオリジナルで読んだ「ザ・コクピット」シリーズが印象深い。読み切りの不定期連載で、なんだかとても宇宙ロマンに満ちた作品だった記憶がある。

特に深い思い入れがあるわけではなく、近所のよく知っているおじさんが亡くなったような感覚だ。練馬区の名誉区民だったそうである。
大泉学園駅前には鉄郎とメーテルの銅像があるのだが、今日、誰かが花束を捧げたとのことだ。きっと大勢の人に愛されたんだろうなあ。

「人生オークション」原田ひ香・講談社文庫。不倫して刃傷沙汰を起こした親戚のおばさん。そのアパートの部屋にあふれるガラクタの処分を手伝うのが、就職に失敗した姪っ子。オークションでどんどんいろんなものを断捨離していく話だ。もう一つの短編は、付き合っているのになかなか結婚に踏み切らない彼についての話。この彼が実に不器用なのである。生前に口にしては祟られてしまうという「諱」のエビソードが面白かった。原田ひ香、これはなかなかの作品であると思うよ。
なのに解説者が「お話づくりが上手で、若干深みに欠ける」なんて書いている。評論じゃなくて解説なんだから、読後にしらけさせるようなこと書くなよなあと思う。とよく見たら解説者はあの斉藤美奈子じゃないか。斉藤美奈子なら辛口も仕方ないか。というより、斉藤美奈子にしては緩い解説だなあ。なんだかあんまり似合わないなあ。
斉藤美奈子は、「諱」のエピソードを取り上げて「彼」は在日コリアンではないかと推理している。なるほど、確かにそういう読み方もあるのかと納得。


2023.02.19

闇と魔境


日曜日は嫁にも休息日としたいから、朝食はオレが適当に見繕ってくることにしている。前日に地元のパン屋でパンを買ってくるとか、朝、コンビニへおにぎりやサンドイッチを買いに行くとか。
6時過ぎに家を出て、早朝の畑の中を車でのんきに走っている時間は、けっこう好きだ。練馬だと空気も済んでいるし、家々も落ち着いている。
コンビニでいろいろ見繕って買うと、大人4人の家族だから、2000円は行ってしまう。げ、高い。高いが、こんなものだろう。おにぎり2つで、今や400円近いんだし。

とにかくいろんなものの値上がりが凄まじいわ。
スーパーでもいちいち金額を確かめて買うようなことはしていないものの、レジの自動精算機に表示された金額をを見ると、いつもぎょっとしてしまって、クレジットカードを出す手が震える。今日なんか震えるあまりカードがうまく読み取れなかったみたいでエラーになって、店員を呼ぶ羽目になってしまった。行列のおばちゃん、ごめんよ。
物価高はとどまるところを知らないのだろう。デフレには何一ついいことはないので、インフレ基調なのは歓迎したい。でも実際にその渦中にいると厳しいのだ。
回り始めた経済がうまく所得に跳ね返ってくるまでのタイムラグが切ないのだろう。

オレがコンビニから買ってきた朝飯を食って、家族はそれぞれ出かけていった。嫁は地元のよさこいに、娘は大学のサークルに、息子は渋谷へ「RRR」を観に行った。「RRR」は2回目である。「何度見てもおもしれえ」と興奮しながら息子が帰ってきたように、問答無用のエンターテイメントだよなあ。
あの映画を見ると、インドという国の底しれぬ恐ろしさを感じる。間違いなくこれからはインドの時代だ。
民族の対立や宗教の対立、何よりもカースト制度など、伺いしれない闇は多いようだが。この映画も、そうした闇を知ってから見ると、いろいろと興味深いらしい。

家族が出払った日曜の午後、オレは原稿を片付けて、そして一人でJ2のゲームを見る。町田対仙台だ。町田の監督は青森山田の監督だった人で、高校生相手からプロ相手に変わったということで興味深い。
それにしても町田は、サイバーマネーに物を言わせて、ミシェル・デュークにエウベルにと、とんでもない補強で、異次元のチーム。それでも仙台に勝てないのだからサッカーは面白い。
その後、熊本対栃木を見る。新潟からレンタル中のキーパー藤田が栃木で先発出場だ。ゲームは後半ロスタイムに栃木が同点に追いつくというスリリングな展開で面白かった。
現時点で首位は藤枝。むむむ、相変わらずJ2は魔境である。


2023.02.18

J1上等、殴り込め!


しまった。やっちまった。
今日はアルビレックス新潟が6年ぶりにJ1で闘うという記念すべき日である。それなのにすっかり忘れていた。ハーセさんのイベントがモロかぶりであるというのを。

ハーセさんは学生時代の先輩で、北陸で広告会社の社長をやっている偉い人だ。
毎年東京で北陸関連のイベントを開催しており、オレたち後輩もその動員にかり出されている。
コロナでここしばらくイベント自体がお休みだったけれど、今回3年ぶりに開催の運びとなり、おお、それはめでたい、よかったですねハーセさん、というわけでオレも動員協力で駆けつけることを約束していたのであった。
それなのにその約束自体をすっかり忘れており、アルビレックスの試合が近づいていることにワクワクビクビクする日々を過ごしていたというわけである。そしてハッと思い出したのが昨日。
しまった。やっちまった。
というわけである。

一計を案じたオレは、早めに会場に駆けつけて、ハーセさんに挨拶して動員協力したという証拠だけは残し、とっとと立ち去ることを計画した。こうすれば他の連中に会わずに済む。
そうである。面倒なのはハーセさんではない。ハーセさんにとってオレは動員協力の1人過ぎない。むしろ他の動員協力メンバーがやっかいなのである。
動員メンバーのほとんどがオレの学生時代の先輩たち。ステキなお姉様たちも多い。
このイベントでは毎回このステキなお姉様たちに囲まれ「あーら、タンゴ君、お久しぶり。私はねえ」「あーら、お元気? 私ってねえ」「あーら、タンゴ君いくつになった? 私なんて孫がねえ」という攻めに遭うのである。

そこで今年は例年より早く突撃し、とっとと帰ってくればアルビの試合にも間に合うし、お姉様方に囲まれて逃げられなくなるということもないわけだ。窮地に陥ったオレが編み出した苦悩の一策は、実に名案。
早速オレは行動に移し、今年の会場である有楽町の東京フォーラムに向かったのだった。そして会場でハーセさんを発見した途端、仰天する。なな、なんということだ、先輩たちは既に集結しているではないか。
そうである。ステキなお姉様お兄様方もそろそろ60代終盤から70代。アラセブンティである。当然朝は早く夜も早くて、常に予定より2時間前に到着するという習性なのである。
結局オレは手もなくお姉様方に囲まれ、まさに蜘蛛の巣に絡め取られた哀れな蝶々。もだえ苦しむのであった。
それでも一瞬の隙を突いてメッシのように体を反転させたオレは、ハーセさんに、またねー元気でねーと挨拶し、電光石火で地下鉄に飛び乗ったのである。お姉様方の「ちっ、逃がしたか」という歯がみが聞こえるようで、恐ろしかった。

さてこうしてピンチを切り抜けて、オレは息子と心穏やかにアルビレックスの試合を迎えることになった。
6年ぶりのJ1の相手はセレッソ大阪である。優勝候補の一角と目される強豪だ。
いやあ、やばいなあ。とても勝てる気がしない。0-5でボコられてもおかしくないわ。オレはおびえる。

そんなオレたちサポーターは、試合開始の2時間前に発表されたスターティングメンバーを見て目を剥いた。
なんと! まんま去年、J2で優勝したときの先発メンバーなのである!
これには心底驚いた。そして開き直った。
どうやらアルビレックスの監督と選手たちは、去年J2で優勝したサッカーそのままをやるつもりのようだ。去年自分たちが積み上げてきたものを、もっと言えばその前のプッチ監督時代から3年間かけて積み上げてきた自分たちのサッカーを、そのままJ1でやろうとしているのだ。
サポーターは、去年のサッカーが果たして通じるのかとびびっているのに、当の監督と選手がまったくびびらず、自分たちの積み上げてきたものを信じて突き進もうとしている。
J1上等、殴り込んでやれ。
その心意気に打たれ、オレたちも開き直ったのである。

先発メンバー11人のうちJ1でそれなのり経験をもっているものは1人だけ。残りはJ1未体験か、J1で通用せず戦力外にされた選手ばかり。
評論家から最下位候補と目されるのも当然だし、他チームはアルビレックス戦をボーナスステージと見下している。
上等だ。上等じゃないか。その見下されたチームのまま、オレたちは自分を信じて殴り込んでやる。

そんな強い心は、ゲームが始まってもまったくぶれなかった。オレはその姿に感動する。
まったく臆することなくJ1優勝候補のセレッソにぶつかっていく。ガチ勝負だ。逃げない。引きこもりサッカーの塩試合で引き分けを狙うのでもない。弱者のサッカーではなくて、完全に真正面からガチンコの勝負を挑んでいるのだ。
セレッソと言えば、香川だ。ヨーロッパのビッグネームが古巣に帰国したというので、メディアも大騒ぎ。途中で出場したら、案の定、スタジアムも大きなどよめきだ。
その香川に対してJ2上がりのアルビレックスの選手たちはまったく臆することがなく、81分には香川の周りで「ほら、取ってみろよ」とばかりにボールを回してみせる。直後もディフェンスの千葉がボールを収めて仁王立ち。香川に「来てみろよ」と挑発だ。
自分を信じ、自分たちの積み上げてきたものを信じて、逃げもせずに真正面に強敵からぶつかる彼らに、オレは感動し、涙するのである。

ゲームはまさかの先制。開始15分をまったく互角に戦い、むしろゲームを制圧しながら進める様子にTwitterでは「新潟強い」という発言が飛び交い、そして見事な先制を決める。
ゴールした谷口は地面を指さして吠えた。「J1のピッチで決めたぞ」という咆哮だろう。ホテルに勤務しながらJ3でスタートし、J2チームの新潟に移籍して、そして自分の力でつかんだJ1出の初先発に初ゴールだ。「ここがオレの新しい場所だ」と指さしているようだった。
その後一度は逆転されるも、コーナーからの千葉のヘッドで同点にする。
実に美しいポゼショナルプレーでセレッソを圧倒したあげく、得点はショートカウンターとセットプレーというのは味わい深い。素晴らしいチームだ。
結果2-2の引き分けに終わり、0-5もありえるとおびえていたサポーターは、万雷の拍手。だが選手たちは「勝てた試合だった」と不満顔なのが頼もしいではないか。


今日の主審は、あの西村さん。2014年のワールドカップ・ブラジル大会の開幕戦で主審を務めたあの人である。
J1になるとこういう素晴らしいレフェリーに笛を吹いてもらえるのだ。
そのレフェリングはさすがの一言。ほとんどストレスなかった。たまーにしか笛を吹かず、選手と上手にコミュニケーションを取りながらゲームをコントロールしている。例えば相手のワンタッチを取ってもらえずに食ってかかった島田に対しては、穏やかに笑いながら心を静めるように促していた。
J1になるとこういうレフェリングで試合ができるのである。J2時代のレフェリングがいかにストレスフルだったか、改めて実感した。

とにかく素晴らしいゲームで、引き分けとは言え、最高の喜びである。
オレたちのアルビレックスは、選手たちは、積み上げてきたものを信じて堂々と闘った。サポーターも信じていいのだ。次は広島。さらに難敵である。だがなんとかやれるのではないか。
まだ開幕の1戦を終えたばかりではあるが、在留争いに巻き込まれる心配は要らないのではないか。
オレたちはホッと一息をつき、そして選手たちのことを誇りに思い、胸を張る。

同点のヘッドを決めた千葉は、戻りながらサポーターに向けて力強く指を突き刺した。「オレたちを信じろ、オレたちもお前たちを信じている」というメッセージのようだった。


2023.02.17

極秘! 日本復興最終プラン


今日はJリーグの開幕である。
カードは横浜対川崎だ。横浜は学会じゃない方、つまりマリノスね。奇しくも30年前のJリーグスタート時と同じカードだ。

あのときオレは国立競技場の開幕戦をテレビで観た。ファーストゴールはヴェルディのオランダ人、マイヤーだった。
Jリーグは凄いブームで、とてもチケットは手に入らず、開幕第2試合めのジェフ対どこかの試合をやっと見ることができた。チケットは新宿の地下街にあったチケット屋で買ったような記憶がある。
このチケット屋には一時、カマタ君がアルバイトしていた。当時近くの会社でポンコツサラリーマンコピーライターだったオレに、カマタ君はよくプロレスのチケットを届けてくれたっけ。もちろんちゃんと正規のお金を払って買ったものである。

30年前と同じカードと書いたが、これは単なる突っ込み待ちである。そうである。横浜対川崎であるが、同じなのは地名だけでチームの中身は当時とまるで違う。
当時の横浜はマリノスであって、今の横浜はフリューゲルスを吸収したF・マリノス。
川崎に至っては、今のはフロンターレで、当時はヴェルディ川崎だった。
あのゲームに心を熱くさせたオレに向かって、30年後はマリノスはなくなっていて、ヴェルディはJ2にいると言ったら絶対に信じなかったに違いない。そもそもJ2なんてものもなかったし。

盛者必衰、諸行無常。
当時圧倒的な人気を誇り、実力も群を抜いていて、3流サッカー国のポンコツのくせに年俸1億のプレーヤーがごろごろいたヴェルディ。それがまさか30年後の今、東京ヴェルディとしてJ2底辺をうろうろすることになろうとは。
ヴェルディの凋落ぶりはそのまんま日本の喪われた30年と重なるではないか。なんということだ。
そしてここでオレは天才的なことを思いつく。ヴェルディをJ1のチャンピオンに戻してやれば、日本も復活するんじゃね?
これは案外いけるのではないか。これだけのことで日本が復活するなら簡単じゃないか。Jリーグは次世代の日本のためにもヴェルディ復興作戦を断行すべきである。

などということを考えながら、横浜対川崎のオープニングゲームを見る。そして腰を抜かす。
お、オレたちはこんな連中とサッカーをしなくてはならないのか。
特に横浜の連中のプレスの凄まじさには仰天。速くて強い。なんなんだ、このフィジカルは。
現代のサッカーはアスリートでなければ闘えないと言われているが、まさにその通り。J2のまったりした呑気なサッカーを5年間も見続けた身としては、背筋も凍る思いである。しかもマリノスのラインの高さと美しさよ。こんなの、絶対に裏を取るのは無理だぞ。

部活から帰ってきてゲームの終盤だけ立ち見をした息子も、見た瞬間「なんだなんだ、このプレスは」と絶句する。
明日のアルビレックスのJ1復帰初戦を前にして、オレたちは早くも絶望し、やけ酒をあおるのであった。 日本の復興を密かに企んでいる場合場合ではなく、オレたちは残留の心配をしなくては。


2023.02.16

大迫1人も買えない


「卵がないんですよ」とイームラくんが言う。
ここは麹町駅近くの中華料理屋。麹町で仕事をするときのランチは、だいたいこの店だ。安くて美味い。
このあたりは新宿区と千代田区の境に近く、道一本はさんでランチの値段がまるで違ったりするのだそうだ。もちろん新宿区のほうが安く、道一本違うだけで千代田区はぐっと高くなる。
麹町のこの中華料理店は、だがしかし千代田区にあるというのに新宿区価格のありがたい店なのである。なにしろランチが850円だ。都心でこの価格は驚きだろう。

キッチンもホールも全部中国人で、店内は中国語が飛び交っている。それにしても大陸の人たちって、絶対に量はサービスだと信じているに違いない。多ければ喜ばれる。ボリュームは正義。
以前家族でよく行っていた光が丘の中華料理もそうだったが、これはサービスだと言って超大盛りのチャーハンを出してくれていた。さらにサーヒスだと言ってデザートにアイスコーヒーまで出してくれた。
とても食いきれないのだが善意で差し出してくれるニコニコの表情を見ると断りきれず、こちらも苦しい笑顔を返しながら無理して平らげたものだった。あのおばちゃんは今どうしているだろう。

麹町のこの店も同じで、850円なのにボリューミーだ。麺類には必ず茶碗一杯のチャーハンがついてくるし。
だからイームラくんの目の前にある「豚肉ときくらげの卵炒め定食」もしっかりとした量があって、卵炒めは山盛りである。
卵がないなんて、ほら、しっかりとあるじゃないか。
だが、違った。「スーパーに売ってないんですよ」とのことであった。

聞けば昨日、イームラくんの奥さんが仕事帰りにスーパーに寄ったら卵の棚が空っぽだったというのである。
奥さんは慌てて次のスーパーに向かったがそこも売り切れ。仕方なくコンピにまでのぞいたがやっぱりない。焦って走った次のスーパーで、やっと2パックだけ残っている卵を見つけ、手に入れることができたそうだ。
鳥インフルの影響だろう。
飲食店は業務用として別ルートで確保しているのだろうか、一般家庭では卵さえ入手困難だとは。
きょうは雪国に暮らす弟に電気代を聞いて、そのあまりの暴騰ぶりに絶句した。死活問題だろう。これでは暖房を我慢する家庭だってありそうだ。
電気代に苦しめられ、卵も買えなくなって、日本はますます生きづらい国になっていくようだ。

そんなことに憤りながらオレは駅前の書店に飛び込んで、Jリーグ選手名鑑を買った。毎年のシーズン前のお楽しみである。

選手名鑑はスポニチ版とエルゴラッソ版があるが、エルゴラッソ版が圧倒的に面白い。サッカー専門紙のプライドをかけて編集されたことがはっきりわかる充実ぶりだ。
家で見るとき用のA4サイズの大型版に、スタジアムへ持っていくためのポケット版がある。手の混んだことにそれぞれ内容が違っていて、ポケット版は選手の小ネタ満載だから、こちらもついつい欲しくなる。きょうはそこをぐっと我慢して、大型版だけ買った。ついでに小野伸二特集のNumberも購入。
オレも日本最高の選手は、中田英寿でもなく、中村俊輔でもなく、香川真司でもなく、本田圭佑でもなく、三笘薫でもなく、小野伸二だと信じる。小野伸二こそオンリーワンにしてベストワンの選手なのだ。

まあ、小野のことはいいや。選手名鑑である。
家に帰って早速ページを開く。もちろんアルビレックスのページだ。
J1に上がったから今年からは選手紹介の写真が大きく、説明も丁寧である。シマブクカズヨシが「つぶらな瞳のドリブラー」とか、キャッチフレーズも遊びまくりだ。

そしてJ1選手になると、なんと推定年俸まで表示されるのである。これは興味深い。
覗き見の気分でアルビレックスの選手たちの年俸を見て、そしてオレと息子は愕然とした。や、安い。安いではないか!
キャプテンのゴメスが1500万円。星が900万円。田上が800万円で、30過ぎて子供のいる鈴木も800万円。シマブクに至っては400万円だ。
なんだこれは。へたしたら普通のサラリーマンと変わらないではないか。オレたちのアルビレックスはこんなにも貧乏だったのか。これでは卵も満足に買えないではないか。J1に昇格して、その事実に改めて愕然とする。

ちなみに選手全員の年俸を合わせても、神戸の大迫一人の年俸より下だった。大迫一人でアルビレックスが買えちゃうのかよ! オレと息子はこの事実に愕然とし、天を仰ぐ。

それを思えば、選手たちは本当によく残ってくれた。きっとほかから好条件の移籍話があっただろうに「アルビレックスでこのサッカーを続けたいから」と残ってくれたのだ。感謝するばかりである。
もっとも逆に考えれば、今年1年このサッカーをやって結果が出なければあっさり移籍するだろうし、逆に結果が出たら選手の評価も上がって好条件での移籍話が舞い込んでくるに違いない。どっちみち、来年は選手を引き抜かれまくるのだろうなあ。今年も正念場だが来年も正念場だ。

そんな話をしながら谷口の年俸を見る。
ぎょ、2000万円もある。た、谷口がなんでこんなに高いんだ。
きっとこれは噂通りにFC東京から引き抜きがあって、残留のために年俸のつり上げに成功したのだろう。うーむ、がめついぞ、谷口。


2023.02.15

ついてっちゃダメ


テレ東の「家ついていってイイですか」は大変面白い。最新回がアップされていたのて、TVerで見る。
いろんなお宅へ突然訪問するスタイルの番組だ。今日は熱海の豪邸に暮らし、沖縄にセカンドハウスを持っている老夫婦がむ登場した。
大変な苦労をしながらつかんだ生活なのだろう。穏やかで上品な家だということがわかる。

きっとこういう家が狙われるんだろうなあ。
もしかしたらこの番組をルフィーも見ているのかもしれない。
いや、ルフィーに限らない。非正規で働いても働いても暮らし向きがよくならない、いわゆる底辺の人たちが見下されているように感じて、逆上しないとも限らない。
そう考えると、危険で罪作りな番組に見えてくる。
まったく嫌な世の中になったものだ。

などと考えながらオレは、目前に迫ったJリーグ開幕に怯える。
怯えついでに、選手たちのキャンプの様子を見る。現在は福島でキャンプ中だ。
ピッチで躍動するアルビレックスの選手たち。ほとんどがJ1を戦力外になったか、チームがJ2に降格してからプロになった選手だ。
渇望して、渇望して、狂おしいほどに渇望して、やっとつかんだJ1の舞台である。さぞや天にも舞い上がる気分だろう。その心情を思うだけで、ピッチを走るその姿に涙が出てくる。
よかったなあ。やっと夢がかなったんだ。

志は低く、残留である。だははは。
残留さえできれば、あとは好き勝手に暴れればいい。
J1を味わえ。戦力外にしてくれた昔のチームに噛み付いてやれ。
オレたちも怯えている場合ではない。噛み付いてやる。


2023.02.14

笑う官僚


虎ノ門で飲むのは初めてである。
都心の完全なオフィス街だ。それでもちゃんと居酒屋はあって、立ち寄ったのは実に昭和な店。広い店内には6人がけのテーブルがぎっしりと並び、大勢の人たちがワイワイガヤガヤと飲んでいる。
もちろん路面店。地下などではない。オレは地下の店と高層のが大嫌いなのだ。路面店こそパラダイスである。

今オレはワイワイガヤガヤと書いたが、実際はそんなことはない。実に穏やかで行儀よく、あえて言えば上品に飲んでいる客ばかりだ。大声を上げる客など皆無。喫煙が許されているのか、たまに電子タバコを楽しんでいる人もいる。
店の造りこそ昭和だが、似たような池袋の店とは大違い。池袋では客がしょうもない下ネタに爆笑し、負けじと中国人の店員が絶叫する、そんな底辺の店ばかりである。
だがさすがに虎ノ門は、同じ昭和居酒屋でも違う。混んできて6人がけのテーブルに相席することになると「失礼します」「どうぞどうぞ」という挨拶が交わされるのだ。なんという民度だろう。

なぜならここは霞が関の官僚が集う店だからだ。霞ヶ関には居酒屋がない。従って彼らは仕事を終えると、新橋か虎ノ門、時には有楽町まで足を伸ばし、そしてお疲れ様の一杯を楽しむのである。
この虎ノ門の店も官僚だらけだった。民間、しかも自営業なんてオレたちのグループだけじゃないかっていうぐらい。

「ネクタイをしているのがノンキャリアで、ネクタイをしていないのがキャリア」と連れが教えてくれた。なるほど、わかりやすい。
隣の2人連れはノーネクタイの30代後半。きっと天下国家を論じているに違いない。あるいは今日発表された日銀の次期総裁人事についての話題か。
その向こうの3人組の50代は、1人がかなりラフな格好なので、民間に転職したOBが遊びに来たので久しぶりに昔の仲間で一杯、ということだろう。
遠くのテーブルの女性混じりの5人組は、なんだか楽しそうに盛り上がっているが、実に穏やかに笑っている。決してぎゃはははと笑わない。口に手を当てておほほほだ。
すげえな、官僚の飲み屋は。
ここでの会話から明日の日本の行く末が決まっているのかもしれない。
いい店だ。再訪決定である。

それにしても虎ノ門は変わった。虎ノ門ヒルズができて街は一変。改札口を出ても、もはや自分がどこにいるのかもわからない。学生の頃は虎の門病院に行くのにたびたび訪れていたのだが、あの頃の佇まいはもはや残っていない。
気持ちよく飲んでしゃべって、電車に乗って帰る。

地元の駅で、息子と待ち合わせだ。インターシップ最終日だったきょう、息子は新しく知り合った仲間たちと池袋で軽く飲んで、これから帰ってくるらしい。ならば駅で落ち合って一緒に帰ることにしたのである。
今夜はえらく冷えて北風も強く吹き付けている。ちょっと贅沢だが寒いので、タクシーにしよう。
後部座席に乗り込んだら高齢の運転手が「厳禁だけですがいいですか」と断りの一言。もはや電子決済のできないタクシーはレアだもんなあ。トラブル防止のためだろう、トラブルの心労をお察しする。
夜の街を走りながら息子に、お前は公定歩合を決めるような人間になるんだぞと言ったら「何言ってるんだお父さん、公定歩合なんてもうないんだぞ」と呆れられる。そそそ、そうだったのか、オレの頭こそ昭和だったか。


2023.02.13

建築家は面倒くさい


2月6日の日記に「文筆カースト」を書いた。
今日の日経新聞夕刊の最終面に、作家の荻原浩が興味深いことを書いている。

荻原浩はもともとコピーライターで、20代の終わりごろにPR誌の取材である小説家にインタビューしたそうだ。その小説家は荻原浩の名刺を見るなり「最近の若い連中は、すぐになんとかライターになってしまう。だから小説が書けないんだよ」と言ったそうだ。
荻原浩は「この人の脳内では、小説家が文筆界の最高峰であり、文章を書く人間は誰もがひこを目指していて、それ以外の売文を続けているやつは脱落者という図式ができあがっていたのだと思う」と書いている。

当時の荻原浩は小説家になろうなんて1ミリも思ってなくて、この一言で小説なんて一生関わるまいと決めたのだそうだ。その後結局小説を書くことになってしまったわけだが、それでもずっと名刺にはコピーライターと記していたらしい。
それが今では直木賞作家なのだからたいしたもんだ。
オレは荻原浩の足もとにも及ばないが、なんとかライターの1人として考えていること、志は一緒というわけだ。
興味深いのはこの小説家が誰かということである。
当然荻原浩は名前を明かしていない。既に亡くなっているらしい。まあ、初対面の人間の名刺を見てこんなことを言うなんてろくな人間じゃないだろうし、どうでもいいのだが。

そういやオレも小説家にインタビューしたことがある。直木賞作家だ。
三鷹市のICUに隣接した公園で、ベンチに座りながら話を聞いた。直木賞作家ということでオレはかなり緊張し、その旨を正直に伝えたところ、その作家は穏やかに笑って「いえいえ、そんな」と答えたのだった。
幸いオレの書いた原稿にもほとんど修正は入らなかった。書く仕事というのを尊重してくれたのだろう。
同じ文脈の話だが、一時期日本テレビの仕事をしていたときも、原稿の修正はほとんど入らなかった。あなたがそう思って書いたのならそれでいいんですよ、という態度なのである。これも映像と活字という違いはあっても、ものを創る立場は同じということで、こちらのことを尊重してくれたのだろうと思う。

案外面倒くさいのが建築家だ。
建築家はなぜか文章に非常にうるさくて細かい。細々としたことにいちゃもんをつけてくる。オレの勝手な推測では、建築家には文章を書くのが好きな人が多くて、それで人の書いた文章に何か一言言いたくなるのかもしれない。
建築家で思い出した。あの隈研吾にも若い頃に2度ほどインタビューし、原稿を書いたことがある。当時の隈研吾は若手の建築家として注目されてはいたが、まだそれほど発言力はなかった。その隈研吾が自分の作品集をまとめたポートフォリオに、日経新聞に載ったインタビュー原稿(オレが書いた)を切り抜いて貼っているのを見たときは、オレもちょっと嬉しかった。

なんだか話が勝手に広がってしまった。元に戻す。なんとかライターと見下された荻原浩だ。
先日「文筆カースト」を書いたのは冗談半分、オレの勝手な妄想で話を広げただけだったのに、実は荻原浩も同じようなことを、実体験つきで考えていたということだ。
となると案外多くのなんとかライターが、似たような経験や思いをしているのかもしれない。

今考えたのだが、このカーストはいろんな業界にあるのだろう。例えば飲食ならマックなどのファーストフードは最下層で料亭の板前やフランス料理のシェフなどが最上位に来て、下を睥睨していたり。ドライバーなら、ハイヤーの運転手がバスや長距離トラックを見下していたり。
料理人ということで思い出した(今日は思い出しては脱線してばかりだ)。
給食会社で働く料理人のことである。彼はある有名ホテルの社員食堂で働いていた。日本橋にある非常に高級なホテルの社員食堂である。

社員食堂なのでホテルの従業員がお昼ご飯や晩ご飯を食べに来るのだが、そこにはそのホテルで働くシェフも食べに来る。そしてたまに「この味付けはなんなんだ」とチクリと文句を言うのだそうだ。
社員食堂だから安い食材の低コストな料理になるのは仕方なくて、有名シェフにそんな文句をつけられても困る。彼はそんなことを言って苦笑いしていた。
その気持ちはよくわかるなあ。これもカーストの一種なのかも。


2023.02.12

「はな」ではなくて「はる」なのだ


実はこれから忙しくなる予定で、それは何よりありがたい話なのだが、Jリーグの開幕と同時に忙しくなるのがなんともいやはや。
嵐の前の静けさということか、ぽっかり空いた日曜日はごろごろと過ごすのだった。
そういやオレは某不動産会社の「お宅拝見」みたいなシリーズの仕事もしているのだが、例のルフィー騒ぎの余波で「自分の家の中をネットでさらすのは抵抗がある」という理由で、いったん決まった取材をキャンセルされてしまった。
その気持ちはわからなくもない。オレもまた、ささやかではあるがルフィーの被害者というわけだ。
こういうときもぽっかりと予定が空いてしまう。

「前科者」有村架純を鑑賞するために観た。
架純ちゃんはたいへんに可愛らしいのだが、何を演じても架純ちゃんになってしまうという、役者としてかなり厳しいところがある。年齢を考えればいつまでも可愛いだけでは仕事ができなくなるのも当然だ。もちろんご本人もそんなことは百も承知で、だからこういう作品にも出たのだろう。
以前観た「花束みたいな恋をした」では菅田将暉と一緒に風呂に入ってベッドにも入るというシーンを演じた。この作品でも磯村勇斗ときわどいラブシーンを演じている。観賞用としては非常にありがたい。
真面目に感想を書くとしたら、かなりいい線まで行ってるのだが、やっぱりまだ殻を完全には破れていないような気がするなあ。作品自体は、架純ちゃんの存在感が少し希薄で、何を伝えたい映画なのかというところがちょっと残念。
作品は保護司になった架純ちゃんを中心とした、人が墜ちていく、うんざりするような話。春の陽気が感じられる2月の日曜日に朝から観るようなものでは決してない。前科者役の森田剛がなかなかの好演。V6の人だったのね。

「ノイズ」こちらは黒木華を鑑賞するために観た。黒木華とか伊藤沙莉とか松岡茉優とか、ちょいブスの入った女優が大好物なのである。とはいうものの、こちらでは藤原竜也の奥さん役で、主役ではないため物足りない。
先ほどオレは有村架純を、何を演じても有村架純になってしまうと書いたが、同じことは藤原竜也にも言えるようで、彼の持ち味である全力投球の熱さが感じられれば感じられるほど、いつもの藤原竜也だなあと思ってしまう。
作品は伊勢湾に浮かぶ小島の閉鎖的な村で起きた殺人事件を巡る物語。けっこういい役者が出ていて、楽しかった。永瀬正敏とか。
もっとも永瀬正敏も何を演じても刑事かヤクザにしか見えないのがご愛敬で、この作品ではバイオレンス派の刑事を演じていてまさにはまり役。オレたちはこういう永瀬正敏が観たかったんだ。ロングショットと長回しを多用したカメラワークが好き。
それにしても「前科者」に続けてこういう映画を観ると、さすがにダークな空気で頭の中がかき回されるような感じがして、ぐったりするのだった。せっかくの休日なんだから、やっぱりハッピーエンドの「だははは、何だこれ、バカじゃね−」と笑える映画がいい。そういうのがなかなかないのも確かだが。


2023.02.11

誰か槇野を止めてくれ

本日はサッカーのスーパーカップである。
スーパーカップのキックオフが鳴ると、いよいよ今シーズンも始まったなあという気持ちになる。春の訪れ、サッカーの訪れ。Jリーグ好きにとっては風物詩みたいなものだ。

もっとも世間一般的には「スーパーカップ? なんすかそれ」だろう。ミトマは出ないんすか、だろう。
そもそもカップ戦の存在自体、ちょっとややこしい。
去年の暮れ、甲府に決勝で負けた広島が翌週には決勝で勝って優勝した。
それを見た世間は「結局広島は優勝したのかどうなのか、はっきりしろ」と責め立てる。
広島が負けたのは天皇杯で、広島が優勝したのはルヴァンカップ。この二つにJリーグを加えたのが日本サッカー3大タイトルだ。
あれれ、今日のスーパーカップがないじゃんね。ということはスーパーカップは3大にも入らない、しょぼいタイトルじゃんね。
はい、正解です。その通りです。

天皇杯で優勝した甲府と、Jリーグで優勝した横浜が、じゃあどっちが強いか、本当に日本一を決めようと闘ったのがスーパーカップ。そこにはなぜかルヴァンカップ優勝の広島は混ぜてもらえない。どういうわけか、ルヴァンカップは一枚格落ちと目されているのだ。
なかなか歪な構造である。このあたりはもっとすっきりさせてほしいところだが、しかし、ヨーロッパへ行ったらこれどころではなくて、さらに国をまたいたスーパーリーグ構想みたいなのが定期的に話題に上るぐらい、乱立している。まあ、ゲームを多く見られるのは楽しいことだが。

というわけでスーパーカップは真の日本一を決める大会という建前ではあるものの、誰もそんなことは本気にしていないため、ふわっとしたお祭り気分で行われる。本番はあくまで一週間後に迫ったJリーグの開幕なのである。怪我もしたくないし。
従って今日の試合も、横浜のテストマッチの様相だった。要するに一方的。結果こそ1点差だったが、圧倒的な力の差があった。甲府とは。
それにしても交代出場するのがマルコスにエドワルド、藤田ジョエルチマで、さらに宮市まで控えているというから、うんざりするほどのマリノスの選手層だ。吐き気がする。
そんな相手を前に甲府も善戦はしたのだが、あっさり手もなくひねられた感じだ。

オレたちは今年、こんな横浜を相手に試合しなくてはならないのか。せめて舐めてかかってくることが救いであって、そこにチャンスが生まれるのではないか。
オレはブライトンの三笘は相手に対策されるこれから苦しむだろうとみているが、アジアから来た小僧と舐められていた三笘は無双だったから、アルビレックスも同じく舐められた方が結果を出せそうな気がする。三笘作戦で行こうではないか。

いくらテストマッチのお祭り試合とは言え、日本テレビの実況が酷すぎた。解説の北澤と槇野がしゃべるしゃべる。アナウンサーが実況しているのにもお構いなしにくっちゃべるから、何を言ってるのかまったく聞き取れない。聞き苦しいったらありゃしない。
槇野に至っては甲府のゴールを取り上げて「ウタカの1ミリ」と100回ぐらい吠え立てた。「ウタカの1ミリ」と言いたいだけだったのだ、こいつは。
そもそもウタカはオフサイドに関わっていないから、1ミリだろうが試合には何の関係もないわけで、始まる前からただ単に「誰かの1ミリ」と吠えて、うまいこと言うと褒められたかっただけなのだ。
まあ、槇野のことだから仕方ないが、鬱陶しいこと、この上なかった。


2023.02.10

バート・バカラックとアンディ・ウィリアムスの見分けが付かない問題

タラちゃんの声優さんが亡くなったのにはびっくりした。
数日前のアフレコ収録には普通に参加していたというから、突然のことだったのだろう。
これで開始以来残っているのは、サザエさんだけだ。
タラちゃんもサザエさんも不謹慎だけれど、あの声のデータはいっぱい残っているわけだから、AIに読み込ませてなんちゃらすれば、コンピュータでごく自然に再現できるんじゃないか。どうせ「サザエさん」なんてたいしたセリフがあるわけじゃないし。「カツオー」とか「オホホホホ」とか。
残っているセリフの音源だけで話もできちゃったりして。
いや、ひょっとするともうすぐにとっくにAIに入れ替わっていてもおかしくない。

今日はもう一つ訃報が。
バート・バカラックも亡くなったそうだ。これもちょっとびっくり。
80歳を過ぎても平気で新しいアルバムを出していたし、しかもそのアルバムのテーマが「怒り」っていうんだから、どれだけ元気なじいさんなんだと呆れたものだった。
バカラックの特徴はきれいで繊細なメロディーと大胆な転調に複雑なテンションコード。「サンホセへの道」を初めて聴いたときはびっくりしたわ。ついでにドリカムの「晴れたらいいね」を聞いたときも、「サンホセ」の丸パクリで腰が抜けたが。
「アルフィー」とか「遙かなる影」とか「雨に濡れても」とか、名曲が多い。日本人には真似のできないセンスの曲作りだった。
こちらは「自然死」との報道。どういうことだ。これは。
ともかく両名にはご冥福を。

と思ったら、今度はザッケローニが倒れて頭を打って意識不明とか。頭を打ったことが原因なのか、他の原因で倒れたのか、いずれにせよ倒れてかなり長時間意識不明だったらしい。これはあんまりよいことではない。
功労者で好人物だけに、なんとか回復してほしいものだ。


2023.02.09

沼に落ちた犬は叩かれるのだ

それにしても危ないところだった。オレたち(アルビレックス新潟)は、あのままJ2の沼から這い上がれずに沈んでいくところだった。

J1から降格して6年以上J2で過ごし、再びJ1に戻ったチームはない。オレたちはなんとか5年で戻ることができた。まさにギリギリ。崖っぷちであった。
去年J2で優勝してJ1昇格を決めていなければ、あのままずるずると沈んでいって、千葉やヴェルディの二の舞いになるところだったのである。一度足を踏み入れたJ2の沼は、本当に恐ろしい。まさしく沼が沼と呼ばれるゆえんだ。

だから二度とオレたちはJ2に戻ってはならない。次にJ2に降格したらもはやJ1には戻ってこられないような気がする。今シーズンは何が何でも、石にかじりついてでも、残留を決めなくてはならないのだ。
だがやはりあまりにも長くJ2にいたため、すっかり負け犬根性が染み付いてしまったのも事実である。
その証拠に、来週末に迎えるJリーグの開幕が恐ろしい。はっきり言って怯えている。

セレッソ、広島、札幌、川崎、浦和、名古屋。こんな相手が開幕から続くのだ。今から6連敗が約束されたようなものではないか。
いや、そう決めつけること自体が負け犬根性そのものなのだ。札幌には通算で勝ち越しているし、川崎をカモにしていた時代もあった。広島や名古屋とは互角だったし、なかなか勝てなかったのは浦和ぐらいだった。
かつてオレたちはJ1に14年もいて、そこそこやれていたのだ。怯えることはない。

だがここでまたオレたちは思い出す。そのかつてのJ1時代も、オレたちは毎年のように降格候補だったではないか。今年のいろんな予想を見ても、オレたちがダントツで最下位予想だ。オレたちが負け犬根性であるだけでなく、周囲からも負け犬と決めつけられているのだ。
く、悔しい。けれど開幕が恐ろしい。
開幕6連敗。その後もいつになったら勝てるのかという試合が続く。前回降格したときは1年でわずか7つしか勝てなかった。今年もあの二の舞いなのか。
こ、こんなことならJ2で殿様としてゆるく過ごしていたほうがよかったのではないか。そんなノスタルジーーに浸る日がやってるのかもしれない。

と思いながらオレ(タンゴちゃん)は、数日前に日経新聞に載った寄稿を思い出す。ある美術史家による日本サッカー批評だ。これが実に見事な批評で、全文流用したいほどなのである。

批評はまず「ドイツとスペインに勝ち、勝てるはずの相手のコスタリカに負けた。その分析はまだあまりできていないようである」と軽く皮肉を飛ばして始まる。
続けて、大きな収穫が解説者・ケイスケホンダの登場と断じ「今までの解説は起こったことを説明する(あるいは素晴らしいですね、とただ褒める)ことに限られていたが、ケイスケホンダは今何をすべきか、交代も含めてどうすれば勝利に近づけるかを、理由を述べながら提案するのである」と解説者やジャーナリズムの空虚さを斬る。

そして返す刀で高校サッカーを取り上げ「こちらの解説は昭和のまま何ら進化していない。テーマ音楽からして、昭和に流行ったスポ根アニメそのまま」と容赦ない。
「高校生はいつも誰かのためにプレーしなければならないようなのだ。亡くなったお祖父(じい)さんやお父さん、女手一つで育ててくれたお母さん、引退した元監督……。選手たちもそう考えることを期待されているので、彼らはたぶん『誰のためにプレーすることにしようかな』と探しているに違いない」と強烈な嫌味をかます。

最後に「キャプテンのヨシダ(麻也)が、『サッカーが忘れられないために、代表選手たちが積極的にテレビに出よう』と言っていたのにはちょっと胸が痛んだ。だいたい若い人たちは普段テレビなんか見ないし、代表裏話で鷺沼兄弟とかいってタナカ選手とミトマ選手に興味を持ってもらっても、海外に試合を見に行ってくれるわけでもない。何事にも率直なクボ選手が『ヨシダ選手のあの発言がなかったら、僕はここにいません』と言ってテレビ出演していた」と選手たち自身のずれっぷりをおちょくっている。
なんと見事な批評文なのだろう。本質的な問題を真正面から論じながら、黒い笑いもたっぷりで楽しませてくれる。

書いてあることはいちいちごもっともで、これでは確かにサッカー人気もたいして盛り上がらないだろうなあ。
日本代表の試合があると「おっ、ちょっと見てみるか」とテレビをつけるファンのことを、ライト層と呼んでいる。蔑称ではない。誰だって何かに対してはライト層だし、ライト層を入り口としてコア層に育っていくのだ。
代表だけ見て騒ぐライト層を、だから大切なのはコア層へと育てていくことであって、せっかく国内にプロのトップリーグがあるのだからそこへと続くちゃんとした導線を用意できていないことが一番の問題たと思う。

コア層はコア層で面白いよ。似たような環境のクラブのサポーターはライバル意識が激しいのか、例えば地方の貧乏クラブのコア層は目くそ鼻くそのマウント合戦を繰り広げている。アルビレックスのサポーターは常に松本山雅のサポーターを小馬鹿にし、仙台のサポーターは新潟に必死でマウントを取ろうとする。
浦和のサポが新潟サポに対してどことなく優しいのは、要するにマウントをする必要がない余裕からくるものだろう。オレたちは今年、そんな懐かしい上から目線にさらされることになるのか。やっぱり今から怯える。


2023.02.08

「道」と「徳」

興味深い話を聞いた。教育の話である。

世界で、特にアジアで日本の教育に対する関心が高まっている。教育と言っても大学などの高等教育ではなくて、小学校だ。しかも道徳的な教育についてである。
使ったものはちゃんと片づける。ゴミを拾う。挨拶をする。過ちを認めて謝る。人の悪口を言わない。他人に敵意を向けない。お礼を言う。
ワールドカップでの客席でゴミを拾うサポーターとか、きれいに片づけられたロッカールームとかは、そんな日本人らしさのアイコンと言っていい。

そうした「徳」のようなものを幼い頃からちゃんとしつけてくれる小学校の教育か評価されているわけだ。そうか、教育というよりまさに「躾」だ。
だからアジアの富裕層を中心に、機会があれば幼いうちから我が子を日本の小学校に通わせたいと考える人が増えているという。

これをビジネスチャンスととらえて、インターナショナルスクールを設立する動きが急速に広まっている。小学校教育のためのインバウンド需要というものが生まれてもおかしくない。
あるいは逆に現地に日本の小学校を「輸出」して、広く現地の子供たちを集めるというビジネスも注目されている。

実は小学校の道徳教育こそ、日本の新しい「資源」だったというわけだ。
なるほど、これは慧眼。少子化を前にしてオロオロしているのは実に近視眼的な見方であって、実は長期的な視点に立てば日本の教育にはまだまだポテンシャルがあったということだ。なんというか、コペルニクス的発想の転換で、なかなか興味深い。

「にらみ」長岡弘樹・光文社文庫。長岡弘樹は、オレにとっては横山秀夫の亜流としか思えない。それでも初期の「教場」あたりはそれなりに面白かった。だがこれはもうだめだ。頑張って最後まで読み通したが、苦痛だった。横山秀夫との大きな違いは何だろう。全編に漂う安っぽさが一番の違いかもしれない。
例えばこの中の「百万に一つの崖」という短編。中に「献血車にドラキュラ号というあだ名をつけた」という信じられないフレーズが出てくる。この昭和すぎるセンスが、実に安っぽい。
犯人と被害者が同じ特殊な血液型をしていて、怪我をした被害者に犯人の血液が輸血される。すると自分の地を分け与えた相手は殺せなくなるという心理のせいで、犯人は殺人を諦める。そんなデタラメがあるのか。 相変わらず文章は生硬だし、もういいかな、この作家は。


2023.02.07

呑気なかちどき橋

今日は朝から終日、晴海のトリトンスクエアで仕事だ。
トリトンスクエアへ来ると、どうしても3.11東日本大震災を思い出す。あのとき、オレはまさにこのビルの中にいたのだ。

当時、オレは住友商事の仕事を定期的にやっていて、毎月のように本社のあるトリトンスクエアを訪問し、同社の役員や社員やらにインタビューをしていた。
あの日も2人にインタビューする予定だった。オレがいたのは新聞記者をはじめとするメディア系の記者用の部屋であるプレスルーム。ここで1人目のインタビューを終え、2人目を待っているときに突然ビルが揺れ出したのである。
30階以上の高層ビルがミッシミシという音を立てながら揺れる様は、まさに背筋が凍るような恐ろしさだった。
プレスルームがある2階でもこんなに揺れるのだから、上階はさぞ酷い揺れだろうと思われた。
揺れが収まるとすぐに館内放送が流れて「このビルは耐震構造なので倒壊しません、ご安心ください」という呼びかけがあった。こういう対応はさすがである。適当な雑居ビルではこうもいかないだろう。警備室からと思われるが、この館内放送によってホッと一安心という空気が生まれたことは間違いない。

もちろんオレたちは東北があんなことになっているとはまったく知らず、広報担当者と、いやー揺れましたねえと呑気に胸をなで下ろしていたのだった。

そして次のインタビューどうしましょうかねえなどと相談していたら当人から連絡が入り、「エレベータが止まっちゃって降りられないんですわ」とのこと。職場は20何階かなので、エレベータが止まっちゃったらプレスルームの2階までとても降りていけない、頑張ってた階段で降りたとしても上がっていけないというわけだ。
それじゃあ仕方ありませんねえ、今日のところは中止にしてまた日にちを改めましょうかね。
そんな呑気な相談をして、結局その日はそれでお開きとなったのである。

トリトンスクエアの外へ出てみたら、運河を挟んで向かい側にあるお台場で白い煙が上がっていた。ヘリコプターも多数飛んでいる。火災が発生したようだ。その様子を見ながらオレは、ありゃあ、これは変なことになったなあと驚いた。あくまでも呑気だったのである。
ビルの前の電光掲示板には「東北が震源地」「震度7」というような文字が流れていたものの、それが現実としてどういう意味を持つのか、さっぱり思い至らなかった。
それはオレだけのことではなく、例えばトリトンスクエア眼下に流れる隅田川の岸壁、かちどき橋の下には「津波がくるらしいよ」などと噂しながらたくさんの人が立ち並んでいたのである。まさか東北の本物の津波があんなことになっているとはつゆ知らず、あくまで呑気に津波見物をしようとしていたわけだ。
オレは地下鉄に乗ろうとしたらまったく動いていないことに毒づき、仕方ないので東京駅まで歩いて行って中央線か山手線か丸ノ内線に乗るしかないと諦めたのである。あくまで呑気なのだった。

天候は悪くなかったけれど、寒い日だった。
結局オレは、あらゆる公共交通が壊滅的だったために自宅まで歩いて帰ることにした。
途中、腹が減ったので飯田橋で居酒屋に立ち寄り、ビールと熱燗も腹に収めた。居酒屋のテレビでは東北の被害を報道していたものの、エルコプターで上空からとらえた田んぼの上を津波が覆っていく映像もおもちゃのような軽さで、まさか眼下ではあんなにの酷いことが起きているとはとても思えなかった。
当時はスマホもなく、ガラケーもうまくつながらなかったので地震被害の報道はまったく入ってこない。何も知らず、オレは電車が動かないことに呪詛を吐きながら1人でとぼとぼ歩いて家まで帰ったのである。
そして心配して寝ないで待っていた息子が「おかえりおかえり」と飛びついてきたのを受け止め、そのまま風呂に直行して冷えた体を温めた。
ようやく一息ついて風呂から上がって、さて焼酎でもと思ってテレビに目をやって仰天する。なんと街が燃え上がっているではないか。
どうして消化しないのだ、なんでほったらかしなのだ。おれは仰天しつつヨメに問いかけ、そしてここに至ってようやく今日の地震の意味を知るのである。
そんなことを思い出しながら久しぶりに訪ねたトリトンスクエアだった。

なおずっと続けていた住友商事の仕事は、その後、外部からやってきたおばちゃんが新しい広報部長のイスに着いたことで一気に雲行きが怪しくなる。このおばちゃんはリクルート社からスカウトされた人物で、仕事の発注先を次第に自分の知っている制作会社に切り替えていくことになったのだ。よくある話だ。
もちろん急に切り替えると露骨すぎてあんばいが悪いので、波風を立てないようにじわじわと進められた。仁義を切る意味もあったのか、一度、ちょっと高めのランチに誘われてメシを食わせてもらったこともある。
結局それからしばらくして同社の仕事は他社への発注に切り替わり、オレは失注する。とほほほ。
よくある話でいちいちこんなことで力を落としてなんていられないから別に何とも思わなかったが、トリトンスクエアに来るとそんなことも思い出す。あのおばちゃん広報部長は今も元気なのだろうか。


2023.02.06

文筆カースト

さすがに最近ではまったくないが、30代の頃は時々「作家を目指していらっしゃるんですか」と言われたものである。
小説家志望だけれどそれでは食べていけず、今は不本意ながらコピーライターの仕事をして食いつないでいるのだろうと思われたわけだ。オレ自身はまったくそんなことを口にしていないにもかかわらず、何がそんな言葉を言わせているのかさっぱりわからないまま、オレは「いや、そういうわけでは…」などと不機嫌に答えたものだった。

なぜ不機嫌かというと、質問する側に明らかに「ライターは作家より下」というカースト意識があるからだ。
時には同じ業界の先輩からでさえ「タンゴちゃんもそろそろ書かなきゃ。テーマはあるの?」なんて言われたりして、鬱陶しいことこの上ないこともあった。(ちなみに文筆カースト最上位は純文学で次がエンタメ作家、次がノンフィクション作家でライターはその下。コピーライターはさらにその下の最下層。文筆カーストのダリッドなのだ)
言うまでもなくオレ自身は純粋に職業としてコピーライターを選んだに過ぎない。作家になりたいなんてただの一度も思ったことはない。小説は読むものであって書くものではないからだ。

そんな思いをいちいち伝えるのは面倒だから、基本的にはスルーして終わり。不機嫌な思いはぐっと飲み込む。 あるときはインタビュー相手のおばさんから同じような問いを受け、軽くスルーしたというのに「私は林真理子さんが好きなんですよ、林真理子さんって…」と聞かされたときには呆れてしまった。
あなたが林真理子を好きなのは慶賀の至りだけれど、それとオレの職業はまったく何の関係もないし、そもそもあなたの体型は林真理子そっくりだよと心の中で毒づいてやった。

今に至るもこうした思いは変わらず、小説なんて一度も書きたいと思ったことはない。
コピーライターは作家の下積みだとか、カースト的に下層だとか、そんなこともまったく思わない。
オレには書きたい物語はなく、純粋にオレの技術を買ってくれた顧客から発注を受けて、注文通りのスペックの原稿を納品するだけだ。それだけのシンプルな職業なのである。

そもそも「日本で作家専業で食べていけてるのってせいぜい10人ぐらいじゃないか」と言ったのは、確か林真理子だったような記憶がある。体型そっくりおばさんも、それを知っているから好きだというのか。もっとも林真理子はコピーライターとして出発したから、そこから出世して作家に昇格したという知識がカースト的発言に結びついたのかも。

なんていうことを思い出しながら読んだのが
「エンタメ小説家の失敗学」平山瑞穂・光文社新書だ。どうもエゴサーチが好きな作家のようなので、ここも検索にひっかかりそうでちょっと警戒心があるが、まあいいか、そのまま実名で書いてしまおう。
基本的に人がしくじる話は面白い。この新書も、エンタメ系の小説家として本を何冊も出しているのにちっとも売れない小説家が、なんで今まで売れなかったかを自己分析した内容だ。帯に「崖っぷちの告白」とあるように、切羽詰まった挙げ句の開き直りのようなところがあって、なかなか面白い。これぐらい褒めておけば、見つかってもイヤな思いをさせることはないだろう。
これを読むと、いかに小説家という職業が割に合わないかがよくわかる。身を削るようにして書いた作品にもかかわらず、出版社の都合や読者の思い込みなどによってまったく売れず、従って収入もない。厳しい商売だ。 こういう話を読むと、先日読んだ小椋佳のネット記事が頭をかすめる。

梅沢富美男の「夢芝居」は小椋佳の作詞作曲だが、最近、缶チューハイのCMにあの有名なイントロが使われたことで「僕にも印税が数百万円入ったんですよ」とのことらしい。しかも「あのイントロをつけたのはアレンジャーであって、僕じゃないんです」と小椋佳は笑うのであった。
こういう、まさに不労所得で数百万円を得た78歳もいれば、ボロボロになりながらも売れない本を書き続ける貧乏作家もいるわけで、ジャンルが違うとはいっても、その不条理さはめまいがするほどだ。

やっぱり小説は書くものじゃなくて、読むものなのだ。


2023.02.05

インド人もびっくり

観てきた、観てきた。インド映画。例の「RRR」だ。
地元の映画館へ息子と行ってきた。いつもながらの自慢だが、地元に映画館があるっていいなあ。なんて贅沢なんだと思ってしまう。

インド映画は「きっとうまくいく」しか観たことがない。あれは控えめに言って最高の映画だった。
今日の「RRR」は、昨年秋に日経新聞の映画評で絶賛されていたので気になっていた。じわじわと評判が広がり、いったんは上映が終わったものの、再上映に踏み切る映画館が増えている。今日もその1館。
この映画、3時間もあって、先日も書いたようにとてもトイレを我慢できそうにないから二の足を踏んでいたのだ。AmazonPrimeやNetflixで寝転びながら観て、いつでも一時停止してトイレ行ったりコーヒー飲んだりするのに慣れてしまったから、3時間も同じ姿勢でじっと観ているなんてとても耐えられないと思っていたのだ。

今日も日中はNetflixで「ハケンアニメ」を観た。二度目である。この映画は何度観ても面白い。本当によくできた映画だ。特に役者が素晴らしすぎる。吉岡里帆に中村倫也、柄本佑に尾野真千子。どれもいい役者で、特に柄本佑は絶品。吉岡里帆も、ぶち切れて絶叫するシーンが素晴らしかった。アニメオタクの小野花梨もよかったぞ。
こういう具合にいい映画は何度でも寝転がってみたいものだ。だから劇場で3時間の「RRR」には二の足を踏んでいた。
だが息子が「行こうぜ」と強く誘ってくるし、観たいと思っていたからやっぱり行くことにしたのである。
そして結果、3時間、あっという間でトイレのことなど考える余裕もなかったぞ。

なんというか、とにかく凄いものを観せられたというに尽きる。
感動とか、知的興奮とか、喜びとか、まったくない。ただただひたすら凄いとしか言いようのない映画だ。
話はバカみたいに簡単だ。イギリス占領下のインドで、民衆が悪いイギリス人を倒すというもの。ただそれだけだ。悪いイギリス人は実に悪そうに描かれていて(役者はアイルランド人! 実に嬉しそうに悪いイギリス人を演じている)、誰が見ても悪役だから、すぐにわかる。言動も極悪非道だ。
対するインド人のヒーローは誰が見てもヒーロー。
このヒーローが悪いイギリス人を倒すわけで、どう見ても間違いなくハッピーエンドの結末なのだ。
もちろん悪いイギリス人の中にもいいイギリス人はいるわけで、これが美人。美人だから正義。実にわかりやすい。

ではこんなバカみたいな物語の何が凄いかというと、とにかく終始異常なテンションなのだ。
アクションがすごい。常に闘いまくって暴れまくっている映画で、人が虫けらのようにがんがん殺され、ぶっ飛ばされる。そういうのがダメな人にはちょっと向いていない映画だが、悪いイギリス人が無慈悲に殺されていくので何の憤りも感じない。ただひたすらその闘いのシーンの迫力に圧倒されるのだ。
インド映画にお約束の、歌って踊るシーンは案外少ない。少ないが、しかしその密度はとんでもなくて、アカデミー賞を受賞した「ナチョナチョ」 という音楽の場面では、とてつもなくキレキレのダンスが披露される。最高だ。最高としか言いようがないダンスで、一度観ただけで中毒になってしまう。
アメリカの映画館でこの場面が流れると、客席は大騒ぎだそうだ。
とにかく全編この異常なテンションで盛り上げられる。インドの群衆が暴れるモブシーンはとんでもない物量だし、悪の巣窟であるイギリス領事館へは檻から放たれた猛獣たちが襲いかかる。どどど、どうやって撮影したんだよ、こんなもん。信じられない迫力だった。
この領事館襲撃のシーンが凄まじい迫力なので、おお、ついにクライマックスかと思ったら、次に出てきたのがインターバルの文字。つまり本国ではここで休憩が入るわけで、ななな、なんだ、まだ半分だったのかと仰天した。
ともかく凄いとしか言いようがない映画で、どう説明しても伝わらないから君も観に行くしかないよと広がっていったのも納得である。

まあ、バカみたいな話とは書いたが、インド人が観ればそこここに深い意味はあるらしい。
民族とかカーストとか、さらには独立運動とか、オレたちにはうかがい知れない物語があって、そのメッセージが随所に込められているようだ。例えば終盤、主人公が弓矢で悪いイギリス人たちをばったばたと倒していくのだが、いくら矢を放っても矢が尽きることはない。まあ、映画だから細かいことはいいやと思って観ていたが、実はこれも神話だか伝説に基づくネタらしいのである。うーむ、深いなあ。

もっとも個人的な好みで言えば、オレは「きっとうまくいく」のほうが好きだ。物語の深みや広がりという点で、あれはすごい映画だった。人生の何か大切なものを教えてくれているような気がする。
「RRR」のとんでもないテンションに腰を抜かしつつ、一方で「きっとうまくいく」が観たいとも思った。

大学の体育会バドミントン部で息子はインド人とペアを組んでいる。
ぜひ「RRR」の感想を聞いてみてくれと頼んだのだが「最近あのインド人、遅刻しなくなったんだよねえ、インド人から日本人に近くなったのかもしれないなあ」と思案顔だった。


2023.02.04
実家に暮らす弟から「アニキがNHKに出てる」というLINEが来た。
オレ? オレはルフィーじゃねえぞ。
よく話を聞いたら、どうやら「あなたのメロディー」の映像が流れて、そこにオレがちらっと映っていたらしい。
ちらっとと言ってもNHKホールのステージである。あそこにオレは立ったのだ。偉業ではないか。テレビ放送開始70周年を記念するアーカイブ映像でそこが切り取られ、その偉業の映像が流れたということのようである。
「あなたのメロディー」は昭和の頃の名物番組だ。素人参加型の音楽番組である。
おれはこの番組に「作曲家でございますよ」と言って鼻歌を投稿したところ、見事に採用となり、週間コンテント、月間コンテストともあれよあれよと勝ち上がって、とうとう最優秀作品を決める年間コンテストに出場することになった。NHKホールに立ったのは、その年間コンテストの収録があったからだった。
オレの鼻歌を歌ってくれたのは、あのハイ・ファイ・セットだった。当時は「フィーリング」の大ヒットを持つ超メジャーな音楽ユニットだった。
そんな凄い人たちがまさかオレの鼻歌を歌ってくれるとは。
週間コンテストはNHKのスタジオで収録が行われ、オレは鼻歌先生という立場を活かしてハイ・ファイ・セットの楽屋に行ってサインをねだった。サインをもらうという行為が照れくさくて「いやあ、友達がファンで」などと失礼な言い訳を口にしたのだが、とてもいい人たちでイヤな顔一つせずに喜んでサインしてくれた。
当時、ケメという愛称のへなちょこなフォークシンガーがいて、オレの鼻歌はそのケメがなよなよと歌うフォークソングをイメージして適当につくられた。だがスタジオで初めて聴いたそれはなんとジャズワルツにアレンジされていて、オレはプロのアレンジャーってすげえと仰天したのである。そのジャズワルツのアレンジに乗せて、ハイ・ファイ・セットは、それはそれは見事なハーモニーを披露してくれた。
NHKホールの最終コンテストでは、さらにゴージャスなフルオーケストラバージョンとなっていて、オレの鼻歌は実に立派なジャズスタンダードに姿を変えていた。これではケメもびっくりである。
裏話であるが、最終コンテストの1ヵ月前にNHKから電話があって、「尺が短いので歌詞を倍にするように」という指示があった。この鼻歌を作詞したのはジュンコであったが、オレはジュンコに相談もせずに勝手に歌詞を書き足したのである。つまりあの鼻歌の作詞作曲の3分の2はオレのものなのだった。
今思うと、ジュンコにはすまないことをしたと反省する。大学卒業以来一度も会ってないし連絡先も知らないのだが、あの後、ジュンコはどうしているのだろう。思いはメリーゴーランドのように駆け巡るのだった。
さて、NHKホールの決勝では、さすがに勝ち上がってきた名曲ばかりが相手だった。リハーサルを聴いたオレは、しばはつみが歌った「マリオの恋人」か南沙織の歌った「風」が一番のライバルだろうと目をつけた。JKだった榊原郁恵は可愛かった。
だからまさか「与作」なんていうちんちくりんな歌がグランプリを取るとはまったく想像もしなかった。
あとで司会の神津善行に聞いたら「プロが絶対につくろうとしない歌だから選ばれた」と「与作」のことを評していた。あれをプロがつくったら業界で笑いものになるというのである。素人ならではの捨て身の反則ワザが評価されたのか。
なるほど、これは森高千里の作詞にも通じることだろう。「秋が終われば冬が来る」なんて、まともな作詞家なら絶対に書くわけがない。この一節をもってしても、森高千里ゴーストライター説は嘘だったことがわかる。
その「与作」がグランプリになってオレは仰天したのだが、実はそのときには既に北島三郎が持ち歌としてレコーディングも済んでいたというから、最初から結果は見えていた決勝大会ということだった。
結局オレの鼻歌は「与作」の後塵を拝して準グランプリになった。それでもよく考えればそれなりにたいしたものだったわけで、ハイ・ファイ・セットの3人がことのほか喜んでくれたのが嬉しかった。いい人たちだったのである。
そのステージで行われた表彰式のシーンがアーカイブで流され、オレがちらっと映ったのを弟がめざとく見つけて教えてくれたという次第。土曜の夕方なんていうアイドルタイムによくもこんなヒマ番組を見ていたものだと呆れつつ、オレもNHK+のアプリで見返した。今ではNHKの番組でさえ、ネットでいつでも見返すことができるのだから、便利な時代だ。
考えてみれば音楽関係で何か賞をもらったのは、これが最初で最後だった。
NHKホールでの決勝大会にはオレの母親と祖母が見に来てくれて、2階席からハンカチを振ってくれた。この結果を受けて両親は「息子が芸能界に行くと言い出すんじゃないか」と心配したらしいが、それはまったくの取り越し苦労だったわけだ。まあ、大学を卒業しても故郷に帰らず東京に残ったという点では同じことだったかもしれないが。
そんな昔のことを、弟のLINEで久しぶりに思い出してしまった。
ハイ・ファイ・セットの3人のうち1人は、音楽活動がじり貧になって追い詰められ、カネ目当てで忍び込んだスーパーであっさり捕まって窃盗で逮捕されて、犯罪者になってしまった。もう1人は先年亡くなってしまった。スーパーで捕まった大川茂はその後にタクシー運転手などをしたが長続きせず、今はどうしているやら。
ラジオからハイ・ファイ・セットの歌が流れてくると大変辛い思いをしたこともあったそうだが、「今はもう何も思わない、静かに暮らしたいから放っておいてくれ」と何かで発言したらしい。
JKだった榊原郁恵は昨年、旦那を喪ってニュースになった。しばたはつみももう鬼籍に入っている。なにしろ45年も昔の話なのだ。それでも当時のことはよく覚えているし、NHKホールのステージから見た客席も鮮明だ。
懐かしくもいい思い出だったのだ。
という具合に書きながら今気がついたのだけれど「夏が終われば冬が来る」というのは、時が過ぎれば誰だってオンナの盛りを過ぎて枯れてしまうんだよ、おばさんになるのはあっという間なのよという比喩だったのかも。やっぱり森高千里ゴーストライター説は本当だったのかなあ。


2023.02.03
社会人になったばかりのオレは、仰天した。オレの父親はこんなに大変なことをやっていたのか、と。
毎朝同じ時間に起きて、同じ会社に行き、同じ空間で、同じ人間と一日中過ごす。そんなことをオレの父親は何十年も続けていたのか。
好きな時間に目覚めて、その日の気分で行きたい場所に行き、好き勝手なことをして過ごしていた学生時代とは大違いである。当たり前のことではあるが、アホな学生だったオレは、社会人になってそんな生活が始まっただけで仰天したのだった。
それでも何とか新しい生活にも慣れ、5年も過ぎると、今度は父親のことを社会人として見るようになる。父親のような人間が上司だったら、あるいは取引先だったら。
こういうところはいいけれど、こういう面はダメだなとか、同じ社会人としてそんなエラそうな目で父親を見るのだった。
そして自分にも子どもが生まれ、2人とも大学生になって子育てもあと少しというところまでくると、父親が「親」としての自分を全うするために必死だったのだということに気がつく。なぜならオレが同じ想いでいるからだ。
なるほど、どんなに辛くても、つまらなくても、歯を食いしばって社会人としての務めを果たそうとしたのは、畢竟、「親」としての役割を果たすためであり、それをコンプリートしたということだけで父親というのは尊敬すべき存在だと気づく。
父親の言葉で妙に印象に残っているのが「どんな仕事でも、頑張って続けているうちにそれは天職になる」というものだった。
父親は公務員だったから、天職という言葉とはちょっとなじみにくいかもしれないが、きっといろんな夢とか希望とかを諦めながら歯を食いしばって生きてきた自分を肯定するような思いが込められた言葉だったに違いない。
そんなことを考えながら、節分の今夜、練馬の畑に向かって豆を蒔く。
息子は「福はー内! ルフィーは外!」と叫び、それを聞いたオレはぎゃはははと笑うのであった。


2023.02.02
今日は朝から終日リモートインタビューだ。
出かけなくていいから非常に楽ちんである。だがリモートでのインタビューは難しい。つまらない。疲れる。
例えば対面でのインタビューだと、わざと間を置くことで「これがキモの質問だかんな」と伝えるといったワザが使える。だがリモートではちょっとした間が空くと妙な空気が流れてしまう。とてもやりづらいのだ。
あるいは話の流れを変えるときにあえて相手の発言中にオレの言葉をかぶせるという荒技もあるのだが、これをネットでやると相手にはまった聞こえず「は?」と問い返されてしまう。効果半減だ。
そんなわけで本来ならインタビューは絶対に対面でやらせてもらいたいものである。
今回も対面でやらせろと粘ったのだがかなわず、リモートになってしまった。
あんまり強引にねじ込むと、あのライターはめんどくせえと敬遠されてしまうので、渋々ながらも顔で笑って「わっかりましたあ」と受け入れるのだ。
そんなわけで在宅でリモートだと移動がなくて体が楽なのは確かでも、気持ちとしてはけっこうぐったりしてしまう。
終わるともう何もする気がない。そこで今日は、駅前の焼きとん屋でビールを飲むことにした。昨日で大学の後期試験が終わって今日は一日だらだらしていた息子を誘い、かぶら屋へ行く。
かぶら屋は安くて気軽で気に入っているのだが、店員によってオペレーションや接客に違いがある。今日はハズレだったなあ。ハズレでも特に不快な思いをしたというわけではないのだが、いつものテキパキさがなかったと思う。
6時には切り上げ、帰りにスーパーに寄って簡単なおかずを買って帰る。晩飯用だ。
そしてあまりに寒かったので風呂に入り、とっとと寝てしまうのである。早く寝るのって気持ちいいなあ。


2023.02.01
ドアがピンポンと鳴る。
おそるおそる出てみたら、宅急便だった。
息子は「ルフィーじゃなかったか」と疑り深そうに聞き、ヨメも「ルフィーじゃなかったんだ」と胸をなで下ろす。オレもルフィーじゃなかったよーと、家族を安心させるために声のトーンを一つ上げる。
まったくもって「ワンピース」にはえらい風評被害になってしまったなあ。
そんなことを話しながら、近所に住むカメラマンのヒラセさんのクマルに乗せてもらって帰ってきた。ヒラセさんに会うのは久しぶりなので、嬉しかった。
今日から2月。
この冬はいろいろと酷いことが多かったなあ。暮れには狭山で近所の逆恨みオノ男が暴れたし、年明けには福岡で逆上ストーカー男が包丁を振り回したし、そして狛江では老女が非道な犯罪に命を落としたし。
そんな酷い冬も、もうすぐ終わる。もう2月だ。
間もなく節分。そして季節は春へと向かう。


2023.01.31
柔軟剤や入浴剤って、昔はなかったものなのにいつの間にか使うのが当たり前になっている。リンスもそうだった。オレたちが子どもの頃はリンスなんてなくて、シャンプーだけで終わっていた。
今では風呂に入るときに入浴剤を普通に投入するけれど、これってお金を溶かしているようなものだなあと思うことがある。無駄な習慣だ。
で、よくわからないのが柔軟剤だ。
息子は肌が弱くて、幼い頃に柔軟剤を使ったらかぶれたようになってしまった。そこで長いこと柔軟剤は使わなかった。
その息子も成人になり、そろそろ平気ではと思って試してみたところ肌には何の異常も現れなかった。一安心である。以来ここ数ヵ月、柔軟剤を使うようになった。
そうして改めて気づいたのが、匂いのするものばっかりだなあということである。無香料はほんのわずか。
いろいろと面白がって試しているのだけれど、香料のきつい柔軟剤は本当にきついわ。無意識にどれだけこの匂いを吸い込んでいるのか。最近、くしゃみが多いような気がするのも柔軟剤のせいかもしれないなあ。
確かに柔軟剤を使うとタオルはふんわりするから気持ちいい。でも、なくてもちっともかまわない。そんなことを考えながら今もいろんな柔軟剤を買ってきて試している。
「カランコエの花」。
映画だ。わずか39分というとても短い映画だ。出かける前の空き時間にちょっと観るのにちょうどいいだろうと思ったのだ。

短くてとても静かな映画だった。だが、中身は素晴らしかった。ちょっと驚いたぞ。 高校生たちを描いた物語で、テーマはLGBT。アホな教師のアホな行動が生徒の心を大きく傷つけてしまう。
傷つけられた姿が実に痛ましい。アホな教師はアホだから、無自覚に自分では素晴らしいと思っている行動を取ってしまう。無垢な生徒たちを傷つけてしまうことにまったく思い至らない。
そのアホぶりに腹が立つ。まあ、映画なんだけど。
何も期待しないで観た映画だったのに、けっこういろんなことを考えさせられた。茨城の田園地帯、自転車に2人乗りするJKのシーンがとても切なくて痛ましく、美しかったなあ。


2023.01.30
本来ならば今日は朝から地方出張の予定だった。地方と言っても群馬だが、群馬と言っても栃木との県境の辺りなので、地方出張には違いない。
だが前日、つまり日曜の夜に突然連絡が入り、先方がインフルエンザにかかってしまったのでキャンセルとの報。
インフルエンザか。コロナではなくて。ならば仕方ない。誰が悪いのでもない。ここは早期の回復を祈りつつ、おとなしく受け入れる以外にない。
となると、ぽっかり空いてしまった月曜日。地方出張に合わせて、片づけるべき仕事は日曜に頑張って終わらせてしまっていたので、週のアタマから予定が真っ白になってしまった。
そこでゴロゴロしながら映画を観ることにした。
本来なら「RRR」に飛びつきたいところであるのだが、なにしろ3時間以上の上映時間に恐れをなして、まだ劇場へ行く気になれない。本国のインドでは休憩時間を挟んで上映しているらしいのに、どうして日本ではインド仕様でやらないのだろう。
なにしろオレたちは、ごろんと横になり、好きなときにトイレに行って、眠くなったらいったん止めて昼寝してというAmazonPrimeやNetflixの鑑賞スタイルに慣れてしまった。イスに3時間以上も座って、トイレも飲み物も我慢するという鑑賞にはもはや戻れない。
「RRR」もAmazonPrimeで観られるまで待つことにする。休憩を挟んでくれるなら考え直すが。
というわけで、月曜の朝からAmazonPrimeで映画だ。
1本目は「犬は食わねどチャーリーは笑う」というコメディ。香取慎吾と岸井ゆきのが夫婦を演じている。
香取慎吾のぼにょぼにょでだらしのない肉体が、ダメ旦那そのもの。岸井ゆきのは、ちょっとブスなところが可愛い。ブサカワだな。
愛し合って結婚した2人なのにお互いの不満がたまって離婚寸前。なんとか踏みとどまってまた歩み寄るという、なんのヒネリもない話だ。コメディなのにあまり笑えない。ほーら面白いだろうと差し出されても、シラけるだけだ。
肉体の話で言えば、ドラマ「大病院占拠」の主役の櫻井翔が酷い。組織からはぐれた一匹狼の刑事というハードボイルドな設定なのに、慶応幼稚舎上がりでぼよんぼよんの肉体をしているものだから、ちっともクールな刑事に見えない。何かあると「ウソだろ」と口走って、ぼよぼよころころの肉体で大立ち回り。もはやこちらのほうがけっこうなコメディである。
というわけで1本目は、まあ、暇つぶし以外のナニモノでもないような映画だった。問題は2本目である。「茜色に焼かれる」だ。
R15指定なので警戒していたが、けっこうエグいエロ場面も多かった。いや、そんなことよりもエグいのは、シングルマザー家庭のリアルさをこれでもかと描き出しているところだ。げんなり、うんざりしてしまう。まともに入れ込んで観てしまうと、こっちのメンタルがやられちゃいそうな映画だった。
月曜日から観るもんじゃないなあ。
物語の終盤、母親が中学生の息子を自転車の後ろに乗せて、夕暮れの荒川の土手を走るシーンがとてつもなく美しかった。まさに茜色。このシーンは出色である。
あととのかく仰天したのが主役の尾野真千子の演技だ。この人、こんなに凄い演技ができたのか。ちょっと見直しました。
個人的にはヤクザ役の永瀬正敏が好き。この人、そこにいるだけで裏の人間の存在感があるんだよね。
こちらの気持ちの弱いときに観てはいけない映画ではあったのだが、各種映画賞で主演女優賞を獲ったこと納得の演技を観るだけでも価値はある。
だが繰り返すけれど月曜の昼間っから観るようなものではない。


2023.01.29
セコムに入ったのは、今の家に引っ越したときだった。ずっとマンション暮らしだったヨメが初めての一戸建てということで不安がり、思い切って入れることにしたのである。
当時、子どもは3歳と1歳。この2人を抱えて、初めての土地で日中ずっと家を守るのはそりゃあ不安だろう。
一般家庭にセコムというと金持ちの豪邸というイメージがあるが、実はそんなに高くない。書いちゃうけど、我が家で月々9000円である。
マンションの管理費と割り切れば、あるいは安い駐車場を借りていると思えば、さして気にする額ではない。万一のための備えとしては許容範囲だろう。
在宅時にドアや壁が破られそうになると大音量で警告が発せられる。緊急通報ボタンがあるので、いざというときに押せば警備員が駆けつけてくれる。
何よりも大きいのは、おなじみにセコムのシールの抑止力だ。目に付くところに貼っておくと、犯罪者は避けて通るのだという。誰でも思いつくようにオレも当然のようにシールだけを手に入れられないかと考えたが、もちろんそんな甘くはないわけで、ちゃんと月々お金を払って警備してもらい、シールも貼っている。
以来20年近く。
幸いなことに一度もセコムのお世話になることはなかった。抑止力の効果があったかどうか、確かめようがないが、平穏無事だったことは確かである。
もっとも左隣には日中から家の前でビールを飲んでひなたぼっこしている瓦職人のオガワさん、右隣にはパンクロッカーの風貌のヤマモトさんがいるという環境も抑止力になったに違いない。今は左に警察署勤務のコンドウさん、右に巨体のガテン職人のワタナベさんが住んでいて、抑止力としては相変わらずだ。どうもオレの周囲にはコワモテが寄ってくるらしい。
かつて幼かった子供たちもセコムに見守られて伸び伸びと育ち、今や2人とも大学生。
さすがにセコムもいらなくなったなあ、もったいないから解約しようかなあと思っていた。解約するにはそれなりの手続きが必要だし、機器の撤去もしなくてはならない。ちょっと面倒である。
それに支払いは半年に一度、まとめて引き落とされているので、解約するなら次の引き落としのタイミングでいいやと先送りにして、結局忘れた頃に次が引き落とされるという、あるある状態。
そんな感じで先送りに次ぐ先送りで、今もセコムに加入したままだ。
ところが事態は急転、ご存じルフィが日本中で大暴れである。まあ、我が家は大丈夫だろうとは思いつつも報道に接すると絶対に安心とは言い切れないし、先日もそうだったようにこの近辺はリフォームのセールスを装った連中が下調べのために徘徊している。
そんなことを考えると、やっぱりまだセコムは必要なのかもと思い直し、しばらくはこのままにしておこうと思っている。


2023.01.28
静岡に住む加藤君が上京したので、久しぶりに同期の仲間が集まり、品川で昼間っから酒盛りである。居酒屋には似たような団体がちらほら。いおあ、昼酒ってことのほか美味いよね。
勢いに乗って、加藤君、伊豆原君と懐かしの祐天寺に行ってみた。加藤君が学生時代に住んでいたアパートを探して訪ねてみる。だいたいこのあたりなんだが、というところで結局見つけられなかった。街並みこそ大きく変わっていないものの、家も人もいっすり入れ替わっているだろうから、仕方ないね。
45年前へのちょっとしたジャーニーだった。
新幹線で帰る加藤君を見送るために渋谷から品川に出ようと思ったが、祐天寺にいるなら新横浜が絶対に近いことに気づく。やってきた東横線が、案配のよいことに菊名行き。
えっ、ここでリリースされるのかよと不安顔の加藤君を、終点まで行ってJRに乗り換えればすぐだからと電車に放り込む。
久々にみんなで集まって楽しかったなあ。ここに山口君と藤田君もいてほしかったよ。
人生のほんの一時期を一緒に過ごしただけなのに、学生時代の仲間とは生涯の仲間なんだ。最も多感な時期に最も濃密な時間を共有したからだろう。
以上、生前最後の集い第一回。次は第二回を来年にでも。
「これは経費で落ちません!(9)」青木祐子・集英社オレンジ文庫。正月に1巻から8巻まで一気に再読して、いささかぐったり疲れたので一休みしたシリーズの9巻を再読。このシリーズは本当に面白い。


2023.01.27
Z世代という言葉はすっかり定着して、企業インタビューで「Z世代の人材が」という言葉は普通に出てくるし、Z世代そのもの人にインタビューすることも増えてきた。
今日インタビューしたのもまさにそのZ世代。というか、息子と同い年の技術者である。高卒で社会に出て既に3年目の人間だ。
オレは別に相手の年齢や属性でバイアスをかけるようなタイプではないので、新人のペーペーだろうが上場企業の社長だろうが、同じように敬意を持って接することができる。息子と同い年だからといって軽く見ることもない。きっちり敬意を持って話を聞く。
それでも息子と同い年だと思うと、この世代がこれからの日本を動かしていくのだと考え、つい応援する言葉をかけてあげたくなるのだった。


2023.01.26
なーるほど、だんだんわかってきたぞ、関東強盗集団の仕組みが。
借金の取り立てという名目で闇バイトを募集する。借金の回収だから、さして罪悪感もなく気軽に応募する。 応募には免許証などが必要なので、この時点で住所も本籍も全部明らかになってしまう。
初心者だからと最初は車の運転役から始まるが、借金回収だと思って現場まで運転していったらなんと強盗だったとわかって仰天。
「とんでもない、オレは抜ける」と言ってももはや後の祭り。免許証で全部バレているから「抜けたら実家に火をつけるぞ」「警察にたれ込んだら家族を襲うぞ」と脅され、身動きできない。
ここのところ家族全員が亡くなる火事が多いように感じるが、もしかしてこれなのか? とネットでは噂されている。
うーむ、恐ろしい。
などと、こういう事件を面白がってネタにしてはいけないなあと反省するオレ。どうして日本はこういう社会になってしまったのだということを憂えなければいかん。とはいえ、オレごときが憂えたところで誰も聞かないし、何も変わらないのは確かだ。
それよりも今日はこれだろう、オレの誕生日。
65歳である。ビートルズの「When I’m 64」を歌って、オレが64歳になるなんて信じられねえよと嘆いた日から早くも一年が過ぎてしまったわけだ。これでオレも法律上、立派な高齢者。立派かどうかは別として高齢者。
早速まっちゃんが「JRの会員になると割引ですよ」とメールをくれた。なるほど、高齢者になるといろんなものが割引になるようで、バーミヤンは60歳から既に5%の割引だった。JRも割引きなのか。
もっともオレの場合、ほとんどが仕事での出張で、交通費は全部先方持ちだから、あんまり関係ないかなあ。
はっ、もしかして割引きっぷを使って、正規料金分を請求すれば、差額をポッケないないできるんじゃなかろうか。いい考えではないか。
これはコマガタ氏には内緒である。
バスなんかも割引になるかと思ったら、都営交通は70歳からだった。70過ぎれば乗り放題なのである。
他にもいろいろと調べてみたけれど、あんまり得になるサービスはないんだなあ。これは70歳になるまで待つしかない。
オレの場合、65歳だというのにまだ巨額の住宅ローンが残っている。税理士が呆れるほど巨額だ。いや、オレ自身が呆れている。まあ、呆れたところでローン残高が減るわけではないが。
子供二人もまだ大学生だ。
その上、ここのところの物価高に売上減である。三重苦の65歳なのだ。三重苦だからって39歳ではない。
そんな現実を思うと、夜中に目が覚めて真っ暗な天井を見上げ、はあーっとため息を付いてしまう。そして前にもこんなことがあったなあと思い出す。そうだ、30歳になってフリーランスになると決めたときだった。
会社を辞め、一人の事務所をつくったものの、オレはこんなことをしてていいのだろうか、選択を間違って始末たのではないだろうかと悶々とした夜を過ごしたのである。
結局なるようにしかならないというのが結論なわけで、あれから35年が過ぎた今も、なるようにしかならねえよと呟いて布団をかぶるのであった。
そんなオレを励ますかのように、バイトで深夜に帰ってきた娘が「コンビニでごめんね」と買い物袋を差し出すのである。中にはチョコレートが3つ。誕生日プレゼントだ。
おおおお、娘よ、ありがとう。父は嬉しいぞ。お前が嫁に行くまで父は頑張るぞ。つーか、嫁にはやらん。 焼酎のソーダ割りで泥酔したオレは、さめざめと泣くのであった。
「棘の街」堂場舜一・幻冬舎文庫。ゴルフの会員“権”がゴルフの会員“券”になっていた。オレは自分の誤字脱字には甘くて、人のミスには厳しいのだ。ハードボイルドが読みたくなって、日本でハードボイルドと言えば警察小説が手頃だから、珍しく堂場舜一などを手に取ってみた。はぐれものの刑事が暴れる話。この刑事はとてもイヤなヤツなのでちっとも感情移入できないのだった。でも面白かった。高校の仲良し3人組が、それぞれ刑事、医師、ヤクザと別々の道を行く。そのことをお互いに知りつつ、高校最後の日に「これでオレたちの仲も終わりだ」と夜通しドライブしたというエピソードが、オレは好き。


2023.01.25
トレーニングマッチとはいえ鹿島が岡山に1-5で負けたものだから、界隈が少しざわついている。トレーニングマッチなのだから結果は気にしなくていいとは言うものの、徳島相手に続けてJ2での2連敗である。
動画が上がっていたので見てみたが、ちょっと酷い守備だった。キャンプ中のトレーニングマッチだから当たりが弱いのは仕方ないとしても、このぐだぐだの守備はけっこう笑える。
Jリーグの99%のサポーターは鹿島が嫌いだから、みんなして腹を抱えて笑っているところだ。Jリーグ初代チャンピオンには敬意を払いたいが、それを笠に着てオレたちは他とは違うという態度意識行動が鼻につくのが鹿島サポ。ついに今年は鹿島のJ2降格という奇跡が見られるかと思うと、界隈はみんなワクワクしている。
一方の我らがアルビレックスであるが、今治相手に6-0と快勝だ。
今治はJ3だし、トレーニングマッチだから結果はさして気にしないが、それでも動画を見たらば驚くほどよいサッカーをしているではないか。今年は早くも絶好調のようだ。
どうしよう、このままでは優勝してしまうではないか。
早くも盛り上がるサポであるが、その様はまるでかつての松本サポ。J1に初めて昇格した松本サポは、自分たちが天下を取った気で態度意識行動が目に余るほど酷く、こてんぱんに叩かれ、あげくにあっさり降格した。
あの二の舞だけはゴメンだ。目の前の敵が最強の敵。オレたちはあくまでチャレンジャーで行くのだ。
サッカーと言えば、ケツの青かったオレたちがドーハだジョホールバルだと大騒ぎしていた頃、世界の強豪であるブラジルやアルゼンチン、フランスを見て、サッカーが強い国は治安が悪いと思ったものだった。
「サッカーが強い=治安が悪い」理論である。
日本代表は弱いけど、でもサッカーが強い国と治安のいい国のどちらに住みたいかといわれたら治安のよい国に決まっているから、日本代表はあんまり強くならなくてもいいかなと思っていた。
それなのに日本代表はドイツとスペインをガチンコで破るくらいに強くなってしまった。おかげで関東を中心に強盗が流行するようになってしまったではないか。
「サッカーが強い=治安が悪い」理論の正しさは証明されたのである。
などと力こぶを作りながらオレが向かったのは、光が丘のブックオフである。
ユニクロの紙袋に文庫本などを詰め込んで、売りに来たのだ。紙袋一杯で3000円。量り売りかよ。まあ、こんなものだろう。
その3000円を握りしめて、ブックオフでまた本を買って帰る。オレは鵜飼いの鵜かよ。例えが違うか。
買ったのは文庫本で、4冊800円。差し引き2200円の粗利である。粗利という言い方が正しいかどうかわからないが。
前にも書いたけれど大量に安く本を読むならブックオフが一番である。オレはだいたい1冊100円の文庫コーナーが中心だ。
古本はいくら買っても作家の収入にならないし、書店が潤うことにもならない。新刊書店でも買うようにしているが、ブックオフでも買うのは、やっぱりお金がかかるからだ。節約しなくては。
なにしろ今月のガス代を見てびっくり。4万円を超えている。うちは東京ガスに電気もガスもお願いしているから、別々に使用するよりもけっこう安いはずだ。それでも去年の同月と比べて2倍近い金額である。
念のため使用量を確認したら、去年同時期とほとんど変わっていない。だからやっぱりここのところのエネルギー高の影響をもろに受けているということなにのだろう。まったくプーチンには困ったものである。
などと買ったばかりの古本を抱え、プーチンに怒りながら帰ってきたら、目黒孝二逝去の報。
いうまでもなく「本の雑誌社」の創立者にして書評家の目黒だ。
希代の読書家にして活字中毒。
活字を見ていないと発狂するという目黒孝二を味噌蔵に閉じ込めたらどうなるかという小説が、椎名誠の「活字中毒者地獄の味噌蔵」だ。味噌蔵に閉じ込められたら目黒孝二は案の定、活字を求めて発狂する。アホな本だった。
活字中毒だった目黒孝二は大学卒業後に就職した会社を「仕事をしていると本が読めません」という理由で3日で退社する。その後も何社も就職したけれど、すべて同じ理由で3日で退社する。当時の夢が、本を読みながら生きていくことだった。
そんな中で椎名誠たちと出会った目黒孝二は、「月刊おれの足」という個人ペーパーを発行する。自分の読んだ本の感想を書いて、勝手に友達に郵送したのだ。これがめっぽう面白くて「オレにも送ってくれ」という仲間がどんどん増えていった。
仲間が増えるのはいいけれど、コピー代と郵送料がかさむのには困ってしまった。それを見た椎名誠が「じゃあ会員制にしてカネを取ればいい」と言い出して、これがやがて「本の雑誌」に発展していった。
結果、目黒孝二は、本を読むことでカネがもらえるという生活を実現する。夢をかなえてしまったわけだ。
これを現代に置き換えると、部屋にこもってネットでゲームばかりしている男が「ゲームで食えたらいいなあ」という夢を本当にかなえてしまったようなものだろう。
平日は本の雑誌社に泊まり込んで読書三昧。週末は競馬場に通う。とことん幸せな人生だったのだろうと思う。
20代〜30代半ばにかけてオレも、「噂の真相」とともに「本の雑誌」の発売を楽しみにして毎月むさぼるように読んだものだった。当時は週末になると平日に買い置きしていたミステリーの新刊を積み上げ、土日で5冊、6冊とまとめ読みしていた。その時間は確かに至福。
だが結婚し、家庭を持つと読書より面白い「育児」というものを見つけてしまって、読書の時間は激減する。目黒孝二の名言「酒と家庭は読書の大敵」は本当だったと感心したものだった。
目黒孝二の書評を読んで知った作品も数多い。なんだか一つの時代が終わってしまったようだ。


2023.01.24
一昨日、屋根のリフォームを装った詐欺がやって来たことは書いたが、今日はその注意を促すメールが警察署から届いた。例の関東集団強盗事件ブームに、警察もやっと本腰を入れ始めたようだ。
「屋根が傷んでいるようです、一度見せてください」と言ってピンポンしてドアを開けさせる詐欺はこの辺で以前から横行しており、「何丁目に来ました」「うちにも来ました」という具合にすぐにネットの地元掲示板で情報交換が行われている。
だから地元ではもう慣れっこになっていて、誰も相手にしない。まさかひっかかる人がいるとも思えない。
だが関東集団強盗事件の報道に接すると、単なるリフォーム詐欺というより、強盗の下見を兼ねているのではないかと思えてくる。
この時間帯にピンポンすると家人が出てくるか、不在か、出てくるのは高齢者か、女性か。そんなことを確認して下見をしているのかもしれない。
ベンツの停まっている家をピンポンしたらおばあちゃんが出てきたら、「日中は高齢者が一人で在宅している富裕層」みたいなレッテルが貼られるのかもしれない。
警察からのメールにも、そんなようなことが書かれてあった。
改めて考えてみれば、確かにこの辺りには地味に富裕層が多い。なにしろ少し前まで畑だった地域だ。アパートをたくさん経営している家も多く、代替わりの相続で税金を現金で1億円払ったなんていう噂も耳にする。古い家に暮らす質素なおばあちゃんが、実は資産3億円の富裕層だったりするのだ。
さらにここには石神井公園がある。明治時代には大学教授らの知識層を中心に避暑地として栄えた場所とのことで、当時の名残の豪邸が公園の前に建ち並んでいる。あの漫画家の弘兼憲史も住んでいるという話だ(確かに「島耕作」なんかには石神井公園が描かれていたりする)。
そんな層の家が建ち並んでいるから、関東集団強盗に狙われてもおかしくはないだろう。
まったく物騒なことである。
そういう豪邸群に比べればオレんちの近所はペラペラの建売住宅だから、目をつけられるようなことないだろうが、それでも物騒であることには変わりない。
以前ならば右隣には長髪ヘビメタ風の山本さんが住んでいて、右隣ではオガワさんが昼間っから庭先でビールを飲みながらギターを弾いていたから、ピンポンで家の様子を探るも何もなかっただろう。その2人が今はいなくなってしまって、ちょっと無防備にはなったのかもしれない。
と思いながらよく考えてみれば、右隣の山本さんの後には見た目も恐ろしい巨体の現役ガテンのナベちゃんが住んでいるし、左にはなんと警察署勤務のコンドーさんが住んでいる。なんだ、やっぱり相変わらずここは安心じゃないか。
ちょっと心落ち着くオレであった。
「鏡の背面」篠田節子・集英社文庫。篠田節子を読んだのは久しぶりである。だいぶ前に感染症をテーマにした「夏の厄災」を読んだ記憶がある。パニックものだったと思う。この日記を検索してみたら、「百年の恋」というのも読んでいた。こっちはまったく覚えていない。
この「鏡の背面」は何の予備知識もなく読み始めた一冊だ。不幸な生い立ちの女性たちが暮らす施設を舞台にしたサスペンスで、この施設に暮らす人々を描いた冒頭は気持ちが暗く沈んでくる。うんざりするような内容だ。だが話の主軸がある女性の生涯を追うことに移ってからは、とたんに面白くなる。
とにかくとんでもない筆力なのだ。こういうのを「人間が描けている」作品というのだろう。同じようなテーマ、トーンでいえば望月諒子が上げられるが、筆力という点に関しては篠田節子が圧倒的だ。
文庫本で650ページ近いボリュームを、一気に読ませる。読み始めると面白くて夢中になる。先日リモートミーティングの約束を忘れてしまったのも、この本を読んでいたためだった。なんとも罪作りな本だ。
しばらく読んでいなかった作家だが、こんなに面白かったなんて。他の作品も読んでみよう。


2023.01.23
ああ、またやってしまった。リモートミーティングのアポをすっかり忘れてしまった。
こないだもやってしまった。二度目である。
今日もこないだも、読書に夢中になっていてすっかり時間を忘れてしまったのだ。寝転がって本を読んでいたらスマホが鳴って「お待ちしてますよー」といわれて、泡食った次第。情けないったらありゃしない。
もちろんグーグルの予定表にちゃんと入れてあったから、せめてパソコンの前で本を読んでいたらアラートが表示されて気づいたはずなのに、呑気にリビルングルームで寝転がっていたのだから困ったもんだ。
前回も今回も「あわわわ、ごめんなさい」で笑って許してくれる相手だからいいようなものの(本当はよくない)、「めんどくせえおっさん」「とうとうボケたか」「クソジジイ」なんて思われるかもしれないので、気をつけなければ。
今日はメールで新しい仕事の問い合わせもあって、2月というのを1月間違え、27日というのを17日と間違えてとんちんかんな返事をしてしまう。早とちりでごめんなさいと誤ってすむ相手だったのが幸い。そうでなければ「こりゃだめだ」と新しい仕事も逃してしまうところだった。
とほほほ、情けない。
今週オレは誕生日を迎え、法律的にも高齢者に仲間入りをすることになる。
なんだかいろんな店でシルバー割引みたいなのが利用できるようだ。やれ、嬉しや。いや、ちっとも嬉しくない。高齢者なんかになりたくない。物覚えの悪いじじいになりたくない。


2023.01.22
ピンポンが鳴ったので宅急便か新聞の集金かと思ってドアを開けたら、詐欺だった。
「近所で高所作業をしていたら、こちらの屋根が傷んでいるのが見えました」という例のヤツ。
強引に屋根に上がって「このままではヤバい」と難癖をつけて、高額なリフォーム契約をさせる。
強引に家に入り込んで、家族構成や経済状況を探る。
狛江の事件もあったし、この手には要注意だ。
戸建ての多い地域なので、よく出没して、そのたびにネットのご近所掲示板に情報が上がっている。
うちに来たのも何度目かだ。
それでも廃れないのは、在宅確認とか、高齢者が住んでいるとかの確認でもしているのだろうか。
まったく困ったもんだ。
などと、ぷんすか怒っているのは別に詐欺だからではない。サッカーを邪魔されたからだ。
今日は皇后杯の準決勝。皇后杯ということは女子サッカーである。
もちろんアルビレックスのレディースの試合だ。対戦相手は日テレベレーザ。あの岩清水と宇津木が今も現役で働いているチームだ。
しかもレディースでは珍しいことにNHKの中継もある。BSだが。
これでスタジアムが近かったらふらりと応援に行くところだが、京都だというのでテレビ観戦にした。
こうしてゲームを楽しんでいるところに詐欺がピンポンとやって来て、しかもアルビレックスレディースは1-3という惨敗を喫してしまったので、ぷんすか怒っているのだ。
まあ、サッカーの結果なんてやってみなけれわからないから、負けるのはしょうがない。
それでも上尾野辺には、何とかタイトルを取らせてやりたいなあ。今も現役でチームの柱として活躍している。
代表チームで活躍して、INACあたりから何度も誘われていたのに「引っ越しが面倒」という理屈で、新潟に残り続けてくれた。実に男気あふれるアニキである。
アルビレックスへの貢献度という点では、田中達也と双璧だろう。
もう引退も近いだろうし、一度だけでも何かのタイトルを取らせてやりたいのだがなあ。
それなのに今年の皇后杯は準決勝で敗れてしまった。とても残念である。


2023.01.21
狛江の事件を聞いて思い出すのが、近所で起きた空き巣である。
近くのアパートで空き巣が発生して、警官が注意喚起に訪ねてきた。そういえばと思い出したのが、数日前に不審な車がいたことだ。
その車は朝からずっと路上でじっとしていた。中には人が一人で、じっと座っていた。
おかしいなあと思ったのは、昼になっても同じ位置でじっとしていて、しかも中には依然として一人の男がじっと座っていたことだった。
警官にそれを話したら「下見ですね」とのことだった。
要するに近隣の家の様子を観察して、何時頃出かけていくか、家は空っぽになるのかなどを見定めているというわけである。
なるほどねえ。
「おかしいと思ったらたるらわずにすぐ電話してくださいね」と、光が丘警察署からやって来たその警官は言うのだった。
以来、路駐の車には注意している。長時間路駐で「わ」ナンバーだったら即刻通報だ。
幸いそういうことはそれ以来起きていない。狛江の場合も不審車両が防犯カメラに残っていたそうだ。気を付けなくちゃいかんなあ。


2023.01.20
衝撃だ! 「珍珍珍」が閉店した! これは我が家にとって年間十大ニュースのトップスリーには入るぐらいの衝撃である。
「珍珍珍」とは何か。ラーメン屋である。我が家から徒歩30秒。我が家から最も近い商業施設でもある。
従って当然のことながら外食するときはファーストチョイスの店だった。
息子も娘も、食べたくなったら1人で行き、食券を買ってカウンターに座り、好きなラーメンを食べていた。
店も当然我が家のことは把握していて、息子が行けば「兄ちゃん、面は堅めがいいだよな」と好みを把握してくれ、娘が行けば「今日はお母さんどうしたの」と話しかけてくれた。
基本的に愛想のない店ではあったのだが、感じは悪くなく、むしろオレたちにとっては居心地のいい店だった。
味も文句なしである。オレはチャーシュー麺か湯麺が多かった。息子は味噌。娘は醤油で、ヨメは豚骨である。 化学調味料をばっちり使っているので、大変に美味いのだった。
絶品だったのはチャーハンである。オレはどこの店のチャーハンよりも「珍珍珍」のチャーハンが美味いと、ひそかに思っていたほどだ。
年が明けてから一度も店のシャッターが上げられることなく、おかしいなあと思っていたら今日、看板が下ろされ、工事業者が作業をしていたのである。
オレは作業中のおじさんに突撃インタビューを敢行。「次の店は決まっていないようですよ」と、坊主頭のおじさんは穏やかに教えてくれた。
暮れも変わりなく、普通に営業していたのだがなあ。
大将の体の具合が悪そうだだったことは、気になっていた。ここ数ヵ月、ちょっとイヤな痩せ方をしていて、動くのも辛そうだった。これセットをしていたんじゃないかな。
体の具合がとうとう行き詰まって、閉店することにしたのか。もう1人の店員も腕はよかったし接客上手だったから、彼が続けてくれると思っていたのだが。
ともかく残念である。
「珍珍珍」と書いて「さんちん」と読む。
あまりにも残念だから我が家が後を継いで「たんちん」という店にしようかという話になった。看板は「丹丹丹」である。でもこれで「たんちん」と読むのは無理があるなあ。やっぱりやめておこう。


2023.01.19
来週は最強寒波が襲ってくるとさんざん煽られる中、マイナス11度に積雪40センチだともはや南極観測隊じゃないかとおびえ、物流が止まるのに備えて3日間ぐらいの籠城は覚悟しておこうとレトルト食品をちょぼちょぼ買い集めている。雪の重みで電線が切れて電子レンジが使えなくなったら、お湯で温めるのだ。もしガス管までやられたらヤバいので、カセットコンロの燃料も買ってきた。
さあ、これでもう怖くない。最強寒波がなんぼのもんじゃい。かかってこいや。
と北の空に向かって吠えるオレであった。
しかし、仕事のキャンセルが相次いでさすがにメンタルがやられた。
本来なら今日と明日は岡山から広島へと旅をしている予定だったのである。だが別の仕事の予定が入ったので泣く泣くお断りする。ところが今度は新しい仕事がキャンセルになってしまうという有り様。涙も出ない。
もちろん誰が悪いのでもない。仕方のないことなのだ。
会社に勤めていれば、ちっ、なんだよこれーと隣の席のヤツに愚痴をこぼし、同期を誘って飲みに行ってスッキリするところだが、フリーはそれができない。仕方なくパソコン相手に愚痴の文字を打つのみだ。とほほ。


2023.01.18
今年のJリーグは2月17日に開幕し、アルビレックスは18日午後に初戦を迎える。6年ぶりのJ1での戦いの相手は、セレッソ大阪だ。(しまった、この日は早瀬さんイベントではないか。仕方ない、忘れてしまったふりをしよう)
その後は、広島、札幌、川崎、浦和と続く。当たり前であるが、みんなJ1である。こいつらと勝ち勝負するのかと思うとめまいがして、思わずおしっこ漏らしそうだ。
いや、漏らしたのはオレではない。浦和だ。
Jリーグは、公式には開幕戦のカードしか発表していない。それなのになぜオレがそれ以降のカードについても知っているかというと、今年前半のスケジュールが記されたファイルをネットで見つけたからだ。
どうやら浦和のスタッフが漏洩したものらしい。
浦和はどうなっているのだ。セキュリティとか、コンプライアンスとか。いや、もともとそういうものにはまったく疎いというか、意識の低いクラブである。ファイルの漏洩なんて朝飯前なのだろう。
不思議なのはそんな浦和に対してJリーグがとことん甘いことだ。PKの獲得数も突出して多いし。
やっぱりJリーグはビッグクラブを作りたいし、それには浦和がいいと思っているのかもしれない。困ったもんだ。
困ったものといえば、あれだ。地震だ。
どうやら巨大地震がいよいよ日本にやってくるという噂で持ちきりである。
大きな理由の一つが、ここのところの海関係の異常だ。
大阪にクジラがやってきたのは先日のことだったが、続けて東京湾にトドがやってきた。
それだけではない。富山湾ではリュウグウノツカイが2匹も網にかかり、兵庫ではダイオウイカが派手に泳いでいた。北海道では無数のイワシが打ち上げられ、浜松や名古屋ではボラが異常発生している。
どうやら日本近海で尋常ならざる動きが始まっているようなのだ。東日本大震災の前年にもリュウグウノツカイが相次いで目撃されていたというし、ついに来たのかもしれないぞ。
海外に目を転じれば、バヌアツやパプアニューギニア、インドネシアで大きな地震が起きた。どうやら太平洋プレートの周縁部で動きがあるらしい。
さらに今年の日本は今が土用の期間。いろいろとよくないことが起きる時期とされている。
来週に予想されている極寒と大雪のタイミングで巨大地震がやってきたら、日本はアウトやんけ。
いや、やんけとかふざけている場合ではない。これらの海関係の異常事象は非常に気になるところで、やっぱり南海トラフか、いや日向灘だ、謄本の太平洋沖は地震の巣窟、いやいや、プレート型に刺激されて直下型も誘発されるから首都直下も、と様々に言われている。
要するになんでもアリだ。恐ろしいことに。
浦和のことなんて心配している場合ではない。地震のことを心配しなくては。


2023.01.17
25日がマイナス11度の予報だったり、マイナス6度に訂正されたり、そして今はマイナス5度から4度あたりで落ち着いていて、まあ、一段落だねと喜んでいるのだが、よく考えればマイナス4度でも東京は大騒ぎなので、あんまり落ち着いてもいられないのだった。
そして今日になって飛び込んできたのが、25日は東京の積雪が40センチという予報である。←この場合の主語は何なんだろう? 主語はないかもしれない。
予報のヌシはヨーロッパあたりの気象機関のようだ。だからけっこうアバウトなのだとは思うが、それにしても40センチとは。本田圭佑なら、よんじゅぅぅっせんちと叫ぶに違いない。
東京で40センチも積もるとしたら、鉄道、道路とも交通機関は完全に止まる。1ミリも動かない。物流が死ぬ。 電線も切れるかもしれない。停電だ。人が死ぬ。水道管も破裂して、トイレが流せないかもれない。最悪だ。
というわけで大混乱は免れない。
週末あたりから買い占めが始まるんじゃないか。よって今のうちから早めに備蓄食料やカイロなどを買い込んでおくことにしよう。皆さんも準備するといいと思うよ。
なんて煽っておいて、何ごともなく過ぎちゃったりして。
いや、それならそれで何もなくてよかったですねと胸をなで下ろせばよい。
ともかく来週は水曜日をピークとして寒さと雪が酷いことになりそうだ。仕事は大丈夫かなあ。
などと案じていたら、さらに悩ましい問題が発覚した。森保ジャパンに名波と前田がコーチとして入閣決定だ。 噂はあったものの、まさかと思ったぞ。さすがに吉田達磨は、噂だけで消えてしまったようだが。
今の代表はほとんどがヨーロッパで活躍している選手だから、日本代表の戦術なんて鼻で笑っているだろう。
鎌田なんて明らかに森保のことを小馬鹿にしているもんなあ。富安だって心の中ではあほらしと思っているに違いない。なんせプレミアリーグで戦っているのだ。森保ごときの戦術なんておかしくて仕方ない。
そこに名波と前田だと。名波も確かにヨーロッパの経験があるが、イタリアに1年いて、使い物にならなくて帰ってきた男だ。
帰国時の「パスタ食いに行ってたわけじゃないんで」という名言は、周囲からそう思われていたことの証し。何しに来たんだこいつはという視線にさらされた毎日だったろう。
そういうレベルのおっさんたちからコーチとして言われたところで、既により高いレベルで結果を出している選手は、あほくさと思うに決まってる。
今や呼ぶとしたら本田圭佑とか長谷部誠あたりじゃないとダメなんじゃないか。長谷部は現役だから強制的に引退させてしまえ。それでいけば中村俊輔はアリだが、暗いのがなんともなあ。
それにどう見ても森保の仲良しクラブだ。ろくなもんじゃない。選手に舐められ、やがて責任の押し付け合いが始まり、電通がしびれを切らして全員解任ということになったりして。それはそれで見物ではあるが。
などと代表を案じている場合ではない。代表はおもちゃだからどうでもいいのだ。
それよりもアルビレックスだ。いよいよ今日から高知でのキャンプである。1ヵ月かけて開幕に備えるのだ。昨年のメンバーがほとんど残ったので、戦術に磨きをかけることが期待されている。
そして昨年のメンバーがほとんど残った、つまり補強がまったくできなかったという点から、今年のJ1降格候補の筆頭がアルビレックスとされている。
新戦力がない。J2昇格したチームがそのまま通用することはない。J2とはまるで強度が違う。そもそも有名な選手がいない。三戸? 誰それ。
そなん具合に思われているのだ。いい感じだ。いいように舐められている。どんどん舐められたいものである。舐められれば舐められるほど、こちらに有利になる。
きっとJ1が始まったら他チームはアルビレックスの戦術に驚くだろう。三戸にも驚くだろう。今から楽しみだ。待ってろJ1。


2023.01.16
気象庁の発表した週間予報で、ネットがちょっとざわついた。
なんと来週の水曜日、25日の東京の最低気温がマイナス11度というのである。マイナスぅぅ? じゅういちどぉぉぉ? 本田圭佑なら、じゅぅぅぅいちど! とのけぞるところだ。
数年前に長野に泊まったとき、早朝の駅前でマイナス6度と表示されていたのにのけぞったことがある。ここは人間の暮らせるギリギリの限界地に違いないと思ったものだった。
だがそれを大幅に超える最低気温が、東京にやってくるというのだ。本田圭佑だってのけぞるわけだ。
まさか、なにかの間違いだろう。誰もがそう思った。
そしてしばらくしたら最低気温はマイナス6度に訂正されていた。
なあんだ、やっぱり間違いだったか。安心したぜ。だが気象庁は間違いだったとは認めていない。通常の予報の更新であると言い張るのだった。
よいよい、ここは大きな心で見守ろうではないか。
なんにせよマイナス11度なんていう地獄の気じゃなくてよかったよ。
って、待て、おい、マイナス6度ってなんだ。ちっともよくないぞ。長野の駅前じゃないか。これでは。
その後、しばらくしてヤフー天気はマイナス1度になっていた。やれやれ、やっと平常運転だわい。
マイナス1度なら水道管も凍結しないだろうし、日常生活に支障もないだろう。マイナス11度なんてことになったら水道管は凍るわ、道路では滑って転ぶ人が続出するわ、電車だってまともに走らないだろうし、東京は大混乱だ。そして例によってそんなもんで大騒ぎかよ都会もんはと、北国の人たちに笑われるのであった。
その北国だが、北海道の北見はなんと明日、マイナス21度の予報である。もはやアウト・オブ・想定外。成層圏外かよ。想像すらできない過酷さに、ただおののくのだった。
そんなふうに極寒の日本の予感に震えながら、今日は一日中リモートインタビューと原稿で過ごす。インタビューは3人。原稿は8000字。まあまあ、よく働いた。おかげでぐったり疲れてしまった。
そして疲れているのに、よく眠れない。いや、ちゃんと寝ているのである。熟睡しているのである。そして必ず4時間でぱっちりと目がさめ、そして眠れないのである。
目が冷めた瞬間は実にすっきりと冴えていてるのだ。だが4時間ではいかにも睡眠不足。翌日に差し支える。
だからトイレに行って、トマトジュースをコップ一杯飲んで(美味!)、あと2時間は寝なければと布団に潜り込むのである。
だがすっきりと目が覚めてしまって、眠れないのだ。困ったものだ。仕方ないから悶々としたあげくにスマホなんかを見ちゃうわけだが、そうするとますます眠れなくなる。当たり前だ。夜中にスマホを見てはいけません。
CPAPのおかげで熟睡できているのは間違いない。しかし二度寝ができなくなったのにはまいった。ひょっとして睡眠障害の予兆のなのだろうか。いや、そんな立派なものではなくて、単に年を食っただけなのかもしれない。
いや、待て。コロナの後遺症に睡眠障害があるという報告も見たぞ。ひょっとしてオレは既にコロナにかかって、発症しないままに完治し、そして後遺症に襲われているという状態なのだろうか。ひどいもんだ。
そのコロナであるが、今や本当にただの風邪状態だ。仕事で3、4人集まったところで、コロナにかかった? と振ると、必ず1人か2人が「かかったかかった」と嬉しそうに反応する。
今や植毛したとかレーシックをしたという人より遥かに多い。いやあ、先週はひどい二日酔いで参っちゃいましたよ、だはははといった程度のノリでコロナ報告である。
きっとこれからはこんな調子でポストコロナになっていくのだろう。
それにしても二度寝ができなくなったのは辛いなあ。ああ、まだ30分寝られると気づいて布団に潜り込むあの甘美さが懐かしい。いや、ちょっとの睡眠ですっきりと起きられるのはいいことなのだろうけど。


2023.01.15
未明に飛び込んできたのが、高橋幸宏が亡くなったという報せだった。
イエロー・マジック・オーケストラ、YMOのドラマーである。
えっ、教授じゃなくてユキヒロ? と思った人はけっこう多かったのに違いない。坂本龍一のがんがずいぶんと進行してヤバいという話はずっと以前からあったからなあ。まさか高橋幸宏が先だったとは。完全にノーマークだった。って、そういう言い方は不謹慎だろう、オレ。
オレの場合、YMOというよりサディスティクスのドラマーというイメージが強い。高橋幸宏は。
サディスティックスはもともと加藤和彦のサディスティック・ミカ・バンドが母体で、加藤和彦が気まぐれによって突然解散したことで、仕方なく残ったバンドメンバーで活動するようになったのがサディスティックス。
高橋幸宏がドラムでベースが後藤次利、キーボードが今井裕、そしてギターが高中正義という、今から振り返ればスーパーバンド的なバンドだった。
オレが高中正義を聴くために初めて買ったアルバムがこのサディスティックスのライブアルバムで、「セイシェル」「ブルー・キュラソー」「レディ・トゥ・フライ」という高中の名曲がばっちりと収められていた。ここでドラムを叩いていたのが高橋幸宏。
主役はもちろん高中だったし、「セイシェル」の名演は今も耳にこびりついているぜ。
もちろん世間的に高橋幸宏と言えばYMOの人だった。人民服に角刈り(テクノカット)という奇抜なファッションは、アイコンとして実に見事であった。これを考案したのが高橋幸宏。
最大のヒット曲となった「ライディーン」は高橋幸宏の作曲となっているが、高橋の鼻歌を坂本龍一がメモに書き取ってレコーディングしたという坂本説と、高橋がAmとFmaj7という簡単なコード進行を書いて坂本龍一がスタジオで編曲したという高橋説があるとのこと。今となってはどっちがどう作ったかはわかるわけもない。たんさいぼうの名曲「えんとつニョキニョキ」だって似たようなものだ。
このあたりのエピソードは「細野晴臣と彼らの時代」(びっくりするほどの労作!)に詳しい。
同書には、「ライディーン」のヒットをきっかけにしたYMOの凄まじいブレークぶりと、それによってメンバーが壊れていく様子が克明に描かれている。
細野晴臣は変装して山手線に乗ったのにあっさりバレて囲まれてしまって、電波系の人間にからまれたりしたらしい。高橋幸宏も渋谷のパルコに行こうとして道端でもみくちゃにされてしまって、行くのを諦めてしまったという。
また、シーナ&ロケッツやプラスチックスが出場する武道館のライブをアリーナ席で見ていたら観客に「ユキヒロだ!」と発見され、その瞬間、人が殺到して大変な事態になったらしい。後になってプラスチックスのメンバーから「コンサーを潰しに来たのか」とも言われたとか。
こうした想定外すぎる過熱ぶりにYMOのメンバーは次第に嫌気が差してきた。特に坂本龍一は、街を歩けば「あ、坂本だ」と指を差される事態にまったく対応できず、ストレスのあまり幻覚や幻聴に襲われてしまったという。そしてこんな騒ぎに自分を巻き込んでしまった細野晴臣のことを次第に憎悪するようになったという。
その細野晴臣も、ホテルの部屋で「写経」するときだけが唯一の安息の時間だったそうだ。なんだそりゃ。
必然的にメンバーはYMOなんて解散してしまえと思うようになり、スタジオのレコーディングでも顔を合わせるのを避けるようになる。片方がレコーディングしていると、もう片方が外で待っていたり。
こんな状況について高橋幸宏は「天才細野と奇才坂本と凡才の自分。2人をつなぎ止めるのが自分の役割」というようなことを言っていたようだ。バンドでも会社でも、あるあるだな。これは。ファンモンの真ん中の人かよ。
そういう大変な時代を過ごして高橋幸宏は日本のポップス史にしっかりと即席を刻んだわけだ。70歳というのはまだ早い気がする。
もっとも先日はCCBのドラム(笠ちゃん)が亡くなったし、海外でもドラマーの訃報は多い。どうやらドラマーというのは短命のようだ。本当かよ。
理由としてささやかれているのが、座りっぱなしの仕事であること、その割に動きが激しくて心臓に負荷がかかりすぎることなどが挙げられている。ますます本当かよ。
長生きしたいならドラムじゃなくてギターがいいんだろうな。


2023.01.14
荒井由実の2枚目のアルバム「MISSLIM」は傑作だ。収められている曲の多くは、ユーミンが十代のときに書いたものだ。
次の3枚目「コバルトアワー」からユーミンの作風はがらっと変わる。セールスを意識してよりポップな曲作りをするようになったためだが、同時にもはや自分自身に十代の感性は失われ、二度と「MISSLIM」のようなアルバムはつくれないという自覚があったことも理由だ。
そのため「MISSLM」までの2枚のアルバムこそ最高であると信じるユーミン原理主義者には、それ以降のユーミンのアルバムは一切聴いていないという人が珍しくなく、「ルージュの伝言」を忌み嫌う人さえいる。このあたりのことは柳沢健の「1974年のサマークリスマス」(失敗作か?)に詳しい。
ユーミン自身「MISSLIM」の3曲目「やさしさに包まれたなら」について「すこけく特殊な歌で、もう書けない」「今振り返ると、何であんなことを書けたんだろうと思うような内容」と振り返っている。
確かに「やさしさに包まれたなら」はとんでもなくスペシャルな曲で、ユーミンの最高傑作だと思う。楽曲のよさに加えて、バックバンドの演奏のすごさも鳥肌ものだ。鈴木茂のギター、細野晴臣のベース、林立夫のドラム。まさしく耳に届くすべての音がメッセージにあふれている。
5曲目に収められているのは「12月の雨」だ。
この曲を初めて聴いたのはオレが高校2年の時。どこかの喫茶店か何かで流れてきたような記憶がある。初めて聴いたその瞬間、今までの日本のフォークとはまったく違う世界だとわかったものだった。吉田拓郎や南こうせつあたりとは、まったく色合いが違ったのである。
そこでオレがそのままユーミンの世界に飛び込んでいったら、オレの音楽人生ももっと変わったものになったかもしれない。だが田舎の高校生にとってユーミンの都会的なセンスはあまりにまぶしく、加えてそのボーカルの下手さにはさすがにちょっと引いてしまった。そこでオレはもうちょっとフォーク色が強くて、歌の上手な五輪真弓に走ったのである。
五輪真弓も悪くなかった。特に「Mayumity」というアルバムは出色。八王子の自宅で録音された曲が多く、とてもナチュラルな音質が心地よかった。今気づいたのだがこのアルバムは細野晴臣が音作りで重要な仕事をしており、鈴木茂も参加している。もしかしたら荒井由実対策として五輪真弓はこのアルバムを出したのかもしれない。
ユーミンの「陽」に対して五輪真弓は「陰」。大学の友人であるオオタも、五輪真弓を指して「暗いよなあ」と肩をすくめていたのを覚えている。
「ジャングルジム」「夕ばえ坂」という実に内省的な歌が収められており、それらはセールスとはまったく無関係な曲ではあるものの、内省的であることに振り切っただけ、非常に魅力的でもあった。今聴き直すと(AmazonMusicで無料でフルアルバムが聴ける)、よくぞここまで内省的な歌を書けたものだと感心する。
もっとも1曲目の「なんて素敵な日」の出だし、鈴木茂のギターと細野晴臣のベースが流れる瞬間の緑色の世界こそ、このアルバムの白眉だろう。オレはこのイントロの1秒を聴いただけで、新潟の3月、雪溶けの景色を思い浮かべる。
というわけで話を戻すと、高校生から大学生にかけてという最も感性豊かだった時期にユーミンではなくて五輪真弓に走ってしまったことが、オレの人生にとっての大きな分かれ道。失敗であった。
「12月の雨」を聴いた衝撃そのままに、ユーミンの道を行っておけばオレにはもっとポップでシティなセンスが磨かれ、シャレオツな音楽が創れたことだろう。
五輪真弓には責任を取ってもらいたいものであるが「知らんがな」と言われて終わりそうである。


2023.01.13
浜松町の駅前のドトールでコーヒーを飲みながら、オレはコマちゃんに嘘をついてしまった。
今年の夏には都知事選挙があると言ってしまったのだ。ごめん、コマちゃん。次の都知事選は2024年、つまり来年だったわ。嘘つきのおいらを許しておくれ。
その都知事選だが、小池百合子の言動を見ていると、あいつは明らかに国政への復帰にやる気満々じゃねえか。
チャイルドファーストだって「国が遅すぎるから都がやる」なんて言ってるが、どちらも2023年になってから、つまり同じタイミングでの発表だ。つまり国は遅いが都も遅いのが本当だ。
それなのに無理に屁理屈をつけて対立軸を作って国にケンカを売ろうとしているわけで、そんな国を変えるために私が立ち上がるのよキリッという流れに持っていきたいという企みの表れだろう。
まつたくケンカ上手なことである。だがそんな腹づもりは、もはや都民にはとっくに見透かされている。通用しないだろう。
きっと高市早苗にライバル心をメラメラと燃やしているのだろうなあ。高市センセは阿倍ちゃんという後ろ盾を失ってしまって足場が弱くなっている。一時は次期首相の目もあったのだろうが。そこをついてのしていこうというのが百合子の作戦。機を見るに敏。野田聖子とは仲良しらしいから、共闘するかもなあ。
気になるのは百合子が去った後の都知事のイスである。
東国原が立候補したら笑うぞ。橋下徹も出るんじゃないか。
こうなったらいっそ櫻井誠でいいような気がする。
そんなことを話しながらコーヒーを飲み、オレとコマちゃんは次の戦場へと立ち上がったのだった。


2023.01.12
DAZNが月額3700円に値上げされるというので、サッカー界隈では悲鳴が上がっている。
現状、J1リーグを見ようと思ったらDZNに加入するしかない。Jリーグがべらぼうなカネをもらって、2025年まで試合の独占配信権を売り渡したからだ。
おかげでオレたちはJリーグのすべての試合をリアルタイムで確実に見ることができるようになった。ありがたいことである。
以前ならば数少ない地上波の放送を楽しみにし、アウエーの結果はスポーツニュースで知るしかなかった。ついこないだまではスカパーで中継していたので、ネット経由でギクシャクした画質の映像にかふりつくしかなかった。それを思えばDZNのリアルタイム配信は夢のようである。
しかも2000億円とかのべらぼうなカネがJリーグに入り、各クラブの懐にも余裕が生まれた。DZNさまさまである。
一方でDZNの収益は上がらなかった。加入者が思うように増えなかったのだろう。たぶんJリーグ人気を見誤ったのだ。見積もっていたより人気はなかったのである。野球についても同様で、カネを払ってまで野球を見るという人は、案外少なかったのだ。
加入者が増えなければ赤字がかさむビジネスモデルだ。DZNの赤字は年々膨らみ、ついに去年、大幅な値上げに踏み切ったのである。
それまでは1ヶ月1000円程度だった配信料が一気に3000円に。それが一年後に再び値上げして3700円になったのである。おかげで悲鳴が上がったというわけだ。
もちろんいくらになろうとコアなサポーターは見る。見ないわけがない。たとえ1万円になったとしてもオレは見るだろう。
そもそも月3700円ということは一年間で44400円。趣味だと思えば年間45000円なんて安い趣味ではないか。 もちろんこれはコアなサポーターの感覚であって、ライトな層にしてみれば新たに月3700円なんてとても払う気にはならないだろう。
結局はワールドカップで「日本のサッカーもやるじゃん」と感心して「ちょっとJリーグでも見てみるか」と思った層を、取り逃がすことになる。せっかくの見込み客をみすみすのがしてしまうのだ。ああ、もったいない。なんてもったいない。
だから必要なのはDZNの独占契約ではなくて、ある程度は地上波でも放映できるような契約に変えることだろう。そんな変更が可能かどうか、知らんけど。
幸いオレはドコモ経由での契約なので、1900円のまま据え置きだ。しかし油断はできない。あっさりと約束は反故にされ、ドコモもやっぱり値上げしましたという事態が十分に想定される。
何でもかんでも値上がりする、実に切ない時代なのだ。


2023.01.11
あまりに暇なので散歩でもしようと思ったが、ふと「最愛」を見逃していたことを思い出し、どれとFireTVのスイッチをぽちょんと押してParaviをつけた。
「最愛」とは吉高由里子主演のテレビドラマだ。2021年。なんだかいろいろと賞をとったようで評判が高い。「アンナチュラル」「MIU404」と同じプロデューサー×演出家のコンビという点もポイントだ。面白いに決まっている。
というわけで午後、テレビの前に寝転がって見始めた。大丈夫なのか、オレ。こんなんで社会復帰できるのだうか。
見始めた「最愛」は、さすがに面白かった。こちらの予想を裏切る目まぐるしい展開。このテンポの良さはこの演出家の持ち味だろう。テレビドラマというものをよくわかっている。
吉高由里子が、役員会に何十人も出席するような大会社の社長にはとても見えないという致命的なツッコミどころはある。序盤で描かれた岐阜の自然の美しさに見事にマッチするから、もしかしたら吉高由里子は田舎の気のいい姉ちゃんというのがはまり役なのかもしれない。
たちまち引き込まれてしまって一気に5回まで観てしまった。いったいどこまで続くんだと思ったらなんと10回まである。そりゃあテレビドラマだからなあ。2時から観始めて気がつけば夜8時。さすかにうんざりしてきて、残りはまた後日と切り上げたのだった。
今来ているのはインド映画の「RRR」である。去年秋、日経新聞の映画評で絶賛されていたので気になっていた。今年になってじわじわと人気が高まってきて、一旦は上映終了となった映画館が続々と再上映に踏み切っている。我が家から二番目に近い映画館でも来週すら再上映の予定らしい。
ゴールデングローブ賞ではなにかの賞も採ったようだ。その対象となった音楽のシーンをYouTubeで観たら、あまりの切りぶれに呆然とし、腹を抱えて笑った。
まったくインドってのは底知れぬ国だわい。
などと笑いながら「これは経費で落ちません」の第8巻を読む。このシリーズの再読はこれで終了だ。やれやれ。まとめて読むのも案外疲れる。


2023.01.10
月末の締めまでに残り3日しかないというのに、売上は目標の半分にもいってなくて、このままでは予算達成は絶望的である。だが本当の勝負はここからだ。オレたちには無限のポテンシャルと根拠のない自信があるんだ。
そこからの3日間はまさにミラクルで、最終日の午後5時の締め直前に最後の契約が取れ、滑り込みで予算達成。やったぜ、オレたちってやっぱすげえよな。仲間も最高だし、成長できたぜ。よーし、打ち上げに行くぜ。
そして反動で脱力したまま月が変わり、だらだらと過ごして再び残り3日を迎えて予算達成はほとんど不可能になり、上等じゃねえか、オレたちはやってみせるぜと以下同。
もちろんできる営業はこんなことはしない。月の頭からコンスタントに結果を積み上げていって、月末が近づいても残業することもないし、何だったら既に次の月に向けた仕込みも始めている。
だが概して社内的にウケがいいのは、3日間のミラクルで盛り上がるチームだったりするわけだ。声も態度も大きいし、毎月のことながらよく目立つ。
人材系のベンチャーあたりでよくある話だ。
ひょっとしてオレの去年の暮れ頃の日記って、こういう状態ではなかったのか。
ノルマ達成のために突然目覚めて、結果的に帳尻を合わせてしまったという。
うーむ。そう考えるとオレ自身が実にバカなことをやったもんだと思えてくる。アホか。
そもそもこんな日記、誰も見てないし。
と思って、一体何人がここを見ているのだろうということを書いたわけだ。今日ふと思い立って、ここを管理しているサーバの解析ツールというのを使ってみた。
そうしたら12月の日記に対する一日の平均リクエスト数が199件で、リクエスト成功数の平均は47件と表示された。どういうことだ。
「タンゴの書いたアホな日記を見せろ」というリクエストが毎日199件もあって、それに応えて「じゃあ見せてやろうか」と表示した数が47。そういう理解だとすると、この日記を見ているのは平均して47人ということになる。
時間別では午前10時が最も多く、次が午後3時、午後7時、午後9時。仕事の合間にのぞいている暇人が多いということなのだろう。皆さん、ちゃんとお仕事してくださいね。
1日47人。まあ、そんなものか。ここを見ているのは。
まっちゃんにオザキにコマちゃんにカナウチおじさんにウッチーにイサワくんにダテくんにサトコに弟。普段からよく見てくれているのはせいぜいこの9人ぐらいじゃないかと思っていたので、それ以外に40人ぐらいが見ているということにちょっと驚く。
やばいぜ、これは。言葉に気を付けなければ。すでに遅いか。たっぷりと反感を買ってしまったのではないか。
これはオレが誰にみせるつもりもなく好き勝手に書いているものだ。普段、修正を要求されたり書き上げたものを一方的に書き換えられたり(しかも下手な文章に書き換えられている!)しているから、誰に何も言われずに勝手に書きたいと思って書いている日記だ。寿司屋が客のためでなく、自分のために自分の好きなネタだけを握るみたいなものか。
そもそも他人の日記をのぞき見するのはよくないです。
とまあ、そんなどうでもいいことを書きながら「これは経費で落ちません!」も7巻まで読み終えた。さすがに立て続けにこれだけ読むと、うんざりしてくる。そろそろ終わりにしようかと思っている。
今日はこれに続けてアルビレックス新潟を取り巻くちょっとした騒動について書いておきたい。平均47人の皆さんにもこの騒動をちゃんとお知らせしたいからだ。
毎年この季節には各チームとも選手の入れ替わりがあり、新しいシーズンに向けて新しいチーム編成が進んでいく。非常に盛り上がる時期だ。
だが今年のアルビレックスは新加入選手がほとんどいない。一方で去年のJ2優勝メンバーがほとんど残留した。要するにJ1昇格を果たしたチームが、このままJ1で通用するか、確かめたいというのが今年のテーマというわけだ。
オレとしては、よくこれだけ選手を残すことができたと感心している。何しろチームを離れたのは2人だけ。
去年のメンバーがそっくり残ってくれた。そしてこのチームがJ1で闘えるかということについては、おそらく去年のJ2の熊本ぐらいにはやれるのではないかと見ている。
つまりダークホース的に「いいサッカーしてるなあ」と唸らせるぐらいにはやれるだろうと。結果、うまくすれば1ケタ台の順位でイケるのではないか。
個人の力ではなくて戦術と組織力で勝ってきたチームである。この特殊な戦術がJ1で通用するかは非常に興味津々で、ある程度できるだろうと踏んでいる。そして戦術が特殊なだけに新しく入った選手がハマるのは、非常に難しい。新加入選手が少ないのも当然だろう。
だがそれに納得できないサポーターも多い。新加入選手がいない、鼻血バドーのブラジル人選手がいない、クリロナでもモドリッチでもいいから獲ってこいと不満たらたらなのである。
それに噛みついたのが、前の社長。「選手も見ているのだから、言葉に気を付けろ」とTwitterで諫めてきたのである。この社長は、選手の飲酒運転を隠蔽しようとして騒ぎを大きくしてクビになった人物である。今やチームとは何の関係もない。そんな人間に上から目線で注意されたことで、頭に血が上るサポーターが出てきた。
一方では「NGT騒動のように新潟の閉鎖的な風土がこんな不満だらけのサポを生むのだ」とディスる人間も出てきた。だがNGT騒動で関わったのはすべて県外の人間で土着の風土とは無関係というオチもついた。
こんな具合にチームが始動するまえから香ばしい騒ぎが起きていて、早くもワクワクさせてくれるのである。
来週には高知でのキャンプもスタートするし、いよいよサッカーが始まるんだなあ。今からとても楽しみである。J1で旋風を巻き起こしてやる。
などと考えながら力こぶを握ったりして、オレは駅前の床屋で髪を切ってもらった(ちなみに床屋も不快用語である)。切り終えたと思ったらおばちゃんが「あら、一本だけ長いのがあるわ」と耳元でぼそっとつぶやいたので、切っておいてと頼んだところ、おばちゃんは「独り言だったのに聞こえました? いつも大きい独り言だって言われるんです」という返事。耳元で言われたら、そりゃ聞こえるに決まってるよおばちゃん、というか、ひ、独り言だったのかよおばちゃんと、オレはイスの上でずっこけたのだった。


2023.01.09
長かった。正月休みが。
何かを強調したいとき、倒置法はなかなか便利だぞ。
「長い正月休みだった」と書くより強く印象づけられる。
今日はその正月休みの最後の一日だった。
そして今年最初の打ち合わせが、横浜であった。電車に乗るのも久しぶりである。最後に乗ったのがオザキたちと赤羽で飲んだ12月26日のことだったから、実に二週間ぶりの電車だ。おかげで乗り方を忘れてしまったではないか。
Googleのタイムラインでは毎月「先月はこんなところへ行きましたよ」というのを教えてくれる。今日は「去年はこんなとこに行きましたよ」というお知らせが届いた。
これを見ると北は札幌から南は長崎まで、去年はよく移動している。盛岡、新潟、静岡、名古屋、大阪、神戸。四国と中国地方には行ってなかったが、けっこうあちこち飛び回っているではないか。地方遠征は楽しいのだ。 これだけ全国各地を訪ね歩いているオレが、年末年始の二週間、ずっと引きこもりだったのである。そりゃあ久しぶりの電車にも緊張するだろう。
横浜に到着して電車を降りて、びっくりする。晴れ着のお姉様たちがわんさか歩いているのだ。そうか、成人式だったか、今日は。
我が家では息子が去年成人式に参加し、娘が来年の予定だ。おかげで去年は晴れ着を買え、着付けの予約をしろというセールスが鬱陶しかった。ダイレクトメールなら丸めてゴミ箱に直行で済むが、電話は面倒だ。今時、固定電話なんて鳴ることがないから、電話がかかるたびに晴れ着屋だと思い、受話器を取ると実際に晴れ着屋であるから笑ってしまう。
もちろん仕事でかけているのだから、連中もご苦労さんである。
「お嬢様のお母様はいらっしゃいますか」と言うので、私は父親ですが父親ではダメですかと返すと、かすかにびびるのが面白い。真面目にセールスしている人をいじるのはよくないなあと反省するオレである。
成人式のお嬢様以上に驚かされたのが、横浜の変貌ぶりである。横浜には1年に1、2度足を運ぶのだが、常に工事をしていて変わり続けており、いつ果てるともわからない様子から「日本のオブラディ・オブラダ」と呼ばれている。ウソである。「日本のサグラダ・ファミリア」のボケである。
今日は西口のダイヤモンド地下街がなくなっていたのにはびっくりした。
横浜駅西口と言えばダイヤモンド地下街だろう。
まだ成人式も迎えていない18歳の頃、大学受験のために二週間近く上京していたオレは、横浜の親戚の家に泊めてもらっていた。日中、大学の下見や受験本番のために都内をうろうろしたあと、親戚の家へ帰るために横浜駅西口のダイヤモンド地下街を通り、バスターミナルに出て5番乗り場からバスに乗ったものだった。
以来、横浜といえばダイヤモンド地下街である。いつだったか仕事で横浜を訪れた帰り、ダイヤモンド地下街を歩いていたら、その親戚のおばさんが歩いていたのにばったりと遭遇。お互いに仰天したっけ。そのおばさんも天に昇ってしまった。そんなことを懐かしく思い出す。
ダイヤモンド地下街がなくなってどうなったかというと、やっぱり地下街になっている。名前はジョイナス。なんだ、相鉄のジョイナスがここまで進出してきたということか。
ともかく東横線が地下に潜ったり、ダイヤモンド地下街が消えてしまったりと、日本のオブラディ・オブラダはまだまだ変わり続けるのだろう。
その地下街のカフェで打ち合わせを済ませ、夕刻だからということで軽く飲むことにする。新年会みたいなものだ。
駅近くの飲食店街を歩いたら晴れ着やスーツ姿の団体であふれている。新年会で再会した仲間との飲み会なのだろう。わいわいと楽しそうだ。こういう若者たちが集まって騒げなかったわけだから、コロナも罪である。
おじさんは遠い目をしながら、若者たちのはしゃぎっぷりに目を細めるのであった。
横浜と石神井公園は副都心線で1本である。座ったまま1時間で移動できる。昔に比べれば考えられないほど便利になったものだ。決して近くはないが、楽ちんなのである。移動は。
おかげで横浜駅で電車を待つ人々は「飯能行き」とか「森林公園行き」とかの、別世界の地名を目にすることになり、大いに戸惑った。それは逆も真なりで、飯能の山奥に住んでいる人々が「中華街行き」なんていう、これぞまさに国境を越える電車なのとか驚いたのである。
この流れで面白いのは、田園都市線と東武線の直通運転が始まったときのことだ。東武線の車両が田園都市線に乗り入れたと思ったら、車内はサラ金の広告であふれていることに田園都市線沿線の人々は仰天。なんという異次元の空間だろうとたまプラーザの金妻たちが恐れおののいたというのである。首都圏とはいえ、沿線が違えばそれぞれ違う物語があるのだ。
そんなことを考えながら横浜駅で小手指行きの直通電車に乗る。特急だ。もちろんしっかり座れる。
おかげで乗り換えもなく、ぼけっと座ったまま帰れる。酒をちょっと飲んだので、寝過ごしにだけ気を付ければよい。オレは勝ち組。
と思ったら電車が急に止まり、どこかの踏切の近くで人が侵入したので東横線は全線停車するというアナウンスが入った。なななな、なんということだ。どうせ成人式のバカがはしゃぎすぎて線路に侵入したんだろう。まったく迷惑な話だ。成人式なんてやめてしまえ。
おかげでせっかくの直通特急が10分遅れになってしまった。さらに地下鉄に入ったら、今度は東武線で人身事故でダイヤがグダグダだという。そのためなんと「この電車は特急ですがダイヤ調節のために各駅停車に変更します」だと。そのアナウンスが流れた瞬間、車内には「はあ?」というため息があふれたのだった。
去年は全国を飛び回ったオレが、二週間ぶりに電車に乗ったと思ったらこの始末である。今年も先が思いやられる。
各駅停車でとろとろ走って、ようやく21時過ぎに駅に到着。息子がクルマで迎えに来てくれていた。
横浜駅でお土産に買ったシウマイを差し出したところ「もうご飯は食べたよ」との返事である。仕方ないので家に帰って一人でシウマイをつまみに酒を飲む。
シウマイって、こうして単体で食べるとすごいしょっぱいのね。けっこうな塩分が入っているんだと気づいて、ちょっと驚く。なるほど、この大量の塩分のおかげで、白いご飯と一緒に食べると美味しいわけだ。シウマイ弁当も売れるわなあ。
そんな新しい発見に満足するのである。オレは。


2023.01.08
小説を読むのは一休みして、今日は映画だ。正月休みもいよいよ終わりに近づき、だらだらすごせる黄金の日々も終焉を迎えつつある。
まずは「ホペイロの憂鬱」だ。
ホペイロって言うのはサッカーの用具係のこと。つうか、正確には雑用係だ。何でも屋だ。奴隷だ。そんなホペイロのぐだぐだの日々を描いた日本映画である。
相模原の架空のJ3チームがその舞台なのだが、当然のことながら実際のFC相模原のクラブハウス、グラウンドを使ってのロケである。要するにカネのない映画だ。
従って映画そのものは非常に貧乏くさく、その貧乏くさいこと自体が、こちらの気持ちをげんなりさせる。予算がなければないで、「カメ止め」みたいに空元気だけでも出してほしいのだがなあ。
低予算映画であるから役者もしょぼくて、下手くそな演技が薄ら寒い。そんな中になぜか佐野史郎がぽつんと監督役で出演している。なるほど、理不尽なことを絶叫しまくるエキセントリックな役柄に、佐納四郎はぴったりだ。それだけに他の役者との落差がありすぎて、これまた辛い。
広報役の女性が美人だったことが救いか。
ぐだぐだな休日にぐだぐだ観てぶつぶつ言うのにちょうどいい適当な映画だった。
続けて吉高由里子が観たくなって、テレビドラマ「正義のセ」を観る。
吉高由里子って可愛いよねえ。これでもう34歳なんだもんなあ。メンヘラチックなところとか、頭の悪そうなところとか、たまらん。きっと脱ぐのもまったく平気なのだろう。だからやたらとエロい役も多い。
だがこの「正義のセ」では、なんと検事役である。2年目の新人検事として様々な壁を乗り越えて成長していく姿を描くというのが、このドラマの趣旨のようだ。
安田顕、三浦翔平、塚地武雅、生瀬勝、久宮崎美子とか、役者が地味にそろっている。妹役は広瀬アリスだし。
なんだか役者の無駄遣いのようだ。恋人役の大野拓朗は、「三匹のおっさん」で早苗ちゃんの恋人役だったアイツではないか。
その早苗ちゃん役の三根梓は、あの「あまちゃん」のオーディションで能年玲奈と最終選考まで残ったという逸材だったのだが、はて、今ではどこでどうしているやら。まったこと芸能界というのは弱肉強食すぎる世界である。
さて、この吉高由里子が主演の刑事ドラマであるが、案外としっかりしたつくりのドラマではあった。展開がベタすぎる。いや、テレビドラマで検察ものときたら必ず最後は悪いやつが起訴されて検察の勝利でなければならないから仕方ないが。役者もそれなりにそろっていて、演技もうまい。
ただ最後まで残った違和感が、どう見ても吉高由里子が検事に見えないということである。つまり吉高由里子=バカというのがこちらの頭に刷り込まれてしまっているので、こんなバカな女がいくら考えてもわかるわけはないだろう、バカなんだから黙ってにっこり笑ってろと思ってしまうのである。
たぶんこんなことが明らかになったら、オレはフェミの皆さんからフルボッコにされてしまうのだろう。こわいこわい。
さて続けて観たのがこれ。「マイ・ブロークン・マリコ」だ。これは掘り出し物だった。
永野芽郁ちゃんが見たいなあと思って検索した映画だ。22年の9月だからついこないだ封切りの映画じゃないか。それがAmazonPrimeでもう無料ということは、あっさりとコケた映画だったわけだ。そんなことも知らずにまったく予備知識もなく、芽郁ちゃんを楽しもうと思って観た。
ところが肝心のその芽郁ちゃんが、タバコは吸うわ、怒鳴り散らすわ、大股開きでいらつくわ、一人で居酒屋で飲んだくれて知らないオヤジたちに毒づくわでびっくり。超絶ブラック企業の営業として怒鳴り散らし、クソ上司に食ってかかるのである。
ひゃあ、芽郁ちゃん、どうしてグレちゃったの。
この芽郁ちゃんの親友が自殺したところから話は始まって、虐待していた家族のもとに殴り込んで遺骨を奪い取り、そのまま深夜バスに飛び乗って青森の寂しい海まで持っていって散骨するという無茶苦茶な話だ。
もうこれは芽郁ちゃんの迫真の演技に尽きる。あとは旅人の窪田正孝の地味な演技がなかなかによかった。 クソオヤジ役が尾美としのりで、まさか尾美としのりとは気づかなかったのもよかった。
ちょっと軽く脳みそを揺らされた感のある映画だった。こりゃあヒットするような作品ではないなあ。とても骨太の、よい映画である。
こうして朝からテレビの前で過ごし、夜には「イッテQ!」からのニュースで一日が終わったのであった。


2023.01.07
デジタル遺品がたびたび話題になる。実はその整理にこまめなのは、シルバーではなくて若い世代らしい。デジタルデータの便利さと危険性をよくわかっているからだ。
なるほど、確かに。
元カノの写真とか音声とか。そういうのを女々しく残しておいたところで使い道はなく、むしろ誤ってデータ流出でもしたらかえって面倒になる。だから若い世代ほど、デジタルの断捨離をちゃんとしている。
というわけでここで書きたいのは「断捨離」なのだ。
実は「断捨離」という言葉、商標登録されているのである。ちょっとびっくりだよな。
以前、原稿に「断捨離」と書こうとして、待てよと思って確認したら、やっぱり商標登録されていることがわかり、あわてて「生前整理」とかに書き換えたことがある。
どこかのおばちゃんが登録していて、権利を持っているらしい。しかもけっこう強硬な人らしくて、無断使用されるとねじ込んでくるらしい。オレの書いた原稿でクライアントがねじ込まれたら、そりゃあ困る。
大方の人が「断捨離」なんて既に普通名詞だろうと思っているから、これはなかなかのトラップではないか。気を付けなければ。
使い勝手のよい言葉なのにテレビなどであまり見かけないのは、こういう理由だったのだ。
などと考えながら今日は高校サッカーの決勝戦を観る。
痛快だった。
「PK戦は運ではなくて練習だ」と、勝った岡山学館が断言したからだ。
どこかの代表チームと森保は、岡山学館にPK戦の教えを請うべきである。
キーパーの取れない位置に蹴り込む練習を毎日のようにしているのだという。PK戦には必ずぶち当たるから、練習は必須なのだ。
ワールドカップだって負けたら終わりの決勝トーナメントになれば試合は堅くなり、PK戦が増えるのは当然のことなのである。
岡山学館はその練習通り、ゴール左上の隅に続けて決めた。キーパーにはなかなか厳しいコースだった。
また最初のキッカーは、真ん中の上にドスンと決めた。中央上に力一杯速いボールを蹴り込むのは必然の作戦だ。どこかの代表チームの最初のキッカー、南野のおどおどしたボールと比べればその違いは一目瞭然である。
ともかくオレは、無策で敗れ去ったあの情けないPK戦に対して何の反省もせずに、ニコニコと笑って森保続投を決めたことが我慢ならないのだ。感動をありがとう、ドイツとスペインを破った日本すげえと持ち上げるメディアが許せないのだ。このままでは間違いなく4年後も負けるわ。
岡山学館にPK戦を教えてもらえってんだ。
それにしても対戦相手の神村学園のキーパーはマナーが悪すぎた。圧をかけるつもりなのか、相手キッカーの前に仁王立ちしてにらみつける。それは高校生のやることではないな。この態度は改めなければならない。放置していた指導者の責任である。
もっともそんな悪行をお天道様が見逃すわけもなく、神村学園はしっかりと敗れ去ったのだった。
エースの福田は高校卒業後、ドイツだそうである。やめた方がいいんじゃね? チェイス・アンリの二の舞だぞ。三笘を見ろ。高卒で海外はリスキーすぎる。三笘のように日本でしっかりと基礎を固めてからのほうが正解だ。
などと考えながら今日も「これは経費で落ちません!」を読む。5巻と6巻の半分までだ。続けて読み返してもやっぱり面白いわ。
その一方で人々に押井守「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」を観る。AmazonPrimeでもこれは有料だ。400円。
やっぱり名作だなあ。なんとかデジタルリマスター版をつくってもらえないものだろうか。


2023.01.06
どうせ誰も見てないし、どうせ予算もないし、だったら好き勝手に遊んでしまおうぜ。
という開き直りがますます目に余る。テレビ東京は。
「YOUは何しに日本へ」のあたりからその傾向は顕著になってきた。
カネがないから人手もない。仕方ないからたった二人で空港へ行って、飛び込みでインタビューしたら何かネタが拾えるんじゃないか。そんないい加減というか適当というか、イージーすぎるやっつけ番組がヒットしてしまった。
次が「家、ついていってイイですか」だ。これも深夜枠。同じ発想で適当にインタビューすれば何か拾えるんじゃね? 程度の安易な発想でやってみたら面白かった。
ゴールデンタイムに移って視聴者を意識するようになったらつまらなくなったのも当然か。まず自分たちが面白がるところがないとなあ。
例えば以前、代々木に住む仙人の家について行ったことがあった。それは思い出すのもおぞましいほどに汚れきった家だった。だが取材スタッフは臆することなく飛び込み、なんと一緒になって掃除までしてしまった。それぐらいのアナーキーさが面白いのだ。
今は単なるちょっといい話、街のいい人紹介になっている。
1年前にBSテレ東で放送されたのが「Aマッソのがんばれ奥様ッソ!」である。これはオレも見逃していた。先日、Paraviでやっと見た次第である。
物議を醸したかというか、ネットがざわついた番組とのことで、確かにこりゃなんじゃという内容だった。非常に説明しづらいのだが、何という馬鹿馬鹿しさなのだと呆れてしまった。
BSテレ東の、しかも深夜枠ということで、ほとんど誰も見ていなかったらしい。プロデューサーによれば視聴率は0.0%だったという。わははは、なんだそれ。
どうせ誰も見ていないという開き直りもここまで来るといっそすがすがしいわけで、なるほど、だからこういう発想の番組が生まれたのか。この同じプロデューサーが最近仕掛けた番組があるそうだが、それはけっこうヤバいホラーらしくて、怖いものが苦手なオレはまだ視る勇気が持てていない。「このテープもってないですか?」という番組である。うーん、ヤバそうだ。
テレビというメディアの違和感みたいなのを明らかにしていこうという狙いのようで、その違和感が恐怖へと昇華していくのではないか。よくわからん。なにしろ見ていないのだから。
先日の「ゴッドタン」 にも仰天した。これはTBS。1月3日の放送である。芸人が本気で歌ネタに挑戦したというもので、特に最後の劇団ひとりのネタは下品とか下劣とかを飛び越えて、こんなものをテレビでやっていいわけがないだろうという酷さだった。あまりに酷くて腹を抱えて笑い転げたわ。
どんなネタだったかなんて、とても文字では書けない。気になる人はぜひ自分の目で確かめてくれ。こんなものが正月の地上波で流されていたのだ。
ちょっと揺れを感じると今でも多くの人がまずNHKをつけると思う。災害報道はやっぱりテレビだ。
以前ならばニュースとスポーツもテレビだったのだが、今やどちらもネットに負けている。特にスポーツは、ワールドカップでのABEMAの圧勝によってテレビはとどめを刺された感じだ。
ここまで追い詰められてしまったテレビが、開き直って窮鼠となり、噛みつこうとしているのがテレ東の狂気番組なのかもしれない。
狂気=凶器となってネットに襲いかかるのだ。いや、それは無理だなあ。大衆性こそテレビの最大の強みなのに、この下品で下劣なコンテンツではとしても大衆の支持は得られないからなあ。
などと考えながら今日は「これは経費で落ちません!」4巻を読む。社内不倫や経費の流用など、容赦ない内容の話ばかりだ。


2023.01.05
去年の暮れに近所の魚屋に寿司を買いに行った。いつもは1000円の寿司セットが1300円に、1200円だったのが1600円になっていた。一気に値上げである。しかも上げ幅が衝撃的。
物価高を強烈に実感した瞬間だった。
今やじわじわという感じを通り越して、ドバドバという感じで値上げが続いている。いろんなものが。
デフレなんて一つもいいことがないから、こうしたインフレ基調はありがたいことなのだが、問題はこれが所得に跳ね返ってくるまでのタイムラグをどうしのぐかだ。
相変わらず原稿料は上がらないし。いや、取引先によっては下がっているほどだ。仕事が欲しいからといってダンピングしてプレゼンすんなといつも言ってるのに。
そんなわけで今年もがっぽり稼ぐのは厳しそうだから、ぼちぼちと落ち着いて暮らせればよしとしよう。
1月も5日になって、社会は動き出したようだ。仕事のメールもぼちぼち届き始めている。
早速新しい仕事も決まったし。一方で別の仕事がキャンセルになったし。だははは。行ってこいじゃねえか。
とは言うものの、実質的にオレはまだ正月休み。今日も前日に続いて「これは経費で落ちません!」を再読だ。今日は第2巻と第3巻である。
経理の仕事を縦軸に、社内恋愛を横軸にした小説で、仕事軸については実にリアルというか、エグいというか。例えば女子社員の確執からいじめを描いた章では、そのいじめ方がさもありなんというドロドロさ。しかも、これじゃいじめられても仕方ないよなあと思わせる救いのなさだ。
あるいはダメ社員を取り上げた章では、そのダメっぷりがリアルだ。叱られるのがイヤで失敗をごまかしているうちに問題はだんだん大きくなり、いよいよどうにもならなくなったという段階で、親が入院した、交通事故に遭ったという嘘をついて会社を休んでしまうのだ。しかも30半ばにして。
確かにこういうヤツっているよなあと思わせる描写である。
主人公はハードボイルドなOLと書いたけれど、時々ぶち切れて心の中では「不細工。厚化粧」とベテラン女子社員を罵ったりして、暗黒を見せる。
仕事軸がこんなエグさであるから、その救いようのなさを和らげるためか、恋愛軸は実にほのぼのとしている。このバランスがなかなかよい。
いやあ、ずっと読んでいたい小説だなあ。
この再読のおかげで、未読のままの本が積み上がってしまっている。いや、積み上がってるというのは大げさだが。
どうせヒマなのだから、こうして好きな本を読んで過ごすのは気持ちのいいものだ。


2023.01.04
何度も絶賛している「これは経費で落ちません!」について、「この作品はハードボイルドである」というレビューを目にしたオレは、おお、まさしくこれだ、ポン! と膝を打ったのである。
そうなのだ、これはハードボイルドなのだ。中堅入浴剤メーカーの経理部で働くOLが主人公であるとはいうものの、描かれている姿はチャンドラーや原遼などか描く中年の渋い探偵たちと変わらない、まっことハードボイルドな姿なのである。
人情に流されず、自分の信念とルールにのみ従い、ルールのためならば人を傷つけることも厭わない。まさに経理部に求められるのはそんなクールでシビアな姿勢だ。主人公の森若さんの凜とした姿がそれだ。
久々に心の底から納得できるレビューを目にして興奮したオレは、その勢いでハードボイルドが読みたくなった。手軽なハードボイルドというと、日本では警察小説ということになる。探偵ではどうしても嘘くさくなるからな。
そこでオレは堂場舜一に手を出す。「検証捜査」集英社文庫だ。
ブックオフなので、110円である。ついでにブックオフには「これは経費で落ちません!」が1巻から8巻までずらりと並んでいて、どれも110円。しかも今はお年玉セールとかで20%引きだ。
そのため、ちょっと本を買いに行ってくるわと家を出たオレは、30分後には全部で792円で買った9冊の文庫本をわしづかみにして帰ってきたのである。いい買い物ができたぜ。ふふっ。
「これは経費で」は1巻から9巻までKindleで持っている。電子書籍だ。だが読み進むにつれて紙の本でも読み返したくなったのである。だから1冊110円というのは実に嬉しい値段だった。さすがだブックオフ、裏切らないぜ。ふふっ。
そんなふうにブックオフで盛り上がって一人でハードボイルドに決めていたオレだが、昔の仲間のカトー君から電話をもらって衝撃を受ける。
カトー君とはショートメールで連絡を取ることが多い。今日はたまたま電話をもらった。そこでついでに、これからはLINEで連絡を取り合おうと提案したのである。そうしたらカトー君、LINEは使っているけれど見ないという意味不明の返事。どど、どういうこと? 突っ込むと「LINEが来ても面倒だから見ないんだよ」という説明だった。
「オレは自分に関係ないことは見ないから」とカトー君はえばるのであるが、こういうじじいには、どんな薬をつければいいのだろう。面倒くさいじじいだなと罵倒してやったのだが、カトー君には屁のカッパ。「じゃあまたショートメールくれよ」と電話を切るのであった。
というわけで読んだ「検証捜査」であるが、こりゃ「懸賞」という字の方がよかったんじゃないのと思えるような内容だった。神奈川県警の不祥事を探るために警視庁の刑事が送り込まれるというワクワクするような設定である。どうせならもっと派手にバチバチとやってほしかった。リアリティを追求するためなのか、物語はなかなか進まず、こねくり回される。最後に明かされる真犯人も、小者すぎないか? もっとスカッと、巨悪を倒すようなハードボイルドがよかったなあ。
などと読書で盛り上がっていたら、百合子がまたカネを配ろうと企み始めた。正月のサプライズなのだそうである。お年玉かよ。
18歳以下に1人毎月5000円支給。所得制限は設けないらしい。これがバラマキでなくて何なんだよ。
「正月をハワイで過ごした人たちの帰国ラッシュでーす」というニュースの後に報じられていたが、冬休みに家族でハワイへ行くような家庭の子どもにも5000円くれてやるというのか。喜ばないだろ、ハワイ正月の子どもは。
一方でその5000円があればすごく助かる家庭もあるわけで、そういうことを何も考えないでただ人気取りのためだけにばらまくのだ。チャイルドファーストとか、どうせまたいい言葉を思いついたとかいうのがきっかけだろうし。
いや、まて。そもそも少子化対策は東京のやることではなくて国の仕事だろう。年間1200億円かかるのだそうだ。その金を奨学金にするとか、別の道があるだろうに。
本当にこのおばはんは、バカなカネを使うときほどイキイキしているなあ。おかげで東京都の米びつはすっからかん。オレたちはとことん不幸だ。
ちゃんとタートルネック着ろ、百合子。
そんなことで頭に血が上ったので、気持ちを静めるために「これは経費で落ちません!」の第1巻を読み返す。さっきブックオフで110円の2割引セールで買ってきたヤツだ。
このシリーズ、当初はライト文芸ということで適当に読み始めた。どうせオレンジ文庫だ。しかし巻を追うことにどんどん面白くなっていき、作者の力量もグングン上がってきたのだ。
ところが今日、第1巻を読み返してびっくり。なんと最初から抜群に面白いではないか。バイアスをかけていたんだなあ、オレは。相手によって態度を変えるのは、人間としてよくないことだと反省する。
4つの小話で構成されていて、基本的に話はみんなつながっている。驚いたのは4番目の話だ。こんなにキレのいいハードボイルドだったっけ。
厚化粧でやたらと高圧的な社長秘書が、売上の一部をセコく着服する。それをあっさり見破った経理部の森若さんがこの社長秘書と対峙。社長秘書はここぞとばかりに圧をかけてくるのだが、森若さんはことごとくそれをはね返し、ぐいぐいと追い詰めてく。オレたちはその姿に喝采を送るのだ。
そして追い詰めた挙げ句に、最後はちゃんと逃げ道を残しておく。なんというハードボイルドだ、森若さん。27歳。独身。
記憶していた以上に面白かったので、続けて残りの巻も読んでしまうことに決めた。どうせまだ正月休みだし。


2023.01.03
年賀状が減ったなあ。
と書いて、喪中だったからウチはそもそも出してネンだわと気づく。自分から欠礼しますハガキ送っといて、年賀状が来ないと嘆いているんだから救いようがないわ、オレ。
って正月からわざとボケをかましてみる。
それはそれとして、年賀状が減っているのは事実。紙資源の無駄ということで、会社も年賀状をやめ始めている。同じ理由でカレンダーも廃止するところが増えているそうだ。
年賀状はともかくカレンダーは楽しいから続けてほしいものだが。
企業の年賀状は、オレも廃止してもいいかと思っているが、個人間の年賀状はやっぱり残ってほしい。何年も会っていない古い友人と年に一度、互いの近況を確かめ合う機会なんだし。
仕事関係では、この年になると一緒に働いてきた仲間や客がどんどん引退してしていく。引退後もしばらく年に一度の近況報告をしていた相手から、賀状じまいの一文が添えてあるのを目にすると、もうこれで縁が切れるのだろうかという気持ちになってしまう。
ならばLINEでもと思うわけだが、用もないのに突然LINEに誘うのもどうなのよと。
なるほど、人はこうして年齢とともに他人との縁がどんどん薄れていくのか。などと侘びさび日記みたいなトーンになってきた。
娘はそれなりに友人に年賀状を出しているが、息子となるとここ数年、はなっから年賀状なんて一枚も書いていない。きっと友達もそうなんだろう。この世代がぼちぼち社会に出始めているから、これから一気に年賀状のない正月が進むのだろう。
しばらくすると、今のレコードみたいに「正月に紙のメッセージが届くなんてエモいぜ!」なんて逆に喜ばれちゃったりして。昭和は遠くになりにけりだ。
そんなことはともかくとして、正月3日の今日は、「家ついていってイイですか」の4時間スペシャルである。よ、4時間かよっ。
この番組、画期的に面白いのだが、深夜枠から日曜夜8時という王道のゴールデンに引っ越してから、途端につまらなくなった。以前はギリギリを攻めるエッヂの効いたところがあったのにファミリーでの視聴を意識するようになったためか、ほのぼの路線のちょっとイイ話ばかりになってしまったのである。途端につまらなくなった。
今夜は4時間スペシャルといいうことで11本か12本のネタをぶち込んでくるだろう。面白いのはせいぜい1本か2本というところか。
それで4時間も付き合うのはつらいなあ。
というわけで、休み休み眺めながら、あとでParaviで見返すことにする。つまらないネタは飛ばせばいいからな。もっともこの番組、つまらなそうに思えるネタが実は意外とイイ味を出していることもあったりするので、油断ならないのだが。
例えばオレが好きなのは、妻の淹れたアイスコーヒーが世界一美味いといばる九州男児のおじさん(実はこっそりネスカフェを飲まされている)で、息子はマーガリンを大量に買い込んで朝からマーガリンたっぷりのトーストを食べている偏愛おじさんのネタが好きだ。最近では深夜の商店街で号泣しているサラリーマンに家まで着いていってワケを問うたら、ジャンケンに負けておごらされたことが理由だったというネタがよかった。
そんなしょうもなくバカバカしいネタを、後でParaviで早送りして見つければいい。
というわけで代わりに見つけたのがこれ、TBSが深夜枠でこっそり始めた「ロケバナシGP」だ。
いわゆる街ブラの番組なんだけれど、行き先がディープ。初回の今回はなんと大坂の西成と東京の蒲田である。 どちらもディープではあるが、その深さでは圧倒的に西成だ。
こんなところ、テレビカメラが入って平気なのかよという場所でおそるおそる街ブラが進む。愛隣地区にも堂々とカメラと照明、音声を立ててロケチームは入っていく。
道端で労働者が寝転び、屋台は昼間っから酔っ払いであふれ、道の両脇にはブルーシートが広がる、おお、これぞまさしく噂に聞く西成。オレも初めて見た。
途中、ロケチームは昼間っからぶらぶらしている労働者なんかに囲まれてしまって「一回カメラ切りましょう」という声とともに画面が暗転する。おお、なんという緊張感だ。
こんなしびれる街ブラで、素晴らしいのはロケの一行に女優というかモデルというか、要するに若いお姉ちゃんタレントが混じっていることである。
このお姉ちゃんが途中のゲテモノ屋でトカゲの唐揚げを食べさせられたり、浮浪者に囲まれたりする。もちろんマネージャーが同行しているのだが、姉ちゃんは舐められてたまるかとばかりに突き進むものの、次第に顔面は蒼白となり遂には「もう二度と来たくない」とぶち切れるのである。
西成の強烈なおばはんに「ちん×切るぞと言え」と煽られて、お姉ちゃんは「アタシにもブランディングというものがあるんだあ!」と絶叫するシーンは素晴らしい。
いやあ、実に攻めた番組で、こういうのを楽しみにしていたのだ。
もっとも後半は蒲田のスナック街で酔っ払いながら飛び込みロケを行うというもので、これは実につまらなかった。普通のイイ話紹介に終わってしまった。
つまりはこの番組が素晴らしいというよりも、西成という街の磁力が素晴らしすぎたということになる。
となるとどこで街ブラするかが勝負だ。東京だと足立区の梅島が真っ先に浮かぶ。あるいは歌舞伎町のぼったくりスナックとか、池袋のチャイニーズ系の店とか。さすがにそこまでは命がけすぎて無理か。
いずれにせよ、テレ東系の香りがプンプンするワクワクの街ブラ番組だ。これはまだ続くのだろうか。スペシャルで終わらせてはほしくないものである。
ところでこの番組で女優というかタレントのお姉ちゃんが「アタシにもブランディングというものが」と絶叫したと書いたけれど、実はこれはけっこう皮肉の効いた叫びである。というのも、この街ブラ自体、西成という土地のブランディングそのものであるからだ。
わかりやすく書くと、レッテル貼りである。
西成と聞くと、労働者の暴動の街、浮浪者の流れ着く先、危険な街というイメージだ。そうしたマイナスのイメージを覆そうと行政は必死で取り組んでいるだろうが、一度ついてしまったイメージはなかなかはがせない。
実際我が家でもこの番組を見ながら「人生を間違うとこの街に行き着くんだぞ」と子供たちに説き、また、近年はこの街に泊まる外国人が増えているという紹介に対しては「そりゃあアルゼンチンやブラジルあたりで暮らしている人たちにすれば銃がないだけよっぽど安心」と笑った。
この番組は西成に対する“そういう見方”を助長し、定着させる、つまりブランディングしていることになる。こういうマイナスのブランディングはあんまりいいことじゃないなあとは思うのだ。
番組を見ながら指さして笑っていながら偉そうにどの口が、とは自省するが。
これを拡大して考えれば街ブラ番組そのものがブランディングに乗っかったものともいえる。ひょっとしてそんなブランディングに対してイヤミを効かせようというのがこの番組の裏テーマじゃないのかなどと深読みしてみるが、いやいや、そんなわけはない、きっと。


2023.01.02
ガチのマジで寝正月である。昼間っから酒を飲まないだけ偉いが、基本的にはまったく何もしていない。元日だけは昼飯にビールを飲んだけれど。
初詣にも行ってない。代わりにお墓参りには行ったが。
買い物に行こうかと思ったらサミットが3日まで休みだというので腰を抜かした。今はそうでもしないと人手が集まらないのだろう。と思ったら西友なんかは元日から営業していたので、単にやる気の問題だったか。
そんなわけで何もすることがないから、テレビ三昧である。
元日からテレビはお笑いとドラマの再放送で埋め尽くされている。もはや地上波はオワコンだなあ。
2日に箱根駅伝が始まると、どうせみんな駅伝しか見ないと決めつけて、ドラマの全話一挙再放送になってしまう。
そんな中、まずはTVerで紅白の裏でやっていたお笑い対決を見る。テレビでは7時間の生放送だったらしい。
そんなものとても見ていられないから、TVerで面白いところだけを見ればちょうどよい。
というわけで、どぶろっくだ。
何しろ「紅白の裏側でとんでもないことが起きていた」と話題になったほどである。どうせ誰も見ていないだろうと思って暴れたらしい。
ということは、あの「イチモツ音頭」をやったのかと驚く。地上波で。
見てみたら、本当に「イチモツ音頭」をやっていたので仰天する。「イチモツ音頭」とは何か。とてもここには書けない下品な歌である。
番組では大川栄策や松崎しげるを加えて、一緒に「イチモツ音頭」を歌って踊っている。しかも、なんということだ、歌詞がテロップになっているではないか。うひゃあ、紅白の裏の地上波でなんという不始末を。噂は本当だった。
続けて一発芸を競い合う「蔵王」を見る。バカバカしい。バカバカしすぎてバカ笑いする。
さらに千鳥の番組で芸能人の親子を当てるというどうでもいいクイズを見ていたら、息子が突然「えっ」と吠えて固まった。どうした、息子よ?
息子は「これ、××先生じゃね?」と絶句。気づいたヨメも「わあ、××先生だ」と絶叫する。
なんと息子の中学1年から中学3年までの担任の先生が、芸人の母親という設定で千鳥のテレビに出演していたのである。なななな、なぜ息子の担任がテレビに?
この先生、移動教室の観光バスに乗り込む際、平坦な駐車場でなぜかしら転んで顔面から地面に激突し、バスの出発を2時間遅らせたというエピソードを持っている変わり者である。
いや、そんなことはどうでもいい。実は「ぱなしはダメって話ですー」というコマーシャルに出ていた××エリーの母親なのである。ということは柳楽××の義理の母親でもあるのである。
一介の都立中学の教師の子が××エリーに柳楽××なのである。当時は別にそれを隠してもいなかった。だからたぶんその縁で今回も正月番組に出演しているのだろうが、公立高校の教師が芸能活動なんてできるわけがないから、たぶん教師は辞めたんじゃないかなというのがヨメの見立てである。
それにしても自分の担任だった先生が正月のお笑い番組に出演していたというのはなかなかのインパクトで、1月2日時点で今年一番の衝撃ニュースに決定したのである。
そんなことで盛り上がっている、実に平和な正月なのだった。
「そのマンション、終の住処でいいですか?」原田ひ香・新潮文庫。あの有名な中銀マンションをモデルにした小説。有名なデザイナーズマンションに暮らすことから始まるドタバタを描いている。
とんでもない欠陥マンションを巡るドタバタ劇が展開されるのだが、最後にはけっこうシビアなオチがやってくる。建築というものについての不条理が描かれ、なるほどそういうことかという、ちょっとした後味の悪さもある。
そうなのだ。だいぶわかってきたけれどこの作家、ちょっとすっきりしない終わり方というのが持ち味なのだ。テーマは建築とお金が多い。この分野の知識が豊富なんだろうなあ。


2023.01.01
いやあ、史上最低の紅白でしたなあ。番組表を見た瞬間、郷ひろみ以外には見たいものがないと思いましたわ。 なのに終わってからネットを見たら、素晴らしい紅白だ、史上最高だという絶賛の声ばかり。もしかしたら私の感覚がズレているのでしょうか。
絶賛の声をよく見てみると、司会の橋本環奈が一番よかったという意見が目立ちます。なるほど、ハシカンですか。カンナなら可愛いけれど、ハシカンになると一気におっさんくさくなりますな。ハシリュウは橋本龍太郎。するとハシカンは橋本勘太郎か。誰だよ、それ。
確かに司会は重要。オレなんか大泉洋という時点で見る気をなくしたもん。
大泉洋は前もそうだったけれど、MCが下手すぎる。ただうるさいだけだ。自分が目立とうとする。緊張しているのかもしれないが、とにかく何とかしなければという気持ちばかりが鼻について、それが鬱陶しい。
だいたい大泉洋なんて「水曜どうでしょう」以外はまったく評価できないのだ。
いかん、つい熱くなってしまいました。嫌いなものに出くわすと熱くなってしまうのはオレの悪いクセ。
嫌いといえば、あれですあれ。桑田某。まーたしゃしゃり出やがって、なーにが同級生バンドだ。オレはだいたい「おっさんバンド」というのが気に食わない。オッサンであることと音楽には何の関係もないのに、おっさんであることを賢しらに強調することで、照れ隠しか、受け狙いか知らないが、何かを糊塗しようとしているのが気に食わん。
オレたちおっさんなんだから多少のことは大目に見てくれよ、でも昔はギター小僧だったんだぜ、オレたち。 そんな臭いがプンプンするのがたまらん。
というわけで桑田某の同級生バンドだ。チャーもこんなに付き合うとは、焼きが回ったぜ。
いかんいかん、桑田某が嫌いすぎてまた熱くなってしまいました。
ともかく年々クソつまらなくなった紅白歌合戦。今年はつまらなさの極北。オレは郷ひろみが終わったらとっとと切り上げてYouTubeばかり見てましたわ。
年が明けて、今年はウルトラマンDASHがないというので、芸能人格付を見ました。
実はこの番組にストラディヴァリウスをいつも貸し出している楽器屋がありますが、その社長に直接話を聞いたことがあります。その社長は「この番組だけはガチでした」と話してくれました。
きっとこんなのはヤラセに決まっている。仕込みに違いない。
それが大方の見方であるけれど、その社長しはガチだと教えてくれました。
10億円もの楽器を貸し出すのだから当然社長もその収録には立ち会って、一瞬も目を離さないわけです。警備員もついている。そんな密着ぶりの中でガチである感じたことですから、むきっとそれは本当なのでしょう。
いやいや、そもそもそれほどの名器を預かっている世界的な会社なのです。ヤラセをやるような番組に協力すれば、自らの名声にキズがつくのは自明のこと。従って協力を依頼された際にくどいほどヤラセではないと確認しているはずです。もしやらせ番組に協力するような楽器屋であると知れたら、世界的な評価はがた落ち。そんな楽器屋の扱う楽器など、偽物をごまかしているに違いないという目で見られてしまうでしょう。
そんなわけでこの楽器屋が協力しているという事実そのものが、格付番組がヤラセではないという証拠だと思うのです。しかも一度きりでなく、何度も協力している。
だからGACKTが71連勝というのも、ヤラセではないと私は思うのです。
「今回はワインと牛肉とお寿司に関した問題が出ますよ」ぐらいのヒントは与えているかもしれませんが。
芸能人のリアクションを見ても、これはガチだろうなあという雰囲気があります。今時の視聴者はフェイクなんて簡単に見破ります。ひょっとしてこれはガチなんじゃないかという感じさせるものがあるから、この番組も人気なのでしょう。
ああ、今年も面白かったなあ。
というわけで今年もよろしくお願いします。いい1年にしたいと思います。